異色のメカアクション『メタルウルフカオスXD』プレイレポート。大統領となってレッツパーリィ!【電撃PS】
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8月6日にPlayStation 4、Xbox One、Windowsで発売予定の『METAL WOLF CHAOS XD(メタルウルフカオス エックスディ。以下、『MWCXD』)』。このたび、改めて序盤の数ミッションをプレイすることができたので、そのインプレッションをhororoがお届けします。
そもそも『MWCXD』とはどんなゲームなのかというと、2004年にフロム・ソフトウェアから発売されたメカアクションゲーム『METAL WOLF CHAOS(メタルウルフカオス)』の現世代機移植版となります。
フロム・ソフトウェアのメカゲームといえば、鉄と油の臭いがむせる、硬派な世界観やゲーム内容が魅力の『アーマード・コア』シリーズが有名ですが、同じメーカーから発売されたとは思えないほどのはっちゃけ具合や、高いテンションでカルト的人気を誇りました。
細かいことはいいんだよ! 合衆国大統領・イズ・ジャスティス!!
まず設定からしてぶっ飛んでいます。舞台となるのはアメリカ合衆国。アメリカ全土で起きたクーデターによって、すべての中枢機関がクーデター軍に掌握されてしまう……ここまではよしとしましょう。物語は、こう続きます。「だが。クーデター軍に対抗する合衆国最後の希望が残されていた……合衆国大統領だ」。
意味わかりませんよね。そう、このゲームの主人公は現職のアメリカ合衆国大統領、マイケル・ウィルソンなのです。その大統領が、秘密裏に開発していた特殊機動重装甲“メタルウルフ”を身にまとい、クーデター軍と戦いを繰り広げる、といった内容になっています。最高に頭が悪い(ほめ言葉)設定です。
もっとも有名なのは、最初のミッションでのメタルウルフの登場シーンでしょう。ホワイトハウスの壁を突き破って登場しながら発した「レッツパーリィィィィィィ!!!」(正確には「レッツ パーティーー!!!」と表記)というセリフは、インターネットミームとして今でも息づいているほど。
じつは自分も、オリジナル版はミームとして認識していただけで、プレイはしたことがありませんでした。オリジナル版は初代Xboxでのみの発売だったため、実際にプレイしたことがある人は少ないかもしれませんね。
破壊衝動に身を任せろ! 頭をからっぽにして楽しめる爽快なゲームプレイ!
軽く数ミッションプレイしてみた感想は、とにかく気軽であることと、やたらオブジェクトが壊れることが印象的でした。適当に重火器をブッ放し、周りの地形ごと敵をハチの巣にしてやれといわんばかりの作り方は、このゲームの何たるかを体現しているといってもいいでしょう。
攻撃時は画面に表示される四角いターゲットサイトの中に敵を収めれば、トリガーを引くだけで命中させてくれるので、難しい照準調整は必要ありません。なので、L2またはR2ボタンで左右の銃を撃ちながら、カメラをぐるぐる動かしているだけで画面の敵を撃ちまくり、オブジェクトをなぎ倒していくことができます。まさに単純で爽快! めちゃくちゃ気持ちいいです。
とはいえ、そんな中でも大ダメージを被る地雷をしれっと設置していたり、微妙に見にくい弾を発射してくる戦闘ヘリがいたりと、地味にこちらを殺しにくるところに、フロム・ソフトウェアのエッセンスを感じますね。
メタルウルフは、背中の武器ハンガーに最大8種類の武器を格納することができ、戦場では使う武器を臨機応変に切り替えて戦うことができます。
この“ミッションにどの武器を持っていくか”というのを悩むところも魅力のひとつ。最初こそ持っている武器は少ないですが、ミッション終了時に得られるお金やレアメタルを使い、武器の研究や開発を行うことができます。
マシンガン系をたくさん積んでトリガーハッピーしてもいいですし、ミサイルやグレネードランチャーなどを大量に抱えてミサイルパーティーをしてもいい。火炎放射器で汚物は消毒してもいいと、かなりやりたい放題できました。
もちろん、重装甲の敵にはミサイルなどの破壊力が高い武器が効果的で、人間などには威力は低くてもマシンガンのような連射系武器のほうが制圧しやすい、といった向き不向きはあります。が、少なくとも通常難易度ではそんな細かいことは気にせず、使いたい武器を使ってレッツパーリィしたほうが楽しいかなと思います。
開発のコンセプトとしては“15年前にプレイできなかったユーザーへオリジナル版のありのままを届ける”ことを目標に掲げていたため、破壊表現などは目の肥えた今の人間が見ると、発泡スチロールのビルがバラバラっと崩れているようでチープに見えるかもしれません。しかし、それも独特の味があるというか……無駄に派手にぶっ壊れるせいで、これはこれで気持ちいいんですよね。
とはいえメタルウルフはかなりカッコよく処理されていて、今見ても全然いけるなと思いました。武器を切り替える際の武器ハンガー展開のギミックといい、やっぱりフロム・ソフトウェアのメカへのこだわりは異常ですね!
大統領節をはじめ、独特のアメリカンな空気感がクセになる!
洋画を観ていて、アメリカンジョークやアメリカ独特の言い回しなどを目にすると思うのですが、本作ではそういったセリフがたくさん登場します。
もちろん、主人公である大統領も終始そのノリでしゃべり倒すので、会話が非常にバタ臭い! それが本作の魅力でもあるんですよね。
とくに大統領はさまざまな名ゼリフを残しており、大統領語録などと呼ばれて今まで語り継がれてきているほど。ここでは、序盤に聞くことができる彼のセリフをいくつか取り上げてみましょう。
“大統領語録1”
「ようこそホワイトハウスへ」
クーデター軍がホワイトハウスに乗り込んできた際、メタルウルフを装着しながら迎えたときに言った言葉。大統領にならって口に出すときは、流ちょうに「Welcome to the White House」と言いたいですね。
“大統領語録2”
「・・・戦いは、続く。私の中の“アメリカ”が生きている限りな」
強敵を倒したあとのセリフ。大統領の中に息づいているアメリカンスピリットは、そう簡単には消えません。“アメリカ”の部分を変えるだけで、日常のいろいろなシーンで使える……かもしれません。
“大統領語録3”
「どっちが、“ワイアット・アープ”か決めるとしようか?」
西部劇を連想する町での戦闘の際、敵のメカと対峙したときのセリフ。映画『荒野の決闘』などで知られる西部時代の保安官、ワイアット・アープになぞらえて、大統領とクーデター軍のどちらが官軍たるかを決めようとしています。
ほかにもたくさん名ゼリフがありますが、そこはぜひご自身の目で(耳で?)確かめてください。大統領だけでなく、秘書のジョディもかなりウィットに富んだかけ合いを見せてくれるため、話を聞いているだけでもおもしろいですよ!
最後にもうひとつ触れておきたいのが、ゲーム中に行える操作で、大統領にセリフをしゃべらせることができる機能のこと。……その名も“大統領シャウト!”! これ、最後の“!”も入れて正式名称ですからね。コントローラーのほぼすべてのボタンに何らかの機能が割り振られているわけですが、方向キーはすべてこの“大統領シャウト!”です。
というか、冷静に見ると、ボタン設定の画面がおかしいんですよ。ほかのボタンは普通に“ジャンプ”とか“ブースト”とか書いてあるのに、方向キーのとこだけ“大統領シャウト!”ですから。なんでそこだけテンション高いの? まぁ「大統領だから」と言われれば、「あ、ハイ」と納得せざるをえないパワーがこのゲームにはあります。
『DARK SOULS(ダークソウル)』シリーズや『SEKIRO:SHADOWS DIE TWICE(セキロ:シャドウズ ダイ トゥワイス)』など、近年ではやりごたえのあるアクションゲームを多く手がけているフロム・ソフトウェアですが、じつはこんなハイテンションのお祭りゲームを作っていたこともありました。
昔を懐かしみたい人はもちろん、最近フロム・ソフトウェアのファンになった人も、ぜひこの機会に『MWCXD』という、フロム・ソフトウェアの別の一面を体験してみることをオススメします。きっと、この会社のことがもっと好きになるハズですよ!
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