『浮遊世界のエアロノーツ』森日向先生がタイトルの英字に感じた運命とは?
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電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。今回は、『浮遊世界のエアロノーツ 飛空船乗りと風使いの少女』を執筆した森日向先生のインタビューを掲載します。
本作は、大地が崩れ落ち、広大な空に浮遊島がいくつも浮かぶ世界が舞台。世界を変える《干渉力》の才能を持つ少女“アリア”と飛空船乗りの青年“泊人”が、旅を通じてで文化や価値観の異なる島の住人たちとの交流を通して成長してくロードノベルです。
電撃文庫。メディアワークス文庫で活躍中の森日向先生最新作が登場。当初の設定から大きく変わった登場人物たちのお話など本作についてはもちろん、最近のマイブームまでお聞きしました!
――この作品を書いたキッカケを教えてください。
……実は、いつどうやってこの物語を思いついたのか、まったく思い出せません。私の記憶はいったいどこに……? ただ、いくつも出した企画の中から、当時の担当編集Sさんが「この企画を読んだとき、綺麗なカバーイラストが頭に浮かんだ」と推してくださったのは覚えています。あえてキッカケというなら、それかなと思います。
――作品の特徴やセールスポイントを教えてください。
無愛想な熟練の飛空船乗り泊人の凸凹コンビが、青空に無数の島が浮かぶ世界を旅する。ほら、想像するだけでワクワクしてきませんか。
――作品を書くうえで悩んだところは?
アリアと泊人のキャラクターです。特にアリアはなかなか固まらなくて、試行錯誤しました。最終的にとてもいいキャラになったのではないかな、と思います。
――執筆にかかった期間はどれくらいですか?
約3年です。かなり改稿を重ねたので、執筆した分量としては、たぶん、完成原稿の2、3倍はいくんじゃないかなあ……恐ろしい。
――執筆中のエピソードはありますか?
表紙を見るとタイトルの「エアロノーツ」が”aeronotes”と訳されているんですが、これ、本来は”aeronauts” (飛空船乗り)が正しいんです。え、修正漏れ? 違います! デザインのラフをいただいたときに気付いて修正を依頼しようかと思ったのですが、ふと”aeronotes”って「空の音色」という意味合いになるよな、と思ったんです。この物語は随所に音楽のモチーフを入れているので、これが実はとても相応しい造語だということに気づいてしまったんですね。それで「飛空船乗り/空の音色」というダブルミーニングを込めて”aeronotes”を採用することにしました。怪我の功名というのでしょうか。ちょっとした運命を感じました。
――本作の主人公やヒロインについて、生まれた経緯や思うところをお聞かせください。
アリアも泊人も、当初に設定した性格からはかなり変わっています。最初の設定では、アリアは内気でしたし、泊人は優男でした。でもその設定だとどうもしっくり来なかったんです。何度も何度も書き直して、ようやく今のかたちになったときは、「二人を作った」というより「二人に出会った」気分でした。
――特にお気に入りのシーンはどこですか?
プロローグでアリアと泊人が朝食を巡っててんやわんやしているシーンです。二人の関係性が凝集されていると思います。
――今後の予定について簡単に教えてください。
アリアと泊人にはもっといろいろな島を旅してもらいたいなと思っています。
――小説を書く時に、特にこだわっているところは?
プロットをしっかり組むことです。書いているうちに変わることも多いのですが……。
――アイデアを出したり、集中力を高めたりするためにやっていることは?
散歩です。
――学生時代に影響を受けた人物・作品は?
影響を受けた作品はたくさんあるのですが、敢えて挙げるとすると『ロードス島戦記』、『クリスタニア』、『狼と香辛料』などのファンタジー作品かなと思います。
――今現在注目している作家・作品は?
『ゆるキャン△』です。癒される。
――その他に今熱中しているものはありますか?
目下、ダイエット中です。
――最近熱中しているゲームはありますか?
『ウマ娘』です! と言いたいところですが、忙しくてインストールだけしてプレイできていません……。
――それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。
旅、飛空船、浮遊島、壊れた世界――そんな単語に少しでも惹かれたら、まずは試し読みでもいいので、是非ご一読いただければと思います。アリアと泊人が、心躍る大空の旅に連れ出してくれると約束します。
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『浮遊世界のエアロノーツ 飛空船乗りと風使いの少女』
- 発行:電撃文庫(KADOKAWA)
- 発売日:2021年5月8日
- ページ数:360ページ
- 定価:715円(税込)