『閃光のハサウェイ』舞台挨拶レポート。ハサウェイ役の小野さんイチオシのシーンは?
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6月11日に全国公開された劇場版『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』。
ハサウェイ・ノア役の小野賢章さん、村瀬修功監督、小形尚弘プロデューサーが登壇した、6月13日に丸の内ピカデリードルビーシネマで行われた舞台挨拶のレポートをお届けします。
ハサウェイを演じるうえで小野賢章さんが苦労したこととは?
数度の公開延期を経て、ついに待望の公開日を迎えた『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』。初日の興行収入が1億9000万円を突破し、ロケットスタートを切ったことでも話題を集めています。
6月13日丸の内ピカデリードルビーシネマで行われた舞台挨拶は、公開後初めて観客を入れての開催となりました。
公開を迎えた率直な気持ちとして、小野さん自身も公開延期が悔しかったとのことですが、それは楽しみに待っているファンも同じであり、そのフラストレーションが、盛り上がりにつながっているのではないかと話しました。
村瀬監督は、1回公開が延びたときは、当分公開されないだろうと思っていたとのこと。ついに公開されたことに安堵したとコメントしていました。
2年前に行われた初回のアフレコでのエピソードも飛び出しました。初回のアフレコには、小野さん、村瀬監督、小形プロデューサーのほか、ギギ・アンダルシア役の上田麗奈さん、ケネス・スレッグ役の諏訪部順一さんが参加。
村瀬監督はそのときの様子を「『ハサウェイ』の物語が他メディアでも展開する中で、どんな解釈で自分が映画を作るかについて軽く説明するはずが、気が付いたら1時間半経っていました……」と語ります。
アフレコに同席した小野さんは、村瀬監督の説明を聞きながらメモを取っていたそうです。ハサウェイの気持ちやキャラクター間の関係性などで台本がメモでいっぱいになってしまい、これは役柄に落とし込むのが大変だなと思ったことを振り返っていました。
続いて、役作りについての質問へ。小野さんは「バランスが難しかったですね」と語ります。ギギやケネスと話しているときの“好青年のハサウェイ・ノア”と、活動をバレないようにしなくてはいけない“マフティーとしてハサウェイ・ノア”。そのバランスを取っている間はずっと緊張の糸が張っている状態だったので、すごく大変だったそうです。
そんな小野さんが楽しかったと語るのは、クスィーに乗っているとき。このときだけは目の前の状況だけに集中できたそうで、「演じていても楽しかったです!」と話していました。
また小野さんは、ハサウェイという複雑なキャラクターに求められる演技についても苦労したといいます。最初はひとり言だと思っていた台詞が、実は周囲の人たちに聞かせてアリバイを作るための台詞だったりするそうで、その時々でどういう狙いがある台詞なのかを村瀬監督に確認しながら、慎重に進めていたそうです。
小野賢章さんのオススメは市街地での戦闘シーン!
村瀬監督は、本作の話が来た時に、まずは富野さん(原作者の富野由悠季さん)に話は通っているのかな? というのが気になったそうです。その後もケネスの乗っている馬が『逆襲のシャア』のオマージュであることなど、監督ならではの制作裏話を話してくれました。
注目してほしいシーンについて問われた小野さんは「個人的には市街地での戦闘シーンです。ものすごい迫力で恐怖を感じる、リアルですさまじいシーンだと感じました。また第1部は戦闘シーンが多いわけではないので、キャラクターの心情や表情、仕草や台詞を追いかけながら、考察しながら観てほしいです。」と語りました。
小形プロデューサーは、「ハサウェイは、はじめからドルビーアトモスを想定して作成されているので、音のこだわりについても感じてほしいです。ダンスシーンや出撃シーンなどでは音楽も含めてうまくいったな、と感じているので、ぜひ注目してほしいです」と、ドルビーシネマの注目点について熱く語りました。
その後も質問は続き、特徴的なペーネロペーのミノフスキーフライトの音へのこだわりについて「最初にペーネロペーの翼に光が流れる演出をしたところ、受け入れてもらえたので、それならばふさわしい音を付けようとなりました。収録の際は怪獣や宇宙人のような声と指示も出しています」と語る村瀬監督。
小形プロデューサーはそれを聞いて、「ペーネロペーは生物感ある動きをするので、すごくイメージとはまったなと思います」と、その魅力と出来について語りました。
また小野さんは、「4DXで見るとペーネロペーに乗っている感覚が味わえる」という話がファンの間で話されているといい、自身もいずれ4DX版を体験してみたいと話しました。
なお、小形プロデューサーによると、4DX版ではコーヒーの匂いも再現されているとのことです。
その後、本作の続きである第2部について聞かれた小形プロデューサーは、「次はいつなんだと、かなり色んな人から聞かれますが、(笑)これから頑張って作って、早く皆さんの元にお届けしたいと思っています。第1部はダバオでロケハンをしたので、第2部の舞台のオーストラリアにロケハンに行かなければなあと思っています。」と答えました。
最後に小野さんは「ようやく公開できて本当にうれしいです。制作陣一丸となって、時間をかけて丁寧に作った作品になっています。何度も観て応援していただけたらと思います。」と語りました。
続いて「ガンダムシリーズの映画の中で1番を取りたいという気持ちがあります。富野さんへの恩返しにもなると思うので、ぜひ皆さんのガンダム愛でそこまで行かせてもらえたらありがたいです」と伝える小形プロデューサー。
村瀬監督は「掘り下げられるぐらいの厚みのある作品にはなったと思うので、いろいろ探ってもらえたら幸いです。興業成績は小形くんに任せるかたちで、次を作りたいと思います」と語り、イベントは終了となりました。
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