『魔界戦記ディスガイア6』プレイレビュー。遊びやすさを追求した新たな『ディスガイア』がココにある!
- 文
- アツゴロウ
- 公開日時
1月28日に日本一ソフトウェアから発売されるPS4/Nintendo Switch用ソフト『魔界戦記ディスガイア6』のレビューをお届けします。
本作はキャラクター育成をトコトン楽しめるシステムや、なんでもありの多彩な戦術を駆使して戦うバトルなどで人気のシミュレーションRPG『魔界戦記ディスガイア』シリーズ最新作。前作『魔界戦記ディスガイア5』からじつに6年越しの発売という、ファンにとっては待望の作品といえます。
ナンバリング作品といっても、『ディスガイア』シリーズは1作ごとに登場キャラクターもストーリーもほぼ一新されるため、本作が初の『ディスガイア』という人でも問題なく入っていけます。
それどころか『ディスガイア6』では、ゲームを遊びやすくするためのさまざまなブラッシュアップがなされており、シリーズの経験者初心者問わず楽しめる内容に進化。今回のレビューでは、そういった要素を含めた本作の魅力について触れていきたいと思います。
より手軽に高みを目指せる新機軸のキャラクター育成システム
『ディスガイア6』のどこが遊びやすくなったのか? まずは育成システムについて語っていきましょう。一番大きいのは、キャラクターのレベルを均等に上げやすくなったことです。これまでの『ディスガイア』では、レベルアップに必要なEXP(経験値)は基本的に敵を倒した者にしか入りませんでしたが、本作ではステージクリア時に出撃していたキャラクター全員にも大量のEXPが入るように! そのため、多くのキャラクターをまとめて育てることが可能になったわけです。
『ディスガイア』シリーズでは少数の精鋭を鍛えていくのが効率よく戦うためのセオリーだったので、これだけまとめてキャラクターを育てられるのはうれしいもの。主力級のキャラクターを大量に用意できて、戦術の幅も広がるというものです。
また、キャラクターをより強く育てるための転生が“超転生”にパワーアップ。レベルを1にリセットして鍛え直したり、各ステータスの素質(素質を高めるほどレベルアップ時のステータス上昇の幅が増大)を上げられるのに加えて、“移動力”や“投げ距離”といった、レベルアップで上げられない項目も強化できるようになりました。
“移動力”などの強化は、前作までは“キャラ界”という特殊ステージをクリアすることで行えましたが、1キャラごとのキャラ界に挑むのは結構手間だったんですよね。これらを“超転生”でまとめて行えるようになったのは非常に助かります。“超転生”の際は、キャラクターの特殊能力である“魔ビリティー”もランダムで習得でき、ホントいいこと尽くめです!
“魔ビリティー”といえば、これを手軽に習得できる“秘伝書”がラクに入手できるようになったのも大助かり。習得済みの“魔ビリティー”なら、スキル屋でマナを消費することで対応する“秘伝書”を作成して、ほかのキャラクターにすぐ覚えさせられます。
拠点施設の新規要素が育成を加速させる
キャラクター育成がやりやすくなったのは、拠点施設の改善も理由の1つです。たとえばすぐ上で取り挙げているスキル屋では“秘伝書”の作成ができるようになりましたが、そのほかにもキャラクターの特殊攻撃である“特殊技”の熟練度上げが可能に! “特殊技”はスキル屋で威力を上げると使用時の消費SPも大幅に上がってしまうのですが、熟練度を上げることである程度軽減できます。
また、装備などのアイテム強化に欠かせないアイテム界屋も大幅に改善。アイテムごとのランダムダンジョンに潜ってアイテムを強化できるのはこれまで通りですが、非常に有用な“イノセント交換”までできるようになりました。
“イノセント交換”ではアイテムポイントを使って、好きなイノセントを獲得できます。これまでイノセントはアイテムにランダムで配置されるもので、欲しいものを見つけるだけでひと苦労だったのですが、まさか交換で手に入るようになるとは思いもしませんでしたよ!
アイテムポイントも、アイテムやイノセントと交換することで簡単に入手可能。不要なアイテムやイノセントを対価に、育成やバトルに役立つイノセントを狙って集められるというのは、自分を含めた効率重視のユーザーには非常にうれしいものです。今後の『ディスガイア』シリーズでも、絶対に残してほしい要素ですね。
アイテム界の探索は最強キャラクターの育成には避けて通れない道ですが、唯一の欠点は探索に時間がかかること。ですが、それを軽減できる新施設も用意されています。それがアイテム界調査団です。
アイテム界調査団は複数のキャラクターをアイテム界に送り込み、自動で探索してもらうというもの。探索は本編ステージなどをプレイしている間に進行し、帰還時にアイテムやイノセントを見つけてきてくれるのです。
この施設のすごいところは、本来そのアイテムに配置されていないイノセントも発見して連れ帰ってくれる点。アイテム界屋の“イノセント交換”と合わせて、イノセントの収集の難易度はかなり下がったといえるでしょう。
新施設といえば、ドリンクバーも育成には欠かせません。こちらではステージクリアなどで得られる経験値、マナ、ステータスのエキスなどをドリンクにして飲むことができます。
キャラクターを強くするにはレベルアップや装備アイテムの強化も重要ですが、最終的にはエキスを飲んでステータスの底上げを図るのが効果的です。前作ではかなり複雑な手順を踏まないと入手できなかったエキスですが、本作ではアイテム界探索などで比較的ラクに入手できるように! こういった部分も、育成効率の向上に大きく貢献しています。
『ディスガイア』らしさあふれるバトルは自動も手動も楽しめる!
バトルも自動戦闘&周回機能が搭載されたことで、以前とは比べものにならないほど遊びやすくなりました。何せこれらを起動すれば、放っておいてもキャラクターが勝手に戦い、EXPやマナをどんどん稼いでくれるのですから。
キャラクターの行動は“魔心エディット”でカスタマイズできますが、初期設定のままでもキャラクターの特殊技の効果範囲を自動で避けつつ移動&攻撃をしてくれたりと、効率よく立ち回ってくれます。
また、バトルでHPなどが減っても、自動周回中は1周ごとにすべて自動回復。戦力低下を気にせず周回プレイに集中できるのです。
自動戦闘は本編ステージ攻略時も有用。自軍が敵よりも強い場合、平地が多いなどの単純なステージなら、自動戦闘でサクッとクリアできます。当然、高低差が激しかったり、敵が有利になるジオエフェクト(地形効果)が発動しているステージもありますが、そういったときには手動で対応すればいいだけですし、自動戦闘が有用なことに変わりはないでしょう。
“魔心エディット”については、練武の次元などの獲得EXPが多く、周回プレイに適しているステージ用に行うのがオススメです。ちなみに“魔心エディット”で設定できる命令は、暗黒議会の議題を可決することで新たなものがオープン! アイテム界探索に役立つ命令もあるので、カスタマイズのしがいがありますよ。
バトルシステムで最も大きな変化は、味方と一緒に敵を狙う連携攻撃の強化ですね。これまでは攻撃するキャラクターの周囲1マスにいる味方としか連携できませんでしたが、本作ではこの範囲が2マスに拡大され、連携攻撃を発動しやすくなりました。あまり細かく考えず、味方を密集させつつ戦っていればそこかしこで勝手に連携してくれるので、非常にお手軽です。
さらに本作では、通常攻撃でしか発動しなかった連携攻撃を、特殊技で発動させることができます。同じ敵を連続で攻撃すると威力が上がるコンボもあり、連携攻撃でより大きなダメージを与えることが可能に! 格上の強敵を倒すときや最大ダメージに挑戦するときは、連携攻撃がカギとなることは間違いないでしょう。
さて、これまで語ってきたように『ディスガイア6』はキャラクター育成やバトルの手間が極力省かれています。ですがこれは、シリーズを重ねることでやや複雑化していたシステムを簡略化した大英断であると自分は感じました。
事実、キャラクター育成がしやすくなったといっても、レベルやステータスの最大値の引き上げにより育成のさらなる高みを目指すことはできます。バトルについても、実際にプレイしてみればすべてのステージを自動戦闘で乗り切るのは厳しいとわかるはず。むしろ、高難度のステージを“魔心エディット”でカスタマイズした自動戦闘でクリアする、なんて新しい遊び方もできそうです。
シリーズファンの人は安心してプレイできるクオリティですし、初心者の人にも遊びやすくなった『ディスガイア』をプレイしてみるまたとない機会だと思うので、興味がわいたらぜひプレイしてみてください。
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