優しいウソが好きな人へ。『ライート』3部作は980円以上の価値を感じる良作【電撃インディー#3】
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- カワチ
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電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はPLAYISMから5月27日に発売されるNintendo Switch用ソフト『LiEat(ライート)』のレビューをお届けします。
なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!
詐欺師と竜の子どもが織り成す3つの短編集
本作は日本の個人インディーゲーム開発者△○□×(Miwashiba)氏の作品で、詐欺師のレオ(仮)と彼が保護したドラゴンの女の子・エフィーナが訪れた地で起きた事件を解決していくアドベンチャーゲーム。
もともとは連作で公開されていた3つの作品が、1つのパッケージとしてまとまったものになります。『I』をクリアすると『II』が、『II』をクリアすると『III』がプレイできます。
なお、主人公のレオが“レオ(仮)”なのは詐欺師である彼が偽名を使っているため。実際に第1作ではレオという名前ですが、第2作ではハルを名乗り、第3作はシドと名乗っています。外見も大きく変わるので新鮮です。
もう1人の主人公であるエフィーナは“嘘”を食べることができる女の子で、この“嘘”というものが物語の大きなテーマになっています。
『I』はヴァンパイアの伝説が伝えられている町が舞台、『II』は危険な香りがする施設、『III』は怪盗の予告を受けた豪邸を舞台にした物語が展開します。すべて1時間ぐらいで終わる短編なので、合計3時間ぐらいで終わるボリューム。じっくりプレイしても5時間かからないと思うので、サクッと遊べます。
そして、この作品の一番の見どころは、エフィーナのピュアでかわいらしい姿! レオ(仮)のことをパパと慕う彼女はとても純粋で愛おしく、プレイしていて気持ちが温かくなります。
グラフィックも淡いイラストが魅力的でドットも丁寧に作られています。ときおり導入されるアニメーションにも引き込まれます。
全体的に絵本の中の世界に入り込んだかのような気持ちになれる作品に仕上がっています。
個人的に好きなところは、本作のストーリーがレオ(仮)とエフィーナの旅を切り取ったような形になっており、ゲームをクリアしたあとに「2人は他にどんな冒険をしたのかな?」「これからどうするのかな?」という余韻が残されている点ですね。
例えば『II』でエフィーナが「7つ前くらいの街の、吸血鬼さんがいた街」という発言をするため、『I』と『II』の描かれていない間にはどんなドラマがあったのだろうと想像したくなります。そういうユーザーが想像するバッファがあるところはいいゲームの証かなと。
一方、最後のストーリーである『III』はレオ(仮)の過去が明かされたりするなど、ラストに相応しい盛り上がりを見せます。そのため、満足感はしっかり高いです。
バトルはおまけ程度のものですが、こちらは作品のいいエッセンスになっています。嘘を食べるという主人公の設定が、そのまま戦闘に結びついているため、世界観に合っているところもいいいです。
戦闘はラスボスもある程度レベルを上げれば勝てるようになっており、詰まる心配はないと思います。回復は限られた消費アイテムを使う必要がありますが、ベッドで休憩すれば全快します。
また、どの作品も隠し武器がマップのどこかに落ちているので、これを探して入手すれば、より確実にクリアできます。
センチメンタルなストーリーやかわいいグラフィックがとても魅力なので、ぜひプレイしてみてくださいね。
『LiEat(ライート)』作品情報
■タイトル:LiEat (読み:ライート)
■開発元:△○□×(Miwashiba)
■発売元:PLAYISM
■ジャンル:RPG
■プラットフォーム:Nintendo Switch
■予約開始:5月20日
■発売:5月27日
■価格:980円(税込)
■レーティング:IARC 3+
■対応言語:日本語・英語・繁体字・ブラジルポルトガル語
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