【レビュー】『リゼロ 偽りの王選候補』はファンが楽しめる大安定作。レムの出番も多め【ファミ通.com】

リプ斉トン
公開日時

こちらの記事はファミ通.comで1月27日に掲載された記事の転載になります。

 2021年1月28日発売の『Re:ゼロから始める異世界生活 偽りの王選候補』は、原作小説・アニメが絶大な人気を誇る『Re:ゼロから始める異世界生活』を題材とした新作アドベンチャーゲーム。

 プレイヤーは主人公のナツキ・スバルとなって、原作同様にさまざまな困難に挑んでいくことになります。

 本稿では、本作をプレイしたライターによるレビューを掲載。遊びごたえやシナリオなど、さまざまな部分の魅力を語ります。

 もちろん、ネタバレは一切ないので、これからプレイしようと思っている人も、安心してご覧あれ。

これぞまさに『リゼロ』!

 皆さんこんにちは、『Re:ゼロから始める異世界生活』(以下、『リゼロ』)の中ではベアトリス推しなライター、リプ斉トンです。

 本作はテレビアニメも絶賛放送中の『リゼロ』のゲーム版ということで、非常に楽しみにしていました。今回は、エンディングまでプレイしたうえでの感想をお届けします。

 『リゼロ』といえば、無知無能にして無力無謀と、四拍子欠けた主人公、ナツキ・スバルが"死に戻り”をくり返しながら自身の運命と戦っていくという作品。現在、小説ジャンルで大人気の“異世界もの”ですが、スバルはいわゆる“チート的な戦闘力”は持たず、平々凡々とした人間です。

 ただし唯一、死ぬとそれまでの記憶を残したまま過去へと時間を巻き戻す“死に戻り”の能力を得ていた……というのが、原作小説やテレビアニメで描かれている物語の導入部分になります。

 スバルは意気揚々と異世界での生活を楽しもうとしていましたが、そこに待っていたのは過酷な運命の数々。その運命に翻弄されつつ、何度も死に戻りをくり返しながら、ハッピーエンドへとたどり着くために七難八苦の大立ち回りを行います。

 スバル自身や親しい人の突然の死。スバルひとりでは立ち向かえない強大な敵。数々の困難を前に、スバルは幾度も“死”をくり返していきます。

 死ぬときは痛く苦しく、怖い思いが待っている。それでもスバルは諦めずに立ち上がり、最終的には自分の運命を捻じ曲げていく。

 かわいらしいキャラクターが多数登場するグラフィック面からは想像もつかないほどにハードな内容なのが特徴です。

 まだ原作を観たことがない人は、ぜひ原作小説やアニメをご覧ください。いろいろなリンクを以下に貼っておきます(ダイレクトマーケティング)。

 現在(2021年1月28日)は、TVアニメの2nd season後半クールが放送中です。こちらもぜひチェック!

 さて、『リゼロ』全体の魅力を語ることはできるのですが日が暮れてしまうのでここまでにするとして……、そう、『Re:ゼロから始める異世界生活 偽りの王選候補』のお話です!

 本作は、原作者である長月達平氏完全監修のオリジナルシナリオが展開する作品となっています。さらに、小説版のイラストを手掛ける大塚真一郎氏デザインの新キャラクターも登場。まだ誰も観たことのない、まったく新しい『リゼロ』が用意されているのです。

 これだけでも、原作ファンならプレイせずにはいられないはず!

 お話は、スバルが異世界に召喚されてから約1ヵ月が経過したころからスタート。原作だと、アーラム村の魔獣騒動が終息したあたりから始まります。

 この後、原作ではルグニカ王国の次期国王を選出する“王選”が始まり、そしてスバルとエミリアは離れ離れに……という展開を迎えます。

 王選の候補者は、エミリアを加えて本来は5人。ですが、本作では新キャラクターのメルティが加わり、なんと候補者が6人となってしまうのです。


 誰も予想をしていなかった事態のため、候補者のもとには王選を延期するという知らせが届きます。

 まっさきに偽物としての疑いを持たれるエミリア。スバルはエミリアのため、偽物の王選候補者を探すことに……というのが、本作のストーリーになります。

 『リゼロ』は、スバルだけではなくさまざまなキャラクターの過去や内面が描かれる群像劇であるのが特徴。本作でも王選候補者とそれを守る騎士、そしてスバルたちの敵となる存在など、さまざまなキャラクターが入り乱れて物語を描いていきます。

 長月達平氏完全監修というだけあり、そのテイストは原作そのもの。日常でのスバルたちの会話、巻き起こる事件の情景を描くテキスト、そしてときおり飛び出すコメディータッチなやり取りの連続。それらを十分に楽しむことができます。

 筆者は、エミリアがたまに言う“きょうび聞かない”言葉遣い、スバルにメロメロになるレムのセリフ、ラムにいじられるスバルのツッコミなど、『リゼロ』のコメディー部分も大好きなので、こういったファンサービスがふんだんに盛り込まれているのはうれしい限りです。

 現在、アニメの2nd seasonではレムは眠り姫になってしまっていて、残念ながら出番が少なめ。

 しかし本作ではスバルの傍らにはレムがいつもいてくれていて、活躍の場も多数! レムファンの方には、久方ぶりのレムとの再会も楽しんでいただきたいところです。

トライアンドエラーでミッションを乗り越えろ!

 さて、本作の注目要素のひとつとして、“ミッション”が挙げられます。これは、立ちふさがる問題に対し、スバルを操作して解決に挑むゲームパートです。

 盗賊団を撃退したり、人物を逃したりと、その攻略内容はさまざま。ミッションをクリアーすればシナリオは先に進みますが、失敗するとゲームオーバーになったり、スバルが死亡してしまって死に戻りが発動することもあります。

 なお、本作では、物語中にスバルが手に入れた情報をアイテムとして所持することができます。会話の最中のほか、移動パートで人に話しかけたり、怪しい場所を調べることで情報を手に入れることができます。

 情報を手に入れていると、ミッションの前に発生する“ブリーフィング”で、より多くの作戦を閃くことができ、状況が有利に傾きます。逆に情報が足りない場合は、難度が高い状態でミッションに挑むことに。

 事前にどれだけ情報を集めているかが、ミッションの攻略には重要になります。

 ミッション中、プレイヤーはスバルを操作します。原作同様、スバルは敵と戦う術を持っていないので、仲間に指示を出したり、周囲にあるものを動かしたりして仲間をサポートすることになります。

 ミッションに失敗した場合は、何度でもやり直しが可能。リトライしたプレイヤーはそのミッションで何が起こるのかを知っていることになります。トライアンドエラーをくり返せば、いつかは必ずクリアーにたどり着けるはず。

 自分が理想とする展開になるまで幾度となく状況をやり直すのは、まさにスバルの死に戻りと同じ! ゲームのシステムと物語の設定が、うまく融合されていると感心してしまいました。

 いずれのミッションも難度は控えめに設定されていて、ゲームに不慣れな人でも多少のリトライでクリアーできる印象。ふだんはアクションゲームなどをプレイしないライトユーザーな『リゼロ』ファンの方でもちゃんとクリアーできると思います。

 ミッションに必要な情報がまったくない状態でも、ステージ中のギミックをすべて覚えて最適な操作を行えば、いずれもクリアーすることができるので、それほど構えずに気軽にプレイして大丈夫です。

 まったくクリアーできなさそうなミッションでも、何度もくり返しプレイすればいつか必ずクリアーできる。スバル自身と同じような気持ちを味わえる。まさに『リゼロ』のゲームと言えるでしょう。

気になるシナリオはどうなの!?

 肝心のシナリオの出来はどうなのかというと、アニメから『リゼロ』に入った私ですが、ゲームをクリアーまでプレイして思ったのは、「ああ、これは『リゼロ』だ!」ということ。

 先程も書いたように、『リゼロ』は多くの登場人物たちからなる群像劇。スーパーヒーローである主人公がひとりで巨悪と戦うような作品ではありません。

 スバルは目の前の問題を解決するために、死に戻りの力を使って問題の芽がそもそも出ないようにしたり、事前に協力体制を作って問題に臨んだりします。

 アニメだと1st seasonの白鯨戦のあたりはその流れが顕著で、『リゼロ』が群像劇であるという雰囲気をいちばん味わえるエピソードなんじゃないかなと、個人的に思っています。

 白鯨戦で体感できた、あのハラハラドキドキする感覚は、本作でもバッチリと味わうことができるはずです。

 また、スバル以外のキャラクターは、いずれも戦闘能力や権力、財力を持ったエリート揃い。とくに王選候補者は人の上に立つ人物が揃っているため、スバルに協力してくれと言われたからといって、「はい、わかりました」と即答してくれない人たちばかりです。

 そんな人たちを納得させるため、メリットを提示したり、根回しをしたりといったことも、原作ではリアルに描かれています。

 ご都合主義ではなく、メリットとデメリットを提示したうえで協力関係を築いていくような表現は本作にも登場します。そういった内容も、私が本作を“『リゼロ』である”と感じる一因なんじゃないかなと思っている次第です。

 さて、シナリオについてもうひとつ。

 『リゼロ』の重要なキーワードのひとつである王選を巡る物語が描かれる本作。しかしながら、小説やテレビアニメなどの『リゼロ』本編には、すでに5人の王選候補者が登場していますよね。

 ルグニカ王国には、5人の王選候補者を選ぶという神託があります。そこから考えると、6人目となる新キャラクターのメルティが偽物なのでは? とシンプルに感じるかもしれません。でも、メルティと話し、その人柄に触れるうちに、彼女がとても偽物を演じるような人物だとは思えなくなってくるはず。

 そうなると、メルティとエミリアを除いたほかの4人の中に偽物が? いやしかし……それだと原作との整合性が……うむむ。と、プレイしている最中にもそういった疑問が湧き上がり、先に先にとお話を読みたくなってきます。まさに、“ゲームの止めどきがわからない”といった感じです。

 個性的な魅力あふれるキャラクターたちの群像劇、協力体制を構築するためのリアルなネゴシエーション、そして、謎が謎を呼ぶ設定とストーリー。『Re:ゼロから始める異世界生活 偽りの王選候補』は『リゼロ』ならではの魅力がバッチリ味わえる作品となっています。

 もちろん、ふだんはダメダメだけど、決めるところは決めるスバルのカッコいい姿もしっかりと見られます。クリアーしたときには、皆さんも「すばらしい『リゼロ』の物語だった!」と、きっと思っていただけるはずです。

 ミッションパートはほどよい難度になっていて、ゲームに慣れない『リゼロ』ファンの方でも、絶対に楽しめる内容になっています。アニメの最新話を毎週楽しみにしつつ、その合間に本作を楽しみ、2月3月は『リゼロ』漬けの生活を、ぜひ送ってみてください。

書いた人:リプ斉トン(ゲームライター)

 RPG、アドベンチャー、対戦格闘ゲーム、アクションゲームなど、さまざまなジャンルのゲームが好きな雑食ゲーマー。パズルゲームだけは苦手。『リゼロ』では、ラムのスバルに対する「ハッ!」っていう声が好き。本作でもたびたび出てくるんですけど、これわかる人いますかね……?

©長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活1製作委員会
©長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活2製作委員会

©長月達平・株式会社KADOKAWA 刊/Re:ゼロから始める異世界生活2 製作委員会
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