『恋は双子で割り切れない』女子高生の一人称は難しい? 高村資本先生インタビュー

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 電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。今回は、『恋は双子で割り切れない』を執筆した高村資本先生のインタビューを掲載します。

  • ▲本作の表紙イラスト(イラスト:あるみっく先生)

 本作は、高校一年の白崎純と、見た目ボーイッシュで中身乙女な姉・琉実、外面カワイイ本性地雷なサブカルオタの妹・那織の双子の幼馴染が織りなす、初恋こじらせ系双子ラブコメです。

 インタビューでは、電撃大賞応募から完成までのエピソードを伺いました。“微妙な距離感の男女が好き”という高村先生による、本作の注目ポイントなどを語っていただきました。

――この作品を書いたキッカケを教えてください。

 電撃大賞に応募してみよう⇒「計算高くて気が強い女の子を書きたい」「サブカルトークが読みたい」⇒ヒロインを双子にしたらどうだろう?という流れです。

――作品の特徴やセールスポイントを教えてください。

 双子&三角関係です。三角関係を書くにあたって、それぞれの思惑が交錯するのを楽しめるような構造を心掛けました。中でも、妹・那織のキャラクターはあまり居ないタイプに仕上がっているので、そこも楽しんでいただけたらと思います。

――作品を書くうえで悩んだところは?

 高校生の女の子を一人称で書くこと。それも二人分。那織はぶっ飛んでる分まだ楽だったのですが、琉実は苦労しました。意識したのは、高校生って大人が思うほど子供じゃないよね、という所です。もちろん個人差はあると思いますし、大人から見ればもっと上手いやり方はあるだろうと言いたくなることも多々ありますが、当人は真剣に悩んだり、考えたりしているはずです。全体的にキャラが大人びているきらいはありますが、稚拙さが同居しつつも恰好つけたい年頃なので、その辺は、まぁいいか、と。

――執筆にかかった期間はどれくらいですか?

 電撃大賞への応募原稿は、1カ月半~2カ月くらいだったと思います。

――執筆中のエピソードはありますか?

 執筆中ではありませんが、電撃大賞に応募したあと、スマホが壊れ、洗濯機が壊れました。書籍化に向けて改稿しているときは、クルマが壊れました。物が壊れてばかりです。

 また、執筆時はさいたま市に住んでいたので埼玉を舞台にしたのですが、仕事で他県に異動となりました。埼玉、住みやすかったんですけどね…。

――本作の主人公やヒロインについて、生まれた経緯や思うところをお聞かせください。

 『いちご100%』の西野つかさなど昔からショートカットのキャラクターが好きだったので、姉・琉実は最初からショート枠でした。ビジュアル先行です。内面は妹の性格に合わせて作っていきました。妹の那織は、頭の回転が早くて様々な知識を吐き出せるキャラにしたいと思っており、喋らせているうちにあれこれ固まっていった感じです。琉実と違い、性格先行です。

 余談ですが、ヒロイン二人の名前は谷崎潤一郎の著作からヒントを得ています。

――特にお気に入りのシーンはどこですか?

 ラスト近辺は気に入っていますが、触れるわけにはいかないので……。本筋に関係なさそうな部分ですと、純の親友である教授と那織が放課後に喋っているシーンです。微妙な距離感の男女がたまらなく好きなんですよね。

――今後の予定について簡単に教えてください。

 二巻を出せるように奮闘中です。

――小説を書く時に、特にこだわっているところは?

 『恋は双子で割り切れない』に関して言うと、それが出来ているかは別として、なるべく台詞を喋っている感じにならないよう意識しました。即興劇を積み重ねた結果、物語になればいいなと思って書きました。

――アイデアを出したり、集中力を高めたりするためにやっていることは?

 特にありません。是非とも教えてほしいくらいです。

――学生時代に影響を受けた人物・作品は?

 村上龍『限りなく透明に近いブルー』です。中学生の時に読んで衝撃を受けました。こんな小説があるのか、と。小説に対する意識が変わったと思います。映画やアニメ、漫画の影響は挙げ出したらキリがないのですが、『限りなく透明に近いブルー』レベルの衝撃を受けたのは『エヴァンゲリオン』です。

――今現在注目している作家・作品は?

 第二十七回電撃大賞を受賞された方々です!

――その他に今熱中しているものはありますか?

 最近、ヒョウモントカゲモドキを飼い始めました。可愛いです。熱中しています。また、幼少時よりクルマが好きでして、今も変わらず熱中し続けています。

――最近熱中しているゲームはありますか?

 基本的にゲームはやらないです。飽き性と言うか、集中力がないんだと思います。

――それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。

 口当たりは軽くないかもしれないですし、どちらかと言えば濃厚かも知れません。ですが、たまに濃い味の物を食べると美味しいですよね! そんなラブコメです!

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