『イース2』33周年ストーリーまとめ:6冊の本を揃えたアドルの冒険の舞台はイース王国へ【ファルコム40周年特集】

電撃オンライン
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 2021年3月9日に日本ファルコムは創立40周年を迎えました。これを記念して、電撃オンラインでは日本ファルコムに関する企画記事を展開していきます。

 そして、本日4月22日、1988年(昭和63年)に発売された『イースII Ancient Ys Vanished The Final Chapter』が33周年を迎えたことを記念して、ストーリー振り返り記事をお届けします。

【イースII Ancient Ys Vanished The Final Chapter】
・発売日:1988年4月22日
・機種:PC-8801mkⅡSR
・メディア:フロッピーディスク
・ジャンル:A・RPG
・価格:7,800円(税別)
・PC(PC-9801、X1 turboなど)、FCといった、多くの機種でも発売された
・FC版はビクター音楽産業など、日本ファルコム以外によるライセンス販売も多い

『イースII Ancient Ys Vanished The Final Chapter』とは?

 エレシア大陸の西部を中心に数々の冒険を繰り広げ、のちの世で稀代の冒険家と謳われた“アドル=クリスティン”。彼が残した百冊以上の手記は多くの人々の心を惹きつけ、まだ見ぬ世界への興味と好奇心をかき立てました。

 1988年4月22日にPCで発売された『イースII』は、アドルにとって最初の大きな冒険。その後編とも言える“古代王国イース”での戦いが描かれています。

 『イースI』でイースの本を6冊揃え、強敵ダルク=ファクトとの激戦を乗り越えたアドルは、天空の大陸へ。そこでは新しい出会いがあり、更なる戦いへと身を投じることとなります。

  • ▲新登場となる魔法は、主にボス敵との戦い方を大きく変えた。また、攻撃だけでなく謎解きに役立つものも存在。隠されたものを照らす魔法や、魔物に変身する魔法なども用意された。

 疾走感あふれるオープニング曲『TO MAKE THE END OF BATTLE』は、新たな冒険の幕開けと、未知の世界への好奇心をかき立てる名曲。あの“振り向きリリア”も相まって、多くのプレイヤーに強い印象を与えました。

 また、本作は2019年に発売されたシリーズ最新作『イースIX』へ深く繋がる部分もあります。バルドゥークでの冒険を終えたあと、懐かしくなり、エステリアやイースを再び訪れた方も多いのではないでしょうか。或いは、『イースIX』を経てアドルの今までの冒険譚に興味を抱き、過去作を追っていく中で足を踏み入れた方もいると思います。

 こちらでは、『日本ファルコム30周年公式記念本 Falcom Chronicle』(発行:KADOKAWA)に掲載されていた、ストーリープレイバック部分を再掲載します。

 33年の時を遡り、アドルの足跡を辿っていきましょう。

『イースII』システムチェック

●魔法

 前方に火球を飛ばして攻撃するファイヤーや、隠されたものを照らし出すライト、聖獣ルーに変身するテレパシーなど、さまざまな効果があり、各魔法に対応した杖を入手することで使用可能となる。

 使用する際は魔法ごとに定められたMPを消費するが、なかにはレベルによって性能やMPの消費量が変化するものもある。

 また、ファイヤーに追尾性能を付加するなど、特定の魔法に影響を与えるアイテムなども存在する。

●MP(マジックポイント)

 魔法を使用する際に消費するポイントで、最大値は最大HPと同じ。神界の杖を所持した状態で女神像に触れることでMPを授けられ、魔法を使えるようになるという設定になっている。

 HPと違って自然回復はせず、回復するには家で休息したり、ロダの実を使ったりする必要がある。

『イースII』ストーリープレイバック

【プロローグ】

 6冊のイースの本を手にしたアドルは、本から放たれる光に包まれて天空の大地へと導かれる。そこで出会った女性のリリアから、ここが伝説のイース王国であることを知ったアドルは、彼女が住むランスの村へと向かうことにする。

【01】バノアの頼み

 リリアの家を訪れると、母親のバノアから、リリアは重い病気を患っており、あと3カ月の命だと聞かされる。治療法を知る医師のフレアが行方不明とのことで、彼を見つけたらわたしてほしいと、手紙を託される。そして、アドルを気遣い、装備を購入するための資金として300ゴールドをくれる。

【02】廃墟の探索

 フレアの弟によると、フレアは廃墟の地下にある廃坑の落盤事故に巻き込まれたという。アドルは村の長老に廃坑への立ち入り許可をもらい、廃墟へと向かう。そこでは、イースの本について書かれた古の石板や、魔法を扱うために必要な神界の杖、ロダの実など、数々の重要なアイテムを入手する。

【03】六神官のお告げ

 廃墟から下りた先は、六神官の像を奉る聖域につながっていた。像に近づくとイースの本が浮かび、像へと吸い込まれる。そして神官の言葉が聞こえてくるのだった。アドルは探索する過程で5つの聖域を訪れるが、どの場所の神官もイースに再び災いが起こるという不吉な内容のお告げを残していく。

【04】フレアの救助

 聖域や廃坑でクレリアの指輪やファイヤーの杖、マトックを入手。マトックで落盤事故が起きたと思われる壁を砕き、フレアを救出することに成功する。彼にバノアの手紙をわたすと、薬を作るためにはセルセタの花とロダの実が必要とのこと。すでにロダの実は持っているため、セルセタの花を探すことに。

【05】べラガンダーとの戦い

 セルセタの花は暗くジメジメした場所に生えるということなので、さらに下層を探索してみることに。途中、腹に口を持つ魔物のべラガンダーに行く手を妨害されるが、ファイヤーの魔法で撃退する。廃坑の最下層では、セルセタの花のほかに、ライトの魔法や邪悪な鈴を入手することができる。

【06】リリアの病の特効薬

 薬の材料を集めたアドルはランスの村に戻り、フレアのもとを訪れる。彼に調合してもらった薬をバノアに届けると、彼女は代々家に伝わるリターンの杖をお礼にくれる。この魔法により、村などの拠点をワープできるようになる。また、2人の話を外で聞いていたリリアも、アドルに感謝を告げた。

【07】最後の神官からのお告げ

 村人であるジラから、彼の家の倉庫から魔物の声がすると調査を頼まれる。倉庫で邪悪な鈴を使うと、壁を壊して多数の魔物が出現。その奥は聖域につながっており、最後の神官はサルモン神殿にいる魔の元凶の存在を告げる。そして、その神官は神殿へ続く道を開放して、アドルに導きの巻物を託す。

【08】極寒の大地である氷壁での冒険

 聖域から神殿までの道のりは遠く、道中には多くの難所がある。最初の難所となるのは氷壁となる。導きの巻物や、魔物に変身できるテレパシーの魔法で魔物から情報を得ながら、先へと進むアドル。氷の橋をかける氷霧の玉、氷の上を歩いても滑らない石の靴などを駆使して、氷壁の突破を狙う。

【09】ティアルマスとの戦い

 幻影の鏡によって幻の扉を打ち破り、真実の扉へと入るアドル。そこでは、氷を操る魔物のティアルマスが襲ってくる。敵が飛ばしてくる氷のつぶてを避けながら、敵が着地した際の隙を突き、ファイヤーの魔法で攻撃していくことに。こうして敵を倒したアドルは扉を開け、溶岩地帯へと足を踏み入れる。

【10】溶岩の村の橋をかけるために

 極寒の地から一転して、次なる冒険の舞台は炎と熱に満ちた溶岩地帯。途中、ルーの住みかでも情報を得ながら、アドルは溶岩の村落へたどり着く。だが、サルモン神殿へと続く橋は魔物の襲撃で壊されてしまっていた。さらに、魔物の襲撃以来、橋の番人であるルバの様子がおかしくなったらしい。

【11】魔物にさらわれたタルフ

 ルーに化けたアドルを魔物だと思ったルバは、「魔物にさらわれた息子のため、アドルを足止めした」と報告する。こうして事情を知ったアドルは、ルバの息子のタルフを助けることに。タルフが捕まっている場所は声が届かない岩壁の奥だったが、ルバからもらったささやきの首飾りの力で会話ができた。

【12】黒い真珠の力

 タルフと一緒に捕まっているキースという人物によると、黒い真珠を持ってきてほしいとのこと。黒い真珠を探してきたところ、その真珠の力を借りたキースの力で岩壁が砕かれ、タルフ達は脱出に成功。そしてキースは、そのままアドルの前から姿を消し、どこかへと立ち去ってしまう。

【13】ゲラルディとの戦い

 ルバはタルフを救出したアドルに感謝して、サルモン神殿へと続く橋をかけてくれる。その橋の先へと進むと、途中で不気味な魔物のゲラルディと遭遇する。これを倒したアドルは、ラミアの村へとたどり着くのだった。この村はサルモン神殿に隣接しており、もはや神殿に到着したも同然となる。

【14】魔物に支配された村

 サルモン神殿は魔物に占拠されており、隣接するラミアの村も定期的にいけにえの提供を強いられるなど、魔物による支配を受けていた。サルモン神殿の魔物が村へ侵入しないように見張る門番のゴートや、住民のハダトの協力を得たアドルは、ハダトから託されたリラの貝殻を手に神殿へと向かう。

【15】ダレスの呪い

 テレパシーの魔法でルーに化けたアドルは神殿内部へ潜入。神殿で入手したやすらぎの指輪や通行証、魔物の会話を盗み聞きすることで得た識別コードを利用して、神殿の奥へと進んでいく。しかし、地下水路の手前の部屋で、敵幹部のダレスに見つかり、人間の姿に戻れなくなる呪いを受けてしまう。

【16】聖なる杯で人間へ戻る

 ラミアの村の老人レグに、聖なる杯があれば人間に戻れるとの助言を受けたアドルは、神殿内部をくまなく探して、隠された宝箱から聖なる杯を入手。レグに呪いを解いてもらい、再び神殿の奥を目指す。ダレスに阻まれた部屋を抜けて、地下水路に侵入したアドルは、そこで脱走者の隠れ家を発見する。

【17】リリアにかけられた石化の呪い

 脱走者の隠れ家でリリアと再会するアドル。魔物にさらわれて神殿に連行されたが、キースという魔物に助けられたらしい。キースから預かったという神殿の鍵をリリアから受け取ると、どこからともなくダレスの声が響く。そしてダレスは、アドルを苦しめるために、リリアを含めた脱走者を石に変える。

【18】ドルーガーとの戦い

 脱走者の隠れ家をあとにしたアドルは、神殿の鍵で神殿各所の宝箱を開け、アイアンシールド、タイムストップの魔法、銀のペンダントを入手。また、今まで行けなかった部屋へ侵入すると、クモの姿をした魔物のドルーガーに襲撃される。光弾を撒き散らす攻撃を避けつつ、その撃退に成功する。

【19】キースから託された水路調整室の鍵

 先を急ぐアドルに、ハダトからリラの貝殻を通じて連絡が入る。一度戻ってきてほしいとのことでラミアの村に戻ると、そこにはタルフの姿が。彼から、ローブの男が暗躍しているという情報を得たアドルは、再び神殿へ向かう。地下水路では魔物に追われるキースから、水路調整室の鍵を託される。

【20】鐘つき堂での処刑

 水路調整室で水路の水位を調節して、先へと進むアドル。途中、バトルソードやバトルアーマー、バトルシールドなどを入手しつつ奥へ進むと、そこにはキースの姿が。彼は、ダレスが鐘つき堂でマリアという女性を処刑しようとしており、鐘つき堂の鐘が5回鳴ると処刑が決行されてしまうと語る。

【21】ザバとの戦い

 鐘つき堂に到着したアドルは、コウモリのような妖魔を従えた女性型の魔物のザバに行く手を阻まれる。人型のザバにはダメージを与えられないが、その周囲を飛び回る小さな妖魔こそがザバの本体であり、それを見破ったアドルはザバに勝利する。こうしてアドルは、鐘つき堂の奥へと進んでいく。

【22】処刑の決行

 鐘つき堂の1階でマリアを発見したアドルだが、強力な結界に阻まれて近づくことができない。どうやらダレスを倒す以外に救出する道はないようだ。アドルは鐘つき堂の頂上にいるダレスのもとへ急ぐが、あと一歩というところで5回目の鐘の音が鳴り響き、無常にも処刑は決行されてしまう。

【23】女神の王宮

 外に出る途中にある宝箱から夢見の石像を入手したアドルは、女神の王宮と呼ばれる広間で、女神の声を聞く。黒い真珠をはめ込んだ夢見の石像を鐘つき堂の頂上で使用すれば、石化の呪いが解けるというのだ。黒い真珠をタルフが持っているということを思い出したアドルは、ラミアの村へと帰還する。

【24】石化の呪いの解除

 タルフから黒い真珠を借りようとしたアドルだが、タルフは真珠をなくしていた。その真珠は魔物に拾われて神殿に持ち去られていたが、なんとか奪還に成功。女神の力で夢見の石像に黒い真珠をはめ込んでもらい、鐘つき堂の頂上で使用すると、リリア達を苦しめていた石化の呪いが見事に解除される。

【25】いざ、イース中枢部へ

 地下水路には石化の呪いが解けたハダトの息子のトバがおり、彼からクレリアソードを託される。そしてラミアの村のハダトからは、クレリアアーマーを託される。その後、脱走者の隠れ家の人々から金のペンダントをわたされたアドルは、それを使って女神像から転移して、イース中枢部を目指す。

【26】ダレスとの戦い

 中枢部を目指すアドルの前に、魔物の幹部であるダレスが立ちはだかる。これを倒して中枢部へと進むと、そこにはゴートやタルフ、キースのほか、身に着けていた腕輪の力で死を免れたというマリアと再会する。なんと彼らは、女神の声の導きによりはせ参じた六神官の子孫達だったのだ。

【27】2人の女神

 あとを追ってきたリリアから女神の指輪を受け取って奥へ進むと、魔の元凶であるダームの呪縛を受けたフィーナとレアの姿が。しかし、窮地に現れたゴーバンとルタが持ってきた銀のハーモニカの力で呪縛を解除。アドルは同じく2人が持ってきたクレリアシールドを装備して、ダームとの最終戦に臨む。

【28】ダームとの死闘

 テレポートを繰り返しながら、火球を降らせて攻撃してくるダーム。火球をよけながら、テレポートで出現した直後を狙って攻撃を重ねることで、アドルはなんとか勝利をつかみとるのだった。なお、『イースI』のダルク=ファクト同様、ダームにはクレリア製の武具を装備しないとダメージを与えられない。

【エンディング】

 アドルを六神官の子孫達や2人の女神が出迎える。皆が笑顔のなか、1人悲しみの表情を浮かべるフィーナ。フィーナはアドルへの恋心を伝える。しかし、女神として黒真珠を、そして人々の平和を見守るために昇華する道を決断したという。そして、フィーナは涙を流しながらアドルに別れを告げる。

 黒真珠の力が消えたことで、イースは地上に降りていた。神殿から出たアドル達は、ドギをはじめエステリアの面々の手厚いもてなしを受ける。笑顔で彼らのもとへと歩いていくアドル。この瞬間、イース王国にまつわる長き旅が終わりを告げた。そして、アドルの新しい冒険が始まりを迎えるのだった。

『イースII』もプレイできる! プロジェクトEGGとは?

 懐かしのゲームをWindowsでプレイ! PC-9801、PC-8801、X68000、MSXなどで発売されたゲームソフトが、会員制で有料配信されています。

 『イースI・II』はもちろん、多くの『イース』シリーズが用意されています。

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