ただ、旅を終わらせるきっかけが欲しかっただけよ (キリカ)【軌跡シリーズ名言集】
- 文
- アツゴロウ
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日本ファルコムの名作ストーリーRPG『軌跡』シリーズの名言集をお届けします。
今回お届けするのはカルバード共和国出身の東方美人キリカ・ロウランの名言。『空の軌跡 the 3rd』で語られた彼女のエピソードからチョイスしました。
※本記事には物語のネタバレを含む表現がありますので、ご注意ください。
ただ、旅を終わらせるきっかけが欲しかっただけよ (キリカ)
●月の扉④ ~旅の終わり~ (英雄伝説 空の軌跡 the 3rd)
キリカは東方に伝わる武術“泰斗流”の師父リュウガの娘で、自身も“泰斗流”奥義皆伝の腕前を持つ女性。カルバード共和国のA級遊撃士“不動”のジンとは同門の間柄です。
彼女の初登場は『空の軌跡FC』で、そのときはリベール王国の遊撃士協会・ツァイス支部で受付をしていました。
キリカは武術の腕もかなりのものですが、その真価は優れた判断力や情報処理能力。彼女の手腕は、ときにまるですべてを見通しているかのように感じるレベルです。あまりの手際の良さに、『空の軌跡』シリーズの主人公エステルが「超能力者?」と思うほどでした。
『空の軌跡SC』では、リュウガの一番弟子でキリカの恋人でもあったヴァルターと再会。ヴァルターは6年前、リュウガを仕合の果てに殺害した男でしたが、キリカはその罪を問うこともせず、ただ彼に伝えるべき言葉があると言い、その想いを口にします。
ヴァルターの失踪は“泰斗流”の継承者争いにまつわる話が原因でしたが、キリカは師父の娘という立場をなしに自分を見て欲しかったことと、自分に状況を説明する義務を果たさずに姿を消したことを責め、そんなヴァルターに未練はないと告げます。
普段はクールなキリカが、冷静さを保ちつつも女性としての情熱をヴァルターに正面からぶつけるこのシーンは、プレイした当時かなり印象深かった思いがあります。頭脳の冴えを含め、ホントにいち支部の受付の座に収まる器の人じゃないですよね、キリカって。
さて、そんなキリカの心情をより深く掘り下げたのが『空の軌跡 the 3rd』のエピソード“~旅の終わり~”。キリカはジンとともに、カルバード共和国のリベール駐在大使であるエルザから、エルモ村の温泉宿に招かれます。
ここでキリカは、共和国大統領ロックスミスが新たに立ち上げるという情報機関《ロックスミス機関》への参加を打診されます。これは、大きく変動する西ゼムリア大陸の情勢に共和国が対応するため、キリカの力を貸して欲しいという話でした。
このスカウトに最初は「受ける理由はない」と言うキリカでしたが、エルザ大使に「受けない理由もない」と返され、珍しく沈黙。キリカにも思うところがあったようです。
キリカの心の内は、その後のジンを相手にした会話で語られます。父リュウガが亡くなったあと、“泰斗流”が目指す“活人拳”の意味を求めて大陸中を旅したこと。旅の途中でいくつもの争いや暴力を見て自分の無力さを痛感したこと。そうしてたどり着いたのが、民間人の安全を第一に行動する遊撃士協会の理念だったと、キリカは静かに語り続けるのでした。
戦いを通さない活人の道を求める彼女にとって、直接戦うことの少ない遊撃士協会の受付という立場は理想的かと思われました。ですがそれは自分の足で歩こうとせず、ただ協会の居心地の良さに甘えていただけとキリカは吐露します。
しかしジンは、キリカが遊撃士協会で、他人が進む道を踏みならすためにひたすら働いたことも、まさに活人の道だったと説きます。
ジンの慰めとも激励ともとれる言葉を胸に、キリカは《ロックスミス機関》へ参加することを決断。それは、道を求めてさまよった彼女の旅が終わる瞬間でもありました。そんな彼女の心情を表したのが今回の名言になります。
その後、キリカは共和国に帰国し《ロックスミス機関》の室長に就任。共和国とそれに並ぶ大国・エレボニア帝国の緩衝地帯にあるクロスベル自治州にも姿を見せます。
ときに芸能プロデューサー、ときにロックスミス大統領の補佐官として、争乱の火種となりうるクロスベルの動向を探り、的確に対処していくキリカ。『零の軌跡』『碧の軌跡』でクロスベルでは大陸の命運を左右する大事件が起きるわけですが、事態の終息の一因にキリカの尽力があったことは疑いようがないでしょう。
シリーズ最新作『黎(くろ)の軌跡』は、カルバード共和国が舞台。共和国では『創の軌跡』でロイ・グラムハート新大統領が就任しましたが、《ロックスミス機関》は《中央情報省(CID)》として残っており、キリカもこちらに所属している様子。当然、『黎の軌跡』でキリカが登場する可能性もあるはずです。
キリカは現在の共和国で何を目的に動くのか? そして彼女の求める活人の道はどうなったのか? いずれにせよキリカの登場が待ち遠しいところです!
- 『軌跡』名言を読む
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