『白夜極光』開発者インタビュー。フランス料理を作る気持ちで陣営をデザイン!?

紅葉つかさ
公開日時

 Tencent Gamesより配信中のiOS/Androidアプリ『白夜極光』

 本作は、科学と魔法が織りなす幻想的な世界を舞台に、個性豊かなキャラクター達の活躍が描かれるラインストラテジーRPGです。

 本記事では、開発チームにいろいろとお話を伺ったインタビューをお届けします。

自分たちがおもしろいと思ったものをみんなに伝えたい

――本作の開発の経緯やゲームタイトルにこめた想いを教えてください。

開発責任者:大事な考えとしてあったのは「自分が好きなゲームを開発する」ということ。チームのメインメンバーは全員二次元好きとゲーム好きの人なので、二次元への愛でここへ集まっています。

 そしてこのゲームで強く伝えたいです。私たちは似たような作品が好きではありません。すべてのプレイヤーに自分が、すごい、おもしろいと思ったことを伝えたいという初心を貫いています。

 一番最初に私たちは基礎的な遊び方を考えて、“光と色どり”というメインの創作方向を確定しました。『白夜極光』という名前はメインの創作方向とストーリー方向を確定した後に考え、ゲーム名が決まったのは最後でした。

 この名前で奇妙な冒険・希望・愛・勇気と未来といったこのゲームのテーマを少しでも伝えたいです。

――開発で苦労したところや気を付けた点などを教えてください。

アートディレクター:それは、もちろんマスのデザインですよ!

 本作はラインストラテジーと謳っており、それを表現する上で、マスのデザインはとても重要だと考えました。だからマスは『白夜極光』の基礎であり、曖昧に扱うとか存在感を弱くするとかは、絶対にやってはいけないことです。

 この赤・黄・青・緑の四色は単にランダムに繰り返して表示されるだけではなく、プレイヤーにとって識別しやすくしつつも、疲れないものを意識してデザインしました。そして、そうしたクオリティをキープしつつ、その上でキャラクター・CG・UI・BUFFの表示などのバランスを取りました。これが非常に大変でしたね。

 実際の作業では100以上のデザインを作成して、その中から選んでいます。この作業は非常に大変で、日中はマスのデザインで悩み、夜はマスの悪夢にうなされる日々を過ごしていました(苦笑)。

 正直なところ、最終版でも満足していなくて、もっと改良できると考えています。プレイした皆さんからのアドバイスもお待ちしています。

――本作の注目点を教えてください。

アートディレクター:雰囲気の大きく異なる6つの陣営と、そこに属する個性的なキャラクターたちだと思います。

 例えば、地下都市・カナン城を中心とした“啓光連邦”では、古代技術と現代科学が融合していて軍事工業が発達しています。ここでは、ディーゼルパンクとスチームパンクが混ざりあった世界が見られることでしょう。

 一方で、貿易中心と交通中枢である“影ノ街”では、商会やマフィアといったエッセンスが感じられると思います。

 他にも、まるで仙界のような氷の世界“北境”、砂漠の野営地を根城に暴れる武装強盗団“R・W”、長い歴史を持つ秘密結社“真理結社”、祭司と貴族が統治する荘厳華麗な浮遊都市“白夜城”もあり、それぞれには、その地域や背景を反映したユニークなキャラたちが所属しています。

開発責任者:全体的に世界観のインスピレーションは視覚のアイディアから生まれたものです。例えば光と色どり、爽やかで明るい美術スタイル。私たちはストーリーだけでも“ファンタジー”、“ロマンチック”、“さわやか”のテーマを伝えたいので、ずっと探して、だいたい2年前にこのやや日本式のファンタジーワールドを舞台にしてのアドベンチャーストーリーを確定しました。

 開発チームのメンバーたちは『ゼノブレイド』、『ファイナルファンタジー』シリーズみたいな、時代の成り行きと王道が両立している作品が好きですので、ほかの作品よりも世界観が大きくて、内容が豊富なファンタジーワールドを作りたいです。

――本作にはたくさんのキャラクターが登場しますが、リリース時でどれくらいのキャラクターが実装されているのでしょうか。

開発責任者:89人登場する予定です。

――本作にはいろいろな派閥がありますが、そこに所属しているキャラクターはどのように決めているのでしょうか。

アートディレクター:実は、僕はフランス料理を作る気持ちで陣営をデザインしました(笑)。各皿の配置や完成度、味付けに過不足がないか、料理を出す順やリズム、マリアージュ(組み合わせの可能性)。それらが最後に繋がって輪になることで、生々しいキャラクターたちが生きるワールドステージが生まれると考えています。

 またアラカルトであれば好みの食事だけを選択できますが、コースになることで思いも寄らない素敵な出会いも届けられると思っています。

 例えば“白夜城”の陣営のデザインでは、最初にこんなことを考えていました。白夜城は、保守的で、貴族体系、宗教を深く信じる人々が暮らしている。辺境の北境と類似していますが、白夜城は表面上は静かな半面、裏で様々な動きが……。荘厳華麗な雰囲気ではあるけど、同時に野望が隠れているイメージといえばいいでしょうか?

 白夜城の視覚的なイメージでは、東ローマ帝国が圧倒的な武力や魔法を持っており、現在まで生き残っていたなら、それが白夜城のイメージに最も近いかもしれません。

 そしてこれらをより明確なデザインするために様々な物を調べていく中で、イオ・ミン・ペイ先生(※)の建築デザインと、日本の村田蓮爾先生(※)のイラストには惹かれるものがあり、ではこうした作品の雰囲気を持つクリエイターはいないのかと探しているうちに、MZT先生と出会いました。彼と何回もやりとりした後に、白夜城の基礎が生まれ、最初のキャラクター“白夜城四天使”の構図ラフが誕生したんです。

※イオ・ミン・ペイ:中国人系アメリカ人の建築家。ルーブル美術館のガラスのピラミッドを設計したことで知られる。

※村田蓮爾:日本のイラストレーター、デザイナー。代表作に『LAST EXILE』『青の6号』キャラクターデザイン担当など。ゲームでは『豪血寺一族』シリーズなど。




――戦闘ではラインをつなげて消すというパズル的なものになっていますが、これはどのように決めたのでしょうか。

開発責任者:そもそもやり方が簡単で、内容が充実しているゲームを作りたかったのでたくさんの作品を調べて研究しました。そこには典型的なSRPGゲームのアイディアも含まれています。

 その中から私たちは素晴らしいと思った基礎的な要素を選んで、私たちの伝えたいことを中心に選んだ要素を分解して再構築しました。

 それで私たちの独特なスタイルであるラインをつなげて消すという遊び方を作り、色々と試行錯誤したうえで、いま皆さんが知っている『白夜極光』になりました。

――ホーム画面などでキャラクターのイラストが動きますが、これは全キャラクターが動くように対応しているのでしょうか。

開発責任者:はい。すべてのキャラクターが動きます。

――最後にユーザーの皆様に一言お願いします。

アートディレクター:『白夜極光』は本当に開発チームがすべての努力を捧げた作品です。みなさんに体験してもらえるなら幸いです。もし好きになったら、私たちと最後まで一緒に成長しましょう。白夜の昴の下に、極光を照らす時に逢えるのを心から望んでいます。

開発責任者:このゲームは、熱意と理想を持って、二次元好きの青年たちが3年をかけて磨き上げた作品です。私たちが作ったこの幻の世界を皆さんに体験してほしいです。体験して、キャラクターとともに成長しましょう。

©Tencent Games

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