『イース』34周年ストーリーまとめ:100冊以上の手記を残した、アドルの最初の大きな冒険【ファルコム40周年特集】
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2021年3月9日に日本ファルコムは創立40周年を迎えました。これを記念して、電撃オンラインでは日本ファルコムに関する企画記事を展開していきます。
そして、本日6月21日、1987年(昭和62年)に発売された『イース Ancient Ys Vanished Omen』が34周年を迎えたことを記念して、ストーリー振り返り記事をお届けします。
※2022年6月21日で35周年を迎えました!
【イース Ancient Ys Vanished Omen】
・発売日:1987年6月21日
・機種:PC-8801mkⅡSR
・メディア:フロッピーディスク
・ジャンル:A・RPG
・価格:¥7,800(税別)
・備考:PC(PC-9801、X1など)、FCといった多くの機種でも発売された。
・FC版はビクター音楽産業など、日本ファルコム以外によるライセンス販売も多い
・プロジェクトEGG(PC)でPC-8801mkⅡ SR版、PC-9801版、FM77AV版、MSX2版がダウンロード販売中。
『イース Ancient Ys Vanished Omen』とは?
100冊以上の手記を残し、稀代の冒険家として後世までその名が伝えられた“アドル=クリスティン”。そんな彼の最初の大きな冒険は、呪われた国と呼ばれていた地で幕を開けます。
1987年6月21日にPCで発売された『イースI』は、旅の途中でアドルが“エステリア”の話を聞き、渡航を試みるも嵐で船が壊れ、漂着するところから始まります。漂流を経て、偶然にもエステリアに辿り着くことに成功したアドルは、初めて“大きな冒険”へと挑むことになりました。
こちらでは、『日本ファルコム30周年公式記念本 Falcom Chronicle』(発行:KADOKAWA)に掲載されていた、ストーリープレイバック部分を再掲載します。
来年に35周年を控えた『イースI』。稀代の冒険家・アドルの、最初の大きな冒険を辿っていきましょう。
『イースI』システムチェック
▪体当たり
敵にぶつかるだけで攻撃できるというシンプルな戦闘システム。なお、半キャラぶん体をずらしてぶつかることで、敵に対して一方的にダメージを与えることができる「半キャラずらし」と呼ばれるテクニックが有名。
▪HPの自然回復
フィールドや町では、動かずにいると徐々にHPが回復する。お金などを使わずに回復できるユーザーフレンドリーな仕様といえる。
▪アイテム
アイテムは、所持しているだけで効果があるもの、特定のキーを押して使用するもの、装備画面で装備したのちにキーを押して任意に使用するものの3種類がある。
▪リング
特殊な力を秘めている装備アイテム。パラメータの強化や敵の動きを鈍くするものなど、さまざまな効果を持つ。
『イースI』ストーリープレイバック
【プロローグ】
かねてからの夢であった世界中の旅。それを叶えるために16歳で故郷を旅立った赤毛の青年アドルは、プロマロックの町で呪われた国エステリアの噂を聞く。その国へ向かう船は大嵐に襲われ、大地には巨大なクレーターや悪魔の塔があるという。
冒険心をかきたてられたアドルはエステリアへと向かうが、船が沈没。そして、漂着した先で魔物に襲われて意識を失ってしまう。そんなアドルがバルバドの港町の青年スラフに助けられ、ミネアの町へと到着した場面がゲーム開始直後の状況となる。
【01】占い師サラからの依頼
ミネアに到着したアドルは、占い師のサラと出会う。強い剣士を探しているらしく、装備を整えてから来てほしいと頼まれる。ドニスの落とした指輪を探したり、泉に沈んだ金の台座を見つけたりして得た資金で装備を整えると、サラはアドルにクリスタルをわたし、 6冊のイースの本の探索を頼んでくる。
【02】サラの叔母がいるゼピック村へ
サラから叔母のもとを訪ねるようにと言われたアドルは、リーボルなどの魔物が徘徊する草原を抜け、ゼピック村へと到着する。村では銀製品の盗難があいついでいるらしく、村長からは銀の鈴を取り返してほしいとの依頼を請け負うことに。ミネアでも銀関係の武具の買い占めなどがあったようだが……。
【03】ジェノクレスとの戦い
サラの叔母のジェバから神殿の鍵を入手したアドルはゼピック村付近の神殿へ向かう。内部には数体の女神像があり、その1体に触れると別の場所へ転移をする。探索を続けると、広間で魔道師らしきジェノクレスの襲撃を受ける。撃退すると壁が音を立てて開き、神殿の奥へと続く道が出現する。
【04】捕らわれの女性フィーナ
神殿の奥へと歩みを進め、あたりを探索すると、宝箱の鍵と牢屋の鍵を発見。続いて牢屋を発見したアドルは、鍵を使って中に入る。そこにはフィーナという女性が幽閉されていた。アドルはフィーナにゼピック村のことを伝え、彼女を神殿から脱出させる。こうして彼女は、ジェバに保護されることに。
【05】銀の鈴を届けてパワーリングを入手
神殿には鍵がかかった宝箱がいくつかある。鍵を使ってそれらを開けていくと、そのなかの1つからゼピック村の村長が紛失したという銀の鈴が見つかった。アドルは村に戻り、村長に銀の鈴をわたすと、村長はお礼だといって家宝のパワーリングをくれる。アドルはそれを受け取り、再び神殿へと戻る。
【06】真実を見とおす仮面マスク・オブ・アイズ
宝箱から象牙の鍵、シルバーシールド、マスク・オブ・アイズなどを入手。マスク・オブ・アイズの使い方を盗賊団の頭目のゴーバンに聞いたところ、真実を見とおせる仮面だという。神殿で使うと、それまでただの壁に見えていた場所に隠し通路があることがわかり、その先で大理石の鍵が手に入る。
【07】ニグティルガーとの戦い
2つの扉を象牙の鍵と大理石の鍵で開けて、神殿の奥にある広間に入ると、巨大な虫のような魔物のニグティルガーの襲撃を受ける。体当たりをしてくるニグティルガーを避けつつ、弱点の尻尾を攻撃して撃退すると、部屋の奥へとつながる扉が出現。その部屋の中で、イースの本のハダルの章が見つかる。
【08】命を奪われたサラ
サラとの約束を果たしたアドルは、ミネアの町へ報告に向かう。だが、アドルを出迎えたのは1人の老人だった。老人は、サラは何者かの襲撃を受けて致命傷を負い、彼女が守っていたイースの本のトバの章と、「廃坑へ」という言葉を残して息を引きとったという。アドルはサラの遺言に従い、廃坑へ向かう。
【09】レアの落とし物
薄暗い廃坑内は魔物の巣窟と化していた。探索した結果、宝箱からダームの鍵や銀のハ ーモニカ、ロダの種、シルバーアーマーなどを入手。ミネアの町の詩人レアが銀のハーモニカを探しているということを思い出して届けに戻ると、レアはお礼の言葉とともに、美しい調べの曲をプレゼントしてくれた。
【10】双子のロダの樹
ロダの種を食べると植物と話せるという住民の噂を思い出し、廃坑で入手したロダの種を食べてみることに。すると、廃坑に戻る途中、ロダの樹の声が聞こえてきた。ロダの樹の兄は、弟の樹の下に銀色の剣が埋まっていると語る。その言葉どおり、アドルは弟の樹の下でシルバーソードを入手するのだった。
【11】ヴァジュリオンとの戦い
廃坑に戻り、ダームの鍵で扉を開けて進むと、宝箱を発見。しかし、宝箱に触れるやいなや、巨大なコウモリの魔物のヴァジュリオンが襲ってくる。小さなコウモリに変化した際にはダメージを与えられないので、実体化した隙を突いて勝利をつかむアドル。宝箱には、イースの本のダビーの章が入っていた。
【12】イースの本に書かれた伝説
イースの本は古代文字で書かれているため、アドルには読めない。ゼピック村のジェバに解読してもらったところ、イースの本は過去に栄えた伝説の王国のイースについて書かれたもので、残りの本はダームの塔に眠っているということがわかった。そこでアドルは、ダームの塔に挑むことを決意する。
【13】突入! ダームの塔
ダームの塔は、盗賊団のアジトの裏にある。盗賊団の頭目のゴーバンは、そこは一度入ったら出ることができない悪魔の塔で、ウイングを使うと壁にめり込んでしまうとの忠告をくれて、アドルからウイングを預かる。こうしてアドルは、ゴーバンに案内されてダームの塔へと足を踏み入れる。
【14】奪われたシルバー製の武具
塔の中に入ったアドルは、2階でエビルリングを入手してさらに上を目指す。意外にあっさりと6階まで進むことができたが、3つの石像が置かれた部屋に入ると、石像が放つ邪悪な気によりアドルの意識は失われる。目を覚ますと地下牢にいて、シルバー製の武具がすべて奪われてしまっていた。
【15】地下牢からの脱出
地下牢では、ゼピック村で行方不明とされていたルタ=ジェンマと、壁を壊して救出に来た盗賊のドギに出会う。ドギはゴーバンの部下で、かなり前からダームの塔を調査していたらしい。ドギは、ラーバという老人も塔に捕らわれていることを告げ、その老人に偶像を届けてほしいと頼んでくる。
【16】ラーバとの出会い
ルタ=ジェンマは、像が並ぶ廊下でラーバを見たと言う。3階にそんな場所があったが、老人の姿はない。マスク・オブ・アイズを付けて廊下を見回すと隠し扉が見つかり、ラーバに出会える。ラーバに偶像をわたすと、6階の罠を回避するために必要となる、呪いを解く力を持つブルーネックレスをくれる。
【17】ピクティモスとの戦い
6階の罠を抜け、7階でシルバーソード、9階でシルバーシールドを取り戻す。その後、 8階では巨大なカマキリの魔物のピクティモスと戦うことに。複数のカマを飛ばす攻撃を避けながら、隙を見て攻撃を繰り返し、これを撃退。その奥の部屋で、イースの本のメサの章とハンマーを入手する。
【18】歩くだけで死に至る悪魔の回廊
耳障りな音が鳴り響いている11階には、急速にHPが奪われていく悪魔の回廊と呼ばれる場所がある。強引に抜けようとするものの、HPが続かず、途中の小部屋に避難することに。そこにはラーバがおり、この音は11階の外の柱に風が流れ込むことで発生するということを教えてくれる。
【19】ハンマーで柱を破壊
ラーバの助言を聞いたアドルは来た道を引き返して、11階の外の通路へと出る。悪魔の回廊に耳障りな音を発生させていると思しき柱を発見したアドルは、ハンマーでその柱を叩き壊して音を止めるのだった。こうして、無事に悪魔の回廊を抜けることに成功したアドルは、さらに塔の上を目指すことに。
【20】魔物に捕らわれた女性
13階でアドルはラーバと出会う。彼は16階から侵入できるラドの塔に女性が連れ去られていくのを見たという。ラドの塔は邪悪な者しか入れず、自分は何もできなかったと語ると、それまでの傷がたたったのか、ラーバは気絶してしまう。アドルは女性の安否を気遣い、急いで16階を目指す。
【21】コンスクラードとの戦い
ダームの塔の14階では、岩石の姿をした魔物のコンスクラードが出現。体に張りついた岩を散弾銃のように広範囲に飛ばして攻撃してくる。それを避けながら、コアと思われる中心部を攻撃して撃退。奥の部屋でイースの本のジェンマの章とロッドを入手したが、上への階段はどこにも見当たらなかった。
【22】鏡の間を抜けて
13階に戻ったアドルは、ロッドが鏡に反応しているのに気づく。鏡に触れると、突如として別の場所へ転移した。どうやら、神殿の女神像に似た仕掛けのようだ。アドルは鏡から鏡へとわたり歩き、上へとつながる階段までたどり着く。また、その途中でシルバーアーマーの奪還にも成功する。
【23】ラドの塔への侵入
15階でバトルシールドを入手したのち、16階の渡り廊下からラドの塔へと侵入。奥の扉に手をかけるが、扉はびくともしない。ラーバが言っていた、邪悪な者しか通れない仕掛けのようだ。アドルはブルーネックレスとエビルリングを同時に装備して、邪悪な気をまとうことで扉を開けることに成功する。
【24】詩人レアとの再会
閉じ込められていた女性は、詩人のレアだった。彼女はアドルに会うためにわざと捕まったのだと言い、一連の事件の犯人がダルク=ファクトという人物であること、彼にはクレリアと呼ばれる銀に似た金属でしかダメージを与えられないことを伝える。また、イースの本を読める眼鏡をわたしてくれる。
【25】ルタ=ジェンマの家系
さっそく眼鏡で本を読むと、本の1冊にジ ェンマの名を発見。ルタ=ジェンマとの関係を感じたアドルはルタを探し回り、11階でルタを発見する。ルタは、イースの本に記されたジェンマとは自分の祖先だと語り、家に代々伝わるという、呪いを解く強力な力を持つブルーアミュレットをアドルに託す。
【26】最強の装備を入手
再び上を目指したアドルは、19階で魔物に守られた宝箱からバトルアーマーを入手。さらに20階では、魔物が突き破って出てきた壁の奥の隠し部屋でフレイムソードを入手する。これらの装備と、すでに15階で入手したバトルシールドは本作における最強の装備で、数値的にはシルバー製の装備を上回る。
【27】ヨグレクス&オムルガンとの戦い
21階では、2体1組となる顔だけの魔物のヨグレクス&オムルガンが襲ってくる。顔の周囲を回る球体に触らないように、弱点の黄色い顔を攻撃する必要がある敵だ。これを倒して、呪いが施された扉をブルーアミュレットを使って開けて進むと、ダルク=ファクトが待つという最上階の25階へとたどり着く。
【28】ダルク=ファクトとの最終決戦
ダルク=ファクトはクレリアという金属でしか倒せないため、シルバー(クレリア)製の武具を装備して戦うことに。空を飛びながら、火球を次々と降らせるダルク=ファクト。さらに、こちらがダメージを与えると床に穴を開けてくる。徐々に足場が少なくなっていくが、ついに倒すことに成功する。
【エンディング】
ダルク=ファクトを倒すと、マントだけがその場に残る。そこから見つけたイースの本のファクトの章には、魔物の襲撃を受けたイ ース王国が、それを撃退して無事に平和を取り戻したことが書かれていた。また、イースの本を6冊集めた者は、民を平和に導く指導者で、大きな力が与えられるとも……。
アドルは旅の終わりを実感して、安らぎを得る。そしてイースの本に記された歴史を今一度振り返るのだった。ふと、2人の女神の姿を頭に思い描いたとき、どこからともなくまばゆい光があふれ出し、彼を包み込んだ。その光は彼を祝福しているようにも、新たな旅へと誘っているかのようにも見えた……。
TOPICS
ボイス演出など、特徴的なアレンジがされた他機種版
『イースI』は非常に多くの機種に移植されており、大抵はなんらかのアレンジがなされている。ここでは、当時のユーザーにとって思い出深いであろう、いくつの他機種版を紹介していく。まずはX68000版。他機種とは趣を異とする実写風のグラフィックとなっており、衝撃を覚えたユーザーも多いはず。
次は『I』と『II』を1つの作品としてまとめたPCエンジン スーパーCD-ROM版で、ボイス演出が導入されて話題を呼んだ。このほか、ダンジョンのマップが大幅に変更されたFC版もアレンジの点でよく知られている。
『イースI』もプレイできる! プロジェクトEGGとは?
懐かしのゲームをWindowsでプレイ! PC-9801、PC-8801、X68000、MSXなどで発売されたゲームソフトが、会員制で有料配信されています。
『イースI』はもちろん、多くの『イース』シリーズが用意されています。
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