【おすすめDLゲーム】『メルヘンフォーレスト』レビュー。頑張るメルンちゃんがかわいいダンジョン探索RPG
- 文
- 柏又
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ダウンロード用ゲームから佳作・良作を紹介する“おすすめDLゲーム”連載。今回は、PS4/Switch/PC(Steam)で発売中の『メルヘンフォーレスト』を紹介します。
本作は、インディースタジオ“PrimaryOrbit”が手がける“まったり錬金RPG”。2015年にリリースされたスマートフォン版から、クオリティアップとコンテンツの追加が行われたPC版を経て、フルリニューアルを果たした作品です。
不思議の森に住む9歳の女の子メルンちゃんを主人公に、ほのぼのからやがてダークメルヘンな雰囲気に変わっていく物語が楽しめます。
PS4版をプレイしたので、本作の魅力をお届けします。
進むごとにゲームシステムがガラリと変わる3部構成の物語がプレイヤーを飽きさせない
本作は、短編アドベンチャーのエピソード1から始まり、ダンジョン探索RPGのエピソード2、3部の全3部で構成されています。エピソード2と3は同じダンジョン探索RPGではあるもののシステムや難易度がガラリと変わり、同じ基本システムを持つ別ゲームといっても差し支えないおもむきとなります。
物語の展開もエピソードによって大きく変わり、メルンちゃんが森の仲間たちとほのぼの交流する内容から徐々にダークな世界観が顔をのぞかせていきます。この物語の雰囲気とゲーム内容がリンクする構成がよくできていると感じました。
ダンジョン内でリスクをおかす判断を求められるダンジョン探索が興味深い
本作でプレイ時間の大部分を占めるのがダンジョン探索。マップは固定で敵とはランダムエンカウントで戦闘に入るシステムです。主人公にはHPのほかに時間経過で減少する“食料”のステータスがあり、食料がゼロになると代わりにHPが減少、戦闘や食料切れでHPがゼロになると力尽きてダンジョンの入り口へ強制送還されます。
探索の際は、食料が無くなってじり貧になる前に帰還するのがセオリーとなるのですが、力尽きる以外の帰還手段が限られているためプレイヤーはいつ帰還すべきかの判断を求められます。さらに、帰還する手段や力尽きた際のペナルティはエピソードごとに異なるので、プレイヤーの判断基準も変化を要求されるのです。
そして、エピソード3では宝箱の罠や鍵をアビリティで解除する、という要素が新たに追加されます。アビリティの使用には食料を消費するので、残数を管理することがさらに重要です。また、宝箱の罠には超強力な敵“ミミック”が出現するものも結構あるので、“罠付きの宝箱を開けるかそれともあきらめるか?”という判断も必要だったりします。
見た目はキャラクターのかわいいほのぼのとしたゲームですが、ダンジョン探索を進めるにつれてしっかりとした歯ごたえを感じられると思います。
敵の挙動を見極めて戦う! パリィの爽快感がたまらないリアルタイム戦闘シーン
本作の戦闘はリアルタイムで進行。プレイヤーは、ボタンに割り振られたコマンドで攻撃と防御、回避を使い分けます。エピソード3ではこれに“戦技”が加わり戦いの幅が広がります。
戦いの際にポイントとなるのが、敵の攻撃のタイプに合わせた防御と回避の使い分けです。本作では、特定の攻撃をタイミングよく防御すると“パリィ”が発生して敵がスタンします。
スタンした敵には“奥義”で大ダメージを与えられる他、スタンしているスキにアイテムやアビリティで回復や自己強化が行えます。
パリィできる攻撃の際は敵に稲妻のようなエフェクトが発生するので、モンスターごとに異なるタイミングを見極めることが大事です。パリィの受付時間はそれほどシビアではないので、タイミングさえわかれば敵の攻撃を奥義で返す爽快感のある戦いが楽しめるでしょう。
ただし、敵は防御や回避が不可能な攻撃も繰り出してきます。攻撃のタイプは表示される技の名前の色や事前動作で判断可能です。
敵をしっかり見てリアルタイムで主人公を動かすという、ちょっとしたアクション性のある戦闘は遊んでいて気持ちよく、プレイヤーにほどよい緊張感を与えてくれる出来になっていると感じました。
なお、ダンジョン探索や戦闘のシステムはかなり丁寧なチュートリアルで解説されているあたりも好印象を受けました。
最初ほのぼの、やがてダークな雰囲気へと物語が移り変わる本作。主人公のメルンちゃんは、キャラクターもさることながら竹達彩奈さんが演じるボイスも非常にかわいく、待ち受ける運命に立ち向かう姿に思わず応援したくなる魅力にあふれていると感じました。
森の切り株でパンを食べたり、縁側でお茶を飲んだりとちょっとした仕草もしっかり作ってあってほっこりとした気持ちにさせてくれます。キャラクターのかわいさに惹かれたのであればそのまま購入してOKでしょう。
全体のボリュームもかなりあり、ゲームクリア後のエンドコンテンツとして高難度ダンジョンや隠しボスも存在するのでやり込み要素も充分と言えます。
ゲーム自体はダンジョン探索RPGということで、システム的な斬新さではなく細かいところまで作り込まれている丁寧が感じられるいい作品だと思います。
©PrimaryOrbit
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