『バイオハザード ヴィレッジ』舞台裏を佐藤ディレクターに聞く! “村ホラー”を追求して開発されたタイトル
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カプコンから5月8日に発売される『バイオハザード ヴィレッジ』。発売にあわせた連載記事をお届けします。
『バイオハザード ヴィレッジ』は、『バイオハザード』シリーズのナンバリング第8作に相当する作品。『バイオハザード7 レジデント イービル』で世界に衝撃を与えた実写的なグラフィック表現や主観視点によるプレイ方式を継承しつつ、すべてを進化させています。
今回は、本作のディレクターを務める佐藤盛正さんへのインタビューを掲載。開発現場の舞台裏に加えて、新たに導入されたシステムや注目してほしいポイントについて聞いています。
“死にもの狂いのサバイバルホラー”を目指して
──いよいよ5月8日の発売日が目前になりました。現在の心境はいかがですか?
ようやく皆さんにお披露目できると思うと、楽しみでしかたがないです。現在、PS5で体験版『MAIDEN(メイデン)』の配信や、『BIOHAZARD VILLAGE Gameplay Demo』の配信も行ってしていますが、そちらをプレイされたユーザーからたくさんの感想が寄せられていまして、うれしい手ごたえを感じているところです。
できれば、皆さんがプレイしている横でその様子を見たいくらいの心境です(笑)。そのうえで「もっとおもしろいところ、もっと怖いところがいっぱいあります!」とお伝えしたい気持ちです。
──『ヴィレッジ』のコンセプトについて、改めて教えてください。
前作の『バイオハザード7』は“すべては恐怖のために”というコンセプトで、ホラーにフォーカスした作品でした。『ヴィレッジ』はその先を行く形で、「恐怖をどう乗り越えるか」ということで“死に物狂いのサバイバルホラー”と銘打っています。
“死にもの狂い”という感覚を味わっていただきたくて、それを軸に開発を進めてきました。
──開発チームは前作に携わっていたメンバーが中心なのでしょうか?
私をはじめ、コアのメンバーは前作に続いて参加していますが、チームの半分以上は新しいメンバーになります。そのチーム構成からも、『バイオハザード7』のよさと、新しさがいい具合に混ざり合った作品になったと思っています。
──佐藤さんは『バイオハザード7』でゲームデザインとシナリオを担当し、本作ではディレクターとしてチームを主導する立場になりました。その点で心がけたことや意識したところはありますか?
『バイオハザード7』と今回で、大きくやり方を変えたところはありません。意識したところは、『バイオハザード7』のよかったところをどう伸ばすか? 足りなかったところをどう補うか? というポイントですね。
──それぞれお聞きしたいのですが、『バイオハザード7』でよかったところは、どんな部分と考えていますか?
たくさんありますが、やはりジャック・ベイカーやマーガレット・ベイカーという、プレイヤーに大きなインパクトを与えたキャラクターを生み出せたことでしょうか。今回も、いかにプレイヤーの記憶に残るようなすごい瞬間、インパクトをどうやって出すか? というのが至上命題でした。
インパクトは自然に生まれるものではなく、誰か1人が考えればすむという話でもなくて、チーム全体で意見を出し合ったり、一丸となって突き進むような空気作りによって生まれたりするものだと思っています。
その「みんなですごく怖いものを考えようぜ!」という体制をどう作るか、という点は意識しましたし、そこは『バイオハザード7』の開発経験から継承したかったところです。
──一方で『バイオハザード7』で足りなかったところは、どんな部分になりますか?
ゲームのコンセプトや方向性が違いますので、「『バイオハザード7』でもそうすべきだったか?」というと違うと思いますが、プレイヤーの選択の幅とか意思がゲームに反映されるような箇所ですね。
探索に関しては本筋とは違う要素があったり、武器に関しても自分の好みとか戦略で強化するものや使うものを選べたり……そういった、いかに“プレイヤー自身の判断をゲームプレイに反映させるか”という部分は『バイオハザード7』よりもパワーアップさせたかったところです。
──前作は世界中でヒットを記録しました。“前作を超える”という部分で苦労したところはありますか?
“超える”という言葉に対する答えではないかもしれませんが、前作はすごく高い評価をいただいた一方で、「怖くて遊べなかった」という意見も耳にしていまして、遊んでくれるプレイヤーを選ぶ作品であったかも知れない。そこが反省点でもありました。
やはり、より多くの方に遊んでいただきたいと思っていますので、ホラーの部分をどれくらいのバランスにするか? というところは非常に気を使いました。
とはいえ、『バイオハザード7』が高い評価をいただいたのは突き抜けた“怖さ”に拘ったからこそと考えています。当然、そこを期待されている方も多くいらっしゃるはずで、単純にマイルドにすればいいものではありません。何より怖さをパワーダウンさせたくなかったので、同じインパクトは維持しつつ、多くの方に遊んでいただけるホラーにするにはどうしたらいいか、というバランス調整にはもっとも気を使いました。
『バイオハザード7』ほど、つねに緊張感を感じることはなくとも、ピークでは同等かそれ以上の怖さを味わってもらえる作品になっています。
──『ヴィレッジ』で1番こだわった部分や見てほしい部分どんなところでしょうか?
すべてにおいてこだわりはありますが、1つを挙げるとしたらイーサン・ウィンターズという1人の人間の物語を描き切ったと思っています。そのため、プレイヤーの皆さんにはぜひ『バイオハザード ヴィレッジ』をエンディングまでプレイしていただいて、そこを見届けてほしいと思います。
ベイカー邸での惨劇を生き延びたイーサンが、事件の決着に向けてどのような道筋をたどるのか……というところを全力で描きましたので、ぜひ楽しみにしていただけたらと思います。
──『バイオハザード7』で開発ディレクターを務めた中西晃史さんから「イーサンをどれだけ苦しめるか? という部分に力を入れた」といったお話を伺った記憶があります。そのあたりは本作にも継承されていますか?
基本的にイーサンは苦しむ運命の人だと思っています(笑)。開発をしていて、どれだけ彼にヤバい思いをさせるか? というところは一貫しています。イーサンは“苦しんでなんぼ”のキャラクターという認識で、ひどい目に遭いながらも進んでいくところに彼の魅力があるのかなと。
ユーザーの皆さんにも、「くそっ! やめろ!」とか口走りながらも進んでいく部分にイーサンの個性を感じていただいている気がします。前作では身体的にもかなり大変なことになっていましたが、そこが気に入ってもらえた方は、ぜひ本作でも期待していただきたいです。
規模感とバラエティ感のパワーアップ
──村と城が舞台になりますが、こちらを選ばれた理由について教えてください。
これまでのプロモーションでは主に村と城をお見せしていましたが、まだまだ複数のロケーションを用意しています。1つの村といっても、「こんなにいろいろな場所があったのか!」と驚いていただけると思いますので、楽しみにしていただきたいですね。
村や城を舞台を選んだ理由は2つあります。1つは『バイオハザード7』の続編を作るにあたって、規模感やバラエティ感をパワーアップさせたいという思いが最初の衝動としてありました。前作の舞台が一軒の邸宅でしたので次は村全体を舞台にすることは流れで自然に決まった記憶があります。
その過程で“村”という意味の“Village”という単語のつづりの中にローマ数字の“VIII”という文字が入っていることに気づいたので、「これはもう“村ホラー”でやろう」と話が進みました。このことも舞台のあと押しになったのは確かですね。
もう1つの理由としては、前作はアメリカ南部の殺人鬼の家が舞台。私個人としては、ジャンルとしてはモダンホラーに属するものだと捉えています。その続編を作るにあたって、次もモダンホラーでもいいんですけど、プレイヤーに驚きとか意外性を感じていただきたくて、ちょっと違うアプローチはないかと考えた時に出たのが、ゴシックホラーのテイストを入れてみるというアイデアでした。
先ほどの規模感のアップという話と合わせて、不気味な村が舞台で、城も出てくるイーサン・ウィンターズの物語にしようと決まりました。
──村や城が舞台という点や“村ホラー”というテーマから、『バイオハザード4』の雰囲気が思い浮かぶところですが、意識されていますか?
『バイオハザード』シリーズにおいて『バイオハザード4』は、初めて“村ホラー”を取り入れた作品ですので、当然意識はしています。世界観や舞台だけではなく、最初に申し上げたコンセプトの“死にもの狂いのサバイバルホラー”を表現するにあたって、戦闘やアクションについても力を入れようと考えていました。
その点においても、シリーズの中でもっともアクション面の進化をとげたのは『バイオハザード4』だと思っているので、そういった側面からも意識しています。
──『バイオハザード4』との違いを出すうえで心がけたことは?
『バイオハザード4』は僕もすごく好きな作品ではありますが、ホラー感では『バイオハザード7』のほうが強烈だと思うんです。そういった意味で『バイオハザード7』の続編として、「インパクトを含めてホラーの遺伝子をどう取り入れるか?」ということを考えまして、『バイオハザード4』との差別化をはかっています。
個性豊かな登場人物が彩る新たな惨劇
──『ヴィレッジ』は『バイオハザード7』の続編という位置付けになりますが、本編内に前作の物語を振り返るような機能はありますか?
『ヴィレッジ』から始めていただいても、1本の作品として楽しめる作品になっていると自負しておりますが、やはり前作をプレイしていると、主人公のイーサン・ウィンターズというキャラクターに対する見え方が違ってくると思います。そのため、可能ならば順番に遊んでいただきたいですね。
とはいえ『バイオハザード7』をプレイされていない方もいらっしゃるでしょうし、そういった方にも最大限に楽しんでいただきたいので、前作がどういう物語だったのかを振り返るムービーをゲーム内に用意しています。
また『バイオハザード7』と『ヴィレッジ』をセットにしたスペシャルパックがありますので、『ヴィレッジ』が気になっている方は、こちらも選択肢の1つとして考えていただけると幸いです。
──前作ではイーサンのビジュアルは完全に隠されていましたが、『ヴィレッジ』ではシルエットが明かされました。何らかの方針転換があったのでしょうか?
前作は、イーサンというキャラクターを操作してプレイしますが、あくまでも体験しているのはプレイヤー自身と考えていました。アイソレートビュー(主観視点)でゲームをプレイするにあたって、プレイヤーの代わりを務めるカメラのような存在でもあったのです。
けれども『バイオハザード7』の開発が終わった時点で、1人の人間として愛着や興味が湧いてきまして、『ヴィレッジ』は前作以上にイーサン・ウィンターズという人物そのものにスポットを当てた作品になっています。キャラクターのビジュアルを用意していますし、セリフによる感情表現も豊かになっていて、確実に露出は増えていますね。
──奥さんのミアについて、前作では恐ろしい姿でしたが、本作では美しい姿を見ることができてよかったです。
そうですね(笑)。前作はチェーンソーを持って追いかけてくる姿が強烈でしたからね。『ヴィレッジ』は前作のあと、イーサンとミア、そして2人の間に生まれたローズという赤ちゃんの3人で平穏な暮らしをしているところから物語が始まります。
そのため、ミアに関しては平穏な家庭の象徴として、できるだけ美しい綺麗な印象で見ていただきたいと思ってデザインしたビジュアルになります。
──ドミトレスクをはじめ、登場する敵はインパクトの強いキャラクターばかりですが、デザインするにあたってどんなことを心がけましたか?
前作は敵キャラクターが非常に魅力的な作品でしたので、『ヴィレッジ』も敵キャラクターの1人1人に強烈な個性を持たせたいと考えていました。とにかく怖い敵にしたかったんですが、単純に怖くて気持ちが悪いだけでなく、魅力やカッコよさをどこかに感じられるようなキャラクターにしたいと、アートディレクターと話をしながらデザイン、生まれたキャラクターになります。
デザインの源流としてゴシックホラー的なテイストがあります。例えばドミトレスクであれば魔女や吸血鬼がイメージソースだったり、ライカンであれば人狼や狼男があったりとかです。
──村で遭遇するライカンは、どんな存在なのでしょうか?
村に巣食う獰猛なクリーチャーですね。集団で行動して獲物であるイーサンを狩り立てる者で、今までの敵とはまた違った“狩られる恐怖”というのを味わっていただけると思います。
いろいろな体験をしていただきたいのでフードを被った敵、馬に乗った敵、ライカンの数倍のサイズの巨体を持つ敵、空を飛ぶ敵もいて、敵のバリエーションも複数用意しています。彼らに関しての細かい設定などもあるので、ぜひプレイして確認していただきたいです。
──新たに武器商人としてデュークというキャラクターが登場しますが、彼の店ではどんなことができるのでしょうか?
非常に恐ろしい村ではありますが、デュークはその中で安心や安息の象徴となるキャラクターになります。彼がどんな人物なのかは、実際にプレイして確かめてほしいです。
彼のショップでは、武器、弾薬、消費アイテム合成のレシピなどの購入、武器の強化、手に入れたアイテムの売却ができますので、ゲーム的な意味においてはおそらく最重要のキャラクターではないかと思っています。
──デュークはアイテムボックスのようなイメージで、マップのいろいろな場所に登場するのでしょうか?
詳しくは言えないのですが、プレイしている中でみなさんに最適なタイミングで出会えるようになっています。
──デュークのキャラクターデザインはどんなイメージで制作されたのですか?
『バイオハザード4』の武器商人というのが最初のイメージソースではありますが、そこから発展させて『ヴィレッジ』ならではのキャラクターになっています。デザインは、やはり安心や安息の象徴という部分を軸にイメージを膨らませて、ふくよかな体つきで、ユニークで、包容力を感じられる現在の姿になりました。
彼と出会った時や、彼のもとに戻ってきた時に、ホッと一息ついていただけるような存在だと思っていただければありがたいですね。ちなみに『バイオハザード4』では武器商人を倒すことができましたが、今回はできませんし、しないでください(笑)。
美しい場所で繰り広げられるホラー
──前作に続いてアイソレートビューを採用していますが、進化しているところはありますか? また、グラフィックでの見どころや、こだわりについて教えてください。
“痛い”や“怖い”といったことをプレイヤーに感じてもらうのは主観視点が1番パワーを発揮できると思っていますので、そこに関してはしっかり継承して進化していますので期待していただきたいですね。
それと、前作ではベイカー邸という1つの邸宅の中での物語でしたので、密度が高い反面、空間的な広がりに関しては弱く感じられるところがありました。今回は1つの村を舞台として、広がりを持った大きな空間として作りました。近くの物から遠くに見える山まで作り込んでおりますので、空間的な広がりとか、村1つ1つのロケーションなど、バラエティ感を感じてもらえるように差別化しています。
プレイヤーを飽きさせないよう、さまざまなシチュエーションやフィールドを用意していますので楽しみにしてください。
──プレイさせていただき、壁や扉の装飾や、きらびやかなシャンデリアの美しさなど、細部まで丁寧に仕上げられていてじっくり見たくなりました。
アーティストのスタッフがすごく頑張ってくれて、テクスチャもすごく細かいところまで制作しています。城の装飾品や椅子の皮張りの模様とか、近づいてマジマジと見ていただいてもきれいなままのクオリティに仕上がっていますので、余裕がある時には立ち止まって見ていただきたいですね。
──クオリティが上がっているのは、やはり前作の開発経験生かされているところが大きいのでしょうか?
そうですね。前作の開発で培ったノウハウが随所に生かされていて、開発効率が上がった分、新たなチャレンジにも挑めました。さらに新しい技術も導入しています。
また、同じ“RE ENGINE”で開発していることもあり、技術的な連携というのも深めていますので、ゲームエンジンの使いこなしといった意味でも前作以上に練度は上がっていると思います。
──新たにレイトレーシングという手法を採用していると聞きました。こちらによってどのような表現が可能になったのでしょうか?
レイトレーシングというのは、光の反射や屈折などをリアルタイムで計算する技術で、これがPS5を始めとした最新機種ではスペック的に実現できるようになっています。
例えばシャンデリアのあるホールでは、その光が床に反射して、さらに暖炉の縁にも反射するというように、光が非常に複雑に反射しているわけです。そういった光の反射をキャラクターの立ち位置に応じて計算していますので、本当に自分がその空間にいるかのように感じていただけるのではないかと思います。
──音声として3Dオーディオを採用していると聞きました。こちらについても新たにどんな表現が可能になったのでしょうか?
こちらはPS5の機能になるんですが、3Dオーディオによって通常のヘッドホンやTVのスピーカーでも立体的な音響で楽しめるようになっています。これは上下を含め360度、音がする方向がわかるという技術で、天井や床下から音がするとか、何かの気配がするとか、そういったことも音で“方向”まで感じていただけます。
私たちがやりたかったホラーと非常にマッチした技術でしたので、導入することになりました。本作では立体的な地形が多いため、さまざまな場所でより高いレベルでの臨場感を味わうことができます。
──前作にはなかった表現として雪があると思います。こちらを描くにあたって気をつけたことはありますか?
恐ろしさと同時に美しさを出したかった、というのが雪を取り入れた理由の1つですね。あと、ヨーロッパへ取材に行った時、たまたま現地が猛吹雪だったんですよ。その2つの理由で、本作の舞台が雪の村になりました。
技術的なところでは、新雪の上を歩くと足跡が付いたり、白い雪の上に血痕を飛び散らせて美しさの中に怖さみたいなものを表現できたりと、演出面で生かしているところもあります。こちらにもぜひ注目していただければと思います。
──グラフィックの部分で、特に注目してほしいポイントや場所はどこでしょうか?
すべてにおいてバラエティ感を持って制作しているので選ぶのは難しいんですが、わかりやすい見どころとしてはドミトレスク城のホールです。今までの『バイオハザード』では見られなかったような美しい仕上がりになっていますので、プレイした時にはあちこち眺めていただきながら、美しい場所で繰り広げられるホラーというギャップを感じていただけたらうれしいですね。
新要素と新機能で彩られる激闘と恐怖
──敵の攻撃をガードしたあと、次のアクションに繋げられるようになりました。どういった理由でこの方式を採用されたのでしょうか?
“死にもの狂いのサバイバルホラー”を実現するうえでアクションも強化したいと考えていましたので、その一環として、ガードから押し返して反撃できるようにしました。戦略的には、追い詰められた状態でも生き延びるチャンスがあるということをゲームで表現した形になります。
例えばライカンと戦う場面で、相手は集団で狩り立ててくる存在ですのでイーサンのほうが圧倒的に不利なんですよ。そんな状況でも、わずかながら希望があるという状況をプレイヤーに体感していただきたくて、1度ガードしてからキックで敵を押し返し、そこから銃を構えて反撃に転じる。そういったカッコイイ立ち回りができるようになりました。
──『バイオハザード7』よりも武器の種類が増え、性能を強化できるようになったことも、そのコンセプトを実現するためでしょうか?
それもありますし、武器の種類が増えると戦い方の選択肢も広がりますよね。プレイヤーそれぞれに、自分なりのサバイバルホラーを味わっていただきたくて前作よりも多くの種類を用意しています。
そのうえで今回はカスタムパーツを取り付けられるだけでなく、武器自体の性能を強化できるようになっています。お気に入りの銃を強化しながら使い続けてもいいですし、いろいろな武器を使い分けて戦ってもいいです。それぞれ考えながら独自の戦略を立てて生き延びていただければと思います。
──コントローラのアダプティブトリガーという機能を採用していますが、こちらについての説明をお願いします。
PS5専用の機能になりますが、使っている銃、例えばハンドガンであればトリガー(R2ボタン)が軽く、大型の銃器であれば重くなります。これは、武器を構えるとコントローラのR2ボタンに負荷が生じる仕組みになっているためで、実際に武器のトリガーに指をかけているようなリアルな手ごたえを感じながらプレイできるようになっています。
──“ザ・マーセナリーズ”が収録されることが発表されていますが、こちらについてもご説明をお願いします。
そもそも、「なぜ“ザ・マーセナリーズ”を収録したのか?」という話ですけど、僕自身も大好きなモードなのですが、『バイオハザード7』の時には実装されておらず、残念だったというファンの方からの声も耳にしていました。
続編の『ヴィレッジ』を開発することになり、「今作では実装したい」と思って、あらためてゲームのコンセプトやアクション性、ステージの規模やバリエーションなど、いろいろな課題を精査しました。本編とマーセナリーズとの相性を判断して実装できることになりました。
──システムやルールに変更点などはありますか?
タイムアタックをしながら敵を倒して、ハイスコアを目指すといった基本のルールは変わりません。それに加えて今回は、途中にあるデュークの店で装備を整えられたり、アビリティを取得しながら進んでいったりするという要素が追加されています。
アビリティには“移動速度の向上”や”ガード時防御力のアップ”、“特定銃器の攻撃力アップ”など、さまざまな効果のものがありまして、ステージと武器の相性、アビリティ同士の組合せ、そして武器とアビリティのマッチングなど、プレイヤーの好みや独自の攻略指針で戦うことができます。
──アイソレートビューになったことで、“ザ・マーセナリーズ”のプレイ感覚に違いはありますか?
細かい部分は『ヴィレッジ』ならではのスタイルに調整していますが、アイソレートビューであってもプレイ感覚は過去作の“ザ・マーセナリーズ”にかなり近づけられたと思います。
『バイオハザード』シリーズは怖くてドラマチックなゲームですが、本編クリア後のお楽しみ要素としてならば、こういったスポーツライクなゲームがあっても、いい意味でギャップになってより奥深く楽しめると思うんですよ。“ザ・マーセナリーズ”も『バイオハザード』を形成する重要なピースの1つだという気がしています。
本編を楽しんだあとの“味変”として、じっくりやり込んでいただきたいですね。
──“フォトモード”を体験して、いろいろな要素があることに驚きました。どのような使い方を想定されていますか?
フォトモードはアートディレクター入魂の要素で、プレイ中にゲームの進行を一時停止し、表示されている現在の画面を撮影するモードです。撮影時には写真を補正したり、エフェクトを加えたり、フレームなどを選んだりと、本格的な加工ができるようになっていまして、自信を持って搭載した要素の1つですね。
スタッフの間でも、映画のポスターのように加工したり、美しい風景が撮れる場所を探したり、開発作業の合間に撮った写真を見せ合ったりしていました。その中には「どうやって撮ったんだ?」というものまであって、開発内部でも楽しんでいます(笑)。
『ヴィレッジ』はどこを切り取っても美しいゲームにしていますので、フォトモードで撮影して、美しい景色や衝撃の瞬間などを共有していただければと思います。
──最後に『ヴィレッジ』を楽しみにしているユーザーに向けてメッセージをお願いします。
私としては、4年以上にわたって開発に携わってきた自信作です。イーサンの物語の続編という見どころだらけの濃い内容になっているので、彼のたどる最高の死にもの狂いのサバイバルホラーをぜひ楽しんでいただきたいです。よろしくお願いします。
『バイオハザード ヴィレッジ』企画記事
©CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
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『バイオハザード ヴィレッジ』特集(電撃オンライン内)はこちら
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- 発売日: 2021年5月8日
- 価格: 7,264円+税
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- 対応機種: PS4
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