『Re:ゼロから始める異世界生活 偽りの王選候補』は完全監修ならではの『リゼロ』らしい物語がたまらない!

ライターM
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 スパイク・チュンソフトから発売中のアドベンチャーゲーム『Re:ゼロから始める異世界生活 偽りの王選候補』のレビューを掲載します。

 過酷な運命に抗う主人公、ナツキ・スバルとなって、人気作品『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』のオリジナルエピソードを体験できるのが、本作『偽りの王選候補』となります。

 ノベルやアニメなどでかなり人気のタイトルなので、今回は『リゼロ』自体の詳細な説明は割愛させていただきます。

 本作『偽りの王選候補』の物語は、TVアニメ第11話「レム」の後から始まるエピソードとなっていて、本来ならば存在しない6人目の王選候補が現われるという原作・アニメとは異なる展開となっています。

  • ▲ゲームオリジナルキャラクターにして6人目の候補者・メルティ。ややクセの強い候補者の中でもかなりのドジっ子&いい子です。

 ゲームオリジナルの物語ですが、原作者・長月達平先生の完全監修が行われています。そのためか、「実はもともと原作にもこのような展開が用意されていたのかも!?」と思わせてくれるほどおもしろい、独特のテイストと説得力あふれるストーリー運びが魅力です。

 発売中のタイトルとはいえ、何よりも物語自体が最大の魅力だと感じられたため、そのあたりのストーリー展開については極力ネタバレに触れないように進めていきたいと思います。

この辺が“タクティカル”

 本作のジャンル表記は“タクティカルアドベンチャー”となっています。事前情報を仕入れていない人の場合、頭に疑問符が飛び交っているのではないでしょうか。筆者もそうでした。

 いざゲームを進めてみると、突如として3D視点での移動パートが発生。「コレがタクティカルなのかしら」と、スバルを操作して屋内を歩き回って情報収集に勤しみます。

  • ▲レムはもちろん、目つきのするどいスバルでさえ愛らしいと感じてしまうデフォルメグラフィック。
  • ▲会話や行動によって入手した情報やアイテムはメニュー画面から確認できます。単なる説明だけでなく、ゲームを進めるためのヒントが書かれている場合もあるので要チェックです。
  • ▲ゲーム開始直後に表示される選択では、「これまでのことを思い出す」を選択すれば本作に至るまでのエピソードのおさらいができます。せっかくなので見ておきたいところ。

 物語冒頭で王都へと向かうことになる一行は、盗賊団に追われている商人のオットーと遭遇します。

 この時に発生した“ブリーフィングパート”が、後に発生するミッションに対してスバルたちがどのように対処するかを決定する重要な要素でした。

 これは後々分かったことですが、ブリーフィングの選択次第で、ミッションの難易度が変化することもあるようです。

  • ▲チュートリアルを兼ねている序盤ではこんな感じですが……。
  • ▲本編開始後は、途中の展開次第で選択肢が表示されないこともあります。

 AVGということで、選択肢の後にごりごりっとルートが分岐する感じなのかしらと思っていたら、流れるように“ミッションパート”がスタート!

 突如RPGを思わせる画面構成となって、3Dフィールドを舞台にスバルを操作するゲーム展開に変化。これが“タクティカル”の由来のようです。

  • ▲わりと広めの3Dフィールド上には、デフォルメキャラの姿がちらほらと。

 スバルの足下には行動ゲージが表示されていて、ゲージが尽きるとフェイズ終了。RPGのように敵味方が交互に行動していきます。画面左上に表示されている制限フェイズ数に達してしまうと、あまりよくない結末が待ち受けているようです。

 何もない場所でボタンを押すと“考える”コマンドが表示され、ゲームを進める上でのゆるめのヒントが出現。なお、フィールド上で誰かと会話したり、何かを調べてアイテムを入手したりすると、行動ゲージの残量に関わらずフェイズ終了となります。

  • ▲ヒントどおりに行動したはずが、見覚えのある不穏なエフェクトが挟まって最初の“死に戻り”が発生!!
  • ▲“死に戻り”によってミッションパート手前の地点へ。しかし赤い石という重要そうな情報を引き継げました。

とにかく気になるオリジナル展開の物語!

 通りすがりのサルムとプーカの手助けもあって無事に王都に到着した一行は、王城で他の王選候補者たちと対面。

 まさかの6人目の王選候補者であるメルティが登場したところでオープニングムービーが流れて、ここまでの流れが導入パートであったことが判明します。

 詳細な展開は伏せますが、スバルは真っ先に偽物の候補者だと疑われたエミリアの潔白を証明するため、偽物の候補者が誰なのかを調べることとなります。

 他の候補者たちと知り合う経緯も本作オリジナル色が強めで新鮮ですが、原作でも死に戻りを経て出会い方が変わることがあるので、この辺りも行動一つで物語が変化していく『リゼロ』らしさを感じるポイントですね。


  • ▲王選候補者の1人・アナスタシアと街中で出会ったところで何者かによる襲撃イベントが発生。ブリーフィングを挟んでミッションパートへと移行します。
  • ▲事前に周辺を調べておけばよかったのですが、筆者のプレイ結果ではブリーフィングでどちらの選択肢も“???”状態のため選べないという展開に。
  • ▲ミッションパートクリア後にフローチャートを確認すると、ここでも死に戻りすることで読めるエピソードがあるようです。

 王選をめぐるストーリーには徐々に影が差して、エミリアの身を案じてロズワール邸を目指すという不穏な展開へ。

 余談ですが、原作やアニメで描かれていた、騎士を自称した挙げ句に打ちのめされてエミリアには拒絶されるという、胃痛もののイベントがなかったので、それなりに気楽に進めることができたのですが……。

  • ▲屋敷に戻る途中で見覚えのある魔女教の皆さんが登場。
  • ▲絶望的な場面を見せつけられた挙げ句、アニメでもスバルに死をもたらしたあのキャラが登場します。

 ここからは『リゼロ』でおなじみ、死に戻りで得た情報をもとに、運命を変えようと行動するスバルの本領発揮です。

 王都へと乗り込んだ際、魔女教大罪司教・ペテルギウスの襲撃を受け、再び緊迫感あふれるミッションパートが発生します。


 ここでちょっとゲームの仕様として気になったのが、ミッションパートにおける“死に戻り”で手に入れた情報の使い方です。

 少しネタバレに触れますが、普通にプレイしていれば「ここでレムに、あるキャラの“特徴”についてのヒントを伝えればいいんだよね?」と分かるのですが、問題はヒントを伝えるタイミングでした。

 このミッションでは、レムが特定のポイントに到達するのを待ってから情報を伝えないと正しいリアクションを得られません。タイミングを誤ると「もしかして解法その物が間違っているのか」などと勘違いしてしまうかもしれませんね。

▲レムに話しかけて「冷静に」というセリフが発生した後、適したタイミングで情報を確認することで、次の展開に進みます。

 3周目に突入したところからは、掲載不可ということで、詳細についてふれることはしません。

 しかし、魔女教徒の襲撃や、凍てつく王城など、絶望的なシーンに遭遇しつつも、そこをどのようにして乗り越えていくのかという期待感のある展開だけでなく、6人目の王選候補者であるオリジナルキャラのメルティや、道中で出会った2人組のサルムとプーカはどのように関わってくるのか、などなどオリジナルのストーリーだからこそ生まれる疑問もあって、興味は尽きませんでした。

 ひと通りプレイした筆者の感触としては、『リゼロ』好きならプレイして損のないタイトルになっていました。

  • ▲「スバル君のレム」状態のレムとの甘々なやり取りを満喫してみたり……。
  • ▲相変らず手厳しいお姉様の毒舌に安心感を覚えるもよし。

 「ご褒美は頑張った子にだけ与えられるからご褒美なのです」というセリフを聞いただけで頑張ってしまえるような、エミリアが大好きな人も必見です! 余談ですが、筆者も大好きな1人です。

©長月達平・株式会社KADOKAWA 刊/Re:ゼロから始める異世界生活2 製作委員会
Licensed to and Published by Spike Chunsoft Co., Ltd.

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Re:ゼロから始める異世界生活 偽りの王選候補

  • メーカー: スパイク・チュンソフト
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: ADV
  • 発売日: 2021年1月28日
  • 希望小売価格: 7,980円+税

Re:ゼロから始める異世界生活 偽りの王選候補

  • メーカー: スパイク・チュンソフト
  • 対応機種: Switch
  • ジャンル: ADV
  • 発売日: 2021年1月28日
  • 希望小売価格: 7,980円+税

Re:ゼロから始める異世界生活 偽りの王選候補

  • メーカー: スパイク・チュンソフト
  • 対応機種: Steam
  • ジャンル: ADV
  • 発売日: 2021年1月28日
  • 希望小売価格: 7,980円+税

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