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『ニーア リィンカネ』プレイレポート! 謎めいた物語と美しいビジュアル&サウンドが感情を震わせる

タダツグ
公開日時

 2月18日、ついにリリースされたiOS/Android用アプリ『NieR Re[in]carnation(ニーア リィンカーネーション』。ヨコオタロウ作品のファン待望となる本作、すでにガッツリプレイされている方も少なくないと思います。

 とはいえ、なかには「まだプレイするか迷ってる……」という方もおられるハズ。そんな方の背中を押すために、プレイの触感をお届けしていこうと思います。

世界観:“檻(ケージ)”を舞台に静謐で謎めいた物語が展開!

 ヨコオタロウさんの作品ファンが最も期待しているのが、物語やキャラクターなどの世界観部分だと思います。今回の物語の舞台は“檻(ケージ)”と呼ばれる謎の施設。プレイヤーは記憶を失くした白い少女を操作し、自らをママと称する案内人(?)に導かれながら、この施設内を探索していくことになります。

■白い少女(声優:長江里加)

 檻で目を覚ました、記憶喪失の少女。檻内で出会ったママに導かれるまま、この謎の施設を探検することに。心優しく明るい性格だが、毎晩のように見る悪夢に苛まれている。首輪や包帯にはなんらかの謎が隠されているようだが……。

■ママ(声優:原 由実)

“ママ”を自称する不思議な生物。檻について何かを知っているらしく、記憶を失った少女を導いてくれる。自由奔放な性格で、景色を楽しんだり周囲の装飾にちょっかいをかけたりすることもしばしば。

■黒き怪物(声優:川原元幸)

 “檻”をさまよう謎の存在。甲冑を来た騎士のようないでたちだが、物言わぬ虫のようにも見える。少女の前に立ちはだかる彼の目的とは……。

 “檻”とはいったいなんなのか? 少女はなぜこの場所にいるのか? ママや黒き怪物の目的とは? 序盤ではプレイヤーに明かされない情報が多く、ミステリアスな味付け。先が気になって仕方ないですね。

 物語は基本的に、檻のあちこちに存在する“黒いカカシ”を探し出して触れることで進行。カカシに秘められた武器の記憶(ウェポンストーリー)にアクセスし、黒いカラスのような敵にゆがめられたその物語を元の姿に戻していくことで進行します。

  • ▲少女は黒いカカシに触れることで、そのカカシの持つ武器の記憶に吸い込まれることに……。
  • ▲ウェポンストーリーの世界では、絵本のようなビジュアルに一変。物語の要所まで進めると、物語を歪めている黒いカラスのようなモノに出くわし、バトルに発展します。

 バトルに勝利してウェポンストーリーをすべて解放できたら、少女が失ってしまっている“欠片”を入手することに。これを繰り返すことで、少女は失った記憶を取り戻してしていくことになります。

 ちなみに、武器に秘められたウェポンストーリーは、いずれも陰鬱で凄惨なものばかり。そもそも武器は争いの道具なわけですから、その記憶に明るいものが多いわけがないですよねえ……と、妙に納得してしまいます。彩色を押さえた絵本のような世界で展開するダークファンタジー。ヨコオ作品好きにはたまらない物語が楽しめるって寸法です。

キャラや武器の強化:物語やガチャでキャラや武器を入手してパーティを編成&強化!

 バトルパーティに編成できるキャラクターは、物語の進行で増えていくほか、ガチャで入手することも可能。ガチャは基本的に3種類存在し、ジェムを消費して武器やキャラクターをゲットできる“プレミアム”、クエストを周回することで入手できるチケットで回せる“チャプター”、そして期間限定で開催されるイベントを周回することで回せる“イベント”のラインナップになっています。

 “チャプター”ガチャからは、キャラの強化素材などが入手できました。残念ながら今回は“プレミアム”と“イベント”のガチャは回せませんでしたので、こちらはプレイしてのお楽しみということで!

 プレイヤーにとっての課金要素となるのは“プレミアム”ガチャで、これを回せば基本的に武器レアリティ星2以上の武器が入手可能。武器のレアリティは星4まで存在し、特定の武器を入手するとそれに紐づいたキャラクターも連動してゲットできる仕様となっています。

 当然ながらガチャで入手したキャラのほうがレアリティが高い場合が多く、使い勝手も上がります。具体的には、星3のキャラはレベル上限が50であるのに対し、星4のキャラはレベル上限は70と高くなっていたり、基礎ステータスや保有スキルの倍率なども優遇されていたりします。少しでも戦闘をラクに進めたい人は、レアリティが高いキャラを優先して育てるのがセオリーとなりそう。

 ゲットしたキャラや武器は、パーティに編成することでバトルで使用可能に。1つのパーティは最大で3人編成となり、編成したキャラには“メイン武器”“サブ武器”“オトモ”“メモリー”をセットしてステータスをアップさせることになります。キャラと武器にはそれぞれ属性が存在しますので、“剣属性のキャラには剣をメイン装備にする”など、属性を合わせてをセットすることがコツです。

  • ▲こちらがパーティの編成画面。メイン武器は戦闘で攻撃時に使用するほか、サブ武器やメモリーでステータスアップ。

 キャラの強化画面ではレベルアップ、使用するスキルの強化、そして限界突破の3つを施すことが可能。それぞれに必要となる素材は異なりますが、これらはガチャやクエストの周回で集めることができます。スキルの強化や限界突破に使用する素材は、キャラのレアリティが高いほど使用する素材も稀少となっていくので、「どうしても急いで強化したい!」という人以外は、マイペースで集めていって問題ないかと。

  • ▲こちらがキャラの強化画面。右のタグで“強化”“スキル強化”“限界突破”を選べます。お気に入りキャラを徹底強化するのか、それともパーティメンバーを満遍なく強化するか、好みが分かれそうですね。

 武器はレベル、およびスキルレベルの2つをアップさせることが可能。これを上げることでパラメータや戦闘中に発動できる固有スキルの使い勝手が上昇します。ちなみに、武器の強化素材もクエスト周回や“チャプター”ガチャで集めることができますよ。

  • ▲本作には、時間が決まっている“ゲリラクエスト”や強化素材を入手できる“曜日クエスト”なども存在。キャラや武器を強化する際に活用しよう。

バトル:バトルはウェーブ制で進行。AUTOが優秀なのはさすがのひと言

 本作のバトルは、出現した敵を撃破することで進行していくウェーブ制。各バトルごとに登場する敵は決まっており、すべて撃破できればクエストクリアとなります。

  • ▲バトルはウェーブ制で進行。群がるザコを蹴散らしていくものや、強力なボスとの戦いなど、ウェポンストーリーごとに展開は異なります。

 バトルには最大で3人までキャラを連れていくことが可能。行動順が回って来ればそれぞれが勝手に通常攻撃を繰り出してくれるので、戦いは超スピーディです。プレイヤーは各キャラの武器スキル、およびキャラスキルが溜まった時、任意でこれを発動して戦況を有利に導いていくことがおもな役割。連続で攻撃を繰り出してコンボを決めれば与えるダメージがアップしますので、スキルの発動タイミングは重要になりそうです。

  • ▲バトル中はキャラの顔アイコンをタップことでキャラスキルが、その隣にある2つのアイコンをタップことで武器スキルが発動します。どちらも一定時間の経過でゲージがたまるので、強敵とのバトルでは使いどころがキモになるかと。なお、画面左上に表示されている敵のアイコンをタップすれば、相手のロックオンも可能。

 本作には“AUTOモード”も実装されており、こちらをONにすれば武器スキルやキャラスキルが溜まりしだい、自動で発動してくれます。序盤はAUTOモードに任せっぱなしでバトルをクリアしていけましたので、この手のゲームを遊んだことがないという方でも安心です。

  • ▲『オートマタ』のAUTOモード並に優秀(少なくとも序盤では)と書いておけば、シリーズファンにはご理解いただきやすいのかな、と。

 逆にいえば『レプリカント』や『オートマタ』のようなアクション要素はほとんどなく、プレイ感覚は異なります。バトル勝利のポイントとしては、キャラのしっかりとした育成と、属性の概念を学ぶことがあげられます。本作の敵、および武器には属性が設定されており、敵の弱点にマッチした属性の武器で攻撃すればより大きなダメージを与えることができる仕様。

  • ▲弱点を突けば“WEAK”と表示され、与えるダメージが上昇! 序盤はあまり気にする必要はありませんが、高難易度クエストの突破には必須となる要素かも。
  • ▲クエスト出撃時に敵の弱点属性も調べられますので、相手に合わせて持ち込む武器を変えていくのがセオリーとなるでしょう。

ビジュアル&サウンド:息をのむほどの美しさ……良質でリッチなプレイ体験があなたを待つ

 PVをご覧になった人であれば一目瞭然かもしれませんが、本作のビジュアル、そしてサウンドにはものすごく力が入っています。

 ビジュアルは本当にスマホのアプリゲームなのかと思わず二度見してしまうレベル。あえて彩度を押さえ、『オートマタ』で培われたオシャレで落ち着いた世界観を継承しつつ、スマホゲーム最高レベルのクオリティに仕上げられています。キャラクターのモデリングやモーション、檻のなかに漂う少し淀んだ空気感まで伝わってくるこだわりに圧倒されますよ。

  • ▲狭くてほの暗い通路から開けた場所に出たときは一瞬目が眩むような感覚になりますし、高所に来ると思わず背筋がピンとなります。この臨場感、マジでスマホゲーム最高峰!

 サウンドもこれまでの『ニーア』シリーズに引き続き、岡部啓一さん率いるサウンドクリエイター集団・MONACAの皆さんが、とても素敵な楽曲を作り上げてくれています。序盤を遊んだ印象としては、サウンドはあまり前に出過ぎて強く主張してこず、とくにフィールドでは環境音などによる世界観を重視したつくりとなっています。

 一方、バトルではウェーブが進むごとにサウンドの密度が増えていき、最終ウェーブやボス戦で盛り上がりが最高潮になる構成。シリーズを重ねるごとに円熟味を増していくこの音楽的な演出がじつに心地よく、プレイヤーを魅了してくれます。僕なんか、今回もサントラが出たら間違いなく購入してしまいますね。

  • ▲楽器とコーラスが織りなす壮大なハーモニーに聴き入って、戦闘をわざと長引かせてしまう人もいるのではないでしょうか。

まとめ:シリーズプレイヤーはもちろん、はじめて『ニーア』を遊ぶ人にもおすすめ

 ここまで駆け足でゲームの要素を紹介してきましたが、いかがでしたか? これまでの『ニーア』シリーズで培われてきた世界観や演出は本作にもしっかり継承、そして昇華されています。基本プレイは無料ですし、シリーズファンはぜひダウンロードして遊んでみてほしいですね。

 なお、これまた残念ながら、今回のプレイでは『オートマタ』とのコラボイベント関連のクエストもプレイできておりません。ここで初めて語られるコラボストーリーやコラボ衣装が気になって仕方ない……。

 事前生放送での情報によると、どうやら『オートマタ』のコスチュームを着た2B、A2、9Sについては、イベント周回でパーティに加えることが可能となる模様。一方、『リィンカーネーション』仕様のコスチュームに身を包んだ3人に関しては“プレミアム”ガチャから入手することになるようです。『オートマタ』とのコラボ期間は3月31日までとのことなので、気になっている方はお早めにプレイを。

 個人的に、本作のゲームシステムは目新しさよりも取っつきやすさが重視されているように感じました。ストーリーを楽しむぶんには難易度はそれほど高くなく、AUTO機能がとにかく充実しているため、万人受けしやすいタイトルのように思います。……いや、世界観はかなり独特なので“万人受け”は言い過ぎな気もしつつ。この圧倒的に洗練された最新作から醸し出される超メジャー感には驚くばかり。

  • ▲マップ移動もAUTOモードにお任せで大丈夫ですし、バトル中のAUTOモードも優秀。あまりの充実ぶりに「ここまで親切にしちゃっていいの?」ってビビるレベルです。
  • ▲物語を進めて敵が強くなったらAUTOでのゴリ押しは通用しなくなるかもしれませんが、そこもキャラの育成などを怠らなければ解決しそう。

 もちろん、過去シリーズを遊んでいなければ楽しめないなんてことも一切ないので、この『リィンカーネーション』をきっかけに『ニーア』シリーズに足を踏み入れてみるのもアリです。

 4月22日には、シリーズ処女作のバージョンアップ版である『NieR Replicant ver.1.22474487139...』もリリースされますので、『リィンカーネーション』を遊んで『ニーア』が好きになったという方には、こちらもチェックしてみてもらえればと思います。

  • ▲最後に、事前生放送で公開されたシューティング要素について。こちらは完全なミニゲームとして三章クリア後に実装されます。物語には関係なさそうですがこれはこれでハマれるおもしろさ。シューティング好きはぜひハイスコア目指してがんばってみては?

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※写真はすべてCBT版のものです。

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NieR Re[in]carnation

  • メーカー: スクウェア・エニックス
  • 開発: アプリボット
  • 対応端末: iOS
  • ジャンル: RPG
  • 配信日: 2021年2月18日
  • 価格: 基本無料/アイテム課金

NieR Re[in]carnation

  • メーカー: スクウェア・エニックス
  • 開発: アプリボット
  • 対応端末: Android
  • ジャンル: RPG
  • 配信日: 2021年2月18日
  • 価格: 基本無料/アイテム課金

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