『家出中の妹ですが、バカな兄貴に保護されました。』オレっ娘ヒロインは佐々山プラス先生もお気に入り

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 電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。今回は、『家出中の妹ですが、バカな兄貴に保護されました。』を執筆した佐々山プラス先生のインタビューを掲載します。

  • ▲本作の表紙イラスト(イラスト:ろ樹先生)

 本作は、大学院生の“龍二”が、戻らない予定だった故郷に戻ることになり、ひょんなことから悪ガキとなってしまった異母妹“樹理”とともに共同生活を送ることになる、ひと夏の物語です。

 『姉は魔法も使えないから、僕が生身で世界を救う。』など電撃文庫で活躍中の佐々山プラス先生の最新作発売を記念して直撃インタビュー! 電撃文庫でしか書けなかったという本作について語っていただきました。

――この作品を書いたキッカケを教えてください。

 映画「アイランド」のホバーバイクがすごく好きで、いつかそういうものが出てくる青春モノを書きたいと思っていました。また、中高生以外の主人公・ヒロインにも挑戦してみたく、そこに理系っぽさを加えてこの作品ができました。

――作品の特徴やセールスポイントを教えてください。

 よく言えばあまりライトノベルらしくない、重苦しい話に仕上げました。かといって一般文芸にはなれないケレン味ある内容なので、きっと電撃以外では書かせてもらえなかっただろうなぁと思います。しかもハイクオリティなイラスト付き!! 他では読めませんよ!!

――作品を書くうえで悩んだところは?

 主人公の龍二とヒロインの樹理が喧嘩し、樹理が作品の舞台である実験飛行場を一度去ったあと、夜になってすぐに戻ってくるシーンです。ストーリーのターニングポイントとなるシーンですが、キャラクターの心情を表現することが難しく、何度も担当さんからアドバイスをいただきました。

――執筆にかかった期間はどれくらいですか?

ネタ出しまで含めるとかなり長いです。2年位かかっていたような?

――執筆中のエピソードはありますか?

 内容とは全く関係ありませんが、ネタ出ししている間は仕事の都合でアメリカにいました。そのあと書いている間に結婚しました。

――本作の主人公やヒロインについて、生まれた経緯や思うところをお聞かせください。

 今回もストーリーありきのヒロインです。あまり凝った仕掛けはせず、シンプルなオレっ娘クソガキ系にしました。個人的には結構気に入っています。

――特にお気に入りのシーンはどこですか?

 最後の実験の前夜、ヒロインの樹理が主人公の龍二へ「兄貴さえいれば、オレは他に何もいらない」と告げるところです。この作品ならではのキャラクターの感情を出せたように思います。

――今後の予定について簡単に教えてください。

 ネタ探し中です。歳を取るとなかなかアイデアが湧いてきませんね……

――小説を書く時に、特にこだわっているところは?

 ハッピーエンドで終わらせることです。読んでいただいたあと、ポジティブな気持ちになって欲しいな、と思って書いています。

――アイデアを出したり、集中力を高めたりするためにやっていることは?

 とにかくなんでも書き出してみることです。バラバラとしたアイデアのかけらも、文字に起こし、純度を高めたり関連付けをしたりしているうちに、思いも寄らない発想に結びつくことがあります。

――学生時代に影響を受けた人物・作品は?

 学生時代はほぼ毎日映画を見ていて、いろいろな作品の影響を受けています。特に好きだったのがクリント・イーストウッドの映画で、監督作も出演作も好きでした。ラストシーンに向けて展開もキャラクターの心情も一点に絞られていくところを、今も参考にしています。

――今現在注目している作家・作品は?

 最近全然本を読んでいないんですよね……スミマセン。

――その他に今熱中しているものはありますか?

 熱中、というわけではありませんが、最近家を買いました。ローンの返済が大変です。

――最近熱中しているゲームはありますか?

 もうずっとApex Legendsにハマっています。万年プラ4ですが。

――それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。

 少し季節外れではありますが、夏の雰囲気を感じていただけたらと思います。焼けつくような陽射しの下の、泥臭く息苦しい人間ドラマに、ラムネのような清涼感をほんの一滴加えました。ハッピーエンドだけは保証します。少し重たい話が好みな方は、是非お手にとってみてください。

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