『サブノーティカ: ビロウ ゼロ』レビュー。極寒の海を舞台に水中の恐怖と美しさが味わえる!
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- hororo
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2021年5月14日(金)に発売予定のPS5/PS4/Nintendo Switch用ソフト『サブノーティカ: ビロウ ゼロ(Subnautica: Below Zero)』。本作は2020年に発売された『サブノーティカ』の続編で、たった1人で過酷な環境を生き抜いていくオープンワールドサバイバル作品です。
プレイヤーは調査のために惑星4546Bを訪れた研究者として、過酷な環境で生き抜きながら、この惑星の謎を明らかにすることが目的となります。
シリーズ最大の特徴は、行動範囲のほとんどが海中ということ。水の中ならではの恐怖や美しさなどに加え、新たに追加された極寒の陸上探索など、本作独自の特徴や魅力を紹介していきます。
過酷な環境に少しずつ適応しながら探索範囲を広げていくおもしろさ
オープンワールドと聞くと広大なマップを想像しますが、『サブノーティカ』では舞台が海中であることを生かし、どんどん深海へと潜っていく縦長のマップ構造をしているのが最大の特徴です。そのマップデザインは本作でも引き継がれており、徐々に活動範囲が広がっていく楽しさやワクワク感は、オープンワールドサバイバル作品の魅力といえるでしょう。
ただし本作にはマップ機能がなく、最初は非常に迷いやすいです。個人的には未知の惑星を冒険している感覚があるので好きなのですが、ゲームの難易度を上げる要因でもあるので一長一短というところ。もちろん完全に自分の場所を知る手がかりがないわけではなく、設置したビーコンの場所を画面上に表示できるので、それを参考に自分の位置を想像することは可能です。ちなみに、慣れによって地形を見てだいたいの位置がわかるようになるときがあり、その瞬間は“経験が役立っている”感があって少し爽快です。
そして、優れているのが海底をテーマであることを生かしたマップデザイン。ゲームの要素として水深が設定されており、一定以上の深さでは思うように行動できなくなります。しかし、装備を更新したり、新しい乗り物を作ったりすることで、より深度が深い場所の探索が可能になるのです。
今自分が行動できる範囲をくまなく探せば、必ず次の段階に進むためのヒントがあるので、目的を見失いにくくモチベーションを保ちやすいと感じました。一方で、どこを探せばいいかという指針は前作に比べるとやや少なく感じたので、この手のジャンルが初めての人は、まず自分が行ける場所を全部探してみる、というくらいの心構えで臨むといいかもしれません。Nintendo Switch版は前作も同梱されているので、そちらから遊ぶのもオススメです。
体調管理と素材集めという、忙しさの中で光る魅力
オープンワールドサバイバル作品の多くは、キャラクターの体力のほかに空腹度やのどの渇きといった要素が設定されています。本作ではそれだけでなく、水中での活動限界時間を示す“酸素”と、極寒の地上での活動限界時間を示す“温度”という2つのパラメーターが存在。基本的にはこれらの数値をゼロにしないように管理しつつ、探索を行っていきます。
特に酸素は素潜りでの状態では確実に深海までたどり着けないため、推進力で体をけん引する“シーグライド”や、“シートラック”という潜水ポッドが必要になります。またダイビングスーツや酸素ボンベの強化も欠かせません。当然こういったアイテムの製作には素材を使用するため、これらの素材を集めることも探索の目的になります。
探索の過程で、新しい設計図を見つけたり、将来的に行くことになりそうな深い洞穴を見つけたりすることもできるため、探索を繰り返していると自然と行き先の候補が広がるのも、マップデザインの妙ですね。
ちなみに、自分独自の基地を建設することも可能です。最初期の拠点となる降下ポッドは最低限の機能しかなく、設備も増やせないため、いずれは大きな拠点を建設することが必要になります。拠点の建設は、円形のスペースモジュールと通路モジュールを自由に組み合わせて作ることができ、自分の扱いやすいようにカスタマイズできます。
この基地建設がおもしろく、探索に適した立地の選定から、その場所に合わせた構造の思案、そして内部の飾りつけと、凝ろうとすればかなり没頭できるコンテンツとなっています。もちろん、収納スペースの設置や、植物を栽培できる畑の運用など、探索に役立つ要素も山ほど!
注意点としては、基地には電力と水圧の概念があり、無秩序に建設すると圧壊してしまうこと。発電設備によって供給される電力を消費電力が上回ると基地のシステムがダウンし、基地内に酸素が供給されなくなってしまいます。また、モジュールをつなぐほどに施設の耐久性が低下。壁が破損して水が流れ込んでしまうため、耐久性を上昇させるモジュールを組み込まなければなりません。とはいえ、そこまで難しいものはないので、気軽に基地建設を楽しめるでしょう。
というように、物語の謎を解き明かすという大目標の前に、生きるために必要な資源の収集や、装備のアップグレード、乗り物や基地の建造と、やることはたくさんあります。逆に言えば、どんどん目的が積み重なっていくため、何をしたらいいかわからずに途方に暮れるということはほぼありません。この忙しさが「今サバイバルしてる!」という感じで楽しいです。
最大の魅力は恐怖と美しさのコントラストが映える環境!
前作でも同様のことを感じましたが、『サブノーティカ』最大の魅力は、深海という未知の領域ならではの美しさと怖さが同居している点だと思います。日が射している昼間や浅瀬では基本的に明るく、恒星の光を受けて水が輝く美麗な景色を見ることができるでしょう。夜になれば空はもちろん、海中はかなり暗くなります。それでも場所によっては発光する生物のおかげで、とても幻想的な風景を見られるはずです。
しかし光が届かない深い場所では、つねに暗闇に包まれているような状態が続きます。真っ暗闇で、昼ですら視界を奪われているような状態。頼りになるのは自分が持つライトだけ。そんな状況で、生物の鳴き声のようなものがどこからか響いてくる恐怖感たるや……!
当然本作にも攻撃的な生物は存在しますが、個体数としてはそこまで多くいるわけではありません。正直、探索していても襲われて即死するということはほぼないと言えます。それでも、“周囲に何がいるかわからない状況”というのは、かなりの不安感をあおるのだということを学びました。
実際に“何の危険もない”わけではありません。特にリヴァイアサン種と分類されている大型生物は、潜水ポッドですら攻撃して壊そうとしてくるので、視界が悪い環境で得体のしれない音がすると、どうしても緊張が走ります……! このリヴァイアサンの存在がいいスパイスとなっていると感じました。
■ほぼ一新された生物と極寒の陸地、そして人間の追加
最後に、前作との違いに少しだけ触れておきます。基本的なゲームの流れやシステムはほとんど前作を踏襲しているため、既プレイヤーであれば迷いなく遊べるはず。大きな違いは、一部クラフトレシピの変更や、アイテムの変更……例えば前作の潜水ポッドであるシーモスや、潜水母艦であるサイクロプスはなくなり、前述のシートラックが新規に追加されました。シートラックは後部にさまざまな機能を有したコンテナを接続することができ、用途に応じたカスタマイズが可能です。
加えて生物たちもほぼ一新。おおよその危険度は対象の大きさで判断できると思いますが、微妙にやっかいだったのがシーモンキーと呼ばれる生物で、基本的に無害なものの油断していると痛い目をみます。痛いというか……面倒といったほうが正しいかも……? まあ、ゲームが進むとかわいく見えてくるんですけどね。
そして陸上の追加。正確に言えば前作にも陸は存在しましたが、本作では前作より少し広めの土地に、極寒の環境というおまけもついています。陸上では、海中の酸素ゲージのように、温度ゲージが徐々に減少していくため、いかに暖を取るかが重要に。熱を発する花が咲いていたりするので、そういったものを使って体調管理を行う必要があります。また、陸上にのみ生息する生物もおり、海中とは一味違った探索を楽しめます。
また、今回は主人公のほかにも人間が登場することも特徴です。前作ではオーディオログを集めることで、この惑星で起こった出来事を解き明かしていく形でしたが、本作ではそれに加えて謎の女性と接触し、彼女の行方を追うことも手掛かりのひとつに。物語としての密度も上がっているので、よりストーリーに惹き付けられます。
実際にプレイしてみると、前作の要素を引き継いでアップグレードさせた正統続編という感じで、かなりプレイしやすく感じました。マップがないという一点を見ると、オープンワールドサバイバル初心者には厳しいように映りますが、ヒントの散らばせかたやマップの作り込みなどによって、目的は定めやすい部類だと思います。ぜひこの機会にオープンワールドサバイバル作品の醍醐味を味わってみてください。
商品情報
製品名:サブノーティカ: ビロウ ゼロ
発売時期:2021年5月14日(金)
希望小売価格:
PlayStation5/PlayStation4用パッケージ版:3,200円+税
Nintendo Switch用パッケージ版:5,980円+税
(※『サブノーティカ(Subnautica)』+『サブノーティカ: ビロウ ゼロ(Subnautica: Below Zero)』の2作を収録)
開発:Unknown Worlds Entertainment
ジャンル:オープンワールドサバイバル
対応機種:PlayStation5/PlayStation4/Nintendo Switch
CERO:A
プレイ人数:1人
※PlayStation4パッケージ版をご購入された方は、追加費用無くPlayStation5版へのアップグレードが可能 です。
※本記事の画像はPC(Steam)のアーリーアクセス版を使用して撮影しています。
© 2020 Unknown Worlds Entertainment, Inc. SUBNAUTICA, BELOW ZERO and UNKNOWNWORLDS and the logos and designs associated therewith are trademarks of Unknown Worlds Entertainment, Inc. The SUBNAUTICA, BELOW ZERO and UNKNOWNWORLDS trademarks are Registered in the U.S. Patent and Trademark Office and in other jurisdictions. All Rights Reserved.
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