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タクティクスRPG『プロジェクト トライアングルストラテジー』体験版レポ。投票が物語を決める斬新なシステム

滑川けいと
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 スクウェア・エニックスが発表したSwitch用ソフト『Project TRIANGLE STRATEGY(プロジェクト トライアングル ストラテジー)』の先行体験版『Debut Demo』をプレイ。その感想を紹介します。

 『Project TRIANGLE STRATEGY』は、先日のニンテンドーダイレクトにおいて発表されたタイトル。同社の『OCTOPATH TRAVELER』と同様、ドット絵と3DCGを融合した“HD-2D”で描かれるタクティクスRPGとなっています。

 発表直後に配信された先行体験版について、プレイで感じたポイントを紹介していきます。

塩と鉄を巡る諸国の争いを描いた重厚なシナリオに注目のタクティクスRPG

 舞台となるのは、大地“ノゼリア”。船での交易に長けたグリンブルク王国、鉄の生産を行うエスフロスト公国、ノゼリアのなかで唯一塩がとれる聖ハイサンド大教国の三つの国が存在していました。

 資源を奪い合い“塩鉄戦争”まで発展した各国は、その壮絶さから停戦。平和を取り戻していましたが、それもつかの間の話でした。エスフロスト公国で新総帥になったグスタドルフが、グリンブルク王国に攻めてきたのです。

 体験版は物語を切り出しており、6話からスタート。グリンブルク王国にあるウォルホート家の新当主であり本作の主人公である“セレノア”が、攻め入られているエスフロスト公国の王城に駆けつけたところから描かれます。ストーリーはボイスつきで、感情移入できました。

  • ▲塩鉄戦争での復讐にきたのかと問われ、首を横にふるグスタドルフ。侵攻には別の理由があるようです。
  • ▲セレノアたちは駆けつけたものの、グスタドルフの圧倒的な勢いに一時退避することに。

 本作では、MAPにあるアイコンを選択してストーリーを進めていくことに。メインストーリー以外にサブストーリーが用意されており、その時点での国の状況を心配するサブキャラの様子がうかがえます。物語をより深く楽しみたい方は、立ち寄るといいかもしれません。

  • ▲MAP画面の赤いアイコンはメインストーリーで、青いアイコンがサブストーリーになります。
  • ▲王の訃報を知り、生きるための手段を模索するシルヴィオ。サブストーリーでは、いろいろな視点で物語を楽しめます。

 また、サブストーリーのなかにはキャラクターが仲間になるものもありました。キャラクターは“戦士”や“隠密”などいろいろな職業についており、職業によって戦い方が変わります。

 多くのキャラクターを仲間にすることで戦闘の幅が広がるので、仲間になるサブストーリーは積極的に行っていくのがよさそうです。

  • ▲仲間加入のサブストーリーには人物アイコンがついています。
  • ▲雷や天候変化の魔法を使えるエザナが加入。本作ではメインキャラクター以外はサブストーリーを経て仲間を増やしていくようです。

支援や仕掛けを駆使した戦略性ばつぐんのタクティカルバトル

 戦闘パートは、マスで区切られたステージを移動させ、戦っていくタクティカルバトル。速度順にキャラクターを行動させながら、クリア条件の達成を目指します。

 戦闘では味方が行動する際“敵の攻撃範囲かどうか”、“どの敵の攻撃範囲に入っているのか”が表示されるようになっています。支援役であれば敵の攻撃範囲に入らないように動く、盾役であれば複数の敵が攻撃してくる場所に動くなど、どのように味方を行動させるべきか、考えやすいと感じました。

  • ▲移動範囲の青い場所は安全な地帯。紫色の場所は敵の攻撃範囲になっている場所です。
  • ▲攻撃時には、どれだけダメージを与えられるか、その攻撃は敵の弱点なのかも表示されます。

 キャラクターは通常攻撃以外にもアビリティを所持しています。アビリティは1ターンごとに1つたまる“TP”を消費することで使用可能。

 TPの消費量はアビリティによって異なるため、消費1のアビリティをガンガン使っていると大技を放てません。戦闘のなかでアビリティをどう使っていくのかを考える必要があります。

  • ▲主人公のアビリティ“ディレイソード”。ダメージを与えらるうえに、敵の行動順を遅らせる効果があります。

 アビリティを見て思ったのは、補助系の効果が豊富だということ。攻撃力や防御力アップはもちろん、なかにはステージに遮蔽物を作るといった特殊なものも。補助系のアビリティを使いこなすことで、グッと戦いやすくなるなと感じました。

  • ▲氷の柱を作って近接攻撃の敵を足止めし、遠くから魔法で攻撃すれば安全に戦えます。

 また、ステージのなかに仕掛けが用意されたステージがあるのもおもしろいところ。仕掛けをいいタイミングで発動させれば、敵の数を一気に減らす、なんてことも可能です。敵を仕掛けの範囲に移動させるため、味方の位置取りをどうするべきなのかを考えて、うまくいった時の喜びはひとしおですよ。

  • ▲ステージに配置してある置物を破壊すると火があたりを包み、なかにいる敵を一掃する仕掛け。演出も相まって、かなりの爽快感がありました。

 アビリティや仕掛け以外にも、味方で敵をはさむと発生する“追撃”や、敵の背後から攻撃するとクリティカルになるなど、戦略的に味方を移動させて戦うことでより戦闘を有利にできるシステムが豊富に用意されています。

 体験版は、少し難易度が高めに設定されているとのこと。歯ごたえのあるタクティカルバトルを楽しみたい人は、体験版をプレイしてみるのもいいかもしれません。

自由に動き回れるRPGパートで戦闘前の準備を整えよう

 ストーリーパートや戦闘パート以外に“RPGパート”があります。周囲を自由に歩き回り、人々から情報を得たり事前に設置された仕掛けについて調べたりできます。

  • ▲周囲を探索していると、アイテムが見つかることもあります。

  • ▲仕掛けであれば、どんな効果が期待できるのか事前にわかります。

 RPGパートで周囲のキャラクターに話を聞き回っていると、時には選択肢が発生することも。どのような答えを出したのかで決まるのが“信念パラメータ”です。

 この“信念パラメータ”は “Benefit”、“Moral”、“Freedom”があり、プレイヤーの選択や行動により変化します。信念パラメータの値でセレノアの信念が決定。セレノアの信念に賛同したキャラクターが仲間になります。

 サブストーリーではキャラクターが仲間になると前述しましたが、この信念パラメータの値次第で加入する仲間が異なってくるのかもしれません。どのような仲間と出会えるのか、わくわくしますね!

  • ▲信念パラメータの値はプレイヤーには見えません。難しく考えず、自分の感じたままに行動していくのがよさそうです。

キャラクター全員が物語の方向性を決める斬新な投票システム

 敵国からの追われている主人公らは、“この先どうするべきか”の選択を迫られることがあります。そこで登場するのが、本作の軸ともいえる“投票システム”です。投票システムは、どの選択をすべきかを代表者たちが1票ずつ出しあい、多くの票を獲得した選択を行うというもの。

 キャラクターは自分の意見を持っており、プレイヤーと同じ意見かどうかはわかりません。「こっちの選択にしたい!」とプレイヤーが思っていても、投票システムの結果次第では別の選択になる可能性もあるわけです。

  • ▲現在どのような投票状況なのか、画面に表示されています。

 プレイヤーができるのは、自分とは異なる意見を持ったキャラクターを“説得”すること。前述したRPGパートで説得材料を集めてキャラクターを説き伏せられれば、投票時に意見が変わるかもしれません。

  • ▲周囲の人々に話を聞き、説得に足る情報を得ましょう。

  • ▲説得材料がそろっていると、説得時の選択候補に新たなものが出現します。

 とはいえ、確実に説得できるわけではないようです。説得はあくまで説得。最終的な決定は投票し終わるまでわかりません。プレイヤーだけの意思はあくまでセレノアとしての一意見であり、キャラクター全員の意見を総合して物語の方向性が決まるというのは新しいですね。

 物語の展開や演出、バトルの戦略性などタクティカルバトルを盛り上げる要素がふんだんに盛り込まれた本作。体験版とはいえ、その特徴は十分に感じられました。シナリオも作り込まれており、どのような展開がこの先まっているのかはやく知りたいです!

 体験版は現在配信中なので、ぜひプレイしてみてください。

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