『キミの青春、私のキスはいらないの?』うさぎやすぽん先生に聞く、拗らせ者に贈る青春ラブコメが生まれた経緯

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 電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。今回は、6月10日に発売された『キミの青春、私のキスはいらないの?』について、うさぎやすぽん先生にお話を伺ってみました。

 本作は、医者を目指す完璧主義者“黒木光太郎”が、誰とでもキスすると噂される同級生“日野小雪”と、ひょんなことから“キスしたくなったら負け”の勝負することになる、青春ラブコメディです。

 そんな本作を執筆したうさぎやすぽん先生に、“全ての拗らせ者たちに処方する原点回帰の青春ラブコメ!”だという本作が生まれた経緯や、こだわりのポイントなどをコメントしていただきましたので、ぜひご一読ください。

――この作品を書いたキッカケを教えてください。

 自分の武器はなんだろう、と思ったらあんまり無くて、そういえば医学部卒業したんだから医学ぐらいはちゃんと活かそう、と思い、“青春=病気”と結びつけたらどうかな、と考えたのがキッカケです。

――作品の特徴やセールスポイントを教えてください。

 「キスしたことないって病気じゃない?」という言葉です。この言葉、実は考えると深い言葉です。その言葉の深みと、掴みどころのない女の子に翻弄される主人公が、多くのことに悩みながら一つの答えを導き出そうとする、その過程を楽しんでいただきたく思います。

――作品を書くうえで悩んだところは?

 この本を読んで傷つく人がいないように、と配慮すること。また、配慮しながらもエンターテイメントとして成立させること。そのバランスに悩みました。

――執筆にかかった期間はどれくらいですか?

 何度も何度も修正したので半年近くかかった気がします。着想から発売まで一年以上かかったのではないでしょうか。

――執筆中のエピソードはありますか?

 わりと雪の多い地方に住んでるのですが、大雪の日に坂で車をスリップさせて死にかけました。

――本作の主人公やヒロインについて、生まれた経緯や思うところをお聞かせください。

 主人公の黒木光太郎は“不完全な完璧主義者”です。その考えはとても苦しいのですがとても共感しながら書いてました。

 ヒロインの日野小雪は、テキトーなフリして実はすごく繊細なところがあると思っています。しかし、ただ繊細なだけでなく彼女は彼女なりに強く生きてます。そんなところが好きです。

――特にお気に入りのシーンはどこですか?

 日野と黒木が歩きながら無意味に文字を読み上げるところです。あと男だけで集まってる時の会話はだいたい好きです。

――今後の予定について簡単に教えてください。

 とりあえず長く書き続けるために目の前にあるものに真摯に向き合います。

――小説を書く時に、特にこだわっているところは?

 文章がいい本が昔から好きで、一文一文とどこか印象に残るようなものにしたい、と思っています。自分が飽き性なので文章が魅力的でないとどうしても飽きてしまうようです。

――アイデアを出したり、集中力を高めたりするためにやっていることは?

 不健康な生活をしていますが、毎朝ランニングだけは欠かさずしています。そのときに音楽を聴きながらいろいろ考えることが多いです。

――学生時代に影響を受けた人物・作品は?

 町田康先生、森見登美彦先生、保坂和志先生、大槻ケンヂ先生、川上未映子先生、など、いろんな作家、ミュージシャンから影響を受けました。映画ではウェス・アンダーソン監督です。

――今現在注目している作家・作品は?

 プライベートでも猿渡かざみ先生、瘤久保慎司先生とは仲良しですが、お二人の作品は本当に楽しみにしています。

――その他に今熱中しているものはありますか?

 音楽を聴くのが好きで、洋邦ジャンル問わずいい音楽を探してます。

――最近熱中しているゲームはありますか?

 『NARITA BOY』という、テクノソードを武器に戦うインディーズのゲームにハマりました。テクノってすごいなと思いました。

――それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。

 初めまして。うさぎやすぽんと申します。多くの人に支えられて本作が生まれました。この作品が、あなたが過ごしている、かつて過ごした“青春”に対する何かになればいいな、と思っています。よろしくお願いします。

あらすじ:高校生にもなってキスしたことないって病気じゃない?

 完璧主義者を自負し、医師を志す俺、黒木光太郎は苦悩していた。

 完璧な人生にはキスが必要なのか……いや、恋愛もキスも俺を惑わせるものに違いない!

 そんなときに出会ったのは“誰とでもキスする女”と噂される同級生の日野小雪。ひょんなことからこいつと、“ある勝負”をすることになったんだが――

 「ね、チューしたくなったら負けってのはどう?」
 「ギッッ!?」
 「あはは、黒木ウケる――で、しちゃう?」

 誰がキスなんか! と思いつつ。俺は目が離せなかったんだ。俺にないものを持っているはずのこいつが、なんで時折、寂しそうに笑うんだろうか。

 ――非リア、ヤリチン、陰キャ、ビッチ。

 この世には“普通じゃない”ことに苦悩する奴らがいる。

 だが――それを病気だなんて、いったい誰に決める権利があるんだ?

 全ての拗らせ者たちに処方する原点回帰の青春ラブコメ!

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