あたしたちは大陸中の人間を相手にしているようなものなんだから(イリア)【軌跡シリーズ名言集】

Zenon
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 日本ファルコムの名作ストーリーRPG『軌跡』シリーズの名言集をお届けします。

 本記事で紹介するのは、『零の軌跡』『碧の軌跡』に登場するキャラクターの1人、イリア・プラティエのセリフ。舞台に関しては一切の妥協をしない“天才”の名言を紹介していきましょう。

※本記事内には物語のネタバレを含む表現がありますので、ご注意ください。

あたしたちは大陸中の人間を相手にしているようなものなんだから(イリア)

●第3章 胎動~獣たちの謝肉祭(英雄伝説 碧の軌跡:改)

 イリアは、クロスベルの誇る劇団《アルカンシェル》のトップスター。彼女の舞台を見た人は誰もが心をつかまれ、「また彼女の舞台が見たい」と思わせるような、圧倒的なカリスマを持つアーティストです。その名声はクロスベルのみならず、エレボニア帝国、カルバード共和国、リベール王国といった周辺各国に届いているほど。


  • ▲いついかなるときも劇場前で《アルカンシェル》を応援し続けるファンの2人。チケットが高くて買えなくても、劇場前でひと目イリアの姿を拝めれば幸せとのこと。

  • ▲最新作『創の軌跡』にも登場。熱の入り方が作品を追うごとに激しくなっていました(笑)。

 そんな熱狂的なファンが付くイリアですが、彼女は舞台に才能のある人物をスカウトする“眼”にも長けています。イリアが作中で最初にスカウトしたのは、支援課の協力者の1人リーシャ・マオでした。

  • ▲ふらりと仕事の下見ついでに劇場を立ち寄ったリーシャを、公開練習の舞台上から目ざとく見つけたイリア。リーシャに「根負けした」と言わせるほど強引な勧誘でスカウトしたそうです。

 そして、次にイリアの眼に止まったのは、彼女の家に盗みに入ったところを特務支援課が捕まえたシュリという少女。



  • ▲スラム育ちで苦労してきたシュリは、舞台の上で輝くイリアを見て惨めな気持ちになり、困らせてやろうと思って盗みに入ったと話します。そんな彼女をイリアは劇団の下働きとしてスカウトし、一緒に住むことを決めました。

 最初のうちは下働きとして掃除などの雑用をこなしていたシュリですが、やがて稽古に参加するようになり、イリアの指導を受けてメキメキと実力が向上。ついには《太陽の姫》イリア、《月の姫》リーシャと並ぶ《星の姫》として準主役の座を勝ち取ります。



  • ▲《金の太陽、銀の月》の演出に《星の姫》の出番を追加したリニューアル公演の稽古をしているリーシャとシュリ。動きは完璧でも、演技としてはまだ問題がある様子。

 そしてリニューアル公演の前日、1人練習を続けるシュリのもとを特務支援課が訪れ、練習を手伝うことに(ミニゲームあり)。そして「動きに無駄がない」というロイドの感想から、シュリの問題は技術ではなくメンタル的なものだと判明します。



  • ▲ロイドの「観客に観られることはどう思う?」という質問に、「自分が恵まれていることに自覚のない連中は好きになれない」と答え、「そんな連中のために演技すると思うと虫唾が走るくらいだ」とまで言います。

 気持ちと演技は関係ないと話すシュリに、ロイドは「本当にそうか?」と聞きますが、シュリもどうしていいかわからず叫び出す始末。と、そこへやり取りを見守っていたイリアが登場し、「目の前の客なんて無視しなさい」とアドバイスします。

 嫌いな客がいることは別に悪いことじゃない。自分も嫌いな客はいるけれど、そんなの気にしてはいないとイリアは語り、観客の定義をシュリに質問。するとシュリは「チケット代を払って劇場に足を運んでくれた人」と答えます。

 しかしイリアは、「間違いじゃないけどもっと大事なことがある」と話します。それは「自分たちの舞台に興味を持ってくれた人」であることです。



  • ▲劇団のことを雑誌で見ただけの人、話に聞いただけの人、どんな形であれ興味を持ってくれたら、その時点でお客さんだとイリアは言います。

 そして劇場に忍び込んで舞台を観て、なにかを感じ取ったシュリですら、イリアは自分にとって「立派なお客さん」だったと語りました。



  • ▲これには“金”に苦しんできたシュリも、カルチャーショックを受けたような表情に。

 だからこそ、イリアはシュリが目の前の客に気を取られてイヤな気分になる必要はないと諭します。なぜなら……ここで今回の名言です。


「あたしたちは大陸中の人間を相手にしているようなものなんだから」

 《アルカンシェル》の名はまだ大陸中に広まっているとは言えないものの、ノーザンブリア出身のシュリとクロスベル出身のイリアが“舞台”を通してつながった。だから、目の前の客にとらわれる必要はないのだと。もっと広い視野で舞台を演じる方がずっと楽しくて素敵なことだと、そうイリアは教えてくれました。




 この教えを受けて、シュリはまだ飲み込めない部分がありつつも少し吹っ切れた様子。その後、劇団の仲間たちも認めるような素晴らしい演技をするようになりました。

 このスケールの広さこそ、イリア・プラティエが“天才”と呼ばれる理由の1つだと自分は感じています。自分の演技で直接魅了できる目の前のお客だけではなく、そこからつながっていく無数の“見えないお客”まで意識しているからこそ、一切の妥協を許さず舞台のことだけを考えているのだろうなと。

 だからと言って目の前のお客を芋のように見て、ないがしろにしているわけでもありません。よく舞台の上からはお客の顔がしっかり見えると言いますが、リーシャを目ざとくスカウトしていたことから、きっとイリアはそうしたところも鍛えられていて、“一流”なんだろうなと思いました。

 もちろん、彼女を“天才”たらしめるのは、なにが起きても“舞台”を最優先する気概と、“不屈”の努力などもあるのですが……、そちらの話はまた別の機会に。


  • ▲シュリに対して母親のような顔を見せるイリア。リーシャも加えた3人の絆は、家族のような暖かみがあって個人的にも好きです!

 シリアスなものからコメディ的なものまで、軌跡シリーズにはほかにも数々の名言が存在します。今後もそれらをピックアップしてお届けしていく予定なので、お楽しみに!

※画面はPS4『英雄伝説 零の軌跡:改』『英雄伝説 碧の軌跡:改』『英雄伝説 創の軌跡』のものです。
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