『メトロイド ドレッド』坂本さんが開発の苦労と自信を語る。実機プレイを見て感じた新アクションもレポート

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 10月8日に発売されるNintendo Switch用アクション『メトロイド ドレッド』についてメディア向けのイベントが実施され、その中で開発者への質疑応答が行われました。

 『メトロイド ドレッド』は先日の“Nintendo Direct E3 2021”にて発表され、2Dタイプの『メトロイド』シリーズ最新作としては、久しぶりとなるタイトル。

 発表後に行われた質疑応答には、シリーズプロデューサーである坂本賀勇さんが登場。実機プレイを交えつつ、タイトルのポイントが紹介されました。

 この記事では、そのメディア向けイベントで判明した『メトロイド ドレッド』の魅力についてお届けします。

軽やかに、俊敏にステージを駆け抜けるサムス

 実機プレイで見られたのは、ゲームの冒頭まもなくの地点のようでした。なにより印象的だったのが全体的にスピーディであること。おそらくサムスの速度は変わっていないのでしょうが、壁から壁へジャンプする“キッククライム”、狭い隙間をくぐり抜ける“スライディング”などを駆使して流れるような動きで探索しており、「移動速度が変わったのではないか?」と勘違いしたほど。

 これらのアクションのベースは『メトロイド サムスリターンズ』でも見られましたが、ダッシュしたまま止まらずに“フリーエイム”(射撃角度を自由に調整できるシステム)や“メレーカウンター”(近接攻撃でひるませるアクション)をできるようになるなど、いたるところがパワーアップしていることを感じました。

 壁が青く光る場所では“スパイダーマグネット”と呼ばれる機能で張り付きながら移動していましたが、この時にもフリーエイムで射撃が可能となっています。移動中の無防備さが減ったことにより、より安全というか、幅広い射撃が可能になっています。

 特にメレーカウンターからの射撃の追撃は見ているだけでも爽快でした! スピーディに駆けるサムスを止める赤信号のように、大きな装甲をまとった敵を、ダッシュメレーで一撃で倒していく。このスムーズさ、おもしろさは新しい体験に繋がっています。

E.M.M.I.という緊張と緩和がいいアクセントに

 タイトル発表時にも目を引いた謎の四足歩行のロボット。あれの名前は“E.M.M.I.”(エミー)と言い、特定のエリアに侵入すると襲ってくる謎の存在のようです。捕まると即死してしまうようで、実機プレイでもステルス機能を使って、“E.M.M.I.”の探索範囲から全力で逃れていました。

 ステルス機能を使っても完璧にはごまかせないようで、壁越しでも足音や射撃音などのノイズを察知して、そこに向かってくる習性を持っているようです。またサムスには通れない隙間を通過して先回りする場面もあり、エリアを抜け出さない限りどこまでも追いかけて来ました。

 前述のスピーディさ、スムーズさとは変わって、緊張感のあるエリアによっていい緩急が付いていると個人的に感じます。駆け抜けるだけのゲームにならず、また一度足を止める場所があるからこそ、スピーディさが際立つのかなと。

 そういえば実機プレイ中、一度だけ“E.M.M.I.”に捕まってしまったものの、反撃して抜け出しているシーンがありました。基本的には捕まったら即死するようですが、特定のアクションをすることで、ごくまれに脱出もできるようです。

シリーズプロデューサー・坂本賀勇さんへの質疑応答

――『メトロイド ドレッド』というタイトルは長年に渡って噂されてきました。このゲームが発売されるまで、なぜ時間がかかったのでしょうか。

 コンセプトが15年前からあったことは間違いありません。しかし当時のハードウェアでは、イメージ通りのものができないことが分かり止まっていました。

 ですが『メトロイド サムスリターンズ』で一緒に仕事させていただいたマーキュリースチームエンターテインメントさんと出会ったことが、本作を作ろうというきっかけになりました。

 特に彼らの能力やセンスがいいですね。前作で共同開発を経て我々と一緒に1つの大きな目標に向かってやっていけるチームだと確信を持てました。そういう意味では、開発できる条件が整うまでに15年かかってしまったということになりますね。

――2Dの『メトロイド』はとても久しぶりです。このスタイルのゲームが復活するタイミングが今になったのはなぜでしょうか。

 まず『メトロイド フュージョン』の次回作に来るのは『メトロイド ドレッド』であるべきだと考えていました。今このタイミングになってしまったのは、前作『メトロイド サムスリターンズ』でマーキュリースチームエンターテインメントというチームと出会い、コミュニケーションを通じ、今がこれを作るべきだと。作れる体制が整ったと、それが15年かかってしまったということになります。

――『メトロイド』シリーズをホラーにする、というアイデアはどこから生まれたのでしょうか。またどのようなインスピレーションを受けたのでしょうか。

 実は我々は『メトロイド ドレッド』を特に“ホラーゲーム”だとは考えておりません。サムスが恐怖に見舞われてしまう描写が、そのように見えたのかもしれませんけれども、むしろ彼女が恐怖に打ち勝ち、どんどん前進していく姿を描くための刺激として重要な存在だと思っています。

 元々のアイデアは『メトロイド フュージョン』に登場した“SA-X”(サムスに擬態した生命体)の遊びの緊張をもっと大きくフィーチャーして、ゲームデザインの中にうまく取り込めば、より刺激的で多彩な刺激からなる『メトロイド』ができるのでは、ということで、それを考えながら作ったのが本作になります。

――E.M.M.I.との遭遇をはじめ、カメラ演出が多く使われている印象を持ちました。この辺は意識されてのことですか。

 以前にも3Dのカットシーンと2Dのゲームビューがシームレスで繋がったようなカットシーンを使っていましたが、それで表現力が上がるということがわかりました。ですので本作でも同様に、そういう手法を使っていろいろとその場の状況であるとか緊張感とかを描いています。

 特に本作ではストーリーがとても大切になってきますので、そのあたりの表現としてもカットシーンはかなり重要なポジションを占めています。

――『メトロイド』シリーズ5部作の最終章となるのでしょうか。

 最終章と言いますか、メトロイドとサムスという敵対する両者の奇妙な運命や関係性をつづってきたのがここまでのシリーズなのですが、今回でそれらが一区切りになります。

 しかしこれで『メトロイド』が止まってしまうわけでもありません。そんな展開は皆様も望んでいないと思いますし、我々も当然望んでおりません。今後は、新しいエピソードとして何ができるかなと楽しみにしていただければいいかなと思っています。

――最後にひとこと、お願いします。

 本作は我々の自信作ですので、多くの皆さんの手に取って遊んで喜んでいただきたいと思ってます。『メトロイド』を知らない若い世代の方にも、本作のオープニングを見てもらえれば、どんな話だったのか語っていますし、むしろここから『メトロイド』というゲームの第一歩を進んでいただくということも、いいかなと思います。

 E.M.M.I.という新たなエッセンスも入っていますので、幅広い人たちに遊んでいただけるととてもうれしいです。


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