これがPS5の表現力！ノンストップで次元を越える『ラチェット＆クランクパラレル・トラブル』先行レビュー

文: シュー

公開日時: 2021年06月08日(火) 23:00

　SIEから6月11日に発売予定のPS5用ソフト『ラチェット＆クランクパラレル・トラブル』。一足先にプレイを行った担当ライターのシューが、先行レビューを掲載します。

　本作は2002年にPlayStation2で1作目が登場して以来、19年間と長きに渡って愛されている人気アクションシリーズ。

　今作では、PS5ならではの読み込み速度の速さを生かしたステージの切り替えや、コントローラーのアダプティブトリガーやハプティックフィードバック機能を楽しめる作りなど、随所にアイデアが盛り込まれています。本記事では、各項目に分けて魅力をお伝えしていきます。

海外アニメさながらのコミカルさとハチャメチャ感！

　19年と続く大作シリーズにも関わらず、初体験の身でプレイ！　過去作との繋がりに置いていかれないか心配していましたが、ラチェットをはじめとするキャラたちの表情の豊かさ、強いけどどこか抜けてる憎めない敵やボス。偶然が引き起こす大惨事など、海外アニメのような笑いのテンポ、コミカルさの雰囲気はすぐつかめました。

　とくにゲーム開始早々に行われるチュートリアル。本作の"ハチャメチャ"さは冒頭から始まってくれます。突然の敵との戦闘！　爆発に次ぐ爆発！　レール上をスライドしながら高速移動の疾走感！　そして異なる次元に移動しながら、あっちこっちに跳び回るめまぐるしい展開！　

　シリアスなゲームをプレイすることが増えている最近ですが、この純粋に大冒険を楽しむスタイルが懐かしくもあり、童心に帰れるような期待と雰囲気が魅力ですね。

　また、PS5の性能を生かした作りにも注目。公式サイトでも"次元を越えて大冒険"とあるように、次元のさけめを通じて別の世界へ移動できます。まったく異なるステージに行くこともあれば、いわば裏世界のような世界に繋がることも。同じステージでも雰囲気がガラりと変わるので、探索に変化が生じたり、謎解きのきっかけになったりと、さまざまな面で楽しませてくれます。

　コントローラーの表現の細かさもPS5のスゴい点ですね。取得したアイテムの大きさに応じた微細な振動の差。お店に流れる音楽に合わせたリズムに乗った振動。キャラに当たる音の触感や重さが違うので、次世代機だなぁと感動できる場面です。

　とくに武器ガラメカの操作をアダプティブトリガーで表現しているのは面白いですね！　例えば、トリガーを浅く引くと単発の精密射撃モード。深く引くと連射モードのように、トリガーの重さがあることを利点に武器に2つの特徴を設けていました。ゲーム全体のハチャメチャさのなかにもギミックという繊細さがあり、これが戦闘に変化という楽しさに直結してて良い点。

武器ガラメカの楽しさと拡張性！　収集要素！

　ピストルやショットガン。いやいや『ラチェクラ』の武器は、そう単純じゃありません。ドリルがミサイルのように飛ぶわ、極太のビームをぶっ放すわ、スプリンクラーの水に当たった敵が植物化するわ。どれも使っていてとても爽快感のある派手さ、そして遊び心のある武器が用意されています。

　戦闘の駆け引きを楽しむというよりは、とにかく爽快感に特化した印象。武器を使った時のエフェクトの派手さ、敵を倒した際に散らばる大量のボルト（いわゆるお金的なアイテム）。

　とくにこの散らばるボルトがいい塩梅なんです。敵を倒すと、辺り一面がボルトになるくらいたくさん出てくるので、「うひょー！　大漁大漁！」って満足感がありますね。

　また武器はアップグレードによって強くなっていきます。使い込むことによってアップグレード用のパネルが拡張されていくというシステム。

　個人的に面白いなと思ったのは、武器は新しいダンジョンやステージで拾うというものではなく、ショップで買う！　そうこの世界はマネーイズパワー！　新しい武器には使い方のプレビューを動画で見せてくれるため、放り出される心配もありません。

　収集要素もだいご味！　各地に"ゴールデンボルト"なるアイテムがあり、これを拾うと近接用のレンチの見た目を変更できたり、ボルトの見た目を乾電池やルビーにできたりと、ゲームの雰囲気を変えるお楽しみ要素がはじめから用意されています。

　キャラの見た目を変更できる"アーマー"や各惑星のバックボーンを面白おかしく説明してくれる"スパイボット"など、隠されたものを探す寄り道も冒険に欠かせませんよね。新しい武器ガラメカを試しつつ知らない場所を訪れ、各地の謎に迫るのも楽しい試みでした。

毎回異なる刺激と体験が待ち受ける大冒険

　死んでも直前の状態ですぐリスタートできるので、率直に言えば、アクションゲームとしてはゆるめです。しかし、そのゲームスピードや爽快感を損なわない作りは、気軽にプレイできる本作の魅力でもあります。

　またシューティング系のアクションは強力な武器に偏りがちですが、豊富な武器ガラメカによる異なる刺激の数々、派手さ、そしてアップグレードによる拡張性もあり、武器を使いこなす楽しさがしっかりあります。

　あとは行く先々の惑星で何が起こるか想像できない"ハチャメチャ"感でしょうか。巨大生物とバトルするのかと思えば、異次元を行ったり来たりして探しものを見付けたり、捕まってる人々を助けたり。ときにはハッキングで道を開けたり、異次元を修復したり。とにかくさまざまなギミックとアイデアが詰まっていて、次の惑星では何が楽しめるのか？　という期待感と冒険感がたまらないですね。