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『ニーア レプリカント ver.1.22474487139...』プレビュー。シリーズを追い続けてきたライター視点で語る

タダツグ
公開日時

 2021年4月22日の発売が迫ってきたプレイステーション4、Xbox One、Steam(※)用ソフト『NieR Replicant(ニーア レプリカント) ver.1.22474487139...(以下、ver.1.22)』。さかのぼること11年前、2010年4月22日に発売されたPS3用ソフト『NieR Replicant(ニーア レプリカント)』のバージョンアップ版として位置づけられる本作を、幸運にも先行プレイさせていただくことができました。

 何を隠そう自分は、11年前のPS3版から……正確に言えば『ドラッグ オン ドラグーン』の時代から、ヨコオタロウさんの作品の記事を担当してきた生粋の赤目信者。そんな自分から見て、この『ver.1.22』のプレイ感覚はどうだったのか? ここに気になった部分を出来るだけ赤裸々に、私情も交えつつ記していきたいと思います。どうか気になる方だけお読みください。

※Xbox One版はDL販売のみです。
※Steam版は4月24日(土)配信予定です。

 ちなみに主人公の名前は任意で決められますが、記事内では“ニーア”と呼ばせてもらいます。

バトル:プレイ感覚は『NieR:Automata(ニーア オートマタ)』に近い

 見出しでものすごく端的に書きましたが、今回の『ver.1.22』のバトルシーンは『NieR:Automata(以下、オートマタ)』のプレイ感覚に近い手触りとなっています。より正確に書くと、バトルシステム自体はPS3版をしっかり踏襲しつつ、そのうえでプレイ感覚を『オートマタ』に近づけている。これはけっこうスゴイことだと思います。

 その最たる理由はバトルのテンポ。『ver.1.22』ではボタンを連打するだけで多彩なコンボ攻撃をたたき込んでいけるほか、物理攻撃中に白の書による魔法攻撃を同時に繰り出すこともできるようになりました。この武器と魔法の同時攻撃がじつに気持ちよく、さらには戦略性をもアップさせています。

 とどのつまり、武器による剣戟とポッドによる遠距離攻撃を織り交ぜつつ戦う『オートマタ』のアクションの気持ちよさを『ver.1.22』もしっかり受け継いでいるということ。この爽快感は、シリーズが正統進化を遂げていることを感じさせてくれます。

 ボタンの長押しで繰り出せるタメ攻撃や、相手の攻撃をジャストガードすることで繰り出せる弾きかえし(パリィ)、相手の攻撃を回避しつつ高速移動して背後を取る回り込みなども、より直感的に繰り出せるようになったのも見逃せない特徴。成功したら自動で追撃を繰り出してくれるようになったため、使い勝手が大きく上昇しています。

 ぶっちゃけ、ここらへんのアクションはPS3版ではほとんど使っていなかったプレイヤーも多いと思うのですが、本作では積極的に狙いたくなるほどのカッコよさですよ。

  • ▲ぶっちゃけ、PS3版でパリィなんてほとんど使ってなかったですけど、本作では狙っていきたくなります。かっこよくて。

 少年時代は片手剣しか使えないニーアですが、成長すると両手剣、槍も使用可能になります。武器は方向キーの長押しで持ち変えることも可能なので、“敵のヨロイを威力の大きな両手剣で破壊→片手剣に持ち変えて連続攻撃でダメージを与える→槍に持ち変えてさらに大ダメージを与える→白の書による魔法攻撃でフィニッシュ”といった、めちゃくちゃ“映える”攻撃を繰り出すことも可能です。

 ……などと偉そうに書いておきながら、実際に上のような持ち変えアクションを使いこなそうと思ったら、それなりに練習を積む必要はありそうですけど。少なくとも、アクションがさほど得意ではない自分は一朝一夕ってわけにはいかなさそうでした(汗)。要練習! 自在に繰り出せるようになった方は誇っていいと思います。

 とはいえ、ボタンを連打するだけで気持ちよく戦えるのは前述のとおりですし、本作には“オートバトル”も搭載されたので、アクションゲームが苦手な人も安心。ここらへん、『オートマタ』で好評だった部分がしっかり盛り込まれていてめちゃくちゃ好印象でした。特定の敵をロックオンすることも可能になりましたので、攻撃が空振りするリスクも減りましたしね。

  • ▲“オートバトル”は難易度EASYだけで選べる仕様。5つの項目をON/OFF可能です。1度ラクを覚えてしまうともう戻れない……かも。

フルボイス:音声がフルボイス化したことで、ドラマ性が格段に上昇

 バトルアクションの進化には大いに感心させられたのですが、個人的に一番センセーショナルだったのはセリフのフルボイス化ですね。PS3版では一部のイベントにしかセリフにボイスが入っていませんでしたが、今回はすべてのセリフにボイスが収録されています。これが思っていた以上に大きい! 

 たとえば今回のプレビュー版で遊んだロボット山では、武器屋の兄弟がいなくなった母親の帰りを待っているイベントが体験できたのですが、PS3版とは受ける印象が全然違うんですよ。

  • ▲このロボット山に住んでいる、とある兄弟がまたこう……ね。

 ネタバレはしたくないのでボカして書きますけど、兄が母親についてしゃべるときのちょっとしたセリフのタメには、色々と察してしまうものがあります。生意気ざかりな弟のワガママな言動は、ボイスがついたことで「このガキ……」と、さらにイラッとさせられましたしね(まぁ、彼も可哀そうな少年なんですけど)。声優さんの演技とはこんなにもスゴイものなのかと肌で感じました。

  • ▲話はちょっと脱線しますが、ロボット山の敵は相変わらず薬草を落とさない(ネジとか装甲とかばっか落としやがる)ので、ちょっとHP的にヤバくなる局面ありました(苦笑)。

 前作から11年の時を経たことで、声優陣は円熟味を増したというか、脂が乗りまくっているように思います。とりわけ感動したのは、エミールを演じる門脇舞以さんの演技を聴いたとき。エミールは『オートマタ』にも登場していることもあり、門脇さんは11年もの間、ずっと彼のそばにいたというか、彼とともに成長されていたとでもいうか……。こう書くと偉そうですごく嫌なんですけど、表現の幅がめちゃくちゃ広がっておられるように思いました。「エミール……なんていい子なのッ!」となでてあげたくなるシーンとか、「お前は乙女か!」ってツッコミを入れたくなるシーンとか、もう見どころ(聴きドコロ?)がいっぱい! やっぱり声優さんってスゴイです。

 これを受け、自分がものすごく期待してしまっているのがデボルとポポルを演じておられる白石涼子さんの演技。今回のプレビューでは、デボポポに関して一番見たかったシーンには触れられないので書き方としてはアレですが、白石さんもきっと『オートマタ』でのデボポポの演技を経て、キャラに対する受け止め方や愛着が変わってきておられると思うんですよ。

 そうした今の白石さんが、『ver.1.22』のデボポポをどう演じておられるのか、もう気になってしょうがないわけで。はたして何もかも遅いのか、それともまだ間に合うのか。イチファン目線で気になって! 仕方がないッ!!

 ファン目線ということであれば、『ver.1.22』では白の書のボイスがPS3版のピーターさんから『ニーア』ファンにはおなじみの安元洋貴さんに交代されています。正直、演じられる方が交代になるということで期待と不安が入り混じっていたのですが、自分がプレイした感覚としては、思っていた以上に違和感がありませんでした。

 もちろん受け手によって好みや思い入れもあるでしょうけど、安元さんのピーターさんに対するリスペクトが伝わってくることもあって、自分はすぐに慣れて受け入れることができましたね。ホントに声優さんってスゴイ!(この場合は安元さんがスゴイ、になるのかもしれないけど)

 もちろん、主要キャラである少年ニーア役の岡本信彦さん、青年ニーア役の遊佐浩二さん、カイネ役の田中敦子さん、ヨナ役の野中藍さんらの演技についても、自分ごときが語るまでもなく素晴らしいです。青年ニーアとか、マジでいい匂いすぎて困っちゃいますよ。そりゃモテるわ。お兄ちゃんはヨナばっかり見てるけど……。

ビジュアル:HD化で高解像度に! お化粧がちょっと変わって垢ぬけた? 

 本作ではビジュアルがHD化されたことで解像度がグレードアップし、PS3版を超える美しさが堪能できます。ただ解像度が増しただけではなく、キャラクターの造形も一新され、受ける印象が昔と少し異なっているように思いました。ここに関しても、新旧で好みの違いが出てきそうというのは正直なところ。

 とはいえ個人的には、施されているお化粧がちょっと垢ぬけただけなのかなって思ってます。

「あれ、カイネさんファンデーション変えました?」的な。「まつ毛もエクステ入ってます?」的な(いや、入ってないと思うけど)。

 自分がお化粧に関する知識がさっぱりなので、ものすごく適当な書き方になっちゃって申し訳ありません。でも、本当にそう感じたんだから仕方ない。

 すなわち、お化粧こそちょっと現代風にアレンジされているけど、中身はやっぱり一緒だよって言いたかったわけです。個人的には、PS3版のお化粧のほうが見慣れていて今のところ好きなんですが、お化粧が変わったことで新鮮にドキッとしたのもまた事実。何より、プレイしていれば物語に没頭して、良くも悪くもお化粧の差なんて気にならなくなると思います。……これはホメ言葉じゃないのかもしれないけど(汗)。

 あとは「ここがこうなった!」と明確に書けはしないんですけど、ムービーの要所でカメラの位置や演出が微調整されているように思えました。PS3版を遊んでいたら「……あれ、このシーンにこんなアングルの映像って入ってたっけ?」となるような、些細な違和感。いや、自分の記憶が曖昧になっているだけって可能性もありますけどね。ここらへんはリリース後、あらためて味わってみたい部分だったりします。

サウンド:アレンジが変わったことで印象も変化?

 『ニーア』シリーズといえば、作曲家の岡部啓一さんが率いるサウンドクリエイター集団・MONACAによる美しい音楽が大きな魅力。本作では楽曲にアレンジが加えられており、原曲を踏襲しつつも少し異なる味付けが楽しめました。

 自分が体験できた範囲では、味付けはあくまでもPS3版を踏襲している印象。「ああ、レプリカントのサウンドだ……」と安心できるつかみになっています。かと思いきや、楽譜の構成が変わっている曲もあったりするので油断は大敵。「アレ、このサビとBメロの順番が変わってないか?」といった大胆な構成の曲もありそうなので、今から楽しみですね。『ver.1.22』のサントラは、PS3版同様、ゲームよりも前に発売されるらしいので、みなさんこちらもお忘れなく。

 ほんと、ゲームよりもサントラが先に発売されるなんて『ニーア』くらいのものじゃないですかね(笑)。

細かいところ:色々と気になるところもあったりなかったり……

 最後に、取り立てて見出しを立てるほどではないけど気になる部分についても少々。まず、フィールドを歩いているときの何気ない日常会話について。フルボイス化したこともあってか、この日常会話も増えているように思いました。例によって「この掛け合いが増えている!」と断言できはしないのですが……。

 ほんと、自分の記憶力が信じられなくなってきてますけど、きっと間違いなく増えているはず(汗)。気になる方は、むやみやたらにフィールドを駆け巡ってみるのもおもしろいかと。

 あと、ローディング画面ではPS3版と同様にヨナの手紙というか、日記が読めるようになっています。そして、これはもう明らかに手紙の種類が増えている。少なくとも1通は確実に。ヨコオ作品のファンからすると「アレ?」って違和感を覚えると思いますので、こちらもお楽しみに。

 なんにせよ、個人的には楽しみで仕方がない『ver.1.22』の発売まであと少し。リリースを正座して──ヒマを見て『NieR Re[in]carnation(ニーア リィンカーネーション)』を遊びながら──待とうではありませんか!

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NieR Replicant ver.1.22474487139...

  • メーカー: スクウェア・エニックス
  • 開発: トイロジック
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: ARPG
  • 発売日: 2021年4月22日
  • 希望小売価格: 7,800円+税

NieR Replicant ver.1.22474487139...

  • メーカー: スクウェア・エニックス
  • 開発: トイロジック
  • 対応機種: Xbox One
  • ジャンル: ARPG
  • 発売日: 2021年4月22日
  • 希望小売価格: 7,800円+税

NieR Replicant ver.1.22474487139...

  • メーカー: スクウェア・エニックス
  • 開発: トイロジック
  • 対応機種: Steam
  • ジャンル: ARPG
  • 配信日: 2021年4月24日
  • 価格: 7,800円+税

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