『ウォーハンマー 40,000』勢力紹介! 部隊の情報やゲームを遊ぶために必要なアイテムをチェック

hororo
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 ゲームズワークショップが販売する『ウォーハンマー 40,000』(以下、『40k』)の特別記事を掲載します。

 ミニチュアゲームや『40k』についての基本的な知識を知りたい方は、ぜひ過去の記事も参照ください!

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 これまでの記事にも記載しましたが、『40k』においてもコレクションのスタート方法はいくつかあります。

 まずひとつが、前回紹介したスタートセットから入る方法。2勢力がいっしょになったお得なセットで、これだけでゲームを体験することもできる点が魅力です。ですが、「スタートセットに入ってる勢力は好みじゃない」と感じる人もいるでしょう。なんせ『40k』に登場する勢力は、造形・設定ともに激アツイですから。

 ミニチュアゲームは、ただゲームを遊ぶだけでなく、気に入ったミニチュアを集めるというコレクション要素も強いホビー。自分がグッと来たミニチュア、勢力で始めてもいいんです。そうなると、まずは『40k』世界に登場する各勢力を知る必要があります。

 今回は勢力をドーンと紹介していくので、お気に入りの勢力を探してください!

 なお、紹介している勢力は、2019年6月の段階で勢力本『コデックス』が発売されているものに限ります。

『40k』世界の勢力図は人類vs反逆者vs異種族! 自分の琴線に触れる勢力を見つけよう

 『40k』世界の勢力は大きく、宇宙に進出した人類と、渾沌の神によってそそのかされて人類を裏切った反逆者、そして人類以外の異種族に分かれています。異種族はそれぞれが独立した勢力なので、厳密にはもっと多くの勢力が存在し、それぞれの目的のため宇宙の覇権を競い合っている状況です。

 また、人類と一括りにいっても、その中には無数の組織が存在し、ゲーム的にはこれらの組織も独立した軍勢として再現されています。では、魅力的な設定を持つ勢力の数々を、見ていきましょう。

【<帝国>(インペリアル)】

 <帝国>は、<皇帝>と呼ばれる人物を頂点とした人類の星間国家です。皇帝というと、皇室の血筋を脈々と受け継いで、現在の皇帝が治めているようなイメージを抱きがちですが、『40k』で<皇帝>というと、特定の個人を指します。

 彼は一万年前の大きな大戦により致命傷を負い、<黄金の玉座>と呼ばれる生命維持装置につながれ、生ける屍として悠久の時を過ごしています。現在では彼は神のように崇められ、信仰の対象として存在するようになりました。

 <帝国>には、<戦闘者>と呼ばれる、人体改造を受けた超人部隊・スペースマリーンを筆頭に、さまざまな組織が存在しています。設定的には我々が住む世界の遥か未来の話ということになっているため、武器や兵器のデザインが我々のよく知るものに似ているのが特徴です。

 人類というと、フィクション世界的には何となく“正義の軍勢”というイメージがあるかもしれませんが、この世界の設定的には微妙なところ。簡単にいうとバリバリのファシズム主義で、人類はすべて<皇帝>と彼の治める<帝国>のために生き、死んでいくという意識が刷り込まれています。

 実際は<皇帝>はすでに命令を出せるような状態ではないので、国を運営しているのは誰か……となるとすでにお察しですね。政治腐敗に塗れ、ギリギリの状態で存続を保っているのが現在の<帝国>です。『ウォーハンマー』には単純な正義など存在しないという強い意志を感じます。

 とはいえ、前線で戦う兵士は人類のために命を捧げているのは事実。以下では、<帝国>の組織を紹介していきます。

スペースマリーン

 遺伝子操作され、常人を大きくしのぐ体躯と、さまざまな肉体機能を持ち合わせた超人。それがスペースマリーンと呼ばれる存在です。彼らは頑丈なパワーアーマーを身にまとい、どんな敵にも恐れることなく立ち向かう、人類の守護者ともいうべき存在。近年では、さらに改良されたプライマリス・スペースマリーンと呼ばれる種類も登場しました。

 特徴的なのは、戦団(チャプター)と呼ばれる単位で組織を形成しており、戦団によって気風や兵科の構成などが大きくことなる点。戦団ごとにパワーアーマーの色や、肩に描かれる戦団章のデザインも異なります。主にパッケージアートなどに描かれる青いスペースマリーンは、もっとも有名な“ウルトラマリーン”と呼ばれる戦団です。スペースマリーンには星の数ほどの戦団が存在しているため、オリジナルの戦団を作って遊んでいるプレイヤーも多いです。

ブラッドエンジェル

 ブラッドエンジェルは、スペースマリーンの戦団のひとつ。他のスペースマリーンとは大きく異なる特徴を持つため、ルールが分かれています。ブラッドエンジェルは、その名を表すかのような真紅のパワーアーマーをまとっており、装飾として天使の翼を模した羽飾りを付けることが多いです。

 その最大の特徴は、1万年前の大戦時に遺伝子に受けた傷がもとになった“呪い”をその心に宿していることです。<黒き怒り>(ブラック・レイジ)と呼ばれるこの狂気に蝕まれると、我を失い狂乱状態になってしまうのです。ブラッドエンジェルは強靭な精神力でこれを抑え込んでいますが、屈してしまう者も存在します。

 その結果、<赤き飢え>(レッド・サースト)と呼ばれる状態になり、血に飢えた獣のような存在へと堕落してしまいます。

 まるで吸血欲求に抗うヴァンパイアのように、自らの呪いと戦いながら人類の盾となる戦士たち。それがこのブラッドエンジェルという戦団です。

ダークエンジェル

 ダークエンジェルもまた、スペースマリーン戦団のひとつ。一万年前、スペースマリーンは戦団よりももっと大きな単位で構成され、兵団と呼ばれていました。全部で20の兵団が作り出されましたが、最初に作られたのがこのダークエンジェルです。

 彼らは一万年前の大戦時に、身内から裏切り者を出してしまいました。裏切った兵団ということが知れれば処分されてしまうため、彼らはこの秘密を胸の奥にしまい込みます。そして任務の陰で裏切り者たちを探し、抹殺する使命を誓っています。

 特徴としては、自らを亡霊のごとく示すためパワーアーマーを白く塗装した“デスウィング(死翼)”と、裏切り者を狩るという密命を課せられた“レイヴンウィング(鴉翼)”と呼ばれる独自の精鋭部隊を持つことがあげられます。

 パワーアーマーの上からフードをかぶっていたり、ゴシックな彫刻があしらわれていたりと、全体的にダークな雰囲気で統一されているのがダークエンジェルならではの魅力でしょう。

スペースウルフ

 スペースウルフもまた、由緒あるスペースマリーン戦団のひとつです。彼らは荒々しく攻撃的な戦士であり、その勇猛さはスペースマリーンの中でも突出しています。イメージとしては北欧のヴァイキングが近いでしょうか。

 多かれ少なかれ、スペースマリーン戦団は<戦いの聖典>と呼ばれる規定に従い、行動や組織図が決定されていたのですが、スペースウルフはこれにまったく従っていない稀有な戦団です。それよりも、彼らが長く培ってきた思想や伝統に重きをおき、群狼団と呼ばれる単位で行動していることが多いのが特徴です。
 
 また、彼らはすべて鋭敏な感知能力を持ち、どんな悪天候のなかでも獲物の臭いを辿り、追跡できるハンターでもあります。その五感を生かすため、パワーアーマーのヘルメットをかぶらない戦士も多いです。加えて、どう猛な狼を従えており、戦場では戦車などの兵器に加えて、巨大な狼の背に跨って出撃することも少なくありません。

グレイナイト

 グレイナイトは対ディーモンに特化したスペースマリーン戦団で、通常のスペースマリーン戦団とは異なる管轄下にあります。彼らの存在は公には伏せられており、見られてしまった場合は人々の記憶を消したり、その処置も難しい場合は抹消するなど、徹底して秘匿されています。

 その名を表すような銀色の独自のパワーアーマーを身にまとい、パワーソードでディーモンを切り伏せていく姿はまさに騎士のような圧倒的な存在感を放ちます。実際、特別な装備を支給されている彼らは、通常のスペースマリーンと比べても高い戦闘力を誇ります。

デスウォッチ

 デスウォッチは戦団の枠組みを超えた、対異種族に特化した特殊精鋭部隊。各戦団から優秀な人材をスカウトして構成されているため、個々人の能力も高く、スペシャリストが揃った強力な勢力といえます。一方で、戦団で失敗をしてしまった者が送られたり、部隊に馴染めなかった人物が合流したりという話もあり、必ずしもスカウトした人材だけで成り立っているわけではないようです。

 彼らのアーマーの大部分は漆黒で、左肩は銀で塗られているのが特徴。そしてもう一方の方は出身戦団の色で染められ、その戦団章が描かれています。

アデプトゥス・カストーデス

 アデプトゥス・カストーデス……俗にカストーディアンと呼ばれる彼らは、<皇帝>とその<帝殿>を守るために生み出された最高の超人兵士です。<皇帝>の近衛兵に相応しい豪奢な金色のパワーアーマーに身を包み、スペースマリーンをも凌駕する躯体を持つ彼らは、まさに一騎当千の戦士たち。

 これまでは<皇帝>と<帝殿>の警護に専念していましたが、近年起こった大きな宇宙情勢の変化により、本来の目的の解釈を広げ、数々の戦場に姿を現すようになっています。

アデプトゥス・メカニカス

 火星を本拠地とする機械教団。万機神(オムニシア)と呼ばれる機械神を崇めており、万機神は人類の<皇帝>の別側面であると認識しています。彼らは人間ではありますが、極度の機械崇拝の結果、人体のほとんどを機械に置き換えており、人間性を残している者は多くありません。個人的な感情をほぼ持たず、失われた古代の技術の研究や収集に勤しんでいます。

 <帝国>とは同盟関係にあり、人類の軍隊が使う装備のほとんどは、火星をはじめとする工業惑星(フォージワールド)で生産されており、人類が戦い続けるためには重要な存在であることには間違いありません。

アストラ・ミリタルム

 帝国防衛軍(インペリアルガード)とも呼ばれるアストラ・ミリタルムは、人間のもっとも基本的な軍隊です。スペースマリーンのような超人的な戦士ではなく、普通の人間による軍隊といえばわかりやすいでしょうか。人間ほど脆弱な肉体を持つ勢力は少ないこの戦争で、彼らがまだ戦い続けられているのは、ひとえに圧倒的な兵力がゆえです。

 スペースマリーンのような華やかさこそありませんが、人員、兵器ともに圧倒的な物量で戦う彼らの姿は、常人ならではの泥臭さやミリタリー色に溢れており、根強いファンも多いです。防衛を担当している惑星によって装束が大きく異なるのも特徴で、さまざまな姿のインペリアルガードが存在します。

インペリアルナイト

 インペリアルナイトは、勢力というよりは、個々の強力な騎士を指すことが多いです。騎士の鎧(ナイトアーマー)と呼ばれる巨大兵器に搭乗して戦う彼らの多くは、帝国防衛軍やアデプトゥス・メカニカスの治める工業惑星と同盟を結んでおり、戦時に戦力の一部として連携して行動することがほとんどです。しかし、なかには単身で銀河を旅する<流浪の騎士>(フリーブレイド)も存在します。

 彼らの駆るナイトアーマーには複数の種類が存在し、見た目だけでなく大きさや武装までさまざまです。ですが、いずれも強力な武装を有していることには変わらず、決戦兵器とも言える活躍を果たすでしょう。

【渾沌の軍勢(ケイオス)】

 渾沌の軍勢は、四柱の暗黒の神々の眷属であるディーモンと、暗黒神の誘惑に屈して堕落した人間たちの勢力です。一万年前に起こった大戦は、当時存在したスペースマリーン兵団の半分が、暗黒神の計略によって反旗を翻したことで勃発しました。

 反逆側のスペースマリーンたちを率いた指揮官の名前を取り、“ホルスの大逆”と呼ばれたこの内戦は、一応<帝国>側の勝利に終わったものの、これにより<皇帝>瀕死の重傷を負い、人類の戦力も大きく低下してしまいます。さらに、このときに反逆側に回ったスペースマリーン兵団も多くは存在し続けており、今もなお<帝国>の脅威となり続けています。

ケイオススペースマリーン

 暗黒の神々の誘惑に屈し、堕落したスペースマリーン兵団や戦団を指します。彼らが寝返った理由はさまざまで、率先して寝返った者もいれば、裏切らざるを得ない立場に追い込まれた者もいる……というのが魅力的ですね。もちろん人類的には紛れもなく悪の勢力ですが、悪には悪なりのストーリーがあるのが『40k』の魅力なのです。

 ケイオススペースマリーンは、渾沌の力の影響によって禍々しく変化したパワーアーマーに身を包んでいます。全体的にトゲトゲしているモデルが多いです。悪役然とした見た目は、スペースマリーンとはまた違った格好よさがあり、最近モデルがリニューアルされたことで一段と人気を獲得しています。

 兵器は<帝国>に似たデザインのものが多いですが、なかにはディーモンを憑依させることで、生物と機械のハイブリットのような見た目のものもあり、<帝国>勢力とは一味違ったミニチュアを楽しめます。

デスガード

 一万年前に反逆したスペースマリーン兵団のひとつが、このデスガードです。腐敗と誕生を司る神・ナーグルに仕えており、その肉体はナーグル神の恩恵により腐り果て、ガスで膨張した体はパワーアーマーごと膨れ上がっています。内臓を露出させるほど腐敗が進んだ者も珍しくなく、この恩恵のため痛みや恐怖を感じることもありません。

 通常の火器だけでなく、疫病を振り撒く兵器やドローンなどを駆使するのが特徴で、銀河のすみずみまでを疫病と荒廃で包まんと画策しています。

 まるでゾンビと機械が融合したかのようなデザインは、すべてのスペースマリーンのなかでも一際独特のデザインをしており、日本でもファンが多い軍勢のひとつです。
 

サウザンド・サン

 サウザンド・サンも、デスガード同様に一万年前に反逆側についたスペースマリーン兵団のひとつです。変化や可能性を体現する神・ティーンチの加護により、肉体に変化をきたしていた彼らは、とある大魔術の失敗により、肉体を失ってしまいました。今やこのパワーアーマーの中に入っているのは、残された塵のみで、少数の妖術師によって操られる人形同然の存在となり果てています。

 彼らの最大の特徴は、強大なサイキック(超能力)を行使できること。『40k』世界において、サイキックはディーモンの領域である<歪み>から力を汲み上げるため、危険な能力と認識されており、<帝国>においても一部の人間でしか扱うことを許可されていません。もともとサウザンド・サンはサイキックの研究に熱心な兵団でしたが、魔法を司る神でもあるティーンチのしもべとなった今、より強力な力を得るに至りました。

 全体的なデザインとしてはエジプシャンなイメージで、ローブ&杖のような妖術師的な姿のミニチュアがいるのも特徴的です。

ケイオスディーモン

 <歪み>から現れる渾沌の軍勢、それがケイオスディーモンです。悪魔が仕える渾沌の神々の思惑に従い、空間を切り裂いて物質宇宙へと現れ、人類や異種族に攻撃をしかけます。

 ディーモンは苦痛や恐怖といった精神的な感情エネルギーを糧とするため、生物が存在しないと現実宇宙に実体化を果たすことができない、といった特徴があります。そのため、周囲の敵を殲滅すると破壊の爪痕だけを残し、陽炎のように消えてしまうのです。

 ディーモンの姿や性質は、その主人である暗黒神によって大きく異なります。また、下級のディーモンを統率するグレーターディーモンと呼ばれる存在もおり、人類の英雄ですら圧倒するほどの力を持っています。

 なお、ケイオスディーモンは『AoS』とミニチュアを共用しており、唯一どちらのゲームでも使用できるミニチュアとなっています。

【異種族(ゼノ)】

 『40k』の世界にはさまざまな異種族が存在しており、<帝国>の一員に組み込まれている種族も存在します。ここで紹介するのは、人類と敵対している異種族たち。どれも固有の文明、価値観を持っており、それぞれ自らの勢力を拡大するためにぶつかり合っています。対人類のための同盟軍というわけではなく、各軍勢が独自の思惑で行動しているため、人類と共闘したり、利用し合ったりということも珍しくはありません。

 どの勢力も習性や歴史などが考えられており、人類とはまた違った魅力で溢れています。ミニチュア造形という視点で見ても新鮮なものが多いので、気に入ったものがあれば異種族からスタートするのもオススメです。

クラフトワールド

 クラフトワールドは、“アエルダリ”と呼ばれるいわゆる宇宙エルフ的な種族のこと。勢力名は、彼らが住まう方舟(クラフトワールド)にちなんでいるものです。大昔に反映した種族で、人類よりもはるかに高い技術力を持っています。しかし、かつての快楽主義が引き起こした大事件と度重なる戦争被害により、現在はその数を減らしています。

 彼らの母星はすでになく、方舟と呼ばれる超巨大宇宙船に乗り、銀河をさ迷っています。方舟は現存するだけでもいくつか存在し、それぞれの方舟ごとに異なる文化を持っているのが特徴です。

 デザイン的にはエルフらしい、美しさを重視した流線形のものが多くだけでなく、先祖の魂を宿らせて動かす人型のロボットなど特徴的な兵器も存在しています。

デュカーリ

 デュカーリはアエルダリから分離した種族で、彼らが元来持っていた快楽主義を捨てられず、それに傾倒した集団。わかりやすく言えばダークエルフですね。通常空間を旅しているアエルダリとは異なり、デュカーリは<網辻>(ウェブウェイ)と呼ばれる別次元に存在する都市を拠点としています。彼らはこの<網辻>を生かした奇襲攻撃を得意としており、さまざまな文化圏へ侵入しては略奪や破壊を楽しんでいます。

 精練された美しいデザインをしたアエルダリとは対照的に、チェーンやスパイクなどで飾り立てられた装飾を好んで付けています。また、人体実験を繰り返す一派もあり、肉体を改造された実験生物なども存在します。

ハーレクィン

 ピエロを連想させる色彩豊かなスーツに身を包んだアエルダリの一団で、<笑う神>を信仰しています。通常のアエルダリとは違い住まいを固定せず、他のアエルダリが住む方舟を渡り歩き、ときにはデュカーリの都に姿を現すこともあります。訪れた場所では、アエルダリに伝わる神話を再現する演目を披露しており、アエルダリにとってハーレクィンの歌劇を目にすることは、非常に栄誉なことなのです。

 一方でハーレクィンは、戦場でもその奇抜さを遺憾なく発揮します。彼らにとっての戦場は舞台と同じ。ただ舞台のうえで自らの役を演じるのみ。まるで踊っているかのような華麗さで、敵を切り裂いていきます。

ネクロン

 ネクロンは、遥か昔にアエルダリと覇を競い合っていた古代種族です。もともとは非常に脆弱な体を持つ種族でしたが、ク=タンと呼ばれる高次生命体との取引により、不死の機械の体を与えられました。その代償に魂を失ってしまい、下級の民は命令に従うだけのロボットに、地位の高い者でも、心から熱を失った“考える機械”のような存在になってしまっています。

 一度は覇権を握りかけたものの、最終的に敗色が濃厚だと考えた当時のネクロンは、種族全体で休眠状態に入り、遠く未来で目覚めて再征服を目指す計画に出ました。そして現在、数々のネクロン王朝が目を覚まし、宇宙の再征服に乗り出しました。

オルク

 簡単にいえば宇宙オークなのですが、その特性を簡単に説明するのは困難です。まず、彼らは菌類で、キノコのようなもの。放っておくと勝手に増殖し、いつの間にか大群になっています。そして手当たり次第に惑星を襲い、壊滅させてきました。「オルクが見つかった惑星は、星ごと焼くしかない」と言われるほどの繁殖力を持ち、身体能力の高さは人間を上回るやっかいな存在です。

 とにかく戦うことが大好きで、どんな戦力差でも喜んで戦争を吹っ掛けるほど。また、「赤く塗った車は速い」とか、「羽根を生やした乗り物は飛ぶ」といった思い込みが現実に反映されるという、トンデモ能力を持ちます。そのため、見た目はガラクタでも侮りがたいパワーを持つ兵器が多く、“どんな改造をしてもソレっぽくなる”という理由で、熱狂的なファンを持つ勢力でもあります。

タウ・エンパイア

 近年台頭してきた新種族。その進化スピードはかなり早く、独自の高度な科学技術を持っています。その技術の粋を集めたのが、彼らの使用するバトルスーツ。高性能な射撃武器と、多彩なバトルスーツを用いた圧倒的な火力による射撃戦を得意としています。

 “大善大同”という思想を持ち、出会った文明にはまず交渉から入り、自分たちの勢力に組み込もうとします。その結果、彼らの軍には支配下に入った別種族も存在します。

 基本的には“話が通じる”種族ではあるものの、それは平和的という意味ではありません。教えに賛同しない相手には、容赦なくレーザーの雨が降り注ぐでしょう。

ティラニッド

 ここまで紹介してきた異種族と根本的に異なる種、それがティラニッドです。彼らは外宇宙から飛来する、すべての生命の天敵です。進路上にある生命をすべて食い尽くしながら進む姿は、まるでイナゴの群。彼らには交渉も恫喝(どうかつ)も通じません。ただどちらかが滅びるまで戦うのみです。

 ティラニッドには個という概念はなく、ハイヴ・マインドと呼ばれる集合意識によって統制されていると考えられています。驚異的なのはその進化スピードで、彼らを打ち負かすような強力な武器や戦術を即座にフィードバックし、次の戦闘ではその対策ができる個体を生み出してくるという特徴があります。

ジーンスティーラー・カルト

 “ジーンスティーラー”とはティラニッドのいち個体のこと。ジーンスティーラーは、ティラニッド本隊に先立って、文明がある惑星へと侵入します。そして現地生命に自らの遺伝子を植え付け、体や精神を変化させていきます。

 感染された人間はジーンスティーラーに近しい姿へと変異しますが、彼らもまた自らの遺伝子を感染させていくことができ、世代を重ねるごとに人間に近しい姿を手に入れます。こうして、ほぼ人間と同じ姿を手に入れた感染体が人間の社会に入り込み、カルト宗教などを軸に集団化したのが、ジーンスティーラー・カルトです。

 彼らの“神”であるティラニッドが惑星へと到達した時、彼らもまた銃を取り、人間社会に反旗を翻すでしょう。

ゲームを始めるにはコレを買おう! 遊ぶために必要なアイテムをチェック!

 気になる勢力はあったでしょうか? 続いて、ゲームを見据えたアイテムを紹介していきましょう。もちろん、全部まとめて買う必要はありません。ミニチュア趣味は決して安くはありませんので、自分の予算に合わせた購入計画で大丈夫です。

 なお、本の名称など違う部分はあるものの、多くの内容は『エイジ・オヴ・シグマー(AoS)』時に紹介したものと同じなので、そちらを読まれた人は読み飛ばしてしまっても問題ありません。

 最初にゲームルールの種類について解説します。『AoS』同様に『40k』にも多くの遊びかたがあり、どれも異なる特徴・魅力があります。他のプレイヤーと対戦する際には、最初にどのルールで遊ぶのかを話し合って決めるようにしましょう。

その1、オープンプレイ

 編成ルールがわからない、持っているミニチュアだけでとりあえず遊んでみたい、という場合はコレ。とにかくミニチュアを使ってゲームをしてみたい時に使われる、一番手軽なルールです。互いの兵力差を考えずに軍隊を構築して遊べるので、勝敗を付けるよりも、基本ルールを学びたい場合にうってつけです。

その2、ナラティブプレイ

 『40k』の世界の物語をテーマにした戦闘を楽しむルールです。さまざまな書籍にシナリオが掲載されており、それに従って編成を組んで戦う方法と、プレイヤーが自由に物語や背景を設定して楽しむ方法があります。物語を重視するため、特殊な行動や偏った編成をする場合もあるのが特徴です。

 また、後述のマッチプレイと組み合わせて遊ぶ場合もあります。

その3、マッチプレイ

 一般的に“対戦する”という時に採用されるのが、このマッチプレイです。ユニットごとに決められたポイントを見ながら、決められたポイント内で軍隊を構成して持ち寄る方式で、自分と相手の戦力差ができるだけ等しくなるように調整できるのが利点です。

 その分、軍隊を編成するためのルールなどが少し細かく、初心者が1人で組もうとすると難しいかもしれません。少し大変かもしれませんが、一番“ゲームをしている感覚”があるルールなので、慣れたらぜひ挑戦してみてください。

その4、アポカリプス

 『40k』ならではの大規模ルールで、先日新ルールとして発表されたばかりです。通常の『40k』の戦場は歩兵がメインで、兵器は少しだけ、というケースが多いですが、アポカリプスはそんな兵器がメインの戦場です。巨大兵器が山盛りの戦場で、毎ターン何かが爆散していくド派手な戦闘を楽しめます。

 欠点は、ミニチュア資産がけっこう必要なこと。ベテランプレイヤー向けのルールと言えそうです。

 以上が『40k』のルール。『AoS』よりも1つ多いですが、おおむね同じ感覚で遊ぶことができます。それでは続いて、必要な物を見ていきましょう。なお、ペイント道具やモデリング用の工具については省いています。

ミニチュア

 なんといっても“ミニチュアゲーム”なので、自分が動かす軍勢は必須です。気に入った造形のミニチュアをとりあえず買ってみるもよし、ペイント体験についてきたミニチュアでもよし、とりあえず何体か用意してみてください。もちろん、軍勢を揃えることを前提に、最初から大量にミニチュアが同梱されたセット商品を購入してもOKです。最近では『スペースマリーンヒーローズ』という商品が、1体単位で購入できるので、ここから入るのもいいかもしれません。

 「俺は最初から大量にいくぜ!」という人は、前回紹介した『スタートセット』系がオススメ。ですがスペースマリーンとデスガード、どちらにも興味がなかったら、ちょっと悩んでしまうかもしれません。そんな人はスタートコレクティングがいいでしょう。各勢力の主要ミニチュアが詰まったお得なセットで、1つ買えば最初のゲームには十分な戦力が手に入ります。

ルール

 基本ルールは公式サイトから入手できます。スタートセットを購入した場合は、プリントされたものが同梱されているので、そちらでも構いません。ただ『DARK IMPERIUM』のみ日本語版が発売されていない点は注意してください。

 また、ミニチュアゲームはプレイ中にルールを参照することが多いゲームです。プレイ前に全部覚えておく必要はないのでご安心を。サラっと確認しておくだけで問題ありません。

ダイス

 『40k』では六面体のダイスを使います。大量にミニチュアが並ぶゲームですし、一回の射撃で複数回攻撃する武器などもあるので、数は多いほうが何かと便利です。また、一色だけでなく、いくつか色違いのダイスを用意しておくと、複数のユニットによる判定などを同時に処理できます。

メジャー

 ミニチュアゲームでは移動や射撃の際に、メジャーを使って距離を測ります。ゲームでは専用単位“MV”を採用。ゲームズワークショップの直営店・ウォーハンマーストアや、各地のミニチュアゲームショップでは『ウォーハンマー』純正のメジャーを販売しているので、そこから購入するのが簡単です。

コデックス

 勢力ごとに用意された専門本。各ユニットの能力値やポイント、設定などが網羅されています。『AoS』と違い、ミニチュアの能力は現状ではコデックスなどの本を見るしかないため、ほぼ必須です。基本的に自分が使う勢力のものだけ所持していれば問題ありません。

 ただし、その勢力の物語部分が読み物として非常におもしろいため、気になった勢力はコデックスを読んでみることをオススメします。

チャプター・アプルーヴド2018

 1年に1回発行されるアップデート本。マッチプレイ用のバランス調整が反映されていることが特徴で、修正された全アーミーのポイントリストや、新規追加された要素などが収録されています。そのため、マッチプレイで遊ぶ際には重要度が高い本といえます。

インデックス

 『40k』が現在のバージョンになる時に発行された本で、これから始めるにあたっては基本的に必要ありません。一部この本にしか収録されていないデータを使いたい場合などには必要になります。

 以上が『40k』を遊ぶために必要になるものです。最近は『AoS』だけでなく、『40k』製品でも日本語版が発売されているといううれしい状況。始めるためのハードルがグンと低くなっていると思います。全国のウォーハンマーストアやミニチュアショップでも手厚いサポートを受けられるので、気になっている方は、お店に足を運んでみてはいかがでしょうか。

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