伝染病がはびこる世界で、あなた(魔女)は苦しむ人を助ける? それとも…。人間の真価が問われる『ウィッチェ』レビュー【電撃インディー#33】
- 文
- 紅葉つかさ
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電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はCFKより配信中のNintendo Switch/PC用タイトル『ウィッチェ(Wicce)』のレビューをお届けします。
なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!
世界観は予想以上にダーク
本作は、伝染病が広まっている世界を舞台にしたアクションRPG。主人公となる魔女は、お使いに出たまま行方不明になった娘を探す旅に出る……というのが本作の物語となっています。
このような感じで始まる作品なだけあって、ダークな感じに進んでいくのかと思い始めてみると、予想以上にダークで重厚そうなストーリーが展開されます。
主人公は魔女ということで魔法が使えます。その魔法を使って魔物を追い払ったり、伝染病の治療をしたりするのですが、そうする中で“法王”から伝染病が広まった原因が魔女にあるとして、追手を差し向けられるなど散々な目にあってしまいます。
やっていることは、娘探しと人助けなのにひどい……。
本作はマルチエンディング制を採用しており、魔女の行動によってエンディングが分岐します。その行動というのが、伝染病の人を助けるかどうか。
だからといって、苦しんでいる人がいてそれを助ける力があるのにそれを見殺しになんてできません。
でも助けると“法王”に追われてしまう……。
このような感じで本作は人としてどう判断するかも問われるストーリーとなっています。
ちなみに、ストーリーとしては助けるかどうかに関係なく、“法王”から追手を差し向けられます。
アクションはシンプルながら難易度は高め
本作を進めるには、ステージの最後にいるボスを倒さなければなりません。
アクションは攻撃やジャンプなどシンプルで覚えることは難しくありません。最初のステージには、チュートリアルのように操作方法を教えてくれるので、親切な作りになってます。
また、ボタンを長押ししてから攻撃すれば、強力な攻撃になったり、しゃがみながら移動すればスライディングになったりと、派生するアクションもあるので、アクションゲームが好きな人でも十分楽しめるのではないでしょうか。
しかし、アクションはシンプルで難しくはありませんが、ステージ自体はなかなかの難易度。
まず、敵の魔物の数が非常に多い。質より量と言わんばかりにいたるところから敵が現れます。1体1体はそこまで強くないものの、敵の攻撃を受けると魔女の動きが一瞬止まってしまうので、囲まれてさらなる攻撃にさらされることもあります。
ということもあり、できるだけ囲まれないように敵と戦う必要があります。回復アイテムもありますが、入手できる数があまり多くないのであまり無駄遣いはできません。
さらに矢が飛んできたり、とげ付きの天井が落ちてきたり、敵以外にもさまざまな罠が設置されており、魔女を苦しめます。
そして、肝心のボス戦ですが、上述したように魔物になった人間が現れ、それがボスとなります。
経緯を知っているだけに、戦うことは心苦しさもあるのですが、いざ戦闘が始まるとそんなことは言っていられません。
ステージでは、同じボスと複数回戦うことがあるのですが、1回目は顔見せのような感じでそこまで強くありません。
問題となるのは2回目。1回目でしてきた攻撃に加え、新しい攻撃方法が数種類増えてあの手この手で攻撃してきます。
ただ、よく見ていれば避けられたり、隙があったりするので、そのあたりのバランスはしっかりしていますね。
むしろ1回目は攻撃方法が少なすぎて、ボス以外のステージの攻略の方がてこずったくらいでした。
本作では、アクションがシンプルな分、ステージの難易度を上げてバランスをとっているように感じました。やりごたえはすごくあります。
ダークファンタジーとアクション要素が組み合わさった好きな人にはとってもささる本作。ステージ難易度は高いものの、やりごたえもあるので、ダークな雰囲気とアクションが好きな人はぜひチェックしてみてほしい作品です。
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