終わりはあるけど終わらない? 『ニーア リィンカネ』松川Dインタビュー

タダツグ
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 セールスランキング1位や1,000万ダウンロード突破など、配信から盛り上がりが続いているiOS/Android用アプリ『NieR Re[in]carnation(ニーア リィンカーネーション』。

 配信から約1ヶ月を経た現状やこれからについて、開発を担当するディレクターの松川大地氏にお話をうかがってみました。

――『リィンカネ』のリリースおめでとうございます。セールスランキング1位や1,000万ダウンロードなど、さまざまな偉業を達成されていますが、今のお気持ちはいかがですか?

松川大地氏(以下、松川):非常に嬉しい限りです! 想定ではもう少しゆっくりとサービスインするかなーと思ったのですが、予想以上の初速が出て大変驚いております。

――松川さん個人的に、これほどの盛り上がりは想定していたのでしょうか? それとも、ここまでの反響は予想外だったのでしょうか? ランキングはさておき、だいたいどれくらいの日数で1,000万ダウンロードに到達したいといった目標を掲げていたのか、教えてください。

松川:想定の遥か上ですね…! 1,000万ダウンロードとかを4月とか5月くらいに達成できるんじゃないかなーと思っていたのですが、まさかリリースから1ヶ月以内でいけるとは思いませんでした。

 リリースしてからではありますが、改めて数多くのお客様に良いモノを届けていかないとなと、身が引き締まる思いです!

――次なる目標などありましたら教えてください。

松川:半年後には全然違うゲームに感じるくらいのアップデートをしていきたいと思ってます。

 もちろん、不具合や痒いところの改善はやっていくのですが、そうではなく運用しながらガラッと違う驚きを提供できるのがソーシャルゲームの良さでもあるので、変なものを運用で追加していけたらと考えています!

――リリースから約1カ月が経過しようとしていますが、遊んでいるユーザーさんからはどのようなリアクションが返ってきていますか?

松川:グラフィックや世界観、シナリオやキャラクターについてたくさんの好評をいただけております。ゲームシステムは細かいところご指摘をたくさんいただいているので、しっかり直していけたらと思います。

――開発中のものは何度もプレイされているかと思いますが、リリース後あらためて遊んだりはされていますか? また、今遊んでみて「ここはこうすればよかったかも!」といった心境の変化などはありましたか?

松川:時間を見つけて結構遊んでいる方だとは思ってます…! お客様の反響をいただいたりして、もう少し丁寧な説明を設けたり、もっと雰囲気に浸れる機能が数多くても良かったなと思っております。居心地が良いアプリにしていきたいと思っております。

――先日、プレイヤーアンケートも行われていましたが、こちらで届いた意見はどうでしたか? どのような手ごたえがあったのか教えてください。

松川:予想以上に“NieR”を知らなかった方が入ってくれていることがわかりました。過去作を触れた方とかが多いのかなーと思っていましたが、『リィンカネ』から“NieR”に触れる方がすでに数多くいることがわかり、より丁寧に運用していかないとなと思いました。

 そういった“NieR”に触れてこなかった方が『リィンカネ』のキャラを好きになってくれていたりするので、とても嬉しかったです!

――プレイヤーの方々に気にいっていただけている部分、一方でご意見やご指摘が入っている部分などあると思いますが、松川さんたち開発・運営チームは、それらの意見についてどのように受け止めていますか?

松川:雰囲気に浸れるようにという思いで仕込んでいたものは基本的に好評をいただけていると思っております。

 小さなところでご紹介すると、タイトル画面がゲームの進捗によって毎回変わる仕組みなど、たまたま巡り合えたタイトル画面を好きになっていただける方が多く、良かったなと思っております。

 逆に、細かいところの手触りの部分ではご指摘をいただくことが多いので、その点はしっかりと直していきたいと思います。数多くのお客様に触れ続けていただきたいと思っているので、スピーディに数多く、直していきたいと考えております。

――配信しているシナリオは現在九章までとなりますが、どれくらいのプレイヤーがクリアまで到達しているのでしょうか?

松川:大体4割くらいのお客様がクリアしてます。全体のクリア状況を見ながら、シナリオの難易度は調整していきたいと考えております。

――今後のシナリオの更新スピードはどのような感じになりますか?

松川:月1回くらいはしっかりやっていきたいなと思ってます! ただ、お話によっては、大きくゲームコンテンツとしても進化させた状態で提供したいと考えているためお時間をいただく場合もあるかと思います。その代わり、しっかりと良いモノを届けさせていただけたらと思います。

――ヨコオさんが先日のインタビューで「物語の結末は用意している」とおっしゃっていました。こちら、ボリューム的にはどれくらいで到達できるイメージなのでしょうか? また、物語が一旦完結したとして、プレイヤーからの声があれば更なる展開も期待してよろしいでしょうか?

松川:そうですね……ここは「乞うご期待」としかお答えできないですね(笑)。ただ、終わりはあるけど終わらない感じですね!

――探索のシューティングパートの実装は、STG好きなヨコオさんからの指示だったのでしょうか? それとも、松川さんたちからの提案ですか?

松川:これはぼくの独断で入れました(笑)。「“NieR”でシューティングが入ってないのは果たして“NieR”なのか?」みたいな謎の議論をチーム内でした記憶があります(笑)。提案もなく、実装してCBTのタイミングで初めてヨコオさんや齊藤さんにお披露目しました(笑)。

――探索にはシューティングと合わせてもう1つのコンテンツが存在するようですが、こちらはどのような内容になり、いつ頃実装するイメージでしょうか?

松川:こちらも近いうちにお披露目できると思いますので、お楽しみにお待ちいただければと思います! 2つ目は全然“NieR”らしくないけど、ぼくらなりの新しい“NieR”のミニゲームを作れればと思っています!

――プレイヤーの方々のモチベーションはさまざまだと思いますが、基本的なゲームデザインとしては“シナリオを楽しみつつクリアし、その後はアリーナでの勝利を目指しながらキャラを育成していく”プレイスタイルとなるのでしょうか?

松川:現状ではアリーナの運用というより、基本的にはシナリオをどんどん追加していくつもりです。徐々に難しくはしてしまいますが、難易度もシナリオもお客様と一緒に盛り上がって楽しめたらと考えております。

――プレイヤーアンケートでは、ギルドやレイドボスを匂わせるような設問も用意されていましたが、こちらは実現の可能性があるのでしょうか? また、実現するとしたらどのようなゲームデザインやプレイ体験が得られるのでしょうか? スタンドアローンなゲームプレイを貫くのか、ソーシャルゲーム的な要素を積極的に増やす想定なのか気になります。

松川:それでいうと、シングルプレイを基本としたいと考えております。マルチがあったら楽しそうだなーとかは思うのですが、それらも入れるとしても、ちゃんと“NieR”らしく入れたいなと思ってます。

 基本のゲームループの中で必ず必要になるような立ち位置ではおかず、何かギョッとするような遊び方のマルチとかを入れたいなーとは思います。

――プレイしているとオートプレイによる周回がとても便利な反面、遊んでいると端末が占拠されるため、不便を感じる側面もあります。松川さんたちの想定としては、このへんはいかがでしょうか? たとえばスキップチケットの導入やオートの倍速実装など、より効率化を図れる要素の実装などはありますか?

松川:そうですね、端末の占有が課題と認識しています。ここはいくつか策を練っているので、お待ちいただければと思います!

――公式生放送は、プレ版から合わせて3回目が配信されましたが、こちらは今後も配信を続けていく予定はあるのでしょうか? また、それはだいたいどれくらいの頻度を想定されていますか?

松川:はい、予定していると思います! 生放送とかはプロモチームが考えてくれており、ぼくは呼ばれたら喋りに行く人形です…(笑)。

――『ニーア レプリカント』とのコラボも開始しましたね! 『オートマタ』コラボと同じく、人気キャラ3体が登場していますが、本コラボはさらなる展開を期待してもいいのでしょうか?

松川:『オートマタ』同様のコラボを想定していただければと思います! ただ、『オートマタ』コラボの振り返りを反映していたり、4月22日に『Replicant Ver1.22』の発売日があったりするので、途中途中でも変化するイベントを提供できたらと思っております。

――今後もこのような大規模コラボは続けていく想定なのでしょうか? ファンとしては『DOD』や『シノアリス』とのコラボなどにも期待が膨らむところですが?

松川:コラボはそうですね、積極的ではないかもしれませんが、喜んでいただける形で提供していければと思います!

――ガチャの更新頻度は、現状月に2~3回くらいの想定でしょうか? 
松川:現状月に3回をベースに考えております。頻度は大きくは変えないと思います!

――ゲームを楽しんでいるファンの皆さん、またこれからプレイする方々に向けてメッセージをお願いします。

松川:ぼくや今のチームメンバーが関わったからこそ、良い『リィンカネ』になったなと思っていただけるように“NieR”を大事にしていきたいと思っておりますので、ご指摘などを多く受け取っておりますが、少しずつでも必ず良くしていけたらと思います。

 引き続き、ゆっくりと楽しんでいただけたらと思います!

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NieR Re[in]carnation

  • メーカー: スクウェア・エニックス
  • 開発: アプリボット
  • 対応端末: iOS
  • ジャンル: RPG
  • 配信日: 2021年2月18日
  • 価格: 基本無料/アイテム課金

NieR Re[in]carnation

  • メーカー: スクウェア・エニックス
  • 開発: アプリボット
  • 対応端末: Android
  • ジャンル: RPG
  • 配信日: 2021年2月18日
  • 価格: 基本無料/アイテム課金

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