『ユージェネ』インタビューで誕生経緯を探る。ゲームキャラと会話がしたいという想いを実現
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- カワチ
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コロプラのiOS/Android用アプリ『ユージェネ』のプロデューサーインタビューを2回に分けてお届け。前半は『ユージェネ』が完成するまでの成り立ちやβ運用開始から1カ月を迎えての感想をお聞きした。
好きなゲームのキャラクターと話してみたいと思った
――『ユージェネ』のβ運用から1カ月、#ライブは無事に50回を迎えましたが、今の率直な感想をお聞かせください。
福重:今はβ期間と銘打っており、正式リリースに向けて毎日配信をおこなっている状況です。基本的なチェックのほか、お昼の#ライブやジェム消費で歌唱だけの#ライブをやってみたりと実験的なことも試している最中です。
運用体制やシステムトラブルへの対応、#ライブのクオリティそのものなどを含めてのβ期間なのですが、今のところ1日も休むことなく配信できていてホッとしています。
――トラブルで開始時間が遅れてしまうことは何度かありましたが、1日も欠かさず#ライブが開催されていますね。ファンはすでに#ライブを日常のように感じていると思いますが、毎日ゲームや歌のライブを実施するのは実際にはすごい大変でしょうね。
福重:配信が遅れてしまうときは、どれも予期せぬトラブルで現場はかなり焦っています(苦笑)。ただ、そういった点を含めて開発期間に起こらなかったトラブルへの対応ができているので、ナレッジが溜まってきています。
β運用を始める前は楽しみでもあり不安でもあったのですが、今は本当に『ユージェネ』が好きなユーザーが集まってくれている状況で、とてもいい反応をもらっています。応援してくださるメッセージもたくさんいただいており、開発一同、とても励みになっています。
――現在はツイッターで#ユージェネ会議のハッシュタグで、ユーザーから“もっと盛り上がるアイデア”や“気づいた改善案”などを募集していますが、こちらの意見をご覧になっていかがでしょうか?
福重:想像よりも凝った意見が多く、細かな部分や仕様までみてくれているんだなぁと嬉しく思っています。『ユージェネ』自体がユーザーの皆さんと一緒に作っていきたいという思いがあるため、こういった施策も積極的に行っていくつもりです。
――それは今の『ユージェネ』の温度感が好きで、このままのスタンスを貫いてほしいという人も多いのかと。
福重:とてもありがたいです。サブスクリプション機能を入れて欲しいというものや、見逃し配信の期間をもう少し延ばして欲しい、といった拡張を求めるご意見がありました。
これから、いただいた意見を参考にどこから手を付けていくかじっくり選択していこうと思っています。
――では、改めて、『ユージェネ』が、どのような経緯で生まれたのかお聞かせください。
福重:通常、ゲームのキャラクターとはコミュニケーションが取れないものですが、代表の馬場からもしもゲームのキャラクターと会話ができたらどうだろうと提案を受けたことが企画の始まりです。
『ユージェネ』の開発が始まったのは3年ほど前で、その頃はVtuberやバーチャルタレントという言葉が登場し始めていた時期でした。
そこで、ライブ配信を行うことでゲームキャラクターとプレイヤーがコミュニケーションが取れるんじゃないか、さらにそれをリアルタイムレンダリングで表現できたらストリーミング配信とは異なる、インタラクティブ性が高い全く新しいエンタメが作れるんじゃないかと考えたことが企画の経緯です。
実際にそれは可能となり、リアルタイムレンダリング表現によりARでキャラクターやアイテムを出現させたり、低レーテンシーでキャラクターとプレイヤーが一緒にゲームができたりと、送受の関係が強いコンテンツになりました。
――Aメッセージに関してはいかがでしょうか? 手紙が来たときにすごく驚きました。
福重:じつはAメッセージは初期段階では予定しておらず、開発途中で実装することが決まりました。
『ユージェネ』は配信中インタラクティブ性や没入感を大事にしつつも、「ありがとう」という気持ちは伝えたい。では、どうしようか考えるなかで、「後で送ればいいんだ!」とAメッセージのアイディアが生まれました。
――#ワールドのほうはいかがでしょうか? どのような経緯で現在のような形になったのでしょうか?
福重:当初音ゲーやアクションなどさまざまなゲームを候補として考えてはいました。ただ、ライブがリアルな時間を共有するエンタメになるため、“リアル”と親和性の高いものにしたいと考えるようになりました。
そういう方向なら、現実に寄ったリアルなマップを使ったゲームがおもしろいのでは、と現在の形になりました。例えば位置情報を使い、この時間この場所に行けばこのキャラクターに会うことができる、といったようなことです。
その思想は今もあり#ワールドはリアルマップとリアル時間を使った体験を可能にしていますので、#ワールドと#ライブを行き来するようなゲーム内外でのイベントなどもできればなと思っています。
#ライブを観るだけでなく、マップをしっかり冒険すると楽しめるような仕掛けを作るなど、お互いの繋がりを強くして、両方が意味のあるものにしていきたいです。
――#ワールドは膨大な量のクエストが存在していますね。
福重:そうですね。クエストは総数が500以上用意されており、クエストとは関係なくエール図鑑というものも300種類以上あります。クエスト一覧には表示されない“隠しクエスト”というものもありますし、ほかにも全国踏破率という要素も存在しているので、やり込みがいはあると思います。
釣りに関しても全国で釣れるものが違いますし、大きな都市にはカジノなどもあって長く楽しんで頂ける要素は多いかなと思います。
――“隠しクエスト”のような隠し要素もあるのでおもしろいですよね。じつはラジオの“アスタトーク”と連動しているクエストの仕掛けもあるんじゃないかと睨んでいるのですが、いかがでしょうか?
福重:深読みしますね(笑)。今のところ“アスタトーク”とクエストが連動した仕掛けはありませんが、クエストをクリアすると、新しいクエストが発生する仕組みになっています。そのクエストがラジオの内容と偶然一致することはあるかもしれませんが、ラジオを聞かないとクエストが発生しないということはありません。
ただし、移動中に新しい県に入ると、その県に関する“アスタトーク”をしてくれるなど、移動を盛り上げるギミックはあります。
アスタリスタたちも#ライブをすごく楽しんでいる
――アスタリスタのキービジュアル担当に藤ちょこ先生を起用した理由をお聞かせください。また、完成したデザインを見たときの感想はいかがですか?
福重:複数のイラストレーターさんが候補にいたのですが、そのなかでもとくに前向きにお話を聞いてくださったのが藤ちょこ先生でした。
まだ『ユージェネ』がちゃんとした形でお見せできるような段階にないにもかかわらず、『ユージェネ』のエンターテイメント性やキャラクターデザインに魅力を感じていただけたようで「ぜひやってみたい」というお返事をいただきました。
描いていただいたイラストの感想は「かわいい」の一言に尽きます。藤ちょこ先生のおかげで『ユージェネ』の質が一段階も二段階も上がったと思っています。そのため、アスタリスタを追加した際のキービジュアルイラストには、ぜひ毎回藤ちょこ先生にお願いしたいと考えております。
――3人のアスタリスタの魅力はどこだと考えていますか? また、毎日の#ライブを続けるなかで新しく気付いた彼女たちそれぞれの魅力、新たに推していきたい部分などは見つかりましたか?
福重:3人の歌唱、ダンス、トークスキルなどに関しては事前に把握していましたが、β運用して気付いたことは3人ともすごく楽しんで#ライブをやってくれているというところです。彼女たちはすごく前向きにチャレンジしてくれていますね。
ファンサービスが旺盛で、そういった彼女たちの頑張りや熱意はユーザーの皆さんにもしっかり伝わっているようで、そこは素直に感動しています。
――#ライブでアスタリスタからユーザーに通話がかかってくる仕掛けにすごく驚いたのですが、リスクを考えるとかなり冒険だったのではないでしょうか?
福重:そうですね。ただ、『ユージェネ』では、そのリスクを背負ってでもキャラクターとユーザーとの距離を縮めたかったんです。万が一にも事故が起きたときにはすぐに対処できるように準備していましたし、アスタリスタたちにも、その可能性が無いわけではないということは伝えていました。
――通話に出る人はいいひとばかりで自分もゲームに参加していてい楽しいです。
福重:通話対戦に出演していただいたユーザーの皆さんには本当に感謝しています。
――#ライブだと、こまかいところですが、生放送のサムネイル画像も凝っていてワクワクします。
福重:ありがとうございます。『ユージェネ』はほかのアプリのようにガチャの予告などのお知らせなどがほぼないので、かわりに生放送のサムネイルはこだわるようにしています。サムネイルを見て次の#ライブがどんなものかワクワクしてもらえると、我々としてもうれしいです。
また、サムネイルは配信が迫ってくると詳細なものに変わることもあります。
――Aメッセージが『ユージェネ』の大きな魅力だと思いますが、「こういうことをしていると送られて来やすいかも?」というヒントをもらえるでしょうか?
福重:基準についての明確な部分は伏せますが、ただ見るだけではなくコメントやエールでアスタリスタを応援したり、ゲームで高得点を出すなど#ライブにしっかり参加してみて欲しいです。
また、ロイドをカスタマイズしたアイコンを使用していたり、アスタリスタを衣装やアクセサリーなどで着せ替えたりしていると、そのことについてAメッセージで触れてくれることもあるので、より特別なコメントになると思います。
ぜひ試してみてほしいです。
カワチ:RPGとビジュアルノベルが好きなゲーマーで、誰にも気付かれないようなマニアックな小ネタを記事に織り込むのが好き。深みのあるゲームが好きかと思えば、本当は肌色が多ければなんでもいいビンビン♂ライター。
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