『FF14』新ジョブ"リーパー"の秘密や物語完結への思いを吉田P/Dにインタビュー!!【デジタルファンフェスDay1】

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 スクウェア・エニックスのMMORPG『ファイナルファンタジーXIV(以下FFXIV)』の新拡張パッケージ『暁月のフィナーレ』の新情報公開、開発スタッフによるトークセッション、白熱のライブなどの充実のプログラムで、5月15日、16日にオンライン上で開催中の『FF14』“デジタルファンフェスティバル2021”。

 今回は1日目のイベント終了後に行われた吉田直樹プロデューサー兼ディレクターへのメディア合同インタビューを公開します!!

“ゲーム体験としておもしろいか”を考えた結果としての新ジョブ・リーパー

――『FF』シリーズに登場した近接ジョブで、『FFXIV』に対応していないジョブはまだかなりあると思いますが、そのなかで今回『FFXIV』オリジナルの近接DPSである“リーパー”というジョブを採用した一番の決め手は何でしょうか?

吉田直樹氏(以下、敬称略):もちろん『FF』は35年続いているシリーズなので、まだ登場していないたくさんのジョブが存在しています。でも僕らはMMORPGというジャンルのゲームとして、これからもさらにコンテンツを発展させていこうと考えているときに、本来トリッキーなジョブをMMORPG用にアレンジし過ぎると、元のジョブのよさが消えてしまうと思っているのです。

 もちろん、シリーズに登場したジョブを実装してほしいという声もありますが、オリジナルでの体験をはたしてそのまま『FFXIV』に持ってくることができるだろうか……、と考えました。僕らがマストにしていることは"ゲーム体験としておもしろいかどうか"なのです。

 無理にみなさんの思い出を引っ張ってきて、その結果思い出と違う感触のジョブを実装してしまったときに、『FFXIV』に対してもよくないし、オリジナルのジョブに対しても失礼になるなと。だから、今回だけでなくこれからは、オリジナルのジョブのほうが多くなっていくのではないでしょうか。

 先に発表している“賢者”(ヒーラー)と今回発表した“リーパー”は、かなり検討をしたうえで“『FFXIV』ならではのジョブにしていこう”と作ってきました。それがオリジナルのジョブを採用した理由ですね。

――ちなみに“リーパー”ですが、このジョブならではのポイントやほかのジョブとの違いはどんな部分でしょうか?

吉田:ファンのみなさんのコミュニティのなかでも、とくに欧米で「鎌を持つジョブを実装してほしい」という声をたくさんいただきました。じゃあ、鎌を持つジョブを『FFXIV』ならではのジョブに落とし込む場合、新しいゲーム体験を作るとしたら? という観点で見たときに、単純に近接で自分の力だけで攻撃するだけよりは、もう1つそこにひねりがほしいなと。

 そこで“攻撃することで何かしらのゲージが上がっていき、呼び出したアヴァターそのものを取り込んで戦う”という形を考えました。中二病的な発想で申し訳ないのですが(笑)、バトルを続けていって自分のテンションが最大化する感じを "リーパー"で体現することができたので、これはイイねと。

 あとはこれで本当にシステムとして成立するか検証しようとなり、意外とすんなりいったので、けっこう満場一致で決まりましたね。あとはグラフィックサイドとしても鎌はイメージしやすいということもあって、わりと今はトントンと順調に進んでいる感じです。

――コレクターズエディションの特典にデスサイズが用意されているなど、鎌という武器は『FFXI』を意識している印象を受けました(※)。『FFXI』の両手鎌のウェポンスキルである“ギロティン”や“クロスリーパー”など、『FFXI』のファンが喜ぶような仕掛けはどれくらい用意されているのかが気になります。

※『FFXI』では主に暗黒騎士が使う武器として両手鎌が登場。なかでもデスサイズはレベル75キャップ時代に暗黒騎士に普及した優秀な両手鎌だった。

吉田:どれくらい……という比率で言うと、まさに今は技を作りながら調整をしていている段階です。例えば「このコンボはこのコンビネーションでいいのか」とかですね。僕らのなかにも『FFXI』の開発出身で『FFXIV』で開発をしているメンバーも多いので、当然リスペクトする部分もあります。

 これまで『FFXIV』チームは同じような形態のジョブだったりアクションだったりをリスペクトしながら、『FFXIV』としてアレンジをやってきていると思うので、変わらずうまくやっているという部分はあります。おそらく中途半端になりそうな要素に関しては、逆にガッカリされてしまわないようにオリジナルに振り切ったりはしていますね。

 そのバランスの妙についてはコロナ禍の状況ではありますが、これまでやってきたメディアツアーのような形での体験をきっちりやらせていただく予定ですので、そこで既存ジョブ含めてジョブの変容をみなさんにお伝えできればと考えています。

――先ほどリーパーの専用ゲージについてお話がありましたが、こちらはゲージがたまるとアヴァターが憑依するという仕組みでしょうか?

吉田:まだ完全に仕様が固まっていないので言及はしたくありませんが、基本的になにかしら攻撃をしていくとゲージがたまっていって、それがMAXになったら自分でアヴァターを取り込むタイミングを図って……といったイメージではあります。ただ、あくまで僕らの想定でありプレイヤーの体験として成立するかはまだ検証の段階ではありますので、現段階では"イメージ"です。

――アヴァターは召喚士のエギや、機工士のオートマトンとは異なる感じでしょうか?

吉田:はい、違います。リーパーはペットジョブではありません。『FFXIV』はジョブごとにゲーム体験を変えるということがポリシーなので「機工士ですか?」と聞かれたら「違います」となりますね。その異なるゲーム体験を提供するためにも、今まさに開発中ですとだけ言わせてください(笑)。

――アヴァターは何種類かあるのでしょうか?

吉田:いえ、さすがにグラフィックスの制約というか、レギュレーションが存在していますので。今日の開発パネルでもお話しましたが、1キャラクターに収めることができるテクスチャー容量もポリゴン数も、すべて厳密に決められています。

 そのなかで、あれだけダイナミックな動きをしたうえに、アヴァター用のモデルとテクスチャーを限界まで詰め込んでいるので、もし「あれが5種類あります」と発注したら、デザイナーから「それならレギュレーションを変えてくださいよ」と言われてしまいます(笑)。アヴァターが1体しかいないからこそ、アヴァターと融合したときのダイナミックさがすごく気持ちよくなるように作られているジョブなのです。

 また、アヴァターと融合したときの姿は、種族ごとにちゃんと変化があり、全員同じにはなりません。そこはちゃんとプレイヤーのキャラクターの個性が消えないような対応を精一杯やっています。ぜひそちらに期待していただければうれしいです。

――あとはいわゆるピュアDPSなのか、シナジーDPSなのかが気になりますが。

吉田:方向性はおおよそ定まってはいますが、今言うことで議論になることは避けたいので……。後日バトルを解説する場を設けますので、そのときにあらためて突っ込んでいただければと。

サプライズだったヴィエラ男性の発表の経緯

――ヴィエラの男性が発表されましたが、『FF』シリーズではこれまで見たことがないと思います。デザインは『FFXIV』オリジナルのものになるのでしょうか?

吉田:はい、そうです。正真正銘『FFXIV』のチームが作ったヴィエラなので、ぜひ実装されたら思い切って使っていただければうれしいですね。ただ、『漆黒のヴィランズ』の発表時にメディアさんのインタビューでお答えしたように、パッチ5.0でのヴィエラの女性とロスガルの男性の実装をもって、『FFXIV』での新種族の追加は本当に止めるつもりでした。

 もちろん、新種族はやりたいです。でも追加しようとすると種族の数だけ膨大なリソースの掛け算になってしまうのです。あらゆる装備の報酬を、その種族用に掛け算で作っていかなくてはいけないので、単純にパッチをお届けする時間に影響が出てしまいます。

 ですが、世界中から「ヴィエラの男性やロスガルの女性を自分の手で操りたい」「ミコッテとは違う獣人系の男性バージョンを『FFXIV』チームならば作れるんじゃない?」という声を頂戴しまして。さらに、グラフィックスのチームからも「もし、吉田さんがやりたいと言ってくれるならば2種族はムリですけど、1種族ならばなんとかチャレンジしてみますよ」と言われたんです。1つの拡張パッケージで2種族はムリと思っていましたが、まずは手探りで作れるかどうかの検証を始めました。

 僕らもこれまで見たことがないヴィエラの男性という種族をどう構築していくんだと悩みましたし、『FFXII』にすごく思い入れがある方からしたら、「これがヴィエラの男性なのか?」と見られてしまう可能性がありました。

 ですから女性のヴィエラをベースにしつつ、どうあるべきかを議論を重ね、ものすごい数のアートワークを作り、オリジナルの設定に沿った形で「これだったら……」と納得ができる差別化を図ろうとしたのです。最終的にはスタッフがそこを見事にやりきってくれたので、それならば実装しようと今回発表しました。

 正直に言えば、本当ならばロスガルの女性と同時期に実装するべきと思っています。最初にこの2種族を発表したときも"ジェンダー"という言葉を使われた方もいましたから。その次の拡張でロスガルもやる覚悟はありますが、たとえ引っ張ったとしても作業はそこまで変わらないよねと。

 だったら「必ずやります、実装していきます!」と言ったうえで、『暁月のフィナーレ』ではヴィエラの男性だけでもスタートしたほうが、長い目で見たら『FFXIV』プレイヤーの皆さんのためになるのではという判断で、まずはヴィエラの男性を実装させていただきました。


――ヴィエラの男性は設定上では希少な種族で、NPCとしてもほとんど見かけることがないということでしたが、プレイヤーキャラクターとして登場するということは、NPCにもヴィエラの男性が増えてくるのでしょうか?

吉田:もちろん、可能性がゼロだとは言いません。ただ、希少だからこそ今までみなさんが目にすることがなかったということも、きっちり僕らも設定として作ってきたところなので、例えば彼らが大繁殖してヴィエラ男性の園みたいなものがドーンと登場するのかと言われると、それはたぶんないかなと(笑)。ちゃんと設定にのっとった形で、『FFXIV』の世界に登場できるようにしていくことは大事だと考えています。

“ハイデリン&ゾディアーク編”の完結を明言する意図とは

――発売日のアナウンス時などで、今回は全体的な物量がものすごいボリュームになっているとお話されていました。もちろんプレイヤーの遊び方にもよりますが、これまでの拡張パッケージと比べてクリアまでのプレイ時間などに変化はありそうですか?

吉田:今はちょうど開発中期なのでそこまで限定しづらいのですが、作っている感覚でいえば確実に長いだろうなとは思います。拡張パッケージとしてのカットシーンも過去最大級ですし、ボイスもそうですし、今回“ハイデリン&ゾディアーク編”をプレイヤーのみなさんが納得できる形、かつ我々も納得できる形でお届けしようとしたときに、削れない要素が多いのです。

 とはいえ、それが僕らに求められていることなので、当初目標としていたスケジュールはもっと前でしたが、プレイヤーのみなさんに理由をちゃんと説明してでもそれを変えて、ちゃんと完璧な状態でお渡ししましょうということで、11月23日という日程になっています。

 そしてもう1つは僕ら側の都合になるかもしれませんが、パッチ5.0でフェイスというシステムを実装したことで、ダンジョンに行くときに必ずプレイヤーがどのロールであっても成立する暁のメンバーを、近くに置いておかなくてはいけなくなりました。

 これはあまり想定していなかったことで、たとえば『蒼天編』『紅蓮編』あたりでは「じゃあ、俺たちはこっちに行ってくるよ」とNPCのメンバーと別れて、ダンジョンは光の戦士たちだけで挑んでいたと思います。彼らが裏で何をやっていたのかはあとで報告はされますが、ある意味ていねいに描く必要はなかったのです。それが『漆黒編』以降は「俺たちも行くぞ」って、みんなも一緒についてくるじゃないですか。

 もちろん、彼らに話しかければ全員がトークしますし、結果何が起きたかと言えば途中のカットシーンでも登場人物がすごく多くなってしまいました。ということは、同じ1つのカットシーンでも、キャラクターに演技をさせる必要があるし、人数も多いし、当然ダラダラ話しているだけだと飽きるので、そこに演出を入れていかなくてはいけない。だからシーン数が変わらないとしても、演出コストが肥大化していっているので、そこがボリューム増加の理由としてかなり大きいです。

 とくに今回はある意味総決算で、トレーラーを見ていただければわかると思いますが、曲も総決算になっており、ありとあらゆる人物が登場してくるので、そこらへんも楽しみにしていただけるとうれしいですね。僕らが苦労したぶんおもしろく仕上がっていますので。

――ちなみにトレーラーの映像では七大天竜のヴリトラが出てきて驚きました。パッチ5.5のPart1では魔大陸に封じされていたティアマットが解放されましたが、もしかしたら『暁月のフィナーレ』では七大天竜で未登場であるアジュダヤも出て、ハイデリン&ゾディアーク以外の語られていない要素も、総決算的に明かされていくのでしょうか?

吉田:じつは総決算だからといって、今まで登場していなかった要素を無理やり登場させようとは思っていません。今日奇しくも“直樹の部屋”で、神木隆之介さんにもお話しましたが、「あ、なるほど。こいつはにぎやかしのために連れてきたな」「ポッと出したな」という登場人物はユーザーさんにバレてしまうと思っています。

 それよりも、例えば『蒼天編』で人と竜の重い歴史があったなかで、そのふたつの種族がどう絆を結んできたのかをあらためて提示するためにも、人と竜という存在が今回のシナリオにも欠かせません。そしてそれを語るのであれば、七大天竜の一翼に担ってもらうべきだろうという点から構築されているので、必要かどうかというのが選択の理由として大きいですね。

――となるとヴリトラは物語で必然だから登場すると?

吉田:そうですね。これはみなさんがあまり予想つかない形になるかなと思いますが、たっぷりヴリトラのストーリーもありますので、楽しみにお待ちいただければと思います。

――“ハイデリン&ゾディアーク編”のお話が今回で完結するということですが、完結させない形でもパッチ6.0、7.0、8.0と続けていくことは可能だと思います。あたらめて今回完結させる理由を教えてください。

吉田:これは個人的なお話にもなりますが、僕は作り手であると同時にやはり消費者でもあって、本当にいろいろな作品に影響を受けて成長してきた人間だと思っています。若干オタク気質なので、深くハマっていくタイプなのです(笑)。そのときに「ここでまとめておいてくれたらよかったのに」という作品に会うことも多いのです。もちろん事情があるのはわかっていますし、オタクなのでその事情も深堀りします。「まあ、そうか……」みたいな。

 でも「ここでクライマックスを迎えておいてくれたら、どれだけこの作品はよかったんだ」と思うことが何度もありまして。一方で『FFXIV』は大枠だとパッチ7.0くらいで"ハイデリン&ゾディアーク編"が完結かなと思ってはいたのですが、『漆黒のヴィランズ』でこれまで張られていた伏線の8割をみなさんにドーンとぶちまけたときに、僕が消費者として感じていたあのテンションに、みなさんがなってくれたので、「あ、これはここでヒートアップした気持ちをクールダウンさせる必要はないだろうな」と考えました。

 そうであれば、みなさんが見たい1回目のクライマックスを、このパッチ6.0でお届けしようと。なぜ僕が意図的に“ハイデリン&ゾディアーク編”の完結と言っているのかというと、あまり続きのお話をすると気持ち的に「あ、どうせ続くんだ」という気持ちになっちゃうじゃないですか(笑)。であれば、いったんここで“ハイデリン&ゾディアーク”にまつわるお話は終わりであると明言しようと考えたのです。これは開発チームにも言っています。"ラストを叩きつけるぞ"と。

 歴代『FF』シリーズってだいたい物語8割が終わったら、残り2割がクライマックスですよね。大地が浮き上がってみたり、異常な世界になって「ダメだ、この世界は終わりだ!」となったりして。そんな残り2割を1本の拡張パッケージにしようというのが『暁月のフィナーレ』であり、それがゲームというエンタテインメントのなかでの1つのチャレンジだと思います。

 これはストーリーがあるMMORPGでしかできないことなので、思いっきりやってみようというのがコンセプトです。だからこそプレイヤーのみなさんにも、“その先もちゃんと続くから、まずは1回ラストをしっかり見てほしい”という言い方をさせてもらっています。

――パッチ6.0で“ハイデリン&ゾディアーク編”が完結した以降は、これまでのように6.1、6.2と続いていくと思いますが、そこでは何が描かれていくのでしょうか?

吉田:新しい物語がスタートします。当然主人公はプレイヤーのみなさん、英雄“光の戦士”ではあります。

――それは『暁月のフィナーレ』として語られていくのでしょうか?

吉田:いえ、違います。

――となると6.1以降はタイトルが変わるのでしょうか?

吉田:さあ、どうでしょう(笑)。

一同:(笑)

吉田:ある意味すいません。本音で言いますけど、まだ考えていません(笑)。もちろん、6.1以降にどんな物語を描いていき、どんな人たちが中心となって光の戦士たちと一緒に冒険が行われるのかという構想はできあがっています。なんだったら、その先まである程度はできています。

 ただ、どのような形でみなさんにお届けしていくかというのは、僕自身も楽しみにしている『暁月のフィナーレ』のテンションしだいかな、と思っています。つまり、僕もプロデューサーとして、ディレクターとしてチェックをして、プレイヤーとしてゲームを遊んだときに、“きっとプレイヤーのみなさんはこんな感情になっているんだから、6.1以降はこういうお届けの仕方をするべきだ”と見えてくるんじゃないかなと。今は僕もまだ経験をしていないので、もうちょっと開発が進んだら何かしらアイデアが出てきて、決めるんじゃないかなと思います。

――無人島開拓のコンテンツですが、こちらはクラフター&ギャザラーを育てていなくても遊べるというアナウンスですが、例えばクラスを取得していなくても遊べるのでしょうか?

吉田:遊べます。スローライフコンテンツと銘打っている無人島開拓は、モンスターとガチガチの戦いをするだけではなく、何か物を愛でたり、エオルゼア中から動物たちを連れてきて、それを眺めているだけでもなんか楽しいなと思っていただきたいなと。

 もちろんその際に、クラフターやギャザラーなどのライフ系コンテンツもちょっと手をだしてみようかな、と思っていただきやすくなるような導線はちゃんと引きます。ただし、ご質問にもあったように「クラスの解放だけはしておいてね」となると、とたんにやらない方も出てきてしまうので、あくまでそれとは切り離して楽しめます。

 もちろん、そのコンテンツのなかにギャザラーやクラフターがあるとちょっとプラスになる、という要素はあるかもしれませんが、今回は競い合うことはできるだけ排除していて、自分のペースで好きなように好きなものを集めてきて、癒やされてくださいというような考え方をしています。

――思いのほか反響があったというお話でしたが、当初はどれくらいの反応を想定されてたのでしょうか?

吉田:「あ、なるほどね~」くらいの反応でしょうか(笑)。日本の方はコツコツ集めて何かをするということが好きですよね。それこそスーパーファミコンのころからデータ遊びが好きで、僕も大好きなんですが。それが欧米になってくると、アクションベースになって結果ができるだけ早くほしいというコンテンツを好まれる方が多いのです。

 だから、この手のコンテンツはなかなか広がるのは難しいな……と思ってました。だからといって、放っておいてやらないというのは違うと思うから、『FFXIV』の世界をより豊かにするための新しい遊びとして用意しようと考えたのです。ですがフタを開けたら欧米での反響がすごくて。もちろん日本については“DASH村”と言ったのもあり、番組のディレクターさんが反応するくらいトレンドになりましたけど(笑)。

一同:(笑)

吉田:欧米の場合はインタビューを受けても必ず「無人島、楽しみにしているプレイヤーが多いので、どういうコンテンツなのか知りたい」とか、「本当にギャザラーとクラフターをやっていなくても遊べるの?」とか聞かれます。

 無人島開拓の企画自体はけっこう前から進めているのですが、『あつまれ どうぶつ森』のように、コロナ禍というパンデミック下のなかで、みんなでつながれて、そんなにあせらなくてもみんなで一緒にやっていこうよ、みたいなゲームが評価される風潮があるからこその反応なのかなと感じています。これはまだ深読みできていませんけど、だからちょっとプレッシャーがかかっています(苦笑)。

――最後にデジタルファンフェスティバルを楽しんでいる方へメッセージをお願いします。

吉田:今回コロナ禍ということで、どうしてもお客様に会場へ来ていただくことができませんでした。いつもならば、プレイヤーのみなさんが満面の笑みで楽しんでいる姿を見られたと思いますので、そこは僕らも本当に残念に思っています。

 ですが、今回はこれからの時代の新しい形として、デジタルを使って全世界の人を巻き込むイベントの作り方をチャレンジさせてもらうことができたので、これを糧にこれからもやっていきたいです。明日のDay2はさらにすごいステージとか、THE PRIMALSのライブなども待っていますので、明日もぜひよろしくお願いいたします。

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ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ

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