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Amazonで“2万円を切る”Chromebook、その実力を検証してみた

澤田真一
公開日時

 WindowsでもMacでもない“Chrome OS”というものがあります。

 これを搭載したChromebookは、安価かつ実用的なノートPCとして世界各国の教育機関でも採用されています。日本でも徐々に認識されるようになったChromebookですが、現在Amazonで『ASUS Chromebook C223NA』という製品が、何と19,809円で発売されています(2021年4月13日現在)。

 いくら何でも、安過ぎないか!? そう悟った筆者と電撃オンライン編集部は、早速ASUSに試供品をお願いして『ASUS Chromebook C223NA』を使ってみました。

ストレスを感じさせない重量

 まずは『ASUS Chromebook C223NA』のスペックから。

OS:Chrome OS
サイズ:幅286mm×奥行き199mm×高さ17.25mm
重量:約999g
CPU:インテル Celeron N3350
メモリ:4GB
ストレージ:32GB
ディスプレイ:11.6型ワイドTFTカラー液晶/ノングレア/1,366×768
キーボード:日本語/英語

 これを見る限り、いかにもChromebookらしいエントリースペックと言えます。そもそもChrome OSは“低スペック機でも難なく動く”ということを売りにしているもの。従って、Windows機を見る時と同じ目でChromebookを見てはいけません。

 『ASUS Chromebook C223NA』を箱から取り出した際の筆者の第一印象は、とにかく軽いということ。もっともこれは、筆者が普段15.6インチPCを使っているからというのもありますが、いずれにせよストレスを発生させるような重量ではありません。

Micro SDカードスロットは便利か、不便か?

 接続口は、本体左側面にUSB-C×1(給電用)、USB 3.0×1、Micro SDカードスロット×1、ヘッドホン・コンボジャック×1。

 本体右側面にUSB-C×1という仕様です。

 デジタルカメラで写真を撮影してノートPCに転送するという使い方をする人にとって、この設計はいささか不便かな……という気もします。というのも、デジタルカメラは今でもSDカードのみの対応が普通です。Micro SDカードは変換ジャケットに入れることでそのサイズを大きくできますが、SDカードを小さくすることはできません。ですから、ノートPCに内蔵のカードスロットはSDカード対応であれば尚良というわけです。

 また、『ASUS Chromebook C223NA』にはLANケーブルの接続口がありません。徹頭徹尾無線利用を想定しているというですが、これも実装していれば尚良のもの。無論、価格との兼ね合いを念頭に置く必要もありますが。

 しかし、全体的な筐体設計は良い意味でシンプル。非常にお洒落です。どのような部屋に置いてもトゲトゲしい印象を与えないデザイン、と表現するべきでしょうか。

意外にクリアな音

 Chromebookは「起動が速い」と言われています。

 これも実際に検証してみました。電源を入れてから操作可能になるまでのタイムは、15.88秒。特段速いという気はしませんが、不安やイライラを起こさずには済む程度……という感じです。

 しかし、YouTube等の動画を視聴するくらいであれば問題はありません。

 本当は有線LANに接続したいという感想は変わらないものの、良好な無線通信環境があればストレスなく動画を観ることができます。また、デフォルトのオーディオが思ったよりもクリアでパワフルな点も記述しておかなければなりません。無論、マイクも内蔵されているため、『ASUS Chromebook C223NA』をWeb会議に利用することもできます。

ブラウザタブの開き過ぎに注意!

 PCを始めたばかりの中高年ユーザーは「Officeと年賀状アプリの有無を気にする」という話を、筆者は聞いたことがあります。

 ですが、Officeに関して言えばこれはもはや“必須のもの”ではなくなっている気もします。Google提供のドキュメントやスプレッドシートを無料で利用することができますし、実際に筆者の普段の物書きはドキュメントです。もちろん、この記事も。

 Googleドキュメントで何かしらの文章を作るということであれば、Googleアカウントとの連携を前提にするChromebookのほうが好都合、という見方もできます。

 ただし、『ASUS Chromebook C223NA』に限って言えば“ブラウザタブの開き過ぎ”には注意するべきかもしれません。たとえばライターをやっていると“Twitterで問題になっているYoutube動画に関する記事を書く”という仕事もたまに舞い込んできますが、その場合はYouTube、Twitter、Googleドキュメントを並行してチェックするために最低3つのタブを開かなければなりません。タブは開けば開くほど同時並行の処理が多くなる=PCが重くなるということですから、『ASUS Chromebook C223NA』のスペックでは対処できなくなる事態もあり得ます。

 正直に書けば、この製品を試している最中に“ページが応答しません”の表示が出てしまいました。

PC初心者向けの製品か

 それらを鑑みると、『ASUS Chromebook C223NA』は脂の乗り時のビジネスパーソンがやるような“同時並行が前提の荒々しい使い方”には対応し切れない可能性があります。

 やはりこれはエントリーモデルという認識が正しく、「実家のお母さんにキーボードの打ち方を教えてあげよう」「お父さんがAmazonで買い物をしたがっているから、やり方を学んでもらおう」という用途で真価を発揮する1台ではないでしょうか。

 ちなみにASUSのChromebookシリーズは“ASUSあんしん保証”に加入可能。通常メーカー保証では対象にならない水没や落下による破損、さらにコンピュータウィルスによる感染など、どんな故障原因でも手厚い保証を受けられるというものなので、PC初心者には頼もしいサービスになっているのでは? 気になる人はこちらをチェックしてみてください。

 一方で、「子供のPC教育のためにこの製品を買ってあげる」というのは、選択肢としてはあるのでしょうが筆者はお勧めしません。というのも、子供は大人以上にPCを荒々しく使ってしまうからです。YouTubeにニコニコ動画、SNS、そうだ明日の宿題のために調べ物もしなきゃ……といった具合に、どんどんタブを開いてしまう可能性が高いからです。

 あくまでも“落ち着いた使い方”を前提にするのであれば、『ASUS Chromebook C223NA』にも活躍の場が見込めるのではないでしょうか。

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