『魔界戦記ディスガイア6』プレイレビュー。遊びやすさを追求した新たな『ディスガイア』がココにある!

アツゴロウ
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 1月28日に日本一ソフトウェアから発売されるPS4/Nintendo Switch用ソフト『魔界戦記ディスガイア6』のレビューをお届けします。

 本作はキャラクター育成をトコトン楽しめるシステムや、なんでもありの多彩な戦術を駆使して戦うバトルなどで人気のシミュレーションRPG『魔界戦記ディスガイア』シリーズ最新作。前作『魔界戦記ディスガイア5』からじつに6年越しの発売という、ファンにとっては待望の作品といえます。

  • ▲本作では強さのインフレが加速しており、各種ステータスは万を超えるのが当たり前。レベルも条件を満たせば最大9999万9999まで上げられます。万どころか億越えのダメージをたたき出すことも難しくありません!
  • ▲キャラクターのグラフィックやバトル中の演出もフル3Dに移行。キャラクターデザイン・原田たけひと氏のテイストが3Dでもバッチリ表現されており、見ごたえ十分です。

 ナンバリング作品といっても、『ディスガイア』シリーズは1作ごとに登場キャラクターもストーリーもほぼ一新されるため、本作が初の『ディスガイア』という人でも問題なく入っていけます。

  • ▲物語はさまざまな世界を壊して回る“破壊神”の打倒を目指すゾンビ少年・ゼットを中心に展開。さらなる強さを求めて“超転生”を繰り返すゼットと仲間たちが織り成す、ときにコミカル、ときにシリアスな熱いストーリーも見どころです。

 それどころか『ディスガイア6』では、ゲームを遊びやすくするためのさまざまなブラッシュアップがなされており、シリーズの経験者初心者問わず楽しめる内容に進化。今回のレビューでは、そういった要素を含めた本作の魅力について触れていきたいと思います。

より手軽に高みを目指せる新機軸のキャラクター育成システム

 『ディスガイア6』のどこが遊びやすくなったのか? まずは育成システムについて語っていきましょう。一番大きいのは、キャラクターのレベルを均等に上げやすくなったことです。これまでの『ディスガイア』では、レベルアップに必要なEXP(経験値)は基本的に敵を倒した者にしか入りませんでしたが、本作ではステージクリア時に出撃していたキャラクター全員にも大量のEXPが入るように! そのため、多くのキャラクターをまとめて育てることが可能になったわけです。

  • ▲これまでも獲得EXPを他者に分け与えて育てる方法はいくつかありましたが、本作のように出撃者全員に入るようになった量に比べれば微々たるもの。EXPと一緒に、さまざまな場面で必要となるマナも手に入ります。さらに、バトル中に活躍してMVPに選ばれたキャラクターは、より多くの経験値を得ることまで可能!

 『ディスガイア』シリーズでは少数の精鋭を鍛えていくのが効率よく戦うためのセオリーだったので、これだけまとめてキャラクターを育てられるのはうれしいもの。主力級のキャラクターを大量に用意できて、戦術の幅も広がるというものです。

 また、キャラクターをより強く育てるための転生が“超転生”にパワーアップ。レベルを1にリセットして鍛え直したり、各ステータスの素質(素質を高めるほどレベルアップ時のステータス上昇の幅が増大)を上げられるのに加えて、“移動力”や“投げ距離”といった、レベルアップで上げられない項目も強化できるようになりました。

 “移動力”などの強化は、前作までは“キャラ界”という特殊ステージをクリアすることで行えましたが、1キャラごとのキャラ界に挑むのは結構手間だったんですよね。これらを“超転生”でまとめて行えるようになったのは非常に助かります。“超転生”の際は、キャラクターの特殊能力である“魔ビリティー”もランダムで習得でき、ホントいいこと尽くめです!

  • ▲素養などの上昇は“カルマ”という専用のポイントを使って行います。“カルマ”の量は“超転生”を行う際のレベルに応じて増えるほか、“悪行指南”と呼ばれるキャラクターごとのミッションのようなものを達成することでも獲得可能。“カルマ”が十分あるなら、レベルをそれほど上げなくても“超転生”しちゃってOKです。

 “魔ビリティー”といえば、これを手軽に習得できる“秘伝書”がラクに入手できるようになったのも大助かり。習得済みの“魔ビリティー”なら、スキル屋でマナを消費することで対応する“秘伝書”を作成して、ほかのキャラクターにすぐ覚えさせられます。

  • ▲“秘伝書”自体は『ディスガイア5』にもありましたが、入手条件はやや厳しめでした。本作ではマナさえあれば即入手可能。なかにはキャラクターの成長率を上げる“魔ビリティー”もあり、育成で重宝します。

拠点施設の新規要素が育成を加速させる

 キャラクター育成がやりやすくなったのは、拠点施設の改善も理由の1つです。たとえばすぐ上で取り挙げているスキル屋では“秘伝書”の作成ができるようになりましたが、そのほかにもキャラクターの特殊攻撃である“特殊技”の熟練度上げが可能に! “特殊技”はスキル屋で威力を上げると使用時の消費SPも大幅に上がってしまうのですが、熟練度を上げることである程度軽減できます。

  • ▲“特殊技”の威力を強化し過ぎると、消費SPは数百万単位どころかそれ以上に! “熟練度強化”を行うか“威力弱化”で強化段階を戻せば、消費SPが軽減されて特殊技を使いやすくできます。

 また、装備などのアイテム強化に欠かせないアイテム界屋も大幅に改善。アイテムごとのランダムダンジョンに潜ってアイテムを強化できるのはこれまで通りですが、非常に有用な“イノセント交換”までできるようになりました。

  • ▲イノセントとは、アイテム界に住む住人のこと。ATKが上がる“ATK屋”など、名前に応じた効果をアイテムに付与できるため、これを集めることが装備の強化、引いてはキャラクターの強化にもつながります。

 “イノセント交換”ではアイテムポイントを使って、好きなイノセントを獲得できます。これまでイノセントはアイテムにランダムで配置されるもので、欲しいものを見つけるだけでひと苦労だったのですが、まさか交換で手に入るようになるとは思いもしませんでしたよ! 

  • ▲交換に必要なポイント数はイノセントごとに異なります。獲得EXPを増やす“EXP増加屋”などの有用なものは必要ポイントも多め。

 アイテムポイントも、アイテムやイノセントと交換することで簡単に入手可能。不要なアイテムやイノセントを対価に、育成やバトルに役立つイノセントを狙って集められるというのは、自分を含めた効率重視のユーザーには非常にうれしいものです。今後の『ディスガイア』シリーズでも、絶対に残してほしい要素ですね。

  • ▲レアリティの高いアイテムは交換ポイントが多め。ランクの低いアイテムでも、意外なほどの高ポイントで交換できることもありました。

 アイテム界の探索は最強キャラクターの育成には避けて通れない道ですが、唯一の欠点は探索に時間がかかること。ですが、それを軽減できる新施設も用意されています。それがアイテム界調査団です。

 アイテム界調査団は複数のキャラクターをアイテム界に送り込み、自動で探索してもらうというもの。探索は本編ステージなどをプレイしている間に進行し、帰還時にアイテムやイノセントを見つけてきてくれるのです。

  • ▲探索状況は途中で確認可能。派遣メンバーより強い敵がいる場合は、探索もなかなか進まないので途中帰還させるのもありです。

 この施設のすごいところは、本来そのアイテムに配置されていないイノセントも発見して連れ帰ってくれる点。アイテム界屋の“イノセント交換”と合わせて、イノセントの収集の難易度はかなり下がったといえるでしょう。

  • ▲調査団派遣時には、調査目的を設定することも可能。項目はアイテム強化やイノセント集めなどの4つがあります。まんべんなく設定するより、少数に絞るほうが効率アップ!

 新施設といえば、ドリンクバーも育成には欠かせません。こちらではステージクリアなどで得られる経験値、マナ、ステータスのエキスなどをドリンクにして飲むことができます。

  • ▲ドリンクを飲む際は、その性能に応じたヘル(お金)が必要。ちなみにEXPは、ウェポンマスタリーやクラス熟練度の上昇、キャラクターにさまざまな恩恵をもたらす部隊のレベルアップにも利用できます。

 キャラクターを強くするにはレベルアップや装備アイテムの強化も重要ですが、最終的にはエキスを飲んでステータスの底上げを図るのが効果的です。前作ではかなり複雑な手順を踏まないと入手できなかったエキスですが、本作ではアイテム界探索などで比較的ラクに入手できるように! こういった部分も、育成効率の向上に大きく貢献しています。

『ディスガイア』らしさあふれるバトルは自動も手動も楽しめる!

 バトルも自動戦闘&周回機能が搭載されたことで、以前とは比べものにならないほど遊びやすくなりました。何せこれらを起動すれば、放っておいてもキャラクターが勝手に戦い、EXPやマナをどんどん稼いでくれるのですから。

  • ▲事前に設定した思考ルーチンに従って味方が行動し、敵をせん滅していきます。キャラクターの移動速度や演出の速度を速める設定にしておけば、より素早くクリアできてなおよし!

 キャラクターの行動は“魔心エディット”でカスタマイズできますが、初期設定のままでもキャラクターの特殊技の効果範囲を自動で避けつつ移動&攻撃をしてくれたりと、効率よく立ち回ってくれます。

 また、バトルでHPなどが減っても、自動周回中は1周ごとにすべて自動回復。戦力低下を気にせず周回プレイに集中できるのです。

  • ▲周回プレイ中やバトル後に拠点に戻ると、HPや戦闘不能が全回復。拠点の回復施設である魔界病院では、回復量に応じた景品を受け取るだけになります。ただしアイテム界の階層クリアでは自動回復せず、途中に出現する魔界病院でヘルを払うことで回復できます。

 自動戦闘は本編ステージ攻略時も有用。自軍が敵よりも強い場合、平地が多いなどの単純なステージなら、自動戦闘でサクッとクリアできます。当然、高低差が激しかったり、敵が有利になるジオエフェクト(地形効果)が発動しているステージもありますが、そういったときには手動で対応すればいいだけですし、自動戦闘が有用なことに変わりはないでしょう。

 “魔心エディット”については、練武の次元などの獲得EXPが多く、周回プレイに適しているステージ用に行うのがオススメです。ちなみに“魔心エディット”で設定できる命令は、暗黒議会の議題を可決することで新たなものがオープン! アイテム界探索に役立つ命令もあるので、カスタマイズのしがいがありますよ。

  • ▲近くにイノセントがいるなら撃破優先、スキップゲートがあるなら入って次の階層へ進むといった思考ルーチンを組むことが可能。ジオエフェクトで無敵状態になっている敵を避けたりできる命令まであります。

 バトルシステムで最も大きな変化は、味方と一緒に敵を狙う連携攻撃の強化ですね。これまでは攻撃するキャラクターの周囲1マスにいる味方としか連携できませんでしたが、本作ではこの範囲が2マスに拡大され、連携攻撃を発動しやすくなりました。あまり細かく考えず、味方を密集させつつ戦っていればそこかしこで勝手に連携してくれるので、非常にお手軽です。

  • ▲参加人数が多いほど威力が上がる連携攻撃。本作では最大10人で発動可能になりました。

 さらに本作では、通常攻撃でしか発動しなかった連携攻撃を、特殊技で発動させることができます。同じ敵を連続で攻撃すると威力が上がるコンボもあり、連携攻撃でより大きなダメージを与えることが可能に! 格上の強敵を倒すときや最大ダメージに挑戦するときは、連携攻撃がカギとなることは間違いないでしょう。

 さて、これまで語ってきたように『ディスガイア6』はキャラクター育成やバトルの手間が極力省かれています。ですがこれは、シリーズを重ねることでやや複雑化していたシステムを簡略化した大英断であると自分は感じました。

 事実、キャラクター育成がしやすくなったといっても、レベルやステータスの最大値の引き上げにより育成のさらなる高みを目指すことはできます。バトルについても、実際にプレイしてみればすべてのステージを自動戦闘で乗り切るのは厳しいとわかるはず。むしろ、高難度のステージを“魔心エディット”でカスタマイズした自動戦闘でクリアする、なんて新しい遊び方もできそうです。

 シリーズファンの人は安心してプレイできるクオリティですし、初心者の人にも遊びやすくなった『ディスガイア』をプレイしてみるまたとない機会だと思うので、興味がわいたらぜひプレイしてみてください。

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