【おすすめDLゲーム】『コープスパーティー BR』はストーリーとグロが猟奇的で魅力な廃校監禁ホラーADV

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 ダウンロード用ゲームから佳作・良作を紹介する“おすすめDLゲーム”連載。今回はNintendo Switch、PS4にて配信された『コープスパーティー ブラッドカバー リピーティッドフィアー』を紹介します。

 本作は2010年にPSP、2015年に3DS向けに発売された『コープスパーティー ブラッドカバー リピーティッドフィアー』を移植した作品。ただ移植しただけではなくフルボイス化に加えて、新EXTRAシナリオを追加した完全版になります!

 そんな本作『コープスパーティー ブラッドカバー リピーティッドフィアー』の魅力にネタバレなしで迫ります。

『コープスパーティー』とは!?

 1996年にPC98用ソフトのRPGツクールDante98で制作され、PCゲームコンテストで最優秀賞受賞作品や入賞作品に選ばれるなどした同人ホラーゲーム『コープスパーティー』。

 2008年には、シナリオや登場人物だけではなく新たなイベントスチルやグラフィック・音楽をすべてブラッシュアップした『コープスパーティー ブラッドカバー(略称BC)』が発表されました。

 そして、『コープスパーティー ブラッドカバー』をベースにコンシューマ向けにリメイクされたのが『コープスパーティー ブラッドカバー リピーティッドフィアー(略称BR)』になります。

 小説・コミカライズ、OVA、実写映画化などのメディアミックスが展開されるなど、初代から25年経った今でも人気のホラーゲームが『コープスパーティー』です!

時空と空間を超えた廃校監禁アドベンチャーゲーム!

 本作は、キャラクターを操作してマップ上のさまざまな場所を調べたり、アイテムを入手したりし、それらを駆使し道中の障害や謎を解き明かしていくという、廃校からの脱出を目指す探索型の廃校監禁アドベンチャーゲームになります。

 このように校内のさまざまなところにアイテムが落ちています。紫色に光っているのは分かりやすいのですが、中には光っていないアイテムも存在するので細かく探索してヒントを集めることも必要です。

 5つのチャプターで構成されている本作ですが、主人公や操作するキャラクターが決まっているのではなく、チャプターごとに操作するキャラクターが変わるシステムになっています。それぞれのキャラクターが置かれている状況に沿ったストーリーや謎解きが展開していくので、各キャラクターへの感情移入がしやすいのが特徴。


 さまざまな仲間と謎解きをこなしていきます。なるべくなら最後まで一緒に脱出したいですよね……。

 本作のストーリーを軽く説明すると、怪談好きである委員長が「みんながずっと一緒に仲よしでいられるように」と“幸せのサチコさん”というおまじないをみんなでやろう!と提案。

 しかし、そのおなじないは過去の凄惨な殺人事件により廃校となった、異空間“天神小学校”へといざなう呪いの儀式であった……。

 このようなストーリーになっており、この異空間“天神小学校”から離れ離れになった仲間を探して脱出するという展開になっています。

 この“幸せのサチコさん”からストーリーが始まります。

 「扉は模型のようにガチリと固定されており、開ける事が出来ません」という状況が理解できないテキストがさらっと恐ろしい。

 本作の設定に、“天神小学校”はずれた時空が重なり合った多重空間であるというのがあります。そのため同じ校舎にいるはずなのに、存在している空間が違うので他の仲間に出会えなかったり、他の空間で起こった出来事が時空を超えて他の仲間に影響を与えたり、過去や未来にも影響を与えることがあるのが本作のおもしろいところ!

 この時空を超えた影響が謎解きに大きく関わってくるのはもちろん、新たな障害となることもあるので作中何が起こるか予測がつかずドキドキハラハラの展開を味わえます。

ドット絵なのに伝わるグロさと恐怖

 初代『コープスパーティー』はRPGツクールで制作されているのですべてドット絵で描かれた作品でした。

 『コープスパーティー ブラッドカバー リピーティッドフィアー』は、初代のドット絵スタイルを受け継いでおり、プレイ画面はほとんどドット絵で表現されているのですが、「ドット絵だからカワイイ!」という雰囲気は一切なく鬱蒼とした陰鬱な廃校を表現しています。

 そしてドット絵ならではの、ハッキリとは分からないけどうっすらと分かるというグラフィックが『コープスパーティー』ならではの恐怖心を煽ってきます。

 ただでさえ恐怖心を煽ってくるグラフィックに加えて、イベントスチルなどのビジュアルシーンがさまざまなシーンで表示されます。ドット絵では分からなかった部分がハッキリと表現されるだけではなく、「コンシューマでここまで見せていいの!?」という表現など、新たな恐怖心とグロさが臨場感を高めてくれます。

 本作は多重空間を表現するのに、校内の床の色や雰囲気が空間ごとに変わっているので、プレイしながら「今みんなと違う空間にいるから、会えない……」と思ったり、他の仲間と同じ校内の場合「あれ? もしかして会えるかもしれない!?」というプレイヤー自身も多重空間にいるような感覚が味わえます。

 空間は固定されておらずストーリー中に何度もくっついたり離れたりするので、仲間と会えそうで会えないもどかしさがあります。

多重空間が起こす不思議な感覚

 “天神小学校”から脱出するのが目的になるので校内探索がメインとなります。しかし多重空間のため同じ校内なのに、Aのキャラクターを操作した時には通れた廊下が、Bのキャラクターを操作した時には穴が空いていて通れなくなっていたり、通れる階段、入れない教室があったりなど、同じ校内を探索しているのに違うマップを探索しているような感覚になります。

 そのため同じ校内の探索なのに繰り返しの作業感は一切なく、新鮮な気持ちで探索できます。それどころか「あれ!? この部屋って入れなかったっけ?」と、脳内で作成した校内マップがどの空間のものだったか分からなくなり、自分のいる場所や周りの状況が把握できなるのも本作の恐ろしいところ。

 一度行けた場所が二度行けるとは限らないのが、本作における探索の難しさ。

 謎解きについても多重空間のため、Aの空間で起きた事象がBの空間の同じ場所に時空を超えて影響を及ぼすこともあるので、同じマップ内の同じ場所に多発的に事件が発生するなど、多重空間ならではの設定がふんだんに使用されています。

謎解き脱出だけではないストーリー!

 “天神小学校”からの脱出するために謎解きをしていくのですが、脱出するためには30年前に天神小学校で起こった児童四名連続誘拐・殺害事件の謎を解かなければならないという展開。

 謎解きも校内には亡霊が徘徊していたり、怨念が生み出した巧妙な罠をくぐり抜けたりと一筋縄では行かないゲーム性とストーリーになっています。

 固定の主人公を操作するのではなくさまざまなキャラクターを操作する本作は、キャラクターごとに事件や謎解きが用意されており、徘徊する亡霊に気をつけるだけではなく一緒に行動している仲間にも不信感を募らせる展開など、つねに緊張感と不安感に襲われます。

 しかし、それぞれの仲間が難問に立ち向かっていくというストーリーは一本筋のストーリー展開にはならず、濃厚かつ先が読めない展開にハラハラとワクワクが待ち受けています!

 校内に貼られている張り紙は攻略のヒントが書かれています。

 他にも飛ばされてしまったキャラクターがいるのですが基本、この世界に精神を蝕まれてしまい、会話にならないか、おかしくなってしまっているのが悲しい……。

 基本的にChapterごとに複数の“WRONG END”と“TRUE END”が用意されており、“TRUE END”で終えると次のチャプターに進むという流れになっています。

 “WRONG END”で終えた場合はその時点でゲームオーバー扱いとなりタイトル画面に戻されるので実質BAD ENDとも言えます。

 イベントの成否や進行状況よってENDが変わるので細心の注意を払いながら進めていくのがクリアのコツになりますが、複数あるEND集めするのもまた本作の楽しみとも言えます。しかし、なかなかに残酷な展開が待ち受けているので……なるべくは“TRUE END”を目標にプレイすることをオススメします!

 “TRUE END”を目指すには張り紙や、校内で亡くなった先人の声をちゃんと聞く必要がありますが、分かっていても“TRUE END”に辿り着くのは難しいです。

 “WRONG END”と“TRUE END”はタイトルのメニュー画面から確認可能。チャプターごとにいくつあるか、いくつ開放してないかなどが分かるので、コンプを目指す人には分かりやすくなっています。

 Chapter5のメインストーリーの他に全16本にも及ぶEXTRA Chapterが存在。こちらは本編の前日譚がメインとなっていて、各キャラクターがしていたことや、キャラクターの関係性が分かるので、プレイすることで新しい発見や新しい感情が芽生えます。

 そして今回の移植版には完全新作の物語が2本追加されています! 2020年のキャラクターが“天神小学校”に行ってしまう内容で、時空を超越するという『コープスパーティー』の設定ならではのストーリーが楽しめます。

 新規シナリオの主人公は配信者! 「シアワセのサチコさんをやってみた」という配信をしようとするのですが……どうなってしまうかはプレイして確認してみてください!

恐怖を煽る効果音とフルボイスの演技力!

 作中のBGMが陰鬱とした世界観や恐怖心を表現しているのですが、何よりも効果音がかなり恐怖心を煽ってきます。

 殴打する音や亡霊の声などありますが、筆者が一番怖かったのがハエの飛ぶ音。死体がある場所や血溜まりのある場所のシーンで飛び交っている音でかなり不快な気持ちになるのですが、死体を発見する前にハエの飛ぶ音が鳴っているシーンもあって「ハエの飛ぶ音がする! 近くに死体がある。……仲間じゃないといいな」という恐怖がビジュアルよりも先に音で煽ってきて、本当に怖かったです。

  • ▲ハサミの音が鳴り響くなど効果音の使い方が秀逸でした。

 フルボイス化となっているのは魅力の1つ。豪華声優陣の演技がフルボイスで展開されます。

 一部音声にはダミーヘッドマイクを使用したバイノーラル録音を使用しているので、迫真の演技はもちろん悲鳴や苦痛の叫び、声にならないような声などすべて鮮明に臨場感溢れる音で収録されています。ヘッドホンを着用してプレイすると立体音響が体感できます! 特に亡霊たちに取り囲まれているような気分が実際に味わえるのが最高です(笑)。

  • ▲ヘッドホンを着用していると本当に近くでハエが飛んでいるような感覚に……。

恐怖から逃れることができないような作品!

 初代発表から25年も経っているため、レトロなイメージやドット絵のかわいいホラーゲームと思ってプレイすると驚愕するかと。上記で述べた通りドット絵のグラフィックは、近年のリアルなグラフィックだとNGになってしまうようなグロテスクな表現を可能にしていると思います。

 それに加えてBGMや効果音、シンプルに状況を説明してくるテキストなどプレイヤーの想像を掻き立てる要素が満載。恐怖から目をそむけても脳内で完全に補完されてしまい、画面を見てない時のほうがよりリアルに想像してしまうことで、さらなる恐怖を植え付けてくるのが魅力です!

 フルボイス化によって、恐怖心とストーリー性が増しているので、『コープスパーティー ブラッドカバー リピーティッドフィアー』をプレイしたことがない人はもちろん、過去にプレイしたことがある人にもオススメ。

 特にこれまでにプレイしたことある人はフルボイス化によって受ける印象がかなり違っていると思うので、ぜひ新しい作品をプレイしている感覚で楽しんでもらいたいです。

 筆者は漫画版をすべて持っているものの、ゲームは初プレイだったのですが、先が気になりすぎて全END開放させるまでプレイしてしまいました。

 死体を調べると攻略のヒントをもらえるだけではなく、その亡くなった方の“名札”が手に入ります。名札には出身校や死亡原因などが書いてあり、コレクション要素にもなっています。この名札には隠し要素があるので、ぜひいろいろなところを探索して集めてみてください。

©Team GrisGris/MAGES.

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『コープスパーティー ブラッドカバー リピーティッドフィアー』

  • メーカー:MAGES.
  • 対応端末:PS4/Switch
  • ジャンル:アドベンチャー
  • 配信日:2021年2月18日
  • 価格:2,970円

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