爆弾で壊した岩の先に××が!? ファンタジー世界に見えて、実は…な『フェノトピア』の世界観が深い【電撃インディー#23】
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電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はフライハイワークスが贈るNintendo Switch用ダウンロード専売タイトル『フェノトピア』のレビュー後編をお届けします。
後編では、多彩なアクションと壮大な世界観、登場人物の魅力について語っていきます。
なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!
アイテムの取得によって幅広くなっていくアクション
本作の戦闘の基本は、敵の攻撃を避けつつ、連続でバットを振り回すシンプルなもの。ただし、遠距離武器や爆弾など、豊富なアイテムの取得によって立ち回りに大きく幅が出てきます。
とくに、最初の大きな町であるアータイの町で“クロスボウ”を購入すると、世界が変わって見えます。今まで苦戦していた敵を遠距離から撃破できるようになるのでとても気持ちがいい!
後半になるとより強力な遠距離武器を入手できる他、複数いる敵への攻撃も可能になっていくので、後半になるほど戦闘は快適になっていく印象です。
同じ遠距離武器でも、弧を描くように弾を飛ばす“パチンコ”と直線的に矢を飛ばす“クロスボウ”で役割が違うので、敵によって使い分けられます。
爆発して範囲ダメージを与える“爆弾”も、いい味を出しています。起爆までに時間がかかるので特定の敵以外の戦闘では使いにくいですが、敵の動きを先読みして、罠のように使うことも可能。
“クロスボウ”と比べるとそこまで戦闘向きではないですが、うまく複数の敵を巻き込めたときの気持ちよさはひとしお! 多くの敵を巻き込もうと敵陣深くに突っ込んではゲームオーバーになったのも、いい思い出です。
同じカテゴリであっても、新たな武器を入手することで新しい使い方ができるのも楽しいポイント。
基本的には後半で買える装備のほうが優秀ですが、安価で買える中古のクランクランプが、ときおり火花を散らすおかげで料理用の着火に使えるなど、思わぬ効果があるものも。
ファンタジーとSF、ポストアポカリプスが混ざり合う世界観が壮大!
一見するとのどかなファンタジー世界とも見える本作の世界観ですが、実は世界崩壊後の世界であり、旧文明を思わせる遺物がそこらじゅうで見つけられます。
オープニングで語られる“世界大戦”の記録、地下に潜った人類、そして希望の象徴である人工神“フェニックス”の創造……。ゲーム内の歴史設定はとても壮大!
ストーリーの本筋以外では、ほとんど描かれることはない過去の歴史ですが、各地には文明の残滓らしきものがそこかしこに存在します。
爆弾で壊した岩の先に“Metro(地下鉄)”の看板を見つけたときは、「おおっ」と思わず驚きました。
そのほかにも細かいこだわりが感じられるロケーションやアイテムが多数あるので、寄り道してじっくり探索してみると楽しいです。
そんな重厚な世界観設定はあるものの、本作の登場人物は実にのどかで親しみやすい人たちばかり! それでいて登場人物同士の関係性や背景はしっかいと作り込まれているので、世界に入り込みやすいです。
さらにそんな登場人物たちの魅力を、こだわりを感じられる美麗なアニメーションがさらに惹きたてます。セーブポイントから再開するときの主人公のあくびは、何度見てもいいものです。
個人的にお気に入りのアニメーションは、村で主人公が子どもに何の絵を描いているか聞いたとき、子どもが気を利かせて主人公の絵を描いているといったときの、主人公の「ムフーッ」と満足気な姿。
基本的にしゃべらない主人公ですが、リアクションは雄弁でとても魅力的です。
NPCも個性的で、街に着くとどんな人々が暮らすのか本当にワクワクします。世界中を旅する楽団や怪しい研究を続ける科学者など、クセの強い人物たちが登場。
連続イベントがあるキャラクターもいるので、彼らの動向を追っていくのが楽しいですね。
不親切な部分はあれど、多彩なアクションや壮大な世界観、豊富な探索要素など、短所以上に大きな魅力に満ち溢れている『フェノトピア』。
歯応えあるアクションを楽しみたい人や、壮大で明るい世界観を求める人にオススメの作品です。気になった人は、ぜひダウンロードして、実際に動くキャラクターたちを目撃してみてください!
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