ネットイース新作『エゴエフェクト』インタビュー。日本人のなりたい職業がキャラクターに!?
- 文
- ライオン松本
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NetEase Gamesから配信予定のiOS/Andorid用アプリ『エゴエフェクト』。本作は、人工知能が発達した未来の世界に飛ばされてしまった職人たちの群像劇をテーマにしたRPGです。
今回は、そんな『エゴエフェクト』のプロデューサーである尹洪大立さんと、シナリオライターの北島行徳さんに行ったインタビューをお届けします。
『エゴエフェクト』が生まれたきっかけ
――本作のプロジェクト立ち上げのきっかけや、開発コンセプトについてお聞かせください。
尹洪大立:このプロジェクトを立ち上げた理由は、私のこれまでの個人的な経験と仕事の経験によるものでした。
私は常に、日本はプロや職人文化を非常に尊重する国だと思っています。例えば、日本のドキュメンタリー番組の『仕事の流儀』や『情熱大陸』で紹介される魅力ある職人たちからは、自分が行き詰まったときに多くの勇気と自信を与えてもらいました。
また、以前の仕事では日本人の先輩方のお世話になることも多く、いつも彼らの助けを借りながら仕事を進めてきました。
そんな先輩方の仕事ぶりに、私はいつも“プロフェッショナル”としての魅力を強く感じていました。
現場で発生する数々の問題を直接かつ確実に解決していく。そういった時こそが、プロフェッショナルが最も輝く瞬間だと思っていますね。
こうした体験があったからこそ、私は“職人”と我々“プロフェッショナル”の両者の間にある種の共通点を見出すことができたのです。
もしも“職人”という言葉を、各々の職業の魅力や、彼らが最も輝く瞬間といった観点から再定義したならば、美容師、バーテンダー、人形師、エンジニア、歌舞伎役者など、私たちの日常生活の中に存在するあらゆる職業も“職人”と呼べるのではないでしょうか。
だから新しいプロジェクトを立ち上げる際、私は“職人”という概念をソーシャルゲームの中に取り入れてみたいと思ったのです。
構想するにあたって、日本で出版されている職業図鑑のような書籍を参考にすることもありました。しかしゲームに落とし込むには図鑑のように職業に関する情報を羅列するだけではいけません。
ゲームには世界観やキャラクターデザイン、個別のキャラが持つ葛藤など多くの要素が含まれています。
その全てを私自身の手で統合できないかと試行錯誤の末かたちになったのが、現在開発中の『エゴエフェクト』です。『エゴエフェクト』における“職人”という言葉は本来の意味を超越している部分があります。
この世界では、AIに頼らず、エゴ(自我)つまり自身がもつ専門技術で価値を創り出している人たちが、“職人”と呼ばれています。
――どういったユーザーに本作をおすすめしたいですか?
尹洪大立:主なターゲットユーザーは、近未来をテーマにしたRPGを求めているプレイヤーたちですね。
それに加え、職業や職場に興味を持っている人たちにも楽しんで頂けると思います。今回登場するキャラクターたちの職業は非常にバラエティーに富んでいます。
この世界では、誰もがなりたいたい職業を見つけ出し、憧れの“職人”になれるでしょう。
――本作のタイトルやPVなどでよく見かけるキーワード、エゴはやはり重要なテーマなんでしょうか。
尹洪大立:このゲームにとって、“エゴ”という言葉は重要な意味を持ちますが、本来これはポジティブな言葉ではありません。
例えば“この社員はエゴが強い”と言った場合、その裏には“この社員はあまり従順ではない”という意味が含まれていることが多いのです。しかし、自分の“エゴ”を持っていなければ、“職人”にはなれないのです。
日本語に言い換えれば、どちらかというと“エゴ”というより“こだわり”に近い意味かもしれませんね。自分のこだわりがなければ、職人にはなれないでしょう。
――職人をテーマとしたRPGとのことですが、どういった職人のキャラクターたちが登場してくるのでしょうか。
尹洪大立:キャラを作り上げる時には、日本人のなりたい職業ランキングなどの記事も参考にしています。
現在公開している13名の職人はこちら。
警察官、外科医、ニュースキャスター、プログラマー、映画監督、バーテンダー、専業主婦、教師、農家、アイドル、声優、占い師、サッカー選手。これら13名の職人たちは主人公としてメインストーリーに登場します。
気になるキャラがいれば、ぜひ公式サイトで詳しいプロフィールをチェックしてください。
また、ゲームにはガチャシステムもあります。これでメインストーリーの13人以外に、他の職人も獲得できます。職人たちはキャラクターストーリーやイベントストーリー、祝日イベントなどで活躍します。
プレイヤーは観測者でストーリーには干渉しない
――設定や背景など、ユーザーに注目して欲しいキャラクターを教えてください。
尹洪大立:実際に様々なキャラを設計していると、星の数ほどの職業があると気付きました。そのため、開発中期に職種を見直し、以下のように分類しました。
・政府法律関連の職業
・文化娯楽関連の職業
・国際商業関連の職業
・近未来の新しい職業
・伝統工芸関連の職業
・工業農業関連の職業
あなたのお気に入りの職業が必ず見つかるはずです!
――本作ではプレイヤーの立ち位置は観測者とのことですが、同時に職人たちを導くともあるので、なにかしら物語に干渉していくのでしょうか。
尹洪大立:簡単に言えば、プレイヤーは観測者として、ストーリーに直接は干渉しません。
例を挙げると、職人たちがプレイヤーに“一緒に冒険しましょう、これから導いてください”と言ったりはしませんね。
観測者というより、プレイヤーは日本のバラエティ番組によくある“モニターを通して見ている”ようなイメージです。一連のストーリーを見届ける見えないの向こうにいる存在です。
とは言え、プレイヤーは完全に干渉しないわけではありません。プレイヤーは職人の代わりに大事な選択をして、その選択次第でストーリーは予想外の展開になります。
――RPGというジャンルですが、やはり育成のような要素も入っているのでしょうか。
尹洪大立:RPGですから、育成要素ももちろんありますね。プレイヤーたちはバトルやその他のプレイモードで経験値を稼ぎます。職人が成長すると、個人ストーリーやボイス、関係図などの内容も開放されます。
――現在公開されている職人は13人ですが、今後追加されていきますか。
尹洪大立:まだまだ追加されます。メインストーリーの13名の他に、ゲームのリリース後は約70名の職人たちが次々と登場します。
手に汗を握り、泣いて、興奮する……そんな物語になっている
――メインストーリーのシナリオライターは北島行徳さんが勤めていますが、どういった経緯で本作の担当になったのでしょう?
北島:群像劇のアドベンチャーゲームを作りたいということで、『428 封鎖された渋谷で』のシナリオを執筆していた私に声がかかりました。
――本作のメインストーリーでの見どころや、注目して欲しい点など可能な範囲でお教えください。
北島:何が起こるかわからない展開と、13人の魅力的なキャラクターが見所です。
絶望的な世界観の中で、今の時代を生き抜く力を描いていきたいと思っています。手に汗を握り、泣いて、興奮する……そんな物語になっています。
尹洪大立:本作のストーリーのポイントは現在でも百年後の未来でも、職人たちが人工知能に仕事を奪われるわけがないという点です。
これは自分の価値を証明して、職人の価値を取り戻すための物語なのです。
――最後に本作を楽しみにしている方へ一言お願いします。
北島:あるキャラクターの行動が他のキャラクターに影響を与えていく……群像劇の面白さをぜひ体験してください。
尹洪大立:日本では、ドラマやアニメをきっかけに検察官や映画監督になる人もいますし、『仕事の流儀』を見てから職業観が変わったという人もいますよね。それが職人たちが我々に与えてくれる一番の魅力ではないかと常に思っています。
私たち開発チームにとって、ゲーム開発とはまずは自分自身が“職人”になることです。そうすることで、この“職人を題材とした”本作を完全に仕上げることができるのです。
このゲームが気になっているプレイヤーたちには、ぜひこの“職人を題材とした”本作を体験してもらい、自分の得意分野の“職人”になって欲しいと願っています。
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