『探偵撲滅』は個性的なキャラの魅力を丁寧に描いたシナリオとシステムが魅力の推理アドベンチャー!

カワチ
公開日時

 5月27日に日本一ソフトウェアから発売されるPS4/Nintendo Switch用ソフト『探偵撲滅』のレビューをお届けします。

 どうも、推理小説とミステリーアドベンチャーゲーム好きのライター、カワチです。今回扱う『探偵撲滅』は、タイトルが発表された段階で「これは絶対に好きなヤツだから買おう」と決めていました!

 それぞれ得意分野が異なる名探偵が集まるなか、そこに殺人鬼“八ツ裂き公”が紛れ込んでいる……設定を聞いただけでワクワクするに決まっているでしょう。

 そんなわけで一足先にこの作品をプレイする機会に恵まれたのでレビューをお届けします。

 なお、ゲーム序盤の内容を含む内容になっていますので、ご注意ください。

冒頭から引き込まれるような展開に!

 タイトルや設定だけでもワクワクする本作ですが、ゲームをスタートすると、一気に引き込まれます。プレイヤーはいきなり着ぐるみの“新卒くん”と“引きこもりくん”のどちらかが嫌いかを選ばされ、選択したほうを殺害されます。

 自分は“引きこもりくん”を選択しましたが、その後に“新卒くん”は中学校時代にいじめをしていたものの、大人や親に好かれており、エリート街道を進んでいることが明かされます。心を揺さぶられる展開ですね。

 まぁ、自分はひねくれ者なので「そんな彼が好きかい?」という質問に「好き」と答えてしまったわけです(苦笑)。好きと答えた人は少なかったらしく、“新卒くん”も投票で殺されてしまいました……。

 実行していたのは本作のキーパーソンである“八ツ裂き公”。どれだけヤバい人物なのかを伝わる内容になっていて、掴みはバッチリですね。

 その後、ストーリーは探偵を志す少年・北條和都の視点で進んでいきます。本作には多彩な探偵が登場するので、彼のような平凡な才能の視点は逆に新鮮。感情移入もしやすいです。

 現在は探偵事務所でアルバイトをしている和都ですが、探偵同盟の“老師探偵”と出会ったことで、彼にスカウトされて“八ツ裂き公事件”の対策会議に参加することに。


 意識を失った彼が目を覚ますと、そこは絶海の孤島である“モルグ島”。探偵たちのいるという洋館を目指すことになります。


 ここで選択肢が登場しますが、選択を間違えるとゲームオーバーに。最初はなぜゲームオーバーになったのかわからないのですが、ストーリーを進めると原因がわかるようになっており、「なるほど、そういうことだったのか」とスッキリします。


 なお、アドベンチャーパートでゲームオーバーになってもすぐにやり直すことができるため、ストレスはありません。


 館に着いたあとは、探偵同盟のメンバーが続々と登場。キャラクター数が多いため、覚えるのが大変かなと思いましたが、ビジュアルが強烈なのですぐに判別できるようになります。

 武装しているから武装探偵、顔色が悪いから社畜探偵など、わかりやすいキャラクターばかりです。

キャラクターの魅力を丁寧に描いたシナリオ

 それぞれの探偵はメニュー画面の“探偵一覧”からプロフィールをチェックできる他、公式サイトにはそれぞれの探偵にスポットを当てたショートストーリーが公開されているので、これをチェックしておくのもオススメです。

 また、これだけ人数が多いと「出番が少なく目立てないキャラクターも出てきてしまうのでは?」と思っていましたが、まったくそんなことはなかったです。それぞれのキャラクターに見せ場があったり、おもしろい場面があったりして、好きになっていきます。

 “探偵”は頭脳で推理をするのが基本だと思いますが、“八ツ裂き公”の用意した罠に体を張って立ち向かうメンバーがいたり、ギスギスした雰囲気を癒やしてくれるメンバーがいたり、それぞれ活躍する場面が違うところもおもしろいですね。


 探偵がフォローしあいながら“八ツ裂き公”に立ち向かっていくストーリーはアツいですし、メンバーの中に“八ツ裂き公”が混ざっていると思うと……なかなか引き込まれます。

 なかには地味そうに思える設定のキャラクターもいるのですが、日常会話などで丁寧に魅力が描かれるのでキャラクターの出番に優劣はないと感じました。各キャラクターを魅力的に描かれるのがうまいゲームで、プレイを進めるたびに推しキャラが増えていくかと(笑)。

 また、場を乱す存在として“外道探偵”も。過去に多くの殺人を犯して首輪型の爆弾をはめられているものの、優れた推理力と犯罪者の心理を把握する能力の高さから、大犯罪の捜査には協力するというキャラクターです。こういった人物がいるおかげで、ストーリーにメリハリが生まれて引き締まりますね。


 どのキャラクターも魅力的ですが、ひとり推しをあげるとしたら“渋谷探偵”。彼女は派手な見た目のギャルですが、実は面倒見がいいという女の子です。注目してほしいのはボイスを担当しているのがVRアイドルグループ“えのぐ”の鈴木あんずさんということ!

 なお、えのぐに関してはいろいろなドラマを持っているグループなので、その魅力も語りたいのですが、今回はあまり関係ないので、あんずの紹介だけにしておきます(笑)。

 自己紹介の動画を見てもらえればわかると思うのですが、あんずは基本的に落ち着いた雰囲気の女の子です。ギャルのイメージはまったくないので、そんな彼女が“渋谷探偵”を演じているのは新鮮。あんずが「りょ~」や「とりま」といったギャルっぽい言葉を使っているのがおもしろいです(笑)。

 また、あんずはエンディング曲も歌っているのですが、そちらもめちゃくちゃいい曲なので必聴です!

 そして、いちばん重要なキャラクターが理想探偵! 探偵同盟の実質的リーダーで、数々の難事件を解決してきた名探偵ですが、かつて主人公に救われたことがあるところがあり、未熟な彼を導いてくれます。最初は完璧に見える彼女ですが、ストーリーを進めると隙を見せることもあり、そのギャップがカワイらしいです。


 なお、序盤とはいえ少し大きな出来事であるため、以下に書く内容はネタバレを見たくない人は改めて気をつけてください。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 ……なんと、理想探偵は最初の事件で主人公を導いたあと、島にいる謎の存在の攻撃によって殺されてしまいます。

 彼女が殺されたあと、はじめてオープニングムービーが流れるので、ここまでがプロローグということなのでしょうが、なかなかにジェットコースター的な展開です。

 なお、その後はさらに衝撃的で、理想探偵は意外な形で再登場し、主人公を手助けしてくれることになります。

 その再登場には超自然的な要素が含まれるのですが、ここまでで描かれた世界観に沿った描写なので、自分は違和感なく楽しむことができました。

 探偵たちの設定にも超自然的な要素が含まれるので「ミステリーとして成り立つのかな?」という不安もありましたが、ストーリーはしっかりしていて、クオリティが高くておもしろいと感じました。

設定がシステムにも落とし込まれる

 本作では探偵全員で“八ツ裂き公”に立ち向かっていくという設定がゲームシステムにも落とし込まれており、シミュレーションパートは全員で謎に挑む捜査となっています。

 マップ上で探偵が各自推理しているのですが、そのままだと不得意な部分を担当していることがあるので、プレイヤーが彼らの行動に介入して捜査を速やかに進展させていくという内容。

 それぞれの探偵は移動、推理、検証、連携、調査の能力を持っています。例えば“科学探偵は調査は苦手だけど検証が得意”といったように個性付けがされています。この個性を把握して制限時間内に謎をすべて解き明かせばクリアです。


 マップにはミステリーポイント(MP)という解明する必要がある謎があり、このMPは探偵たちの“推理”で削り切ることで証拠品を入手可能。特に特徴的なのは“連携”で、隣接した探偵が連携をすると“推理共鳴”が発生して一気にMPを削ることができます。


 シミュレーションパートでは“捜査開始”を選択するとマップ上のすべての探偵が一斉に行動しますが、“先行捜査”を選ぶとプレイヤーが介入済みの探偵だけを行動させることができ、じっくりその先を考えることが可能です。

 証拠品を見つけると新たな展開になったり、検証が必要になったりするので、先行捜査は重要です。


 これらの操作感覚は、ジャンルは違うもの、同社の『ディスガイア』シリーズのバトルを少し彷彿させました。連携の爽快感や行動の決まったユニットだけ先行させて戦略を練るのが似ていると思ったんですよね。

 もしかしたら的外れの感想かもしれませんが、『探偵撲滅』のスタッフが『ディスガイア』シリーズを参考にしていたらうれしいです(笑)。まぁ、参考にしていてもしていなくても、どちらにしろおもしろいので、よし!

 なお、シミュレーションパートは説明だけを読むと難しそうですが、序盤のマップはミステリーポイントが少なめで、理想探偵が手取り足取り操作方法を教えてくれるので心配ありません。

 ゲームが進むとマップが広くなったり、犯人が残した罠“デッド・ヘリング”が設置されたるようになったりして難易度が高くなり、やり応えが増します。適当にプレイしているとターンが足らなくなるので、しっかり頭を悩ませながら進めていく必要があります。

 大勢の探偵でひとつの謎を解いていく設定は、本作ならではの要素なのでぜひ楽しんでもらいたいです!

 感心したのは同じ証拠品でも探偵ごとに手に入れた時のリアクションが異なったり、特定の条件で特殊な会話が起きたりする部分ですね。推理系のアドベンチャーゲームはいちどプレイしたら満足してしまいがちですが、本作は何度もプレイして、違うパターンを試してみたくなる魅力があります。

 設定に惹かれて気になっていた本作ですが、丁寧に描かれるキャラクターの魅力や独特なゲームシステムも好印象。ミステリー好きは当然として、キャラクター系のコンテンツに興味がある人もぜひチェックしてください。

(C)2021 Nippon Ichi Software, Inc.

探偵撲滅

  • メーカー: 日本一ソフトウェア
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: ADV
  • 発売日: 2021年5月27日
  • 希望小売価格: 7,678円(税込)

探偵撲滅

  • メーカー: 日本一ソフトウェア
  • 対応機種: Switch
  • ジャンル: ADV
  • 発売日: 2021年5月27日
  • 希望小売価格: 7,678円(税込)