『ひだまりで彼女はたまに笑う。』高橋徹先生へインタビュー。魅力的なキャラを作り出すこだわりは?

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 電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。今回は、『ひだまりで彼女はたまに笑う。』を執筆した高橋徹先生のインタビューを掲載します。

  • ▲本作の表紙イラスト(イラスト:椎名くろ先生)

 本作は、男子高校生“佐久間伊織”が、同級生で感情を表に出さない銀髪碧眼の少女“涼原楓”の笑顔を偶然見たことで始まるラブストーリーです。

 高橋先生には、本作を書くうえで悩んだところ、作家として活躍するきっかけとなった作品などをお答えいただきました。

──この作品を書いたキッカケを教えてください。

 デビュー前からひたすらラブコメ(基本は官能系です)を書いていたので今回も……と思いつつ、「今まで書いたことのない見た目のヒロインを描こう」と思いまして。

 ふと浮かんだ「銀髪碧眼の少女」というイメージから、あらゆる設定を肉付けしていきました。

──作品の特徴やセールスポイントを教えてください。

 極めてメンタルに優しい仕上がりになっています。

 会社や学校でしんどいことがあった日に、寝る前に読んで可愛さと笑いで和んでいただきたいです。

──作品を書くうえで悩んだところは?

 ストーリーは「主人公とヒロインが徐々に距離を縮めていく」という、ただそれだけのシンプルなお話です。

 なのでひとりひとりのキャラクターを深掘りして、彼ら彼女らの感情の流れを懇切丁寧に描くことにかなり時間をかけました。大変でしたがその分楽しかったです。

──執筆にかかった期間はどれくらいですか?

 キャラクターの履歴書及びプロットを、担当編集の方とやりとりしていた期間はおよそ半年ほどで、執筆自体はおよそ7日間(Googleカレンダーで確認)で終わりました。

 そのあとも推敲を重ねているので、執筆の前後のほうが圧倒的に期間が長いです。

──執筆中のエピソードはありますか?

 キャラクターの履歴書やプロットを練った時点で「このシーンではこのキャラがこういう魅力を出す」というのがわかっているんですが、執筆中に予想外の可愛らしさを見せてくれたときはものすごくテンションが上がりました。

──本作の主人公やヒロインについて、生まれた経緯や思うところをお聞かせください。

 主人公とヒロインはともに「過去にそれなりに何かあって、不器用ながらも人に優しくあろうとする」ように意識して描きました。

 「このふたりには幸せになってほしいし、このふたりの物語を読んだ方にも幸せになってほしい」と思っています。

──特にお気に入りのシーンはどこですか?

 グッとくるという意味では終盤、コミカルな意味では体育のシーン、そしてキュートな意味ではヒロインと猫が絡む各シーン(けっこういっぱりあります)が気に入っています。

──今後の予定について簡単に教えてください。

 続刊の中身をせっせと練っています。各キャラをもっと掘り下げて、もっともっと味のある日常を描くつもりです!

──小説を書く時に、特にこだわっているところは?

①「ふたりのキャラがよーいドンでおしゃべりする」だけで数十ページ持つくらいのキャラ作り

②キャラクターの感情の流れをできる限り丁寧に描く
この2点です。

──学生時代に影響を受けた人物・作品は?

 小説をきちんと読み始めたのが物書きを始めた20代後半からだったので、物書きを始めた当初に影響を受けたものでよければ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』シリーズです。

 この作品の二次創作を6年以上続けたことで色々な道が広がり、間違いなく人生が変わりました。

──今現在注目している作家・作品は?

 住野よる先生の麦本三歩シリーズが大好きです。

 ひとりの愉快な女性の心の内や行動をこれでもかと掘り下げていて、すごく楽しむと同時にものすごく参考にしています。

──その他に今熱中しているものはありますか?

 アウトプットを前提として読書をしたり、シナリオを担当することになったゲームをプレイしたり……という生活なので、「これが好きでたまらない」というものが今のところありません。書きながら「自分は大丈夫なんだろうか」とちょっと心配になりました。

──最近熱中しているゲームはありますか?

 特定のゲームにハマると、他のあらゆる媒体をインプットする時間が溶けるので……基本的に仕事で関わるもの以外は遠ざけています。面白いとわかっているからこその行動です。

──それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。

 本作には巧みな伏線も波乱に満ちた展開もありません。ただただ「穏やかな気持ちになってほしい」という意思をありったけ込めています。

 どうか手に取って、ページをめくって、ほんわかしていただけたら嬉しいです。

 どうぞよろしくお願いします!

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