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『大航海時代6』CBTレビュー。スマホに落とし込まれた海戦や航海の醍醐味と自由度の高さが楽しい

キャナ☆メン
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 コーエーテクモゲームスが、2019年夏より配信予定である新作iOS/Android用アプリ『大航海時代VI』。7月29日~8月1日に実施されていた本作のクローズドベータテスト(CBT)について、プレイレポートをお届けします。

 『大航海時代VI』は、タイトル通り大航海時代をモチーフにして、ヨーロッパから世界へと航海を繰り広げ、交易、戦闘、探検を楽しむ海洋冒険シミュレーションRPG『大航海時代』シリーズの最新作です。

 CBTでは基本的なシステムや序盤のシナリオを体験でき、おおよそ北海やバルト海、地中海を自由に航海できました。“自由に”というのがポイントで、いわゆるガチャを採用したスマホゲームとしては、だいぶプレイの自由度が高い作品になると思います。

 なお、今回はCBTということで正式サービス版とは内容が異なること、テストの結果や参加者のフィードバックからゲーム内容の改善が見込めることは最初に記しておきます。

8つのシナリオが織り成す大航海時代の物語

 今作の物語は、出生に謎を抱える主人公(プレイヤー)が、育ての親であった祖父の遺言により、海から流れ着いて拾われた自分の本当の故郷を知るため、幼馴染みのエミリーらと航海に出るところから始まります。

  • ▲祖父の遺言が記された手紙で、故郷を探す航海に出ることを決意した主人公。それは約2世紀の時を超える壮大な冒険の始まりに。
  • ▲幼なじみのエミリーです。最初はステロタイプなヒロインかと思いきや、主人公らが行く先々で金に困り、段々とお金が絡むとキャラが崩れていく愛すべきお嬢さん。
  • ▲シリーズファンはニヤリとできそうな人物、ロッコ・アレムケルも同行者の1人。同姓同名な、あのロッコの子孫であることを匂わせるセリフがあります。

 『大航海時代VI』で特徴的なのは、同じ16世紀でも時代や出身国を異にする8つのシナリオが展開することです。各シナリオの顔になる人物は“パートナー”と呼ばれ、CBTでは、ポルトガルのエンリケ、ネーデルランドのサスキアをめぐる物語の冒頭をプレイできました。

 8つのシナリオを結びつける主人公の物語は、巻き込まれた者が時を超える“光の嵐”と、嵐に共鳴して青い光を発し、主人公の故郷の手がかりでもある不思議な“地球儀”の謎を追う形で展開していきます。

  • ▲光の嵐が発生する場所を指し示す地球儀。はたして主人公との関係は……?
  • ▲サスキアもまた、光の嵐にのまれて時を超えた航海者の1人。シナリオは彼女の元いた時代で展開します。

 最初にプレイするエンリケの第1章を終えると、自由にパートナーを切り替える機能が開放されたので、シナリオ選択にも幅がある模様。パートナーを変更すると、それに応じて航海の拠点も変わるので、純粋にゲームプレイ上の自由度や利便性にもつながっています。

  • ▲CBTゆえかエンリケは1章の続きをプレイすることはできませんでしたが、サスキアは2章まで遊べました。

 『大航海時代2』や『大航海時代 Online』で、主人公や所属国によって異なるストーリーを体験できることに魅力を感じる人もいるはず。今作にそうしたエッセンスが継承されていると考えると、これはワクワクしますね! 過去シリーズを未プレイでも、群像劇が好きな人などは食指が動くのではないでしょうか。

商館を発展させて航海に備えよう

 上で選択するパートナーによって拠点が変わると書きましたが、『大航海時代VI』の大きな特徴として、“商館の経営”が挙げられます。

 これは簡単に書くと、土地にさまざまな施設を建てて機能の充実を図る街作りシミュレーション的な遊びです。

  • ▲施設を建てる場所は自由です。建てた後も施設をロング(長押し)タップすることで、場所を移動できます。
  • ▲施設とともに装飾品も増えていき、時間をかければ自分好みの街並みならぬ商館の景色を作ることが可能です。

 ゲームを進めることにより、建てられる施設は増えていき、農園や鉱山を使った交易品の生産に始まり、生産した交易品の加工、加工所で作った交易品を用いる造船という、生産から造船までのサイクルを商館で行えるようになります。

 造船まで行えるようになれば、ゲーム内で入手した交易品を元手にして新たな船を手に入れ、艦隊編成の幅を広げられるようになるので、商館を利用して艦隊の拡充を図れるはずです。

  • ▲農園での生産。航海士を配置することもできます。
  • ▲造船は、素材として使用する交易品の組み合わせ、その総額などにより完成する船が変わる模様。

 商館ではそれ以外にもクエストの受注、船や航海士の管理、ギルドの設立・加入、宝箱の解錠、他プレイヤーと交易品を取引できるマーケットの利用など、多岐に渡る機能を利用できるようになります。

 なお、造船所は余り利用できていないので詳しいことを書けませんが、航海士に関してはいわゆるガチャで獲得する仕組みになっています。1つの艦隊には4隻の船と6名の航海士を編成可能です。

  • ▲いわゆるガチャに相当する仲介所の他、クエスト報酬などで入手する宝箱からも航海士の紹介状が手に入ります。
  • ▲課金や配布で入手するジュエルを使うことで、特定のキャラや船を獲得できる“日替わり雇用”もあります。

 船も航海士もゲームの3本柱となる交易、海戦、探検に対して向き不向きがあるので、その性能や能力、特定状況下でメリットを得られる特性・スキルといったものを参考にして、クエストやプレイの目的に応じた艦隊を編成することになるでしょう。ちなみに商館の拡張に欠かせない爵位を上げていくと、複数の艦隊を保有できるようにもなります。

  • ▲艦隊の編成画面です。

 街作り的なゲームシステム自体はよく見かけるものですが、ベースとなる自由な航海、さらに交易、海戦、探検といった3本柱でゲーム内容が充実しているだけに、商館経営がよりゲームの幅を広げてくれる感覚を与えてくれているように思えます。

スマホで体験する航海の醍醐味

 『大航海時代』といえば、ゲームの基本はやはり航海。まだ見ぬ海へと踏み出した時、新しい発見とトラブルに満ちた航海は胸が踊る!

 今作は、ほぼ最初から艦隊での行動が基本となり、前述の通り、自由に航海することができます。一言に自由といってもどのくらい自由なのか――?

 まず、最初にCBTの行動範囲を「北海やバルト海、地中海を~」などと書きましたが、厳密にはうそです、ごめんなさい。港が発見できないから補給できないだけで、アフリカの喜望峰沖まで普通に行けました。頑張ればもっと進めたのかもしれません。

  • ▲地図上だと喜望峰まであと少しに見えますが……自分の艦隊だと、到達まではちょっと遠かったかもしれません。
  • ▲カリブ海だって行けました。まだ港が発見できないけど……!

 港もないのに物資の続く限り進める、ということでおわかりのように、今作は自分で好きに船を動かして航海できます。いや~、自由に航海できるって素晴らしい! あ、もちろん目的地までオートで進む機能もありますよ。

  • ▲地図から発見済みの港やクエストの目的地をタップして出港すると、オートで航海できます。上の画面で見える点線がその航路です。

 船を動かすリソースについては、“物資”という1種類に統一されています。水、食糧、資材、乗組員と分かれていたほうがリアリティを感じますが、ゲームのテンポが素早くなっているので、補給の回数を考えるとこのほうがベターだと感じました。

 食糧を多めに積んで水は現地調達しつつ航海日数を伸ばす、という細かな芸当に類することはできなくなりましたが、やはり1種類でもリソースの存在は利いてきます。“物資が尽きるとゲームオーバー!”ではありませんが、商館に強制帰還ですしね。

  • ▲ちなみに本作は日数の概念がなく、物資が尽きるまでの時間=航続時間となります。

 例えば、トラブルに見舞われた結果、あるいは未知の場所への航海で物資が不足して「もうダメだ……」と思ったところで新たな港を発見した時の喜び。そうした体験は、今作でも味わえるでしょう。

 また、船の速度に大きな影響を与える風向きや風速の変化、縦帆、横帆、漕力といった推力性能は、風にどう影響を受けるか受けないか、どの推力性能に優れるかは船ごとに違いがあるため、操船に関するおもしろさも健在です。

 とはいえ今作の場合、そこはこだわる人向けで、あまり気にせずともプレイに不便はないバランスだと感じました。CBTは、港が密集する地中海とその周辺が活動のメインになるからかもしれませんが。

  • ▲船の性能画面。速度に関連するのは推力です。少なくとも序盤は、意味を余り気にせず数値が高いものを選べば速いでも大丈夫かなと。

 あれこれ語りましたが、好きな場所へ行ける自由度があり、それでいて物資との戦いがある。この綱引きに刺激を与える天災やネズミの発生、海賊の襲撃といったトラブルがあり、大袈裟に(でも事実を)書けば航海のたびに異なる体験ができます。実際にゲームに触れた感覚は『大航海時代』です、うん。

 それと複雑に何かを管理せずとも、何となくのプレイで航海の醍醐味を体験できるようになったのが『大航海時代VI』だと思います。シリーズ未プレイの人でも楽しいはず!

  • ▲CBTでは大雪が意外と脅威だったような……。急激に物資が減り始めてやばかったです。

航海を楽しくするゲームの3本柱

 航海の体験を彩る、よりゲーム性の強い部分、交易、海戦、探検についても『大航海時代VI』なりの特色があります。少し長くなって申し訳ありませんが、それぞれについて感じたところを書いていきましょう。

交易

 交易は、港ごとに扱っている交易品をなるべく安く買い、それが高く売れる港を探して儲ける。シリーズ未プレイでも、一番、想像しやすい遊びだと思います。つけ加えるなら、同じ港の同じ交易品でも相場が時間とともに変動しているので、なるべく相場も踏まえて交易したいということです。

  • ▲画面の左側は艦隊に積んだ交易品で、右側は港で売られている交易品です。72%のリネンが買い時!

 今作で便利なのは、地図を開けば港ごとの交易品と相場を簡単に確認できる点でしょう。基本的に発見済みの港を行き来する交易では航路から外れる意味もないので、交易品を買ったら高く売れる場所を探してタップ、オートで移動すればOK。

 艦隊を2つ以上持てるようになると、移動を委任してその間に他の艦隊を動かすこともできるので、第1艦隊で海戦や探検をしながら第2艦隊は移動を委任するというような“ながら交易”も可能です。ただし委任は移動機能で、売買まで自動でしてくれるわけではないのであしからず。

 なお、本作は交易品を買うだけで港へ投資したことになり、一定数の交易品を買うと投資レベルが上がって新たなスロットの交易品を買えるようになります。

 つまり交易品を買えば買うほど新しいスロットが開いて、その港ではより多くの交易品を買える仕組み。例えるならスキルの熟練度を上げるような感覚があって、地道なやり込み感が楽しいです。

  • ▲各港とも投資レベルは5まで。開放前の交易品もタップすれば内容が見られます。
  • ▲投資レベルが上がると、新たな交易品が購入できるようになり、報酬も獲得できます。

海戦

 海戦はリアルタイムバトルであるのが最大の特徴です。海戦時は先頭の船が旗艦(旗艦が沈んだら次の船が旗艦になる)となって、プレイヤーはこの旗艦を操作して戦います。

 白兵戦になっても敵船に接舷して動きを止めるようなことがないので、基本的にかなり砲撃重視だと感じました。また、航海士の持つスキルとその使用タイミングは、大きく勝敗を左右します。

 ちなみに船の大砲は側面に設置されているので、射程は船の両サイドに広がります。つまり船の進行方向は攻撃できず、敵船を船の横側に捉える必要があるわけです。これは人間を動かすゲームとアクション性が異なるので、人によって最初は若干、操作に戸惑うケースもあるかと思います。

  • ▲船の両側に表示される扇状をした水色の範囲が大砲の射程です。

 ただオート戦闘が完備されているので、海戦に適した船と航海士をそろえて後はオート、でもプレイに支障はないはずです。戦力的に拮抗しているならともかく、そういうクエストはそもそも避けるか、船や航海士のレベルを上げて挑むかすればいいわけで。

 もし海戦に興味がわいて操作にも慣れてきたら、2vs2のリアルタイム対戦コンテンツ“海戦アリーナ”もおすすめです。海戦ならではの立ち回りのおもしろさ、CPU戦以上に意識するスキルの使いどころなど、対人戦の駆け引きから学べるところがあって、CPU戦では味わえない楽しさがあります。

  • ▲当然、負けて学ぶこともあるわけですが……。

 ただ、筆者が2日目の夜に参加した時はラグが深刻で普通に操作できなかったです。テストを主目的とするCBTでは仕方なのないことですが、正式サービス時は昼間の開催時くらいにラグの頻度が抑えられていることを願います。

 ちなみに筆者の少ない対戦歴の中で印象に残った戦闘が、相手を側面に捉えて敵船の側面を避ける、言わばT字戦法のような形を互いに狙った結果、乱戦が起きないまま綺麗にお互いの艦隊が相手の後尾を追ってグルグルと円を描くように回る戦いとなった時。「『銀○英○伝説』のアスターテ会戦かよ!」と心の中でツッコミました(笑)。

  • ▲最高レアで海戦向けの能力を持つ海賊女王グレイス・オマリー様。対人戦では、味方だと頼もしいけど敵だと超恐い……。

探検

 探検は、ストーンヘンジなど考古学的な建築物や、珍しい生物、美術品、財宝などを求めて冒険するコンテンツです。今作ではスゴロク形式のマップを探検して、最奥のボスを倒すとクリアして珍しい発見をするという形になっています。

 ボス戦はオートなので、他のコンテンツ以上に艦隊へ編成する航海士の能力が物を言うのではないかと思います。また、航海士によってさまざまなスキルを持っているので、交易や海戦も同様ですが、スキルを踏まえた編成が重要になるでしょう。

  • ▲マップは道が分岐する場合もよくあります。画面下の手札は、茶色のものは数字のぶんだけマスを進め、緑色のものはスキルを発動します。
  • ▲探検のスキルは戦闘時に発動するもの、デメリットマスの効果を弱めるもの、手札として使えるものがあります。

 個人的に探検の魅力は、探し出した発見物から歴史や世界観を感じられるところにあると思います。

 『大航海時代』の場合、物語はフィクションであっても、歴史を調べたうえでの考察や逸話がゲームに生かされ、歴史の風が漂う世界観を持つのが魅力の1つだと考えていて、探検の成果である発見物はそうしたものが比較的ストレートに出ている部分なのかなと。

  • ▲探検の発見物は、商館に博物館を建てると一覧を見ることができます。

CBTで感じる自由度の高さにタイトルへの期待が高まる

 CBTを遊んだ感想として、ゲーム全体としては、海戦や交易、航海の醍醐味がスマホによく落とし込まれ、シンプルにそぎ落としつつ大事なところを残す、そんなすき間時間で遊ぶ手軽さと『大航海時代』のプレイ感を両立しているゲームだと感じました。

 一方で、CBTで遊べるゲーム内容にひと通り触れただけでも、『大航海時代VI』には数多くのゲームシステムが詰め込まれています。なので現段階でゲームのすべてに納得いくわけではなく、細かなところに目を向ければ不安を感じる部分があるのも確かです。

 その中で1つを挙げると、航海士の“スキルの強化”がランクアップに依存している点。ランクアップは、同一のキャラや船が一定数集まると費用を払って行えるシステムで、航海士ならレベル上限の開放、スキルの開放・強化につながります。

 結果、クエストをこなして得られる育成面のメリットが経験値の獲得だけとなり、航海士を個性付ける“スキル”の強化はゲームプレイに因らないので、長くプレイするほど“育てる手応え”に乏しさを感じるのではと懸念が生まれました。

 なお、依頼人から提示されるクエストの中には、最高レアリティの航海士の雇用書の出る可能性のある宝箱が報酬になっているものもあるそうです。そのため、ガチャを回さなくても、多くのクエストを達成していけば、強い航海士を雇用し、ランクアップさせることも可能とのことです。

 筆者の懸念は措くとしても、CBTの参加者向けにはアンケートが実施されており、そこでは課金バランスも含めたゲーム内容に対するフィードバックが募集されています。どんなフィードバックが寄せられ何が反映されるか、詳細は開発・運営のみぞ知るですが、少なくとも今よりゲームが改善されることは期待できそうでしょう。

 何よりCBTを遊ぶだけでも感じられる自由度の高さは、『大航海時代VI』への期待が高まるものでした。個人的には、シリーズファンだけでなく、スマホだけでゲームを遊ぶ人にも興味を持ってほしいタイトルだと思います。

 あとめちゃめちゃ余談ですが、アップデートで酒場娘が実装される日を待っています! 結婚して一緒に住んで、大砲ドカーンするんだ……!(『3』を思い出しながら)

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大航海時代VI

  • メーカー:コーエーテクモゲームス
  • 対応端末:iOS
  • ジャンル:SRPG
  • 配信日:2019年夏予定
  • 価格:基本無料/アイテム課金

大航海時代VI

  • メーカー:コーエーテクモゲームス
  • 対応端末:Android
  • ジャンル:SRPG
  • 配信日:2019年夏予定
  • 価格:基本無料/アイテム課金

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