引き受けましょう。必ずアンタを連れてってあげるわ（シェラザード）【軌跡シリーズ名言集】

　日本ファルコムの名作ストーリーRPG『軌跡』シリーズの名言集をお届けします。

　今回お届けするのは女遊撃士・シェラザードの名言。『空の軌跡 the 3rd』のエピソードで語られた、彼女の若き日のセリフからチョイスしました。

※本記事には物語のネタバレを含む表現がありますので、ご注意ください。

引き受けましょう。必ずアンタを連れてってあげるわ（シェラザード）

●『空の軌跡 the 3rd』月の扉②　～依頼人～

　シェラザードは《銀閃》の二つ名で呼ばれる凄腕の正遊撃士。姉御肌で頼りがいのある人物で、ときには軍の重鎮にすら忌憚のない意見をぶつけるほどの胆力を持つ女傑です。

　彼女はもとは旅芸人のハーヴェイ一座の踊り子でしたが、巡業でリベール王国のロレント地方を訪れた際、のちに成長して『空の軌跡』シリーズの主人公となるエステルと知り合いに。

　その後ハーヴェイ座長が不慮の事故で死去し、一座がバラバラになってしまったため、エステルの父カシウスを頼って遊撃士の道を志します。

　正遊撃士になってからは主にロレント地方で活動。『空の軌跡FC』では準遊撃士のエステルをサポートし、リベール王国軍情報部のクーデター阻止に尽力しました。

　『空の軌跡SC』では、ハーヴェイ一座で姉代わりだったルシオラと再会するも、彼女がリベール王国で暗躍する秘密結社《身喰らう蛇(ウロボロス)》の執行者になっていた事実に衝撃を受けます。

　その際はルシオラがハーヴェイ座長を殺害したことやその真意も知って動揺しますが、エステルの先輩遊撃士として心を強く保ったまま戦い続け、《リベールの異変》解決に貢献するのでした。

　そんなシェラザードの準遊撃士時代を描いたのが『空の軌跡 the 3rd』のエピソード“～依頼人～”。このとき彼女は、王都グランセルで正遊撃士になるための実績作りに躍起になっていました。

　遊撃士とは民間人の安全と地域の平和を守ることを最優先の目的として、人々からのさまざまな依頼を解決していく職業。ときには願いの裏に隠された依頼人の真意を読み取り、それを叶えることも求められます。

　実績を挙げることにのみとらわれ、人々の顔を見ようともしていなかった当時のシェラザードは、正遊撃士足りえる段階にたどり着いていなかったと言えるでしょう。

　ですが、このエピソードで登場する依頼人・アイナとの出会いがシェラザードに転機をもたらします。アイナはシェラザードに王都の案内を依頼しますが、それは建前で、本当は祖父の莫大な遺産を相続するため、彼女の邪魔をしようとする親族の横槍を跳ねのけ、王城で手続きを行うことが目的でした。

　アイナはただ祖父を慕って一緒に暮らしていたのですが、祖父に信頼されていた唯一の人物だったため、全財産の相続人に指名されることに。当然、アイナは遺産目当ての親族たちから目の敵にされ、身の危険を感じて家を出ました。しかし、大切な祖父の遺産を非道な親族たちに奪われることを良しとせず、正式に相続することを決意。その護衛役として遊撃士を頼ったわけです。

　シェラザードは、苦労知らずのお嬢様に見えたアイナの人生の闇に触れ、自分が依頼人のことをちゃんと見ていなかった事実に気づきます。同時に、汚いやり口で相続の妨害をする親族たちに屈せず、正しく生きようとするアイナの強さを見て、感銘を受けました。なぜならそれは、シェラザードが求めていた生き方だったからです。

　シェラザードはハーヴェイ一座に拾われる前、どこかの国のスラムに捨てられた孤児でした。そこは、生きるためにスリや空き巣に手を染めてやっと手にした日々の糧も、別の誰かに奪われてしまう、最低で最悪の住処。そんな場所に戻らないために、強く、強く生きていきたい。それがシェラザードの願いでした。

　でも、今の道は本当に正しいのか？　スラム暮らしだった自分がまっとうに生きられるのか？　シェラザードは常に不安な気持ちを抱えたまま生きていたわけです。

　そんなときにアイナの気高さを目の当たりにしたシェラザードは、見失っていた遊撃士としての本分を取り戻し、アイナの依頼を必ずやり遂げようと強く思うのでした。その決意表明として、アイナから改めて出された依頼を承ったセリフが今回の名言です。

　その後シェラザードは、アイナや先輩遊撃士のクルツの助けを借りて、見事に依頼を完遂。最後にはアイナの遺産相続の立会人も頼まれます。それは彼女がアイナから心から信頼された、立派な遊撃士であることの証明でもありました。
　　

　初登場のときから頼りがいのある遊撃士として描かれてきたシェラザードですが、彼女にもまだまだ未熟だった時代があったわけで、こういった部分も語ってくれるからこそ『軌跡』シリーズはおもしろいと感じます。

　ちなみにシェラザードは、のちに大国・エレボニア帝国の放蕩皇子ことオリヴァルトと結婚しました。自分の出自に引け目を感じることもあるようですが、アイナとの出会いを経て強い生き方を学んだ彼女のこと、必ず幸せになってくれるはず。今後のシリーズの登場にも期待します！

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