【レビュー】アプリ『無職転生』はテキスト量がハンパない! 原作・アニメ未見でも問題なく楽しめる
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- セスタス原川
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ビーグリーが3月27日より配信を予定している、アニメ『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~(以下、無職転生)』のiOS/Android用アプリ『無職転生~ゲームになっても本気だす~』のレビューをお届けします。
本作は、ボリューム満点の『無職転生』の物語を楽しめるRPGアプリです。ゲーム内には、本作オリジナルのストーリーも用意されており、アニメ、原作小説ファンも新鮮な気持ちで遊べる内容となっています。そんな本作を一足早くプレイしてきましたので、感想をお届けします。
『無職転生』とは?
『無職転生』とは、小説投稿サイト“小説家になろう”で2012年に投稿されて注目を集めた、理不尽な孫の手先生による小説です。書籍化やコミカライズを経て、2021年にはアニメの放送がスタートした人気作です。
数年前から多く話題にあがるいわゆる“異世界転生系ラノベ”、“なろう系ラノベ”の作品の中でも長らく人気を集めている本作は、異世界に転生した主人公が活躍するという、ある意味で正統派でありながらも、時には悩み、苦しみ、決断しながら人として成長を遂げていく姿――タイトル通り“本気だす”姿――が強く印象に残ります。
小説を読んだりアニメを見たり、そしてゲームを遊べばわかります。「そりゃあ人気出るよ」と思ってしまうくらい、大変魅力的な作品です。
イントロダクション
ただ部屋に引きこもってゲームやネットに明け暮れるだけの34歳のニートの男。
ある日、彼は交通事故に遭い死亡……したと思った次の瞬間、剣と魔法の異世界に生まれたばかりの赤ん坊として転生!
少年ルーデウスとして生まれ変わった男は、前世の記憶と後悔を糧に、「今度こそ本気で生きていく」ことを誓います。
少年期編を圧倒的ボリュームで描く!
本作のジャンルは“異世界転生RPG”となっており、育てたキャラクターによるバトルと、物語を楽しむストーリーの2つの軸でゲームを楽しめます。
まずプレイしてすぐに驚かされた部分は、ストーリーのボリュームの多さです。
メインストーリーは圧倒的なテキスト量で物語が展開していきますが、アニメの画像をふんだんに使って非常にリッチな表現となっています。
冒頭から物語を振り返ることができるので、アニメをすでに視聴済の人がストーリーのおさらいをすることはもちろん、本作を通して『無職転生』のストーリーに初めて触れてもまったく問題ありません。むしろ、アプリから始めてアニメやコミック、小説へと手を広げていくのもアリ。どれもめちゃくちゃおもしろいので。
また、本作ではゲームオリジナルのストーリーとして、ルーデウスの父であるパウロの少年期が描かれます。ゲームでしか見られない理不尽な孫の手先生による完全監修のストーリーは必見です。
パウロ外伝あらすじ
アスラ王国の上流貴族、ノトス・グレイラット家に待望の長男として生まれたパウロ。幼少期から嫌いな勉強から逃げては屋敷を駆け回り、貴族らしからぬ自由奔放な振る舞いをしていたパウロは、ある日、父・アマラントによってミルボッツ領内の学校へと通わされることになる。
そこでの人間関係は階級こそが力を持つ貴族社会の縮図そのものであり、パウロには到底理解できないものだった。居心地の悪い学校で嫌いな勉強とも向き合えないパウロだったが、彼が唯一おもしろいと思えたのが上級の女剣士による剣術の授業だった―――。
「ちょろっとだけ書いておしまいだろ……」となんて思っている人もいるかもしれませんが、こちらもボリュームは相当なものです。ネタバレになってしまうのでストーリーの詳細は言えませんが、まさか、大人の階段を上るところ(もちろん直接的な描写はないですよ!)まで描かれているとは……。
上記はネタの一端に過ぎませんが、パウロが生まれてからどのような少年時代を送ったのかがしっかりわかる内容となっていますし、『無職転生』ファンであれば「おっ」と思うところは多いと思います。アニメで入ったファンにとっても「アニメで見た(聴いた)」というワードもちょこちょこ出てきますので、パウロ編を遊んだ後にアニメを見直すと、より深く楽しめるかもしれません。
この他に、各キャラクターにスポットを当てたキャラクターエピソードや、イベント時のストーリーなど、読み物として楽しめる要素が多数あるという点でも非常にオススメです。
物語とバトルはマイペースに遊び分けられる
本作では、ストーリーとバトルは分割されています。ストーリーとバトルを交互に楽しむのか、それともバトルを進めて後から一気にストーリーを読むのか、遊び方はプレイヤー自身が各々選択可能です。
各キャラクターストーリーに紐づいた“キャラクターバトル”も用意されており、メインストーリーでも相当な数のバトルを楽しめます。
前述のストーリーのボリュームも含めれば、1つのアプリとしては圧倒的と言えるでしょう。
単純に、バトルが多いとクリアしたときの報酬がたくさんもらえるのでそれも嬉しかったり!
ストーリーとバトルを繋げる“記憶”
かと言って、ストーリーとバトルにまったく関係性がないのかと言えば、そんなことはありません。
ストーリーを進めていくうちに、名場面に差し掛かるタイミングなどで各キャラクターの“記憶”を獲得できます。
これは、いわゆるバトルで使える強化スキルのようなもので、各キャラクターに複数の“記憶”があり、編成時に選択し装備ができます。
それらを発動する“記憶解放”を行ったときの効果は、“記憶”の種類によってさまざま。つまり、ストーリーを進めることで、戦い方の選択肢が増える。端的に言えば、キャラクターがストーリーの進行度に応じて強くなっていく仕組みです。
コマンド方式のターン制リアルタイムバトル
バトルシステムは、コマンド方式のターン制リアルタイムバトルとなっています。キャラクターは通常の攻撃に加えて、特技と奥義の2つの技を持っており、プレイヤーはこれらを選択して敵に攻撃を行います。
通常の攻撃は自動で行われるので、プレイヤーが考えるべき部分は、どのタイミングで特技と奥義を発動させるのかというところ。
特に、奥義は強力な反面クールタイムも長く、使いどころがシビアな特徴があり、どこで使うのかプレイヤーの手腕が問われます。
また、奥義発動時には、キャラクターによるアクションだけでなく、アニメの映像などを使用した特殊な演出が入りますが、こちらも気合が入っているのがうれしい! 奥義発動時の楽しみのひとつでもあります。
ちなみに、バトル中は自動で通常攻撃が発生するため、ややコマンドの入力が難しいのですが、行動を行う前に次のコマンドを予約しておく先行入力が可能です。
バトルはかなりテンポ良く進みますが、これを利用して先の行動を入力しておけば、自動で次の行動に入力を反映してくれます。慣れてくれば、技発動のタイミングを逃すこともありません。
“記憶解放”でステータスアップ!
また、バトル時のコマンドの1つとして前述した“記憶解放”も存在します。こちらはステータスアップの効果を持つため、使用可能になったタイミングでどんどん使用して問題ありません。
ただし、1回の発動可能なタイミングで“記憶解放”できるのは1人のキャラクターだけ。攻撃を仕掛けたいタイミングなら攻撃役に。防御を固めたい場合ならばサポート役になど、臨機応変なチョイスが必要になりそうです。
自動と手動の要素が絶妙なバランスで組み込まれていることで、爽快感とストレスフリーをきちんと成立させながらも、プレイヤーの手腕が問われる要素も十分にあります。ストーリーだけでなく、バトル部分もしっかりと楽しめるデキだと感じました。
ゲームだからできる夢の編成も!
本作には、少年編までに登場したキャラクターがプレイアプルキャラクターとして使用できます。
バトル用の編成では、好きなキャラクターを3人まで選択可能なので、幼年期編と少年期編に登場するキャラクターを組み合わせて楽しむのも良いのではないかと!
キャラクタープロフィールも充実
本作は『無職転生』の図鑑的な役割も兼ねています。キャラクタープロフィール一覧では、各キャラクターの説明に加えて、所有している“記憶”の確認が可能です。
“記憶”は各キャラクターの名シーンになっており、その場面はアニメーション付きで鑑賞できます。
また、ここではゲーム内で聞くことができるボイス一覧も確認可能。“記憶”とあわせて、全キャラクターのプロフィールコンプリートを目指すのもおもしろいかもしれませんね!
高レアリティのカードビジュアルはアプリだけの描き下ろし
カードに使われている画像は、本作オリジナルの描き下ろしビジュアルが多数存在しています。これがまた美麗で、見ているとニマニマできること請け合いです。この記事ではその一部を紹介します。さらに、覚醒させるとビジュアルが変化するようで……? 覚醒後にどんなビジュアルになるかは、実際にゲームを遊んで確認してみてくださいね。
アプリを通して『無職転生』がさらにおもしろくなる!
本作をプレイした感想としては、ガチガチのスマホRPGというよりも“『無職転生』を丁寧にゲーム化した作品”という部分を強く感じました。
ストーリーのボリューム感だけを見てもそう作られているのは一目瞭然。原作小説、コミック、アニメに続き、ゲームで『無職転生』を楽しむという、新しい選択肢が発生したと言えるでしょう。
実は、本作にはキャラクターに装備を持たせる要素もあるのですが、ゲーム内でガチャとして実装されているのはキャラクターのみ。
“記憶”は前述の通りストーリー閲覧で解放されますし、その他の要素についても、アイテム交換やドロップなど、ゲーム内で完結したコンテンツとなっています。
そのため、コツコツゲームを遊んで課金アイテムである幻魔石を溜めてれば、お目当てのキャラクターを手に入れる難易度もそこまで高くなさそうな印象だと感じました。
バトルには2倍速機能やオート機能があるため、なかなかゲームに時間が取れない忙しい人でも問題なくプレイ可能。全体的に遊びやすい仕様のアプリになっていると感じました。
上のほうでも書いたことの繰り返しになりますが、ストーリー部分の盛り込み具合はめっちゃ気合が入っています。なので、まだ『無職転生』を知らない人が触れてもまったく問題ありません。
アニメ放送に続きアプリリリースと、今後も注目が集まる『無職転生』。異世界転生モノの金字塔とも言える本作を楽しむのであれば、アプリもぜひ遊んでおきたいところです。
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(C)理不尽な孫の手/MFブックス/「無職転生」製作委員会
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