そこにはSTGへの愛があった。『ProtoCorgi』開発者がゲーム制作の姿勢を語る【電撃インディー#18】

紅葉つかさ
公開日時
最終更新

 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回はKemono Gamesが開発を行う『ProtoCorgi』の開発者インタビューをお届けします。。

 本作は、かわいらしいサイボーグの子犬“Bullet”を操作する横型のシューティングゲームです。

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

ペットとの絆を考えて生まれたのが“Bullet”

――『ProtoCorgi』の注目点を教えてください。

 まずは、キュートなコーギーのスーパースター・“Bullet”をコントロールできることです。

 また、あらゆるタイプのプレイヤーに対応するゲーム内容になっており、チャレンジが好きなプレイヤーに向けた難易度の高いゲームプレイやさまざまなプレイスタイルに対応する多種多様なウェポンが用意されています。

 ほかにも“レベルエディター”でステージを編集したり、バレットの鳴き声をカスタマイズできるなど、クリエイティビティを使って遊んでいただけます。

――シューティングには横型と縦型が主にありますが、どのような理由で横型にしたのでしょうか。

 理由はいくつかありますが、主な理由は私たちが『グラディウス』や『R-TYPE』、『ダライアス』のような横型シューティングが大好きだからです。こういったゲームは私たちの幼少期には欠かせないものでした。本作のゲームプレイも、こうした横型シューティングによく似たものとなっています。

――操作する子犬“Bullet”は非常にかわいらしいビジュアルだと思います。ちなみに、操作できるキャラクターはほかにもいるのでしょうか。

 “Bullet”はとびきりキュートにしたいと思って作ったので、そのように言っていただけて嬉しいです。ですが、そのほかの操作キャラクターについては、少なくとも本作では残念ながら予定していません。

――“Bullet”は鳴き声をカスタマイズできるそうですが、どれくらいの種類がありますでしょうか。また、鳴き声以外にカスタマイズできる要素はありますでしょうか。

 正確には、カスタマイズできるのは鳴き声の“音”ではなく、“Bullet”の鳴き声の擬音語として、吠えると弾として飛び出す“BARK”となります。例えば、“BARK”の代わりに自分の名前や食べ物など、好きな単語や文章を綴るようにカスタマイズすることができます。

――レベルエディターモードでは、ステージを自作できるそうですが、具体的にはどのような点を自分で決められるのでしょうか。

 “レベルエディター”には“エディットモード”と“プレイモード”の2種類があり、『マリオメーカー』のようにシームレスに切り替えることができます。

 そこでは、ゲーム内で登場するほぼ全種類の敵や、背景、ボス、BGMを始めとする、数多くのパーツを使ってステージを編集していただけます。

 作成したレベル(ステージ)は保存して、プレイヤーのスコアやタグをつけてオンライン・オフラインで共有することができます。

 エディットできる要素は、ゲーム本編内で目標を達成することでアンロックしていくことができます。

――現代風のアレンジとして、特殊回避スキルなどが実装されているそうですが、どのような意図でこのようなアレンジをしようと考えたのでしょうか。また、具体的にどのようなことができるのでしょうか。

 例えば秘密のスキル“STOP TIME”は上級者向けの隠されたスキルです。ユーザーが“Bullet”の全能力を発見&マスターした後でも、新しいゲーム体験を楽しんでいただきたいという思いで、これらのスキルをアレンジとして加えました。

 ハイスコアを狙って上位を目指すのが好きなプレイヤーの方には、これらのスキルは必須になると思います。

――カスタマイズ要素があり、やりごたえのありそうな本作ですが、ボリュームはどれくらいになのでしょうか。

 プレイヤーによると思います。こういったゲームが好きで得意ですぐにクリアしてしまう方もいるでしょうし、そうでない方にとっては、特に上級のステージは難しいものとなるかもしれません。

 それでも、上級者・初心者問わず、ご主人様の救出を目指して旅に出る“Bullet”の冒険を楽しんでいただけると確信しています。

――開発で苦労していたところを教えてください。

 まず、私たちのチームは非常に小規模かつチリ(南アメリカ)に拠点を持つことから、この国では才能のある開発者でも世界に向けて作品を販売するということがとても難しいため、当初から困難に直面していました。

 加えて、パンデミックがリアルな問題として私たちに襲い掛かりました。“Bullet”はしばらくの間軌道を離れることを余儀なくされましたが、チームはバックステージで開発を行う方法を見つけ出すことができました。

 今回無事に、皆さまに続報をお知らせできる瞬間を迎えることができ大変うれしく思っています。

――開発をするうえで、特に気を付けている点などを教えてください。

 私たちは、過去の懐かしい気持ちを今に伝えられるようなゲームの開発に大きな力を注いでいます。シューティングゲームは、私たちの子ども時代には大切な存在でした。だからこそ、現世代のゲーマーの皆さんにも、昔ながらのシューティングゲームを現代風にアレンジしてお届けしたいと考えたのです。

 次に注力しているのは“Bullet”そのものです。自分たちのペットとの絆を思いながら、この特別な友人であり主人公となる“Bullet”を生み出しました。世界中のゲーマーも同様に、“Bullet”の中に自分たちのペット(猫や犬、そのほかでも)を見出せることを願っています。

――ゲームタイトルにこめた想いを教えてください。

 シンプルに、彼は“サイバー・コーギー”なので、そのままの意味です。

――今後、実現したい野望などありますでしょうか?

 人々、そして私たち自身にとって、ただ楽しめるだけでなく、人生を変えられるようなゲームを作ることです。

 また、ゲームスタジオとして成長してゲーム業界での仕事機会を創出することで、チリの才能ある人たちに“家”を与えて、彼らの夢の実現に貢献したいと思っています。主人公である“Bullet”については、いつか『ProtoCorgi』の続編を作ることを目指しています。

――ゲームの開発に携わることになったきっかけについて教えてください。

 チリでは、ゲーム業界でのキャリアは一般的ではなく、多くの人に知られている存在ではありませんが、私たちのチームはゲーム業界の一員であり、全員がゲームを心から愛しています。

 私たちは皆、開発者であると同時に、子どものころからゲーマーでしたから、ゲームを作る道に進んだのは自然な流れでした。

――ここ数年でもっとも感銘を受けた、おすすめのインディーゲームについて教えてください。

 インディーゲームではありませんが、『ドラゴンズドグマ』が大好きです。ゲームプレイや黒呪島での思い出は今でも印象に残っています。

 そのほかに、チームのメンバーからは『Tales of Maj'Eyal』、『Hades』、『Thumper』、『Inside』、『風ノ旅ビト』、『Loop Hero』、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』などのタイトルが挙げられました。

――最後にユーザーに一言お願いします。

 メンバーは皆、日本のゲームやメディアを人生の大半で楽しんできましたし、これらは本作のインスピレーションでもあります。日本の皆さんに『ProtoCorgi』を楽しんでいただき、今後も私たちチームの活動を応援していただけることを願っています。ありがとうございました!


ProtoCorgi ©️ 2018 Kemono Games SPA. All rights reserved. ProtoCorgi ®️ is a trademark of Kemono Games SPA. Published 2020 by Ravenscourt. Ravenscourt is a division of Koch Media GmbH, Gewerbegebiet 1, 6604 Höfen, Austria.
Developed by Kemono Games SPA.

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

関連する記事一覧はこちら