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【おすすめDLゲーム】『ハーヴェストグリーン』やることが豊富すぎる農家経営シミュレーション

信濃川あずき
公開日時

 ダウンロード用ゲームから佳作・良作を紹介する“おすすめDLゲーム”連載。今回はNintendo Switch用ダウンロードソフト『ハーヴェストグリーン』をお届けします。

 『ハーヴェストグリーン』の初出は2009年、PCゲームとしてリリースされました。要素の多さとやり込みの深さで人気となり、ベクターPCショップで人気の高かったダウンロードソフトに贈られる第13回プロレジ大賞ゲーム部門賞を受賞しています。

 本作は、PC版に新しい要素を加えたパワーアップ版。やれることは、山ほど用意されています。好きな目標に向かって、忙しすぎる農家経営を楽しんでください。

 主人公は、ミンティという女の子。小さな漁村出身ですが、農業がさかんな国イシュワルドへ勉強に来ています。彼女の目標は、農業を学んでそれを自分の村に伝えること。

 ある日、ミンティにチャンスが訪れます。たまたま畑のひとつに空きができたので、好きに使っていいことに。実践から農業を学び、立派な農家を目指します!

  • ▲主人公のミンティ。素直で明るく、山のような仕事をこなすスタミナも持っています。
  • ▲畑を貸してくれる牧場長。ミンティを一人前にするため、お題を用意してくれます。
▲騎士見習いのアイトと、ギルドでモンスター退治をするシオ。ミンティは、この地の人々と仲よしです。

 登場人物がとても多く、彼らとのストーリーがたっぷり用意されているのもポイントです。ミンティと彼女を取り巻く人々のストーリーを、原稿用紙約700枚分も収録。農業だけでなく、ストーリーも盛りだくさんです! あれもこれも、欲張って楽しんじゃいましょう。

鳥や虫、気候に左右されるリアル農業

 ゲームをスタートさせると、まずは“ミンティのタイプ”を選ぶことから始まります。これは実質的なゲームモード設定ともいえるもの。例えば、“一般娘”ならノーマル、“初体験娘”なら全体的な能力が高い初心者向け、“成金行娘”は最初から所持金が多め……などがあります。

 特定の資材を最初から多く持っているというようなクセ強めのモードもあるので、2周目以降に別の遊び方をしたい方はいろいろと試してみてください。

  • ▲1周目は一般か初体験で、まんべんなく遊んでみるのがおすすめです。

 農業の最初は、種まきです。プレイ開始時から種を買えるだけのお金を持っているので、最初の種はショップで購入します。

  • ▲いつでも行ける種屋“ショップフローラ”。季節に応じた作物の種があります。

 初期の畑の大きさは最初に選んだタイプに左右されます。種は収穫した作物からも作れますし、張り切って買いすぎなくても大丈夫。少しずつ買い足していきます。

  • ▲筆者は最初勝手がわからず、種を大量購入してのちほど困りました。こんなにはいらないので気を付けて!

 いよいよ、手に入れた種をまきます。作物にはよく育つ気候と苦手な気候、成長する速度などがそれぞれあるので、今の時期はどの種をまくべきかをよく考えていきます。

  • ▲天気予報は重要! 気候に加えて、季節によっては台風などが起こる可能性にも注意します。
  • ▲例えば“アネモネ”なら、夏の栽培は不向きなので秋から冬にかけてまくべき。現実のアネモネと一緒!

 種をまいたら作業終了……ではありません。ミンティの1日はとにかく多忙です。やるべきことがたくさんあるのですが、さすがに体力が限られています。そこで、メニューの“行動”から行動設定を行います。

  • ▲行動設定から、その日に何をするかを細かく決めていきます。

 畑は放っておくとドンドン荒れていくので、適度に“土地整地”が必要。畑の拡張などに使う資材を探しに行ったり、料理のための食材を採取したり……いろいろとやれることが並んでいます。

 行動するとミンティはHPが減るのでそこも管理しながら、行動を決定します。体力が減ってきた場合は“仕事休憩”で回復させることも大切。行動設定や種蒔きなどを終えたら“進行”ボタンを押すことで、時間が進みます。

  • ▲行動を実行した結果は“ミンティメモ”に書き込まれます。採取などは、必ず成功するとは限りません。

 朝になると、ミンティは自動的に畑に水をまきます。この時、植えている作物の“水量”の分だけ体力を消費するので注意! そこも含めてミンティのHPを管理しなくては。水まきのあとは自由行動に使える体力をチェックして、またその日の行動を決めていく……という流れです。

 作物の成長に必要な期間が無事に経過すると、収穫の時がやってきます。収穫した作物には“出荷する”、“倉庫に入れる”、“種にする”、“品種改良する”という4つの選択があります。出荷すると作物を売ることになりますので、お金が手に入ります。

 倉庫に入れた作物は、自分で料理に使うもの。種にすると、文字通り再び同じ作物を育てるための種になります。そして品種改良は必要な回数をこなすと、その種をいつでも仕入れられるようになったり、新しい品種がうまれたりします。

  • ▲品質が高い作物は価格も上がるので、完成した作物の品質や種の在庫でどうするかを決めます。
  • ▲品種改良をすると、より相場価格の高い作物がうまれる可能性もあります。

 もちろん農業は自然が相手ですから、毎日平和に過ごせるわけではありません。序盤はどうしようもないことなのですが、作物が害虫や鳥の被害にあったり、急な気候の変化で枯れてしまったりします。

  • ▲害虫は突然現れます。筆者は巡り合わせが悪かったのか収穫できる前日に来ることが多く、何度も絶望しました……。
  • ▲収穫する前に作物が枯れてしまいました……。貴重な種を使っていた時のショックは大きいです。

 なお、枯れてしまった作物は種も残らず消失してしまいます……。害虫や鳥の被害にあった作物は、一応収穫はできます。ただし、価値が下がっているので売値は相場以下、傷んでいるせいか種にすることもできません。

 自分で料理に使うために、とっておくのがよいでしょう。お金や資材に余裕が出てくると対策ができるようになるので、それまでは運を天に任せてコツコツとやっていきましょう。

農業よりも料理で天下を取りたい!

 本作はできることがとても多いので、プレイヤーが自分自身で目標を定めることができます。そのひとつが“料理”です。自分で作った作物や、採取で見つけてきた食材、市場で購入した食材を使って料理を作ることができます。料理のレシピは243種類も用意されています!

▲料理のレシピは“レシピガチャ”か、たまに開催される“お料理教室”で増やします。

 料理は、作れば作るほど“料理レベル”が上がります。難しい料理は、一定の料理レベルに到達していないと作ることができないので、まずは簡単な料理から作っていきましょう!

  • ▲できた料理は自分で食べる、友だちにあげる、炊き出しとして町の人に寄付する、一定の条件を満たすと販売することができます。

 料理の中には、ミンティ自身が食べることで特殊な効果が得られるものもあります。注目したいのは、HPアップ効果のある料理。HPが上がれば、日々の行動がもっとたくさんできるようになります。HPアップ料理は、序盤はミンティに食べさせていくのがおすすめです。

 また、季節ごとにお料理コンクールが開催されます。毎回テーマや評価するポイントが異なるので、手持ちの料理でいけると思ったら積極的に出場するのをおすすめ! 優勝すると、いろいろな商品が手に入ります。商品の中にはめずらしい種も。

  • ▲コンクールには手持ちの料理を持ちこみます。開催される日に作ってもOKなので、食材を日頃からストックしておくのが大事です。
  • ▲料理は、ランダムで発生するイベントで使うことも。HP回復にも使えるので、つねにいくつか作っておきたいですね。
▲実況のアナウンサーもいて、コンクールは緊迫した雰囲気。審査員のコメントに注目です。

 レシピ収集やコンテストへの挑戦がおもしろく、農業よりも料理がメインになってしまいそうでした。もはや農業は、食材収集の手段。でも、それもまたひとつの、このゲームの遊び方です。農業に夢中でも、料理に夢中でも、ストーリーに夢中でも、いずれも間違いではないのです!

人々との交流で日々の暮らしをより楽しく!

 イシュワルドに住んでいる楽しい人々との交流も、本作のお楽しみ要素のひとつ。交流できる友だちには、ミンティとの“友好度”があります。これは、行動メニューの“友達交流”で一緒に遊んだり、好きな料理をプレゼントしたり、特定の日に発生するお祭りへ一緒に出かけたりすることで増えていきます。

  • ▲友だち交流は誰と遊ぶかランダムで決まるので、特定の友だちと集中的に仲よくなるには料理をあげたりお祭りに誘ったりするのが確実。

 友好度が上がると、友だちが仕事を手伝ってくれるようになります。例えばシオは肉類の食材を持ってきてくれたり、ルヴェルは資材を集めてくれたりと、それぞれやってくれる仕事が異なります。何をしてほしいのかで、優先的に友好度を上げる友だちを選ぶのがいいでしょう。もちろん、そんなこと関係なく推しキャラと仲よくなってもOKです!

  • ▲肉料理に強くなりたかったので、シオを集中的に誘いました。でも、できればみんなと仲よくなりたいですね。
  • ▲資材は、畑を広くしたり災害対策をしたりするのにガンガン使うので、ルヴェルさんとの友好度も重要だと思いました。

 さて、イシュワルドの人々はたまにミンティのところにやってきて、ミニゲームを出してくることがあります。ゲームをクリアするとアイテムが手に入ったり、友好度がアップしたりするので積極的にプレイしていきましょう。このミニゲームの種類が多く、しかもピリ辛程度の難易度があるので夢中になってしまうんです。

  • ▲友だちが、何らかの理由でミンティを訪ねてきてゲームに突入します。
  • ▲最初に表示される果物の配置を覚えて、次々と表示される画面からまったく同じ配置を選ぶ“フルーツバスケット”。
  • ▲あてはまる符号を選ぶ“アンサーズ”。制限時間があるので、のんびりと考えてはいられません。
  • ▲左と右、どちらの合計数字が大きいかをパッと判断する“ビッグ&スモール”。色つきの0や9に惑わされます……。
  • ▲次に出てくる数字は、今の数字より大きいか小さいかを予想する“ハイ&ロー”。どうしても確率で考えますが、持っていない筆者はけっこう裏切られました。

 ミニゲームで勝利した時にもらえるアイテムはいいものばかりですし、農業などの合間にいい刺激になります。友だちが訪ねてきた時は、一緒に遊びましょう。

  • ▲苦手なミニゲームは設定でオフにできます。筆者としては、全部楽しいのでオンにしておくのがおすすめ!

 ストーリーでは、イシュワルドの人たちとミンティの交流や、誰かと誰かの恋物語、友情や兄弟愛といったいろいろなテーマの展開が楽しめます。前述のとおり、テキスト量がたっぷりで読み応えはバツグン。農家としてのミンティの成長とともに、ストーリーもぜひ追っていってください。

▲ドタバタコメディから展開が気になる恋愛。中には“定額給付金”というタイムリーな言葉が出てくるストーリーも。

動物好きならブリーダーだって目指せる!

 ミンティが畑を借りているのは、牧場の一角です。牧場……つまり、動物がいるということ。本作では、動物を育てることもできるんです!

  • ▲牧場長を訪ねると、いつでも動物を購入することができます。
  • ▲初期の動物はこの3種。条件を満たすことで、種類は増えていきます。

 筆者は最初に“イシュワルド鶏”を飼うことにしました。動物を購入すると、毎日餌が消費されていきます。餌は、飼い主であるプレイヤー自身が切らさないよう追加してあげる必要があります。購入もできますが、せっかくなら自分で作った餌で育ててあげたいですよね。

 作物の“ファシミア草”を育てて倉庫に入れることで、餌の牧草を作ることができます。たまに市場で売っていることもあるので不足してきたらチェックしてみてください。

 ちなみに、牧草から作れる料理“動物の餌”を餌箱に入れたほうが効率がいいのですが、レシピを覚えることと他の食材が必要になります。そのため、余裕が出てきたら、やるようにしましょう。

▲買っても作ってもいいので、餌を切らさないよう常時多めにストックしておくのがおすすめ。

 動物を飼っていると、その種類に応じた恩恵があります。筆者が買っているイシュワルド鶏なら、ときどき副産物として料理の材料となる卵を産んでくれます! 食材提供だけではなく、ちょっと変わった恩恵の動物も登場するので、ブリーダー道も奥深く極め甲斐がありますね。

 さらに、同じ動物の雄と雌を所持している場合は、子どもをつくることもできます。子どもができたら餌の消費が多くなりますが、購入しなくても動物を増やせるので挑戦してみてください。

▲繁殖に挑戦し始めたら、いよいよ立派なブリーダーです。

 全部を紹介するのが難しいほど、たっくさんの要素が詰まっている『ハーヴェストグリーン』。何度でも言いますが、目標を決めるのはプレイヤー自身です。農業王、料理王、動物王、人脈王……何を目指してもいいんです。好きに遊び倒してください!

  • ▲筆者が目指すことにしたのは料理王です。自分で育てた野菜で料理するのって最高!

(C) 犬と猫/ (C) OTOMURA SOFT

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『ハーヴェストグリーン』

  • メーカー:オトムラ
  • 対応端末:Switch
  • ジャンル:シミュレーション
  • 配信日:2021年2月4日
  • 価格:1,320円

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