斉藤すず先生渾身の『バレットコード:ファイアウォール』が生まれたきっかけは?【電撃文庫インタビュー】

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 電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。今回は、『バレットコード:ファイアウォール』を執筆した斉藤すず先生のインタビューを掲載します。

  • ▲本作の表紙イラスト(イラスト:緜先生)

 『由比ガ浜機械修理相談所』で知られる斉藤先生の新作は、VRによる戦争体験学習中に事件に巻き込まれてしまった少年・古橋優馬と、“フロストバイター”の異名を持つ兵士の少女・雨宮千歳が事件の真実に迫るVRバトルファンタジーです。

あらすじ:これは、VRではなく本物の戦争である。死んだらそこで――人生は終わる。

 “プロジェクト・ファイアウォール”。

 それは戦争の悲劇を防ぐため、青少年に課されることになった“VRによる戦争体験学習”。

 単なる“ごっこ遊び”の域を出なかったはずのその実習は、ある日唐突に混沌のプログラムと化した。

 予定されていない兵士――否、人ですらない“謎の敵”の急襲、そして迫り来る“現実での死”の危険……。

 高校のクラスメイトとともに、この異常事態に巻き込まれた少年・古橋優馬は、世界4位の成績を持つ兵士で、“フロストバイター”の異名を持つ少女・雨宮千歳が率いるチームに助けられる。

 衝突や悲劇を乗り越え、プロジェクトの真相に迫っていく彼らが最後に見るものとは!?


 インタビューでは、本作が生まれた経緯や執筆中のエピソードなどについて語っていただきました。斉藤先生が本作を書くにあたって、複雑な思いがあったことや、どこに力を入れているのかなどが伝わってくる内容となっていますので、ぜひご覧いただき、興味を持った人は『バレットコード:ファイアウォール』を読んでみてくださいね。

――この作品を書いたキッカケを教えてください。

 書いたキッカケは主担当さんからまさかのOKを頂いたことです。この企画を考えた時、自分は「絶対にこの企画は会議を通らない」と思っていました。そしてむしろ自分自身としても「NOと言ってもらい、最後の希望を断ってもらいたい」と思っていたくらい、書きたいけれど書きたくない作品でした。実際、3人の編集さんのうち2人は「NO」だったのですが、まさかの主担当さんが「GO」となったため、無事に世に出ることになりました(笑)。

――作品の特徴やセールスポイントを教えてください。

 読者の方が、自然とご自身も作品の一参加者だと感じて頂けるように頑張って書きました。主人公達と一緒に様々な困難にぶつかり、乗り越え、時に慟哭し、共に世界の秘密を明らかにしていって頂きたいです。

――作品を書くうえで悩んだところは?

 この物語の根底にある“世界の秘密”なのですが、一部の読者の方にとってはかなりキツいものになってしまっているかと思います。それを本当に書いて良いのかどうか、最初から最後までずっと悩みました。今でもやって良かったのかと悩み続けています。

――執筆にかかった期間はどれくらいですか?

 最初に原型が出来たのが13年前くらいで、ほぼ現在の形に仕上がったのが4年前くらいになります。なかなかに長い付き合いになりました(笑)。

――執筆中のエピソードはありますか?

 今回の作品は、取り分け初めて触れる知識が多く、いつも以上に調べ物をしました。WFP(国際連合世界食糧計画)のサイトを調べて小説を書いたのは初めてですし、今後もしばらくはないかと思います(笑)。

――本作の主人公やヒロインについて、思うところをお聞かせください。

 二人とも、だいぶ酷い目に合わせてしまいすみませんでした。

――特にお気に入りのシーンはどこですか?

 やはりラストのシーンは気合を入れて書きました。もう一つ、男性陣で“だべる”シーンは学生時代の特に馬鹿だった時期を思い出しながら書いたのですが、何となくそれっぽく出来たかな、と思います。

――今後の予定について簡単に教えてください。

 また声を掛けて頂けたら頑張って何か書きます(笑)。

――小説を書く時に、特にこだわっているところは?

 納得感をもって読んでいただけるように気をつけています。特に感情の動きに不自然さがあると、読む側にとっては非常にストレスになると考えていますので、そこの調整には特にこだわっています。

――アイデアを出したり、集中力を高めたりするためにやっていることは?

 歩いたり自転車に乗ったりと軽く運動をすると調子が上がるかなと思っています。

――学生時代に影響を受けた人物・作品は?

 夏目漱石、手塚治虫、石ノ森章太郎、斎藤隆介、秋山瑞人さん、岡本倫さん、人間観に関してはフッサール、ベルクソン、アマルティア・セン等……沢山の先輩達に、です笑

――今現在注目している作家・作品は?

 たくさん過ぎてこちらも迷いますが、小説家さんに限定すると、斜線堂有紀先生、松村涼哉先生、午鳥志季先生、逆井卓馬先生です。

――その他に今熱中しているものはありますか?

 ペ○シコーラです。最近コ○より美味しい気がします。気のせいかもです笑

――最近熱中しているゲームはありますか?

 アズレン、ドルフロ、シャニマス、アークナイツ、原神、ブルアカ、くらいしかないです。

――それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。

 なるべくおもしろくなるよう、妥協なく書いたつもりです。“世界で一番悲しい戦争”を共に戦い抜いて頂けたらと思います。

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