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『風雨来記4』はシリーズらしさを継承しつつ臨場感が大幅アップ! 岐阜のディープなバイク旅を堪能

カワチ
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 日本一ソフトウェアから7月8日に発売される、PS4/Switch用ソフト『風雨来記4』のレビューをライターのカワチがお届けします。

 どうも『風雨来記』シリーズファンのカワチです。『風雨来記』シリーズをプレイしては胸が締め付けられるような失恋をし、人間的な成長を遂げているボクです。

 2021年に20周年を迎える本シリーズが復活すると発表された時には驚きました。『風雨来記3』は最近発売されたような気がしますが、これも2013年発売なので、もう8年前なんですよね~。後に発売となったPS Vita版も2015年発売なので、それからだとしても6年が経っているんですよね。

 『風雨来記』シリーズは、実写の美しい風景のなかをバイクで旅をする旅ゲーム。かわいい美少女との出会いもあるので“ギャルゲー”として捉えられることもありますが、旅先での偶然な出会いであったり、孤独な時間で自分と向き合ったりといった、旅ならではの描写が魅力だと考えている人も多いです。

 ギャルゲーは自分も大好きですが、『風雨来記』シリーズには違う魅力を感じていますね。

  • ▲本当にバイクで旅しているかのような気分が味わえるツーリングモードが大きな特徴です。

 そんな『風雨来記』シリーズが復活というのはうれしかったです。うれしかったですが! ファンならではの不安もありました。

 不安は2つあって、1つめは舞台。『風雨来記』シリーズは『1』と『3』が北海道、『2』は沖縄が舞台になっています。今回の『4』の舞台は岐阜。どうしても北海道や沖縄に比べると、これまでのような壮大な旅のイメージが湧きませんでした。


  • ▲今回の舞台となるのは日本の真ん中である岐阜。

 もうひとつの不安が360度カメラによるパノラマ映像。新要素として発表された部分で期待もしていましたが、プレイするまでは「きれいな映像を見るなら別にゲームじゃなくてもいいんだよなぁ……。『風雨来記』の味は映像とテキストの組み合わせによる表現力なんだよなー」とかイキってました。完全に面倒なファンです。すみません。


▲360度カメラによるパノラマ映像。

 まぁ、それもこれもファンならではのアツい気持ちが迸(ほとばし)っていたということで許していただければと思います。ということで、ここからは最新作『4』をプレイしたファンの率直な感想をお届けしていきたいと思います。

岐阜は舞台にふさわしい土地であることがわかった

 まず、岐阜についてですが、正直に言えばゲーム内で行ける観光スポットは北海道や沖縄に比べるとインパクトが少なかったのは事実です。

 ただ、プレイしていると自然が豊かで美しく、旅をしてみたいと思わせてくれる魅力を持っていることに気づかされます。


  • ▲岐阜といえば、つちのこ。ただし、残念ながら今年の“つちのこフェスタ”は中止になってしまいました。

 北海道と同じように、自然が豊かである一方で都市は栄えており、観光地としても賑わっています。同じ岐阜県でも訪れる場所によって見られる景色が異なるのは興味深かったです。

 なお、訪れることができるスポットは、普通の観光地だけではありません。なんでもないような畑をはじめ、地元の人しか知らないんだろうなぁというところも多いので、ディープな旅が楽しめます。

 また、ただの観光ゲームになっていないのは、主人公がルポライターで、記事コンペの“のひコン”に参加しているため。主人公がルポライターを目指した理由は過去作とつながっており、また、それに付随する形で大きな謎も新たに用意されています。シリーズファンとして「おぉ!」となりましたし、どういった結末になるかすごく気になりましたね。

 もちろん、物語を彩るヒロインはちゃんと存在。明るいお姉さんの柚原日陽や控えめで大人しい鵜瀬垂など、タイプの異なる女の子が登場します。ただ、これまでのシリーズと同様にヒロインがマップのどこにいるのかわかりづらく、攻略はちょっと難しいかも。


 一方で、予想していなかったところで偶然ヒロインに出逢えることもあり、それも旅の醍醐味といった感じで楽しいです。

 そのため、最初は女の子のストーリーを追うためにセーブ&ロードを繰り返すプレイをするよりは、会えたらラッキーぐらいの感覚でプレイするのがいいかと思います。プレイしていると地理を覚えるので、1周目は気の向くままに遊ぶのがオススメです。


  • ▲偶然の出会いも楽しいです。

 なお、地図上で行きたいスポットをマークすると、スポットまで直接移動する機能や、そこまでの経路をナビゲーションしてくれる機能があります。迷わずにたどりつけるので、土地勘のない人でも安心です。


パノラマカメラは臨場感バツグン。アドベンチャーゲームとしての魅力も維持!

 360度カメラに関しては、『風雨来記』の世界観に完全になじんでいて素晴らしいのひとことです。自分で視点を動かすことができるので、臨場感が増しています。ツーリング中も視点を変えることができるので、バイクで本当に旅をしているような雰囲気を味わえます。

  • ▲360度なのでバイクを運転する自分を見ることもできます。自分が見れてしまうことに戸惑いましたが、すぐに慣れました。

 また、グラフィック表現が素晴らしいのはもちろん、テキストで主人公の感想をしっかり伝えてくれるので、テキストアドベンチャーとしても満足できます。

 主人公はしっかり自分の考えを持っているため、「なるほど、そういう感想もあるのか」と参考になります。たまに自分とは違う考えになりますが、それはこの主人公自身がしっかりとした自我を持っている証拠だと思います。

 テキストの魅力にキャンプの食事描写があります。おいしそうな表現を読むと、とてもお腹が空いてきます。個々の料理の画像がなかったのは残念ですが、そこは頭のなかで想像する楽しみにもなっていていいかなと。

 訪れたスポットでは好きなタイミングで写真を撮影することが可能。このシステム自体はシリーズおなじみですが、カメラを構えている時も360度回転させることができるので、より自分だけのお気に入りの1枚を切り抜くことができるようになりました。

 また、これまでのカメラは一眼レフでしたが、今回は設定でスマートフォンに変更することも可能です。グラフィックが変わるのみですが、今の時代ならばこちらのほうが感情移入できる人も多いのではないでしょうか。

 インターネットモードでは記事を作成してアップロードすることが可能です。記事を作成するといっても、題材と写真を選んでアップロードするだけなので簡単。記事のクオリティによって順位が変わる他、“いいね”やコメントがもらえることも。

 Webの編集者やライターになった気分を味わえるモードになっているので、ぜひ体験してみてください。

 プレイするまでは新しい部分が不安でもありましたが、プレイした感想としては伝統を守りつつの素晴らしい進化になっていると感じました。このシステムのまま続編を作ってほしいと思いましたし、シリーズファンとしてはやはり北海道を旅してみたくなりました。

 シリーズの火を絶やさないためにも、まずは『風雨来記4』を応援したいと思いましたし、応援する価値があるぐらい、これまでの『風雨来記』シリーズへのリスペクトがある作品だと思いました。ファンも安心して手に取ってもらいたいですし、もちろんバイクや旅が好き、という新規ユーザーにも楽しんでいただきたいです。


カワチ:RPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。



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風雨来記4

  • メーカー: 日本一ソフトウェア
  • 対応機種: PS4/Nintendo Switch
  • ジャンル: ADV
  • 発売日: 2021年7月8日
  • 価格: パッケージ版/ダウンロード版 7,678円(税込)

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