【おすすめDLゲーム】『7年後で待ってる』誰かと交わした約束を果たすため、真実を探すアドベンチャー
- 文
- 信濃川あずき
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ダウンロード用ゲームから佳作・良作を紹介する“おすすめDLゲーム”連載。今回はNintendo Switch用ダウンロードソフト『7年後で待ってる』をお届けします。
本作は、先にリリースされていたスマートフォン版が約600万ダウンロードの大ヒットとなった作品です。キャラクターを操作し、目的の場所へ向かったり怪しい場所を調べたりしながら、セリフを読んで進行します。
忙しい操作はないので、ゆっくりとストーリーを堪能したい人におすすめのタイトルです。
顔も名前もわからない誰かとの約束
主人公は、ハルトという男の子。舞台となる“西方市”に以前住んでいたのですが、7年ほど前に東京へと引っ越しました。春休みを利用して、かつて住んでいた西方市にある両親の実家に久しぶりに戻ってきたのです。
ハルトには、両親に無理を言ってでもこの西方市に戻ってきたい理由がありました。東京に引っ越すよりも前の記憶を失っていたのです。
ですが、おぼろげにひとつだけ覚えていることがありました。それは“この街のどこかで、誰かと7年後に再会しようと約束した”ということ。約束の日まで、あと数日。ハルトは約束を果たすため、記憶のヒントを求めて街を探索することになります。
7年前に引き取られたため、ハルトは両親と血が繋がっていません。
実家の近所にある町医者“一木医院”の一木先生。7年以前のハルトのことを知っている人物です。
ハルトは、実家付近にある一木医院の一木先生と出会います。昔のハルトのことを知っているとはいいますが、なにせ昔のことでハッキリとは語れないようです。ハルトは、他にも自分を覚えている人がいるかもしれないと考えて、かつて自分が何らかの理由で入院していた大病院“西方病院”へと足を運びます。
街や家の中を移動します。白く点灯しているのが、入ることができる場所です。
通行人に話しかけることも。重要な調査ポイントは“!”マークが出るのでわかりやすいです。
病院を見ると、記憶の一部がよみがえりました。やはりハルトは、この病院に長期間入院していたようです。
病院スタッフに聞き込みをしますが、なぜかほとんどのスタッフが、近年ここに配属されていたため、7年前のことを知らないそうです。
7年という期間を長いと思うか、短いと思うかは人それぞれですが、それにしてもハルトを知っている人が少なすぎる気がします。両親も、引き取る以前のことをあまり語りたがりません。この時点で薄々と、単なる記憶喪失ではないかもしれない……と思いました。
この約束の相手と、行くべき場所を知ることはできるのでしょうか。
過去のハルトを知る人との再会
諦めずに病院で聞き込みを行っていると、ついに昔のハルトを知っている人から声をかけられました!
しかも、ハルトとずいぶん親しかった様子。
彼の名前はリク。昔のハルトと友人だったようです。記憶喪失で当時のことを忘れてしまったと伝えると、やはり落胆した様子。それはそうですよね……親しければ親しいほど、忘れられたらショックです。
ただ、ハルトはきっと忘れたくて忘れたわけじゃありません。そしていま、記憶をどうにか取り戻そうと奔走しています。
リクとの交流で、また少し記憶が戻ります。やはり、仲よしだったようですね。
リクの弟、カケル。この病院に長期入院しており、昔のハルトとも仲はよかったとのこと。
記憶を失っているとはいえ、もともと親しかった2人はすぐに打ち解けます。
リクの弟カケルは、珍しい病気でずっと入院しています。リクは、カケルの治療方針に疑問を持っていました。ひょっとしたら病院側は、治せる病気なのにわざと治さないでいるのでは……。
そんなリクに誘われて、ハルトは病院の資料を調べることになりました。
資料を調べていると、自分の記録を発見。ハルトは、自分の入院理由を知ることになります。
昔のハルトを知っているのはリクとカケルだけではありません。病院には、ハルトと年齢の近い入院患者たちがいて、みんな昔のハルトと仲よしでした。ハルトは彼らと交流することでも、少しずつ記憶を取り戻していきます。
明るい女の子、サキ。ハルトがいなくなったあとの7年間、入院を続けてもまだよくなっていないのでしょうか。
おっとりな女の子、ホノカ。病気が進行していて、あまり起き上がることができないようです。
そして、ハルトが7年前に約束を交わした相手。この子も、入院していた当時の友だち……?
ハルトと友だちだった子らは、みんな明るくていい子ばかり。ハルトとの再会を喜び、記憶を失っていることも受け入れます。ただ、ピュアな彼らにどこか感じる幼さが、長年の病院暮らしで外の世界をほとんど知らないためと思うと、もの悲しさを感じます。
ハルトが記憶を取り戻し、誰かとの約束を果たすのが目的……だったはずなのですが、お話はどんどん大きく膨らんでいきます。子ども以外のキャラクターも次々と登場し、気になるストーリー展開で、止めるタイミングを失うほど、引き込まれました。
作中では、ハルト以外のキャラクターを操作する場面もあります。
ストーリーが進むと、病院関係の大人がかかわってきます。いよいよ、深刻な展開になりそうな予感……。
空白の7年を取り戻すように語り合う仲間の様子が癒やしです。
ストーリーはかなりのボリュームがあるのですが、一度プレイし始めると一気にやりたくなってしまうほど、意外な展開が次々と訪れます。
また、ホラー作品ではないのですが、背筋がゾクッとする場面もいくつかありました。
さらにエンディングを迎えたあとにもお楽しみ要素が! アプリ版の課金要素でアンロックされる追加課金要素である、“エピローグ”や“サイドストーリー”などがプレイ可能に。
ストーリーの中で「あの場面ってどうしてああなったんだろう……」と、疑問を感じるところがあるかもしれません。もしもそういう場面があった場合はぜひ、エンディング後のサイドストーリーをプレイしてください。
どういった理由で、ハルトの記憶は消えてしまったのでしょうか。そしてなぜ、7年前のハルトを知る人が極端に少ないのでしょう。事情を知っていそうな人は答えを濁し、ハルトの両親すら話をしてくれないのも気がかりです。
これらの謎を解決し、7年前に交わした約束の相手とは再会できるのか……。実際にゲームをプレイして、ハルトと一緒に解いてください。
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