【マチアソビ22】とある『一つの街の物語』。生音源による朗読ライブから伝わる“声優”の真価とは

電撃オンライン
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 マチアソビVol.22を起点に、マウスプロモーションが新しい声優企画を始動させた。『一つの街の物語』と題されたそれは、ステージで生バンドによる演奏・BGM・効果音を用いた朗読ライブだ。

 “朗読ライブ”というタイトルを聞いて、2017年のマチアソビVol.17で初お披露目をしたライブパフォーマンス“COCOLORS”を思い出した方はいるだろうか。映像と声優の生演技、そして音楽を連動させたまったく新しい映像表現には、当時驚きと感動を与えてくれた。

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 声優さんの生の演技が堪能できる朗読劇は最近人気のコンテンツだが、5月5日にマチアソビVol.22で今回披露された朗読ライブは、『COCOLORS(コカラス)』の要素を引続つつも、さらに声優さんの表現力に重きをおいたライブイベントとなっていた。

 今回ステージに立ったのは、マウスプロモーション所属声優の氷上恭子さん、小島幸子さん、五十嵐裕美さん、木島隆一さん、水間友美さんの5名。



 お話は、人の意識が途切れるとき、たまに繋がる街『ウスケシ』が舞台。ウスケシに別々に迷い込んだ2人の記憶喪失の女性と、それぞれに繋がり合う人たち、そして次第に不可思議な片鱗が見え隠れする街……という、言葉ではなかなか形容し難いもの。

 演劇ではなく朗読ということで、声優さん同士の掛け合いはほとんどなく、それぞれの立ち位置から読み取れる役柄・シチュエーションを語っていく。その演技の中から観客が読み取り、自分の中でイメージを成していくという手法は、見るだけではなく、参加型のエンターテイメントなのだと感じさせられた。

 例えば、氷上さんの演技力に引き込まれてしまうと「他の人の主張がもしかしたらフェイクなのでは?」と思ってしまったり、声優さん自身の抑揚すらも“仕掛け”なのでは、と考えてしまうなど、自分の想像力すら信じられなくなって、それはそれで面白い。

 音楽や効果音も朗読に合わせてすべて生で合わせるという、なかなかに難度の高い手法だが、それだけに観客にガッツリと響いていた印象。声優の演技を影から支えるチームワークは一見の価値あり。

 今回のステージでは未完となっている本作だが、シナリオを芝村裕吏さんが担当されているのも魅力の一つ。電撃読者には“ガンパレード・マーチの”と言えば、ご納得いただけると思うが、世界観の造形には非常に長けている方なので、今後の展開が非常に楽しみだ。

 スタジオマウスの納谷僚介氏は、「本イベントの詳細はまだまだこれからですが、形式や役者、シナリオなどをどんどん変えていき、さまざまな場所で展開したい」と語った。今回の続きが聞けるのか、それとも同じ街の新しい側面が見られるのか、期待は膨らむばかり。

 声優さんの生の演技が堪能できる朗読劇は最近人気のコンテンツだが、その中でも一味違った今回の企画に注目していきたい。

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