『パワプロアプリ』×『パワポケ』コラボ記念インタビュー。『パワポケ』スタッフの熱き想いがあふれ出る
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- アツゴロウ
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コナミデジタルエンタテインメントより配信中のiOS/Android用アプリ『実況パワフルプロ野球(パワプロアプリ)』にて、同社の『パワプロクンポケット(パワポケ)』シリーズとのコラボレーション第2弾が2月25日より開催されます。
今回は、このコラボに携わった4人のキーマンへのメールインタビューを掲載。『パワポケ』シリーズを手がけてきたクリエイターから『パワポケ』好きのスタッフまで、個性的なメンバーが語った『パワポケ』への想いにご注目ください。
なお、インタビュー中は敬称略。
『パワポケ』シリーズとは?
携帯ハード向けに制作されたシリーズで、『実況パワフルプロ野球』の姉妹作に当たる。ナンバリングタイトルが14作、外伝作の『パワポケダッシュ』を含めれば15作ものタイトルが発売されました。
『パワプロ』シリーズで人気の、ストーリーを楽しみながらオリジナル選手を育成する“サクセス”モードがメインで、練り込まれたシナリオや濃すぎるキャラクター、多彩なミニゲームなどで好評を博し、シリーズが完結した今なお多くのユーザーから支持されています。
また初代『パワポケ』をのぞき、メインの表サクセスとは世界観も育成システムもまるで異なる裏サクセスが収録されており、そちらの人気も高し。
『パワプロアプリ』×『パワポケ』コラボ第2弾は“花丸高校”でヒーローと一緒に戦う!?
コラボ第1弾では“激突! 超最強学園”というイベントのみの実装でしたが、コラボ第2弾では待望のシナリオが登場! 『パワポケ7』の表サクセスである“甲子園ヒーロー編”の物語とキャラクターをモチーフにした“花丸高校”シナリオがプレイできます。
また、『パワポケ』定番のミニゲームもイベントとして復活。獲得アイテムを交換したり、ハイスコアランキングに入賞したりすることで豪華報酬をゲットできます!
突如現れたヒーローたちの活躍で強くなった花丸高校野球部。ですが、ヒーローたちにより野球部は占領され、主人公たち一般野球部員は普段の練習もままならない状態に……。
リーダーのレッドをはじめとするヒーローたちや野球部員、科学者の黒野鉄斎など、懐かしの『パワポケ』キャラが登場。
このシナリオでは、練習場所に色や数字の違うカードを置くことで、さまざまな効果を持つ練習用ロボットを組み立てることが可能。ロボ作りが育成のカギに!
『パワポケ』定番のミニゲームもイベント“ウキウキ地雷パニック!!”として復活。 地雷を避けてブロックを掘り進め、ハイスコアを目指しましょう!
インタビュー参加メンバー
三浦陵介さん(ディレクター)
『パワポケ3』から『パワポケ14』までのシリーズに携わる。当時は一部シナリオ、裏サクセスとミニゲームを担当。
西川直樹さん(シナリオ担当)
初代『パワポケ』から『パワポケ14』まですべてのシリーズに携わる。『パワプロアプリ』においても一部のシナリオを担当。
萩原千香子さん(デザイナー)
『パワポケ3』から『14』までのシリーズに携わる。当時はデザイナーとしてキャラクターのイラストやUIを担当。
現在『パワプロアプリ』ではデザインリーダーを務め、主にデザイン全般のクオリティ管理を担当
木村和久さん(プランナー)
『パワポケ』好きが高じてKONAMIに入社。今回『パワプロアプリ』の『パワポケ』コラボでプランナーを担当。
『パワポケ』コラボ実現への経緯と『パワポケ7』への想い
――今回のコラボにおける皆さんの担当されたお仕事について教えてください。
三浦:企画の策定および、制作進行など、パワプロアプリの制作ディレクションをしています。
今回のコラボでは、テストプレイや調整に加えて、過去プログラム資料の提供も行いました。
西川:シナリオプロット作成、テキスト監修、システム考案(没になりました)です。イベキャラの女子2名のテキスト作成も担当しています。
萩原:主に“花丸高校”と“地雷パニック”のUI及びキャラクターのデザイン全般のクオリティ管理を担当させていただきました。
木村:“地雷パニック”および“『パワポケ』コラボ記念キャンペーン”のプランニングを担当しました。
――『パワプロアプリ』と『パワポケ』シリーズのコラボレーションは今回で2回目になりますが、1回目の時を含めて、コラボが催されることになった経緯をお願いします。
三浦:1回目のコラボはアプリ内のアンケートで、“今後実施してほしいコラボ”に希望が多数上がっていたことがきっかけです。実施してみると予想以上の反響をいただきました。
シナリオや1回目のコラボで登場しなかったパワポケキャラの登場を望む声を本当にたくさんいただきましたので2回目のコラボを決定しました。
――今回はシナリオとして『パワポケ7』の表サクセスで描かれた“花丸高校”シナリオがプレイ可能になりますが、数多ある『パワポケ』のシナリオから花丸高校が選ばれた理由は?
西川:『パワポケ』は14作ありますが、高校を舞台にしたものは5作だけです。アプリはデッキシステムなので、特殊な環境はやりにくく、離島や特殊な学校は問題があります。そしてサクセスの期間も短く1年で終わってしまいます。これらのことを考慮して、5作の中から花丸高校を選びました。
――『パワポケ7』について語りたいことや、想い出深いエピソードなどがありましたら教えてください。
三浦:最終決戦のミニゲームに敗北すると、野球の最終戦からやり直しになる恐怖ですかね。あとは、パズルの“くる来るクルくるぅ~”は“ハコdeグチャ”と並んでお気に入りのみにゲームです。
西川:裏サクセスの“大正冒険奇譚編”は非常に気に入っているのですが、なんとかしてアプリに持ってこれないですかね……。鬼退治の話も入ってますし。
萩原:当時のディレクターが「戦隊ヒーローは男のロマンだ」と言っていたことを思い出します。ディレクター自らが“ヒビキゴウ”という謎のヒーローに扮し、ゲームのイベントで子どもたちに囲まれており、本当のヒーローになれたのかなと……。
木村:発売当時は『パワポケ6』と比べると、大分マイルドな作風になったなと感じました。が、プレイしてみてヒーローの正体に迫るとともに「うわ、やっぱり『パワポケ』だった!」と逆に『パワポケ』感の強さを感じた記憶があります。
――花丸高校シナリオのストーリーや育成システムを作るうえで特に気をつけた点、苦労した点は?
西川:アプリではイベント数をあまり多くできないですしゲーム内の期間も短いので、ヒーローがどうして敵になるのか、という流れを短く説明するのに苦労しました。
――原作の主要キャラクターが多数登場するようですが、特に注目してほしいキャラクターやシナリオでの見どころなど、話せる範囲でいいので教えてください。
西川:天本さんですね。もともと『パワポケ7』にはいない人なのですが、ストーリーを動かすキャラとしては非常に優秀なので追加しました。逆に、『パワポケ』で登場した時はシナリオのストーリーにがっちり絡んでいて、どういう子なのかというところが描写不足だったので、そこを今回のコラボで補間できたかなと思います。
――育成を助けてくれるイベキャラとしてオススメするとしたらどのキャラクターですか?
三浦:投手育成に向いた高校なので、投手2人。当時イベント担当だったキャラの東は、花丸高校の育成にはあまり向いていないのが残念です。
西川:投手の2人ですかね。どちらか一方でもいいですし、同時に使ってもいいでしょう。
――正式なコラボ以前から『パワポケ』シリーズのキャラクターは実装されていました。彼らをデッキに入れて花丸高校シナリオをプレイすることで、特殊なイベントやコンボが見られたりするのでしょうか?
西川:ブラックはもともと『パワポケ7』のキャラなので、デッキにいると展開が少し変わります。
――ロボカードを使った育成システムはかなり特徴的なものだと感じますが、このシステムにした狙いを教えてください。
三浦:システムの原案は私の方でも出しましたが、今の形に仕上げてくれたのは、サクセスシステム担当です。画面の雰囲気はデザイナーの力が大きいですね。変なロボが完成するのは見ていて楽しいです。
萩原:デザイン面からの話をさせていただきますと、カードシステム自体はプランナーさんが考えたものが、ある程度決まっていた状態でした。普通のカードをデザインしてもつまらないので、ちょっとふざけた要素を入れたいと相談をしました。
黒野博士がゴミ置き場から部品を拾ってきて野球指導マシンを作るのはどうかという話になり、「じゃあカード自体をロボの部品に置き換えた“合体ロボ”でいきましょう」と! そういった理由でロボが誕生しました。
選ばれたミニゲーム、選ばれなかったミニゲーム
――イベントとして地雷ゲームをモチーフにした“ウキウキ地雷パニック!!”が登場します。こちらは、要望が多かったために実装となったのでしょうか?
木村:もちろん、アンケートでの要望も多かったです。あとは、「複数作品に収録されており喜ばれる方が多いだろうということ」や「単独のミニゲームで長時間プレイできる内容であること」も理由ですね。
三浦:今回のアプリと直接関係のある話ではないですが、当時の『パワポケ3』と『パワポケ8』に地雷ゲームが入っているのは、「ハード移行で作業が多く、裏サクセスを作る時間が捻出できない状況だけど、ユーザーに長く遊んでもらえるゲームを入れたい!」ということで制作しました。
――『パワポケ』シリーズにはさまざまなミニゲームがありましたが、コラボで入れたかったもの、単純に好きなものなどを挙げるとしたらどのミニゲームでしょうか?
三浦:一番は“ハコdeグチャ”ですね。ありものの絵を使ってα版を作り「こんなパズルゲームが作りたいです!」と当時のディレクターに持っていった覚えがあります。
“ゴキビューン”や“パーっと弾でるヤツやん”も好きです。縦シュー好きなんですよね。
西川:私も“ハコdeグチャ”でしょう。ゴキブリ系のシューティングは好きなんですけど……今は無理ですかね。
萩原:“ゴキブリ”のゲームすべてですね。あれは気合を入れて描きました。
木村:地雷ゲームの次点で迷っていたのは、『パワポケ7』のガンダーロボに乗って戦う“VSヒーロー戦”です。照準をミートカーソルみたいにして、ヒーローを狙い撃つシューティングゲームですね。原作とはゲーム性が変わりそうだったので、当時のパワポケファンに喜ばれるのは地雷ゲームの方だろうということで、今回は地雷ゲームの方を選びましたが。
あとは、“札侍”をベースに『パワポケアプリ』を出せないかなとか妄想していました。メインは三浦さんで、私はバランス調整とかをやっておきます。無理ですかねー。
『パワポケ』は“人生”、もしくは“青春”!?
――今回のコラボはいわゆる表サクセスですが、多数の裏シナリオを手がけてきた三浦さんが、今後のコラボで裏サクセスのシナリオを出せるとしたらどのシナリオを選びたいですか?
三浦:裏サクセスはどれも好きですが、『パワポケ12』の“秘密結社編”は、雰囲気、システムともにお気に入りです。戦闘システムや合成システムなどはアプリの“ダン&ジョン高校”でも作ったので、今のアプリユーザーに向けた新生“秘密結社編”とかできないですかねぇ。
長いサクセスは大変なので、やるとしたら別モードがいいと考えていますが。
全然関係ないですが、社内のチャットツールのアイコンは“ハッパ”です。
――今回のコラボでの手ごたえについて、西川さんはいかがでしょうか。また、今後も『パワポケ』コラボがあるなら、どんな要素を入れてみたいですか?
西川:『パワポケ』の雰囲気を『パワプロアプリ』に持ってくるのには成功していると思います。どちらか言うと裏サクセスっぽいですが。パワポケをプレイした方には懐かしい感じで受け取っていただければと思います。
次にコラボする機会があれば、松倉宗光(まつくら むねみつ)をなんとかしてシナリオに絡ませてイベキャラにしたいです。イケメンでないと売れないという意見が強くて、古参キャラなのにイベキャラになってないので。
――萩原さんはこれまで多彩な『パワポケ』のキャラクターをデザインされてきたと思いますが、思い入れの深いキャラクター、コラボに出したかったキャラクターを挙げるとしたら誰になりますか?
萩原:布具里珠男(ふぐり たまお)!! このキャラをコラボで出したかったのですが、残念ながら無理でした。次があればぜひ!!!
――木村さんは『パワポケ』好きが高じてコナミに入社されたとのことですが、こうして『パワポケ』にまつわるお仕事をされていることへの正直な感想をお願いします。
木村:正直ファン目線で言うと、制作には携わらずに当時のスタッフが作った“地雷ゲーム”をプレイしてみたかったという気持ちもあります。……冗談です。非常に光栄です!
それだけ好きだったので、絶対に滑れないという不安もめちゃくちゃ大きいですが。かなりチカラを入れて作ったつもりです。ぜひ楽しんでいただけるとうれしいです!
――みなさんにとって『パワポケ』シリーズとはどんな存在ですか? 想いのたけをお聞かせください。
三浦:自分の作りたいゲームが何でも作れる理想の場所です。西川さん含む先輩方にも恵まれ、ゲーム制作の基礎は、すべてここで学びました。ここでの経験が、後にプランナー兼プログラマーとして仕事をするうえでの大きな礎になりました。『パワポケ』チーム最高!
西川:制作していた当時すでに若くなかったのでなんですが、“青春”ですね。やっぱり。
萩原:“人生”!!。『パワポケ』チームでは本当に素晴らしい経験をさせていただきました。今の私があるのも『パワポケ』という存在のおかげです。
木村:人生の教科書ですね! 『パワポケ』のストーリーを読んで育ち、『パワポケ』を一緒にプレイすることで友だちができて育ってきました。今ゲームを作る時でさえも、『パワポケ』の記憶を探ることもあります。
――『パワポケ』ファン並びに今回のコラボに注目しているすべてのユーザーに向けて、ひとことずつお願いします。
三浦:今回のコラボのきっかけは、神条紫杏(しんじょう しあん)がアプリ内アンケート1位を取ったことに始まります。最後のタイトルが出てから10年ほどたったシリーズを、今でも愛していただきありがとうございます。
今回のコラボは、『パワポケ』ファンに向けた要素が随所に盛り込まれていますので、当時『パワポケ』を遊んでいたけど、『パワプロアプリ』は遊んだことないというお客様にもぜひ手に取ってプレイしてほしいです!
西川:『パワポケ』シリーズが完結してもうかなりになるのに、話題にしてくれる方がいてくれてうれしいです。それと、ゲームアプリは時間がかかるので、現実生活に悪影響が出ないように注意してプレイしてください。
萩原:再び『パワポケ』というタイトル関わることができてうれしいです。過去に『パワポケ』をプレイしていた方も、初めての方も楽しめる内容になっていると思いますのでぜひプレイしてください!
木村:『パワポケ』スタッフが作った久しぶりの『パワポケ』です。当時の『パワポケ』ファンにはうれしい内容になっていると思いますので、『パワプロアプリ』を触ったことがない人もぜひプレイしてみてほしいです!
“地雷パニック”も“『パワポケ』スタッフ監修”ですよ!
阪神甲子園球場公認
ゲーム内に再現された球場内看板は、原則として2020年のデータを基に制作しています。
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