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ローグライクRPG『ダンジョンに捧ぐ墓標』が面白すぎてやめられない!【電撃インディー#15】

まさん
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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はワンダーランドカザキリから配信中のPS4/Nintendo Switch/Xbox One/PC(Steam)用ソフト『ダンジョンに捧ぐ墓標』のレビューをお届けします。

※パッケージ版は、2021年8月5日に配信予定。

 『ダンジョンに捧ぐ墓標』は、スマートフォンを中心に『ブロッククエスト』や『ダンジョンに立つ墓標』などの良作パズルアクションRPGを出していたメーカー・ワンダーランドカザキリの最新作です。

 コンシューマーでも展開していた前作『BQM ブロッククエスト・メーカー』で好評を博した大量のギミックに、ローグライクRPG『ダンジョンに立つ墓標』の要素などが組み合わさった集大成的な作品となっています。

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

世界もプレイヤーも姿を変える成長と探索のローグライク

 拠点となる街からランダムダンジョンに出撃し、トラップや敵を切り抜けながらゴールを目指す。本作は、いわゆるローグライク系のダンジョンRPGと呼ばれるジャンルのゲームです。

 ローグライク作品はじっくり考えて動く詰将棋的なものも多いですが、そこまで難しく考えずに遊べるのも本作の魅力。ターン制のRPGではなくリアルタイムに時間が経過し、自分も敵も常に動いています。

 じっくり考えながら進むよりも、攻めの姿勢でガンガン攻撃していくことや瞬時の判断でワナを避けることが重要です。

 時間経過やダッシュで減り続ける“ブラッド”ゲージが0になっても失敗となるので、こちらにも注意が必要。とはいえ、よくあるスタミナや満腹度ほどシビアではありません。

 ブラッドゲージは新しい階層に降りたところで必ず補給できます。ブラッドを消費してダッシュすると攻撃力も上がるので、出し惜しみするよりは強敵相手に使っていくほうが正解。フロアもそこまで広くないですし、あと1階、あと1階……と探索する手が止まらなくなります。

 本作における最大の特徴と言えるのが、ダンジョンだけではなく拠点となる街の見た目も変わること。特定の階層まで到達したあとなど、条件を満たしてダンジョンから帰還すると街の構造や施設が変化している場合があります。

 買える物が変わったり、鍛冶屋が利用できるようになったりと、帰還した街によってはその後の冒険に大きく影響することも。

 もっとも街はいくつかのパターンがありますし、ただランダムなだけではありません。さらに、一度訪れたことがある街ならアイテムを使って再訪できます。

 お金が貯まったので鍛冶屋に行きたい……なんて時には違う街にテレポート! 遊べば遊ぶほど行動範囲が広がって新しい場所に行けるので、どこか普通のRPGに近い感覚もありますね。

 変化するのはソレだけではありません! なんと、街やダンジョンだけではなくプレイヤーの見た目もどんどん変化します。

 最初は“ぬけがら”状態でゲームが始まるのですが、条件を満たすことで“勇者”や“騎士”などのさまざまなボディが手に入り、自由に外見をカスタマイズできるのです。

 外見を変えると能力値にも補正がかかるので、より強力な見た目に切り替えていくと攻略が楽になります。ダンジョンも、街も、自分の姿さえも遊ぶたびに変わっていく……。プレイするごとに違う発見があるローグライクとしての醍醐味が詰まった作品です。

 街によっては“ルビー”と引き換えに、プレイヤーの外見を売ってくれる人(?)も。ルビーは壁の中に隠れているので、爆弾を使って爆破しまくるといいかも。

 もちろん、ローグライクなのでダンジョン中にやられると何もかもが消滅。迷宮内で入手した武器やアイテム、ゴールドなどもなくなってしまいます。

 そうしたシビアさこそがローグライクの魅力でもあるのですが、ちょっとした救済要素もあるのでご安心を。死亡時にゴールドを支払えば生き返って次のフロアに行けるので、お金さえあれば無理も効きます。たまにタダで生き返らせてくれることもあって、ちょっぴりやさしいところも。

  • ▲いつも……いつもタダなら、失ってしまったあの武器やあのアイテムを持ち帰れたのに……!

 力尽きても装備している武具は残りますし、レベルアップで入手したLPを使って“力を解放する”ことでステータスを底上げしたり、装備できる矢や爆弾の数を増やしたりと永続的なパワーアップも可能です。

 何度もやられるゲームではあるのですが、遊ぶうちに知識もテクニックも身に付き、キャラクターも自分自身も成長して少しずつ進める感覚が絶妙。成長と探索のサイクルがうまく、とても丁寧なバランスのローグライクです。

 “力の解放”は、最初に解放したマスを基準に隣接するマスの能力を解放していくスキルツリーのようなシステムです。こういう場合、自分はリカバリーが効きやすいど真ん中から解放するのですが、どこから解放するのかは人によって個性が出そう。

探索はサクサク、ボスは考えながら戦える絶妙なバランス

 ダンジョンRPGというジャンルなので、本作のダンジョンも複雑怪奇……ではありません! 1つ1つの階層は非常にコンパクト。同時に出現する敵もそこまで多くないので、サクサクと進められます。使えるアイテムの種類も6種類とシンプル。

 いつでも街に帰還できる“タウンポータルストーン”。スイッチの上に置いてギミックを起動したり、落とし穴を埋めて道を作れる“ボックス”。壁や強敵を爆破できる“ボム”。遠距離攻撃に加え、離れたレバーを起動できる“アロー”。HPを回復する“ポーション”。ブラッドを回復する“ブラッドポーション”だけですし、迷宮内でも頻繁に手に入るので気軽に使えます。

 最初のうちこそ敵が強く感じるかもしれませんが、遊んでいくうちに敵の対処法も身に付き、ダッシュ中に攻撃力が上がることを利用したヒット&アウェイや、弓矢と爆弾の効果的な使い方といった先へ進むためのテクニックや知識が自然と身についていくのです。

 バランスの壊れた武器で無双するゲームではなく、地道にやり方を覚えながら武器や防具を更新して強くなり、少しずつ先へ進むことが楽しいゲームですね。

 進軍するときもやられる時もサクサクなので、ついつい何度も遊びたくなってしまいます。

 普通のフロアに加えて、たまに“階層の狭間”が出現するのも良いアクセント。階層の狭間ではちょっとひねったパズルを解く必要があるのですが、良いアイテムが手に入るので挑戦したくなるんですよ。失敗したあとに解き方に気が付くと本当に悔しいですが……!

 ちなみに、迷宮内にはモンスターばかりではなくプレイヤーを助けてくれるNPCも存在しています。序盤の階層では街へ帰還させてくれる老人が出現するので、最初のうちは無理をせず5階層や10階層で街に戻るのも手。1つのフロアが小さく、短時間で探索できるので途中で戻るのも苦になりません。

 街で「モンスターを○体倒す」といったクエストを受け、迷宮を何度も周回していく感覚がやみつきになるでしょう。油断するとアッサリやられて力尽きるのですが、それもまた楽しい!!

 探索部分はサクサクですが、それに反してボス戦はガチ。特定の階層で出現するボスは、かなりの強敵となっています。

 体力も多く、ボムやアローでも全然倒れなくて、最初はどうしてよいのかわからないかも……。

 自分も「これ強すぎるのでは……!?」と驚いていたのですが、ボムやアローの装備数を増やし、相手の攻撃を見極め、対処できるようになったらあら不思議。アッサリと倒せてしまいました。

 アクションのちょっとしたテクニックが求められたり、考える楽しさがあってボス戦は別ゲーのような楽しさがあります。

 1回倒したボスは無視して下に進めたり、拠点からショートカットして途中の階層から始められるのも親切です。

 ダンジョン探索とボス戦のメリハリが効いていて、軌道に乗るとガンガン進められるのが気持ち良い! かと思いきや、油断するとアッサリ敗北。実力とランダム性が織り成すドラマがたまりません。

ゆる~いオンライン要素とやり込みが楽しくて何度もプレイしちゃう!

 そんな感じで、気が付くと1人で延々遊んでしまう本作。基本は1人プレイのゲームなのですが、実はゆる~いオンライン要素も存在しています。なんと、迷宮内にある骨に乗ると倒れたプレイヤーの遺言が見られるのです。

 ギミックのヒントや、役立つ豆知識。ネタに走った笑える遺言など、いろいろな台詞が読めてクスッときちゃうんですよ。

 別になくても問題ないシステムではありますし、あえて読む必要もないオマケ的な緩さがうれしいですね。成績を競い合うランキングも用意されていますが、この「どうでもいいメッセージ」でゆる~く繋がれるところが好きですね。

 あるあるネタも多く、岩につぶされた人たちの遺言もいっぱい見つかって笑っちゃいました。このゲーム、転がってくる岩のトラップ(つぶされると即死)が作中最大の強敵なんですよ……。

 わかっていても、咄嗟に避けるのが難しくてつぶされてグへ―! 出現頻度が多くないので、それほど理不尽には感じないのですが、岩だけは許さん! わかっていてもつぶされちゃうよ!! 

 岩に潰されたのが衝撃的過ぎて、きっと慌てて書いたのでしょう。ちょっと誤字がある笑いどころも。いや、でも気持ちはわかります。ものすごくわかっちゃう!

 クリアを目指すだけでもボリュームがあってガッツリ遊べるゲームですが、クエストをこなしてお金を稼いだり、お気に入りの武器を鍛冶屋で強化し続けたり、全国ランキングを競ってみたりと、やり込み要素も豊富です。

 謎が謎を呼ぶストーリーも簡素ながら、興味を引く作りになっています。散りばめられた謎を解き、真のエンディングを目指そうと頑張るだけでも相当長く遊べてしまうゲームです。

 まず、1回クリアしようと頑張るだけでも満足度が高い! 見た目は簡易的なブロック構造でシンプルですが、中身はとても濃いローグライクなのです。自分の好きなペースで、好きなように遊んでください。

 また、このゲームにハマった人は、自分でダンジョンをエディットできる前作『BQM ブロッククエスト・メーカー』もいいですよ。好きなようにステージを作ってシェアできるので、こちらも無限に遊べるでしょう。ランダムながら練られたステージで遊べる本作と、自由に作れる前作と2本合わせてオススメします!

  • ▲モンスター図鑑などのテキストも豊富で、クスッとくる場面も。ボリュームも遊び応えもしっかりあるRPGです。

©Wonderland Kazakiri inc.

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ダンジョンに捧ぐ墓標

  • メーカー:ワンダーランドカザキリ
  • 対応端末:PS4/Nintendo Switch/Xbox One/PC(Steam)
  • ジャンル:ダンジョンRPG
  • 配信日:2021年4月23日
  • 価格:2,530円(税込)

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