軍服美少女×STG『有翼のフロイライン』誕生秘話。続編・次回作の構想も!?【電撃インディー#16】

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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はクラウディッドレパードエンタテインメントから発売中のPS4/Nintendo Switch/PC(Steam)用STG『有翼のフロイライン Wing of Darkness』の開発者にインタビューを実施しました。

 『有翼のフロイライン Wing of Darkness』は、美少女が織り成すドラマチックなストーリーと、爽快感あふれるフライトアクションが特徴的なハイスピード3Dシューティングゲーム。

『有翼のフロイライン Wing of Darkness』ローンチトレイラー

 そんな本作の開発経緯や注目点について、プロデューサーの奈良輪和史氏とディレクター兼ゲームデザイナーの一柳守氏にお話しを聞くことができました。

  • ▲奈良輪和史氏
  • ▲一柳守氏

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

開発者インタビュー:

――『有翼のフロイライン』の注目点を教えてください。

奈良輪和史氏(以下、奈良輪):やはり、第一に注目していただきたいのは、シューティングの爽快感です。

 “弾切れや複雑な操作性を廃した、ストレスのない、爽快感のあるゲーム”をゲームコンセプトとして制作したので、その部分を見て欲しいです。

 また、シューティング以外にもカットシーンパートではシーンのライティングやカット割りに力を入れています。それに付随して楽曲やシナリオもかなり練り込んで作成していますので、その部分にも注目していただけると嬉しいですね。

――本作の開発経緯について教えてください。美少女×フライトシューティングというコンセプトが生まれた経緯についてもお聞きしたいです。

奈良輪:元々私がミリタリーと美少女作品が好きなこともあって、”軍服×女の子=カワイイ”という発想が生まれました。

 それを一柳とゲームを作る際に基本コンセプトとして提示したところ、一柳の理解もあり、実現に至ったという経緯があります。

 コンセプト的には『マクロス』シリーズや、『ストライクウィッチーズ』シリーズの影響を受けている箇所は多分にあると思います。

一柳守氏(以下、一柳):実のところ、「空を自由に飛べて、高速で戦える」の1点さえ実現できれば良いかな、と思っておりましたので、私のほうは完全に奈良輪の企画に“乗っかった”感じとなります。

――開発で苦労していたところを教えてください。

奈良輪:当初、このゲームはシューティング×アドベンチャーという構成を想定していたのですが、この二つの相性が思いのほか良くない! ということに気がつきまして、シューティングを主体にストーリーを語るカットシーンを乗せるという形に変更しました。

 私はインゲームでは主にテキスト・シナリオの制作を担当していたのですが、カットシーンが長くなり過ぎてゲームのテンポが悪くならないように、ストーリーをできるだけ少ない文字数で伝えるようにしていて、雰囲気を残しつつも、しっかりと内容を伝え、端的に語るというシナリオの描き方には苦労しました。

 シューティングの台詞についても、短く、視認性をあげるということを意識しつつも、ストーリーとしっかり絡める必要があったので、そこもなかなか苦労した点ですね。

一柳:奈良輪にストーリーのテキストをとにかく抑えるよう指示した張本人は私です。

 一時は本業と並行して開発をしておりましたので、時間を確保することとモチベーションを維持することがかなり大変だったと記憶しております。

 本作の開発は、基本的には私と奈良輪の二人で、サウンドやアニメーションなどを適宜手伝ってもらっていて、全部含めると約10人程で制作しました。

 我々の熱意や作品のコンセプトに賛同してくれた友人など、多くの人に助けていただいた事で本作のリリースが実現したのですが……奈良輪も私も様々な事を兼任する事が多かったので、最後は文字通り気力を振り絞って開発完了までこぎ着けることができました。

――開発をするうえで、特に気を付けている点などを教えてください。

一柳:遊びやすさとストレスフリーを重視して開発致しました。

 ……というのも、開発初期は日常生活にストレスを感じる事が多く、それらをこのゲームで解消出来るようにしたい! という想いがありました。

 結果として、体力、兵装、ブースト等のゲージは自動回復しますし、クイックマニューバー(回避)からドラッグブースト(高速移動)へのアクションを一元化し、さらにミッションによってはそこそこの数の敵が出現するためフォーカスターゲット(自動照準)でシューティングに対する障壁がなるべく低くなるようにさせていただきました。

――多彩な兵装が用意された本作ですが、とくに注目のものは?

一柳:個人的には、プライマリー:ジャベリン、セカンダリー:ソウ、ターシャリ:ゲシュテーバーの組み合わせが見た目的にも、バランス的にも凄く気に入っております。

 各カテゴリーの各1点ずつは私が作成しましたが、残りの全ては偶然知り合ったヤマタカさんに作成していただきました。

 彼の作るモデルのデザインは本当にどれも格好良いです。

――ゲームタイトルにこめた想いを教えてください。

一柳:奈良輪と話し合って決定しました。

 彼がドイツをモチーフにしたいという事で「フロイライン」(ドイツ語でお嬢さん)、それに加えて、本作品のヒロイン達はヘルトシステムを装備≒翼を持つ≒「有翼」という単語を当てはめました。

 検索で類似の物が出づらかったのと、何より語感やロゴに起こした時も良い感じで私はこのタイトル名を気に入っております。

奈良輪:ほとんど一柳に説明してもらってしまいました。

 私も語感がすごく良いと感じていて、とても好きなタイトル名に仕上がりました。覚えやすいですし。

 あと、サブタイトルがWingでWingsでないのは間違った訳ではありません。なぜこうなっているのかは、最後までプレイしていただければ分かるかと思います。

――ストーリーやキャラクターの見どころについて教えてください。

奈良輪:ストーリーについては、クラーラとエーリカの成長&変化を主軸に、実はもう一つの軸があるのですが、それはプレイしてのお楽しみということで……。

 戦争や軍という重苦しい中でも、我々の思うハッピーエンドを描いたつもりです。

 キャラクターについては、ストーリーを多層的にするためにも真逆の視点をもったキャラクター、陰と陽の様なキャラクターが欲しいと思って構築しました。

 クラーラとエーリカは、生まれも性格も全く異なり、普通に生活をしていたら、絶対に交わらない二人です。

 その二人が戦争という極限の状態で交わり、お互いに影響を与えていく。このキャラクターたちの変化を見て欲しいと思います。

 また、クラーラ役の安野さん、エーリカ役の持田さん、お二人の演技が本当に素晴らしいので是非とも全編フルボイスでお楽しみください。

一柳:キャラクターはおおよそ、奈良輪のイメージからほぼ決め打ちでデザインしましたが、その後に安野さん、持田さんの声が入って完全にブレの無い「二人のヒロイン像」が固まりました。

 カットシーンでは二人の心情に合わせて、表情や仕草、またライティングを設計しておりますので、心ゆくまで二人の掛け合いを楽しんでいただけますと幸いです。

――一度クオリティアップのために発売が延期されましたが、延期後の開発の手ごたえはいかがでしょうか?

一柳:とにかく、待ち望んでいた方々に申し訳ない気持ちでしたが、延期した事により、バグ修正やローカライズ対応など、クオリティアップのために時間を費やすことができましたので、多くの人に触っていただくための準備が強化できたと思っております。

 昨今のコロナ禍の状況もありましたのでリモートでの作業等、幾つか制約はありましたが、様々な方がそれに応じた手助けをしてくださったこともあり、どうにか乗り越えられました。

奈良輪:お待たせしてしまい、申し訳ありませんでした……。

 思い返せば、この期間で本当に一気にゲームのクオリティがアップした様に思われます。

 そこまではどうにか形にする……という考えだったのが、改めて自分たちが作りたい物、作れるものを見つめ直して、クオリティを高めることができ、これなら、リリースしても大丈夫だろう!というところまでこぎ着けることができました。

 お待ちいただいた皆様、ご協力をいただいた皆様に心より感謝申し上げます。

――今後、実現したい野望などありますでしょうか?

一柳:文字通りの野望を言わせていただくと、海外のインディーゲームスタジオでは一般的となりつつありますが、ゆくゆくはゲームの為に必要な人材を集め、途切れのない、負担の少なくなるような、専業ゲームデベロッパーの為のエコシステムを作りたいです。

奈良輪:私も一柳と同じですね。

 持続的に無理なく、納得のいくゲームをリリースできる体制を構築したいと思っています。また、目下は構想を温めているゲームを早く形にしたいと思っています。

――ゲーム開発に携わることになったきっかけについて教えてください。

一柳:元々、ただのゲーム向けの3Dキャラモデラーだったのですが、もう少しそれ以外の事もやってみたい、という事で本作品の開発がスタートしました。(私が飽き性というのもありましたが…)

 UnrealEngine4を使用して開発しておりますが、デザイナーとの親和性が高く、ここまでやれるぞという良い経験になったと思います。

奈良輪:私と一柳は、実は中学校からの幼なじみで、何度が一緒にゲームを作ろうとしましたが、当時は上手くいきませんでした。

 そんな中、私もゲーム会社でプランナーとして働きながらも、自分の作りたいものが作れていないという気がしていて、そんな愚痴を一柳に話したところから、一緒にゲームを作ろうということになり、本作の開発がスタートしました。

――影響された作品や、注目している作品はありますか?(ジャンルは問いません)

一柳:影響している作品は結構あるので、挙げてゆくとキリがないのですが……。

 本作品に限っての話ですと、様々なTPS、FPSゲームに影響されておりますが、広義としての作品となると、本作品の制作に携わっていただいたメンバーの作品に影響と刺激を受けております。おそらく一人や二人程度ではここまで出来なかったと思います。

 また単一で具体的なタイトルを挙げると、TANAKAUさんの『SeventhSky』です。操作体系ややりたい事の分かりやすさはこの頃から気にしていたのかな……と思います。

奈良輪:私も多くの作品に影響を受けているので、「コレ!」と挙げるのは難しいですが、シナリオの構成や割りについては、『FarCry』などの海外ゲームやアメリカンニューシネマの作品群、アニメ(『マクロス』シリーズ、『攻殻機動隊』や様々なSF作品)に影響を受けている部分が大きいかと思います。

 なお、OPやEDについては、私の好きなメタル(メロスピ、ジャーマン)やアニメソングに強く影響を受けていると思います。

――今後、開発したいタイトルの展望はありますか?

一柳:今回は空を飛ぶゲームでしたので、地に足の着いたゲームが良いかなとも思いますし、その両方も良いかな……と思います。

 いずれにしても銃は欲しいですね。

奈良輪:実はこの作品で描いているストーリーは全体の構想の約2割程度です。(勿論本作もしっかりとゲームとして完結はさせています)

 もし出来るのであれば、この作品の反響を伺いながらブラッシュアップしつつ、残りの部分もしっかりとゲームとして作れればと考えています。

――最後にユーザーに一言お願いします。

奈良輪:様々なことがありましたが、多くの方に支えていただき、命を燃やしてどうにかここまでたどり着くことが出来ました。ようやく発売を迎えることができましたが、今後もパッチ配信でシューティングパートのさらなるプレイフィールの向上に取り組みますし、超高難易度モード“パラドックス”の追加も予定していますので、ぜひともゲームを楽しんでいただき、“フロイラインの物語”を体験していただければと思います。

一柳:紆余曲折ありつつも、様々な方のご協力で出来上がったタイトルです。クラーラとエーリカがたどり着く結末を是非、皆様ご自身の目で見届けていただけますと幸いです。


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