沼のようにハマるVRピタゴラ装置『ピタマスター』がいい意味でヤバい【電撃インディー#19】

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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は5月25日に発売されたPS5/PS4対応のPS VR用タイトル『ピタマスター』のレビューをお届けします。

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

『ピタマスター』(Gadgeteer)- ピタゴラスイッチ - Playstation VR(PS4/PS5)

板や玉を配置してドミノ崩しを作り出す!

 本作は、板やガラス玉などのオブジェクトを自由に設置してギミックを作るVRゲーム。

 何枚もの板が倒れていき、最後の板の先にはガラス玉が。ガラス玉が転がった先には別の板があり、ガラス玉がぶつかると板が倒れだす。そんなときどきTV番組で放送されるような大がかりなドミノ倒しをVR空間で作って楽しめます。
 
 タイトルに“ピタ”と付いている点から特定のTV番組を思い浮かべた人はおそらく正解。“あれ”を作るゲームです。

 TVなどで見たことはあるものの、現実で試そうとすると板やガラス玉など大量に必要で配置するための広いスペースも必須。さらに、作るのも片付けるのも大変。そんなできそうで少し敷居の高いことをVRで体験できるのはシンプルに楽しいですね。

 また、各種オブジェクトは普通に重力に従って配置するほか、ほかのオブジェクトに少しでも触れていれば固定される“フリーズ”という配置の仕方も可能。
 
 現実では、板で巨大な橋を作ろうとしたらそのための土台が必要になり、その土台が安定するかを気にしなければいけません。

 ですが、フリーズを使えば土台なしで橋が作れ、土台がないので橋の下のまた別のオブジェクトを配置するのも容易。規模などの敷居の高さを抜きにしても、ゲームでしかできないようなギミックを作れるのも本作の魅力でしょう。

 VRゲームである以上、操作にクセがないとは言えませんが、ボタンやアナログスティックの入力だけでカメラ位置(ゲーム内のプレイヤーの立ち位置)を変えられるので椅子などに座ったまま一切動くことなくプレイ可能。

 身長を超える高さの棚の上にガラス玉を置く、大きなテーブルの奥の方に板を配置するといった工程もプレイヤーが現実で背伸びやジャンプなどをすることなく行えます。

 ちなみに、本作はPS Moveに対応していますが、Dualshock 4を使ってのプレイでも不便さを感じることはなし。PS VRさえあれば問題なく遊べますね。

足りないオブジェクトを足してギミックを完成させる“パズル”

 そんな本作の主なゲームモードは、“パズル”と“メーカー”の2種類で“パズル”はあらかじめ用意された課題を解くモード。

 そのまま起動しても倒れた板が次の板に届かないなどの理由でうまく動かないギミックに、オブジェクトを追加してギミックを完成させるのが目的です。

 板がうまく連続して倒れていかなければ板を追加すればよく、ガラス玉が途中で板に阻まれて止まってしまうようなら事前に板を倒すなどして道を作ればOK。

 どんなギミックであれ、なぜ動かないかはひと目でわかるので自然とその解法も見えてきます。

 やり直しも簡単にできるので、オブジェクトを配置する前に一度動かしてみればどこに不都合が起きるのかも確認可能。

 一応、使えるブロック数に制限のようなものはあるのですが、制限とは関係なく配置したオブジェクトのコピーができるためノルマのようなものもありません。

 モード名こそパズルですが、パズルゲームでよくあるクリアまでの行程に悩むようなゲームではないです。

 ただ、失敗のない淡泊なゲームになっているわけではなく、オブジェクトを配置する際に既に配置されているオブジェクトにうっかり触れて動かしてしまったり、ひどいときには大量の板がバラバラと倒れて大惨事に!

 一手戻す機能はあるため、倒れたオブジェクトを元に戻すのは簡単ですが本当に一手戻すだけで十分なのか、それとも何手か戻してオブジェクトを配置しなおしたほうがうまくいくのか。

 そういったVRならではのオブジェクトの配置の仕方に頭を悩ませることがあり、だからこそギミックがうまく動いたときには達成感があります。
 

無限の可能性が広がる“メーカー”

 一方の“メーカー”は、いっさいオブジェクトがない家に自由にオブジェクトを配置するモード。

 用意されている家は、テレビがありソファがあり現実にあったら少々使いにくそうな入り組んだ棚がありと、ギミックを作るのに最適な環境になっています。

 もちろん、使えるオブジェクトの種類や数に制限はなく思いのまま。“パズル”を参考にギミックを作ったり、いちから自分のやりたいことをしたりと好きなように楽しめます。

 “メーカー”で作った自分の作品をオンラインにアップロードしたり、ほかのプレイヤーの作品をダウンロードして楽しんだりすることも可能。

 巨大なギミックを作るのには構想して、作ってみて、うまくいかないところを調整して、できあがったらまたギミックの続きを作るとかなりの時間がかかりますが、ちょっとした時間にほかのプレイヤーの作品を触ってみるという遊び方もできます。

自分で目標を作れるなら代えがたいゲーム

 “パズル”をクリアするだけならそこまで難しくはなく“メーカー”は自由にオブジェクトを配置するモード。そのため、ゲーム側から与えられた目的をこなすだけでは本作は正直物足りないでしょう。とくに“メーカー”はゲームというよりもギミックを作るためのツールという性質が強いものになっています。

 ですが、自分で作りたいギミックを構想できる。つまり、自分で目的を作り出せる人にとっては本作はいつまでも遊び続けられるタイトルになる可能性を秘めています。

 冒頭でも書きましたが、こういったギミックを作ろうとすると大量のオブジェクトに相当する板やガラス玉とそれを置く広いスペースが必須。

 この敷居の高さをVRで手軽に乗り越えられる本作は、海外と比べて敷地面積が狭い日本向けのゲームかもしれませんね。


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