電撃オンライン

【ゲーム雑談紀行】『ウマ娘』の特徴を編集者が語る! 競馬ファンもハマるよさがある!

kbj
公開日時
最終更新

 電撃の編集やライター、クリエイターなどなど、いろいろな人とゲームについてゆるく話をしていくコーナー“ゲーム雑談紀行”を掲載します。

 第34回の話題は、話題のゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』について。電撃オンラインの競馬好き編集・レトロ、むらたと語っていきます。

 なお、座談会の収録は3月中旬に行われています。

参加者

レトロ

 『電撃王』、『電撃PlayStation』を経て電撃オンラインに。印象的な馬はサイレンススズカ。

むらた

 『電撃ゲームス』、電撃の攻略本を経て電撃オンラインに。印象的な馬はナリタブライアン。

kbj

 電撃オンラインの編集。印象的な馬はタマモクロス。

競馬ファンもハマるよさがある!

kbj:そもそも、2人は何がきっかけで競馬を知ったんですか?

むらた:個人的にはボートが好きなんです(笑)。競馬についてはそこまで詳しくはないけど、父親が競馬が大好きで家でレースやニュースが流れていたので、知識はありますね。

レトロ:僕は知人に「絶対に勝つ馬が出走するから、見に行こう」と言われて、連れていかれた秋の天皇賞がきっかけ。その時に出走していたのが、ビワハヤヒデでした。

 ビワハヤヒデはデビューから連対(連勝式の対象)を外したことがない堅実な馬。その前の宝塚記念も勝っていて一番人気だった馬が負けたレースを見に行きました。

(一同笑)


レトロ:最初に「競馬に絶対はない」ということを知りましたね。その時に「名前がいいな」と思っていた馬が勝ったので、そのまま見るようになりました。競馬暦でいうと25年ですね。

kbj:自分は某競馬のゲームを薦められて、調べたり教えてもらったりした時に「競馬っていろいろな側面があって深い」と思ったんですね。血統によって得手不得手があって、さらに騎手に歴史がある……そして皆が最強の馬を育てたいと尽力している!

 友だちがいろいろと教えてくれたんですが、情報量が多すぎて、最初にパンクしました。

レトロ:楽しみ方がいろいろとあって、人によって違うのが競馬の特徴。馬のエピソードや血統、騎手推しの人たちもいて、さらにギャンブル的な側面もある。じつは入口が多いのが競馬だと思ってる。

kbj:ゲームもアニメも『ウマ娘』は競争馬モチーフのエピソードがありますが、そこをしっかりまとめて見やすくしていると感じますね。

レトロ:例えば『ウマ娘』だとゴールドシップが人気じゃない? そこから本物の馬が気になって、牧場見学を計画してもいい。実物のゴールドシップも本当に破天荒なタイプだったので、いろいろなエピソードを知ってほしいなと。

むらた:作中だと、ちょっかいを出すキャラになっていますが、もともとは気性が難しい側面があった。それを“他のウマ娘に絡むけど、結局自分が苦しむ”というところに落とし込んでいて、嫌われない感じにしていて、うまいと感じました。

kbj:ちなみに、2人は『ウマ娘』というコンテンツを最初に聞いた時、どう感じました?

むらた:自分はアニメから入りました。騎手がいないし、シュールな世界観だなと思いました。

kbj:確かにトラックを女の子が走っているのを見た時には、相当なインパクトがありましたね。いまだにシュールだと思う時があります。

むらた:あとは「これをどうやってゲームにするのかな?」と。ゲームの情報はずっと出てこなかったので、どうなるのか見えなかったので、ここまでヒットするとはまったく思わなかったです。

kbj:ゲームの内容がわからなかったので「大丈夫か?」と思いましたね。レトロさんは?

レトロ:擬人化はいろいろなコンテンツでやっていたので、「その波が馬にも来たか」という感じでした。イチ競馬ファンとしてはフラットな視点というか、ちょっと俯瞰して見ているような感じでしたね。

 TVアニメの1期を見たら、現実の馬のエピソードをなぞりつつ、うまくオリジナルの要素を入れていた。競馬をリスペクトしている要素が散りばめられていると感じてから、楽しんで見るようになりました。

 もしアニメが、キャラがキャピキャピするだけの萌えアニメだったら、おそらく途中で離脱していたかな。作っている人に競馬が詳しい人、好きな人がいると感じて、興味を持って接するようになりました。

kbj:ああ、なるほど。アニメは2期だとせつない展開が多いですね。

レトロ:ピックアップされるところがいいんです! アニメを見て泣くとか個人的には今までなかったけど、そんな僕が泣いたんですよ!

むらた:確かに1期とはまた違って、2期は少し重いですね。

kbj:1期であればサイレンススズカが調子を上げているところで、「でもこの後、悲劇があるのよね……」って思いつつ見ていました。

レトロ:さすがに、アニメとして現実とは違う展開になっていましたね。ただ、エンタメとしてちゃんとなっているのが大事ですし、そこは忠実でなくてもいいじゃないですか。

 僕はサイレンススズカのあのレースを現地で見ていたんですが、場の空気がすごかった。最後の直線で歓声があがらずに、皆がどよめいている……あのレースを見て、競馬をやめた人もいるくらいにショッキングな出来事でした。

 サイレンススズカ以前にも悲しい出来事は多かったです。わかりやすいのはライスシャワー。アニメの2期ではそのエピソードではなく、ヒール役の部分をうまく描いていたなと感じました。アニメの2期が好評なのは、競馬ファンの心もしっかり掴んでいるのはあるのじゃないかなと。

むらた:それは感じますね。起承転結が激しいものになっているし、ピックアップがうまい。

レトロ:実在馬のスペシャルウィーク、トウカイテイオーは、どちらも挫折と復活を繰り返した馬。トウカイテイオーのほうがより挫折感はありますが、ドラマ性を持った馬をメインのモチーフに持ってきている理由もおもしろい理由になるのかな。

むらた:漫画『ウマ娘 シンデレラグレイ』のオグリキャップもそうですよね。挫折があっての復活……もとのエピソードをいかしつつ、キャラとして立たせているのがおもしろいです。

レトロ:日本人が好む展開ですよね……常勝で引退したらドラマがないと感じてしまう。例えばシンボリルドルフのように無敗で三冠を達成していると、現実の活躍は主役なんですが、作品のエピソードとしては盛り上がりにくい……。

kbj:展開があったほうが、物語やキャラが動いていきますからね。

レトロ:あと、競馬ファンだと各馬のドラマを知っている。だからこそ、見ている時に涙を誘うんだと思います。ツインターボの激走がトウカイテイオーへの叱咤激励だったのは、本当によいアレンジだと思いました。そういう楽しみは競馬ファンだからできる楽しみかなと。

⇒4月28日掲載回に続きます


(C) Cygames, Inc.
(C) 2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

関連する記事一覧はこちら