アニメ『すばらしきこのせかい』クリエイター陣が語る印象的なポイントとは
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スクウェア・エニックス制作のアクションRPG『すばらしきこのせかい』を原作とするアニメ『すばらしきこのせかい The Animation』の公式サイトにて、クリエイター座談会の記事が公開されました。
以下、リリース原文を掲載します。
座談会の参加者は、原作ゲーム「すばらしきこのせかい」(以下、「すばせか」)を制作したスクウェア・エニックスのディレクター神藤辰也氏、キャラクターデザインを手がけた小林元氏、そして原作ゲームの大ファンであり、それが縁でエンディングアニメーションの監督を務めることになった、世界的人気イラストレーターのイリヤ・クブシノブ氏の3名です。
イリヤ氏が語る「すばせか」との出会いや、ファンならではの視点で原作ゲームのクリエイターに迫るインタビューなど、ファン必見のトーク内容を一部公開します。
ロシアの18歳の人生を変えた物語
「すばらしきこのせかい The Animation」のEDアニメーションを担当したイリヤ・クブシノブ氏が座談会の冒頭に語ったのは、「すばせか」との出会いで人生が変わったというエピソードでした。
(どうして「すばせか」をプレイしてみようと思ったのか?)
―18歳の時に初めて「すばせか」のビジュアルを見て「グラフィックとかスケボーとか、キャラクターデザインもかっこいい! やってみたい!」と思ったからです。でも、学生でお金がなくて。ニンテンドーDSを買うために、他のゲームハードを売りました(笑)。
きっかけはビジュアルで、ネットでも評判が良かったので買ってみて、ストーリーを理解するために英語も勉強して、いろいろ頑張りました。あの時DSを買って「すばせか」をやらなかったら自分の人生どうなっていたかなって、考えると怖くなります。というのも、「すばせか」は私の人生を変えた作品なんです。
高校を卒業した後、建築の大学に行こうとしていたんですが、入学試験に落ちてしまって、未来が見えなくて、ものすごく落ち込んでいました。
ロシアでは進学をしなければ兵隊訓練を受けないとならなくて、自分は兵隊には向いていないと思っていたので、専門学校を見つけて通い始めたんです。
その専門学校が遠くて、毎日自宅から片道2時間かけて電車で通っていたんですが、その間ずっと「すばせか」をやっていました。
すごく落ち込んで、人生に悩んでいた時期だったんですが、ネクが成長して変わっていく姿に励まされて、ゲームをクリアしてエンディングを見たときに、「もう一度大学を受けてみよう」と考え直せるようになって。もうどうでもいい、終わった、って思っていたのに、「すばせか」のストーリーやキャラクターのおかげで自分の中で何かが変わったんです。
おかげで大学にも合格できて、全然終わりじゃなかったなって。「すばせか」に救われたんですよ。
「すばせか」を作った皆さんとしてはゲームを楽しんでくれればって考えてつくられていると思うのですが、実はそれ以上に大きな影響を与えています。「すばせか」のおかげで、私は今生きていて、日本に引っ越して、アニメのEDを監督している! 皆さんが作ったゲームが、皆さんの知らないところで誰かの人生を作っているんです。
この熱いメッセージにゲームを手掛けた神藤氏、小林氏も感無量。神藤氏は「すばせか」は主人公ネクの成長物語が軸であり、「ネットが発展し始めてコミュニケーションの仕方が変わってきた当時の社会情勢を踏まえて、15歳の少年がどういう風に人とかかわりあって成長していくのか、ぼくらなりの若い人たちへのメッセージを織り込んでいったつもりです。」と語りました。
主人公のネクは渋谷を舞台に繰り広げられる「死神ゲーム」に訳がわからないまま巻き込まれます。襲い来る敵“ノイズ”に立ち向かうためには、ともに戦う“パートナー”が必要というゲームのルールに則り、同じゲームの参加者であるシキとパートナー契約をするところから物語は始まります。人との関わりを避けるためのヘッドホンがトレードマークであるネクが、シキや他の参加者との交流を通じて少しずつ表情豊かになっていく様子が、アニメならではの表現で丁寧に描かれていきます。
再現性の高さとキャラクター描写の魅力
実際にアニメを視聴して印象的なポイントとして3人が挙げたのが「再現性の高さとアニメならではの表現」と「深堀されたキャラクター描写」です。
イリヤ:全編に声が入っているのは大きいですよね。特にビイトはキャラがさらに鮮やかで強くなって、ビイトのことがもっと好きになりました。ゲームプレイをアニメでどう表現するのか気になっていましたが、アクションシーンがすごいですよね。
神藤:ゲームの長尺の話を限られた話数でまとめるのは大変で、切らざるを得ないエピソードもありますが、声優さんの力もあってキャラクターがしっかり描かれるので、アニメになることでより説得力が増すなと。個人的にはアニメオリジナルでシキとエリのエピソードを掘り下げていただいて、原作でも気に入っているエピソードだったので、深く描かれて嬉しかったです。キャラクターへの愛着がわきますよね。
小林:シキとエリのエピソードも、ゲームだと同じグラフィックだったんですけど、アニメだとエリがしっかり描かれてより感情移入しやすくて、アニメすごいなって。
神藤:エリがお花屋さんでお花買うところ、いいですよね。
イリヤ:あれはよかったですね!
グラフィックやボイスのデータ量に制限があったニンテンドーDSのゲームから14年を経てのアニメ化。オリジナルキャストによるフルボイス、3DCGを取り入れた迫力のアクションシーンはもちろん、オリジナルストーリーを加えたキャラクター描写もアニメの魅力のひとつです。
座談会で話題に上がった、シキと親友のエリのシーンの他にも、アニメならではのキャラクターの心情描写は、謎多きストーリーを解き明かす伏線にもなっています。
5月28日(金)深夜1時25分から放送の第8話「エマージェンシーコール」では新展開に突入し、“死神ゲーム”も佳境を迎えます。3回目のゲームにネクはいかに立ち向かっていくのか? 生き残ることができるのか? 今後の展開にご注目ください。
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イリヤ氏がEDアニメーションを担当することになった経緯や、原作ゲームに関するエピソードや小ネタなど、ファン必見の内容になっていますので、お見逃しなく。
▽イリヤ氏が手掛けたEDアニメーションはこちら(ノンクレジットED)
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